*プロローグ*
出逢えたら良かった。
でも。
「私たちは出逢ったらいけなかった。すぐに、もとの世に戻れ」
私たちは逢ったらダメだった。
彼は、そう言った。
だんだん気になってくるよクライマックス終盤が。
991:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/30(火) 17:56 >>990
ありがとう!
ホント、終盤だしね…。
スレで間に合わなくなったら、二弾としてスレ立てるね。
☆
どうやら、咲さんが告白してるみたい。
うん、邪魔しちゃ悪いよね。
「ごめんなさい」
沖田さんが、断った。
ホッとして、胸をなで下ろす。
それ以外、大したことは何ヶ月かなかった。
けれど────────・・・。
伊東さん率いるグループが、独立し、近藤さんを暗殺しようとしているらしい。
藤堂さんがそんなこと考えるわけない!
「絶対、違いますよ!」
私が、ずうっと否定していても、最後まで聞き入れられなかった。
そして・・・。
油小路で、伊東さんグループの藤堂さんが、討ち取られた。
「嘘だ!」
私は、グッと唇を噛んだ。
血が出るくらい。
そうしないと、泣いてしまうから・・・。
「どうか、もうみんなが死なないでほしい・・」
祈っても、無駄で。
ある人との、別れが刻一刻と近付いてきた。
11,さようなら咲さん
鳥羽・伏見の戦いで、新選組が駆り出された。
そんなにみんなを死なせたい幕府なら、滅びてしまえば良いのに・・・。
「行ってくるな、夏音」
咲さんが、男装して刀を持った。
なんだか、咲さんが帰って来ないような───・・・。
そして、私は沖田さんから重要な話を持ち掛けられた。
「これからは、土方さんについて行ってください」
それは、病気のせいなの?
それとも、私が嫌いなの・・・?
沖田さんが、顔を強ばらせた。
「私たちは、出逢ってはいけなかった。もとの世に戻れ」
えっ・・・。
沖田さんは、続ける。
「はやく。もう、二度と逢えるか不安ですけど・・・」
良かった。
私は、嫌われてなかった。
その夜。
訃報が入った。
ひとつは、原田さんが戦死したこと。
もうひとつは、咲さんも戦死したこと。
「これが、夏音宛てに・・・」
私は、届けられた手紙を開く。
達筆に、
『今までありがとう。会津に行くとしたら、私の妹、お雪に「生きて」と伝えてくれないか?それだけで良い。どうか、総司と幸せに。 咲』
と、書かれていた。
さようなら、咲さん─────。
まだ泣いちゃいけない。
私は、零れる涙を拭った。
12,別れと二つの死
しばらくして、私は蝦夷地に行くことになった。
もちろん、土方さんについて行ってね。
「寒そうですね!」
こんな場合だけど、私はニコッと笑った。
じゃないと、今までの悲しみが零れてしまうから・・・。
「だな、防寒をしろ」
だよね、防寒対策しないと!
私は、いつの日も一日一日を大切に、沖田さんと話していた。
手をつないだり、慈しみながら。
別れの日。
私は、少し泣いてしまった。
なぜか、もう二度と会えないような、戻って来れない気がするの・・・。
「大好きです」
二人して視線を絡ませて、キスして。
私は、泣く泣く沖田さんと別れ、蝦夷地へと向かった。
また二人戦死してしまったね…
沖田さんとの別れが辛いね。
あと少し頑張って下さい🙇
>>994
ありがとう!
ついに別れがね…。゚(゚´ω`゚)゚。
はいっ、頑張りま〜す!
はぁ・・・。
私は、蝦夷地に着いてから何度目かの溜め息を吐いた。
「安心しろ。便りも届いてる、だろう」
土方さんの言うとおりだけどさ・・・。
と・・・。
「副長!局長が!」
兵士が、ある手紙を渡した。
それに目を通した、土方さんが石化した。
「あぁ・・・」
私は、その手紙を奪い取って見た。
そこには、局長が処されたと・・・。
私は、目の前が暗くなるのがわかった。
その後。
慟哭する土方さんをなだめすかすのがひどく難しかった。
ひと月経った、頃か。
私に、最悪の悲報が入った。
「嘘でしょう・・・!?」
沖田さんが、亡くなった、と。
今度は私が泣きわめき、しばらく誰も手を着けられなかった。
心の一部が欠けたような気がして、ずうっとずうっと泣いた。
「俺は、戦う」
土方さんの決意を聞いて、私は心を決めた。
私だって、戦ってやる。
もう二度と、誰も死なないように───・・。
もう夏音と土方さんだけが残ったの?
斎藤さんはどうなったのか心配だね…
私も更新しました。
>>997
ありがとう!
斎藤さんは、生きてるよ(*^^*)
頑張ってね!!
※長レスかも
☆
13,戦死と気付いたキモチ
私は、鉢巻きを巻いて、刀を抜く。
艶やかに濡れたように光った、美しい刀身をスッと前に出す。
よしっ!
シミュレーションはばっちり。
「行ってきます!」
開戦とともに、私は走って敵を斬りつける。
飛び散る血飛沫に知らんぷりして、次の敵へとかかる。
ゾクゾクする喜びに、胸をおどらせてる自分に戸惑いながら。
何時間経ったのか。
私に、不幸の報せが入ってきた。
「嘘だっ!」
私は、なりふり構わず駆け出した。
着いた先に、斎藤さんの姿が見えた。
顔を綻ばせる暇なく、私は横たわってる土方さんに寄る。
「土方さんっっ!死なないでくださいよっ!」
青白い顔が、いや、そのまぶたが震えた。
僅かに目が開いた。
「・・・すまない・・・」
今は、謝る場合じゃないよ!
私は、必死に止血する。
もう間に合わないと知っていても。
土方さんが、私に向けて、
「・・・俺は、・・・夏音が・・・好きだ・・・」
ああっ!
そんな言葉は、生き抜いてから言ってよ!
私は、涙がこぼれるのも構わず、体を揺する。
「・・・生きろ」
それだけ聞こえて、今度こそ土方さんはまぶたを開けなくなった。
次第に、息すらしなくなって────・・・。
「ああっ!・・・嘘よ!!」
みんな、死んじゃった。
私は、慟哭した。
そして、やっと気付いた。
私、たぶん心のどこかで恋愛感情に似た、感情で土方さんが好きだったんだね・・・。
もう、このキモチは伝えられない。
私は、むせび泣いた。
14,時空のはざまで愛を囁いて
ふいっと、誰かが私の前にたつ。
水干姿の、黒髪の男の子。
「君のお母さんが作った、マシーンは壊れたよ。だから、君も帰るんだ」
帰るの・・・?
その子は、ニコリと笑った。
「最後に、時空を結んであげる。沖田総司に挨拶しにいきなよ」
私の視界が揺らいで、目の前に、沖田さんが!恐らく、元気な頃の。
「約150年後に、また逢いましょうよ、沖田さん!」
声がかれても良い。
私は、離れ離れになるのを覚悟し、叫ぶ。
沖田さんが、ふわっと微笑んだ。
「約束ですね。愛してます」
そして、私たちは時空のはざまで愛を囁いた。
15,約束とエピローグ
私は、家の中にいた。
お母さんがいて、いつものように実験室から叫んだり。
そんな、日常の切れ端が見える。
「お母さん・・・マシーンは?」
お母さんは、笑った。
そのお腹は、少し膨らんでる。
「壊れた。直るまで、数年かかるわね」
私は、泣きたいようなそれでいて、笑いたいようなキモチになった。
ちゃんと、約束したよね。
未来(イマ)でまた巡り逢うって・・・。
私は、確かに時を駆けて、初恋*した。
ううん、初恋*したんだよ、絶対に。
時を駆けて、初恋*します。
永遠に、あなたと巡り逢うそのときまで、そのときから───────・・・。
私が再び、沖田さんと巡り逢うのは二年後・・・。
『時を駆けて、初恋*します。』end
あとがき
はいっ!
リリカです。
なんと!
祝!『時を駆けて、初恋*します。』が完結しました!
始まってから約5ヵ月。
いろんな方からの、コメントでここまで来れました。
最後のほう、めちゃくちゃかもしれません、自分で書いといてですね!
私的に、すごくうれしいです!
実は、この後の話を、短編小説板で書こうかと考えてます。
良ければ、そちらも(*^^*)
*thanks*
アーヤ
(いろいろコメントくれてありがとね!励みになったよ(*´ω`*))
ろぉ様
(的確なコメントありがとうございます!また、新選組トークしてみたいです(´V`)♪)
瑞
(コメントありがとう!瑞の小説、大好きだよ〜!)
梨子
(コメントありがとね!私も、梨子の文章に憧れてるよ(*^o^*))
むぅ
(コメントありがとね!むぅ、これからも仲良くしようね(´V`)♪)
他にも、読んでくださった方々、ありがとうございました!
>>1000は、感想などで埋めてくださって結構です。
※荒らし厳禁!!!
では、新作で会いましょう。
皆さんすごいですね!
1001:1001:Over 1000 Thread このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててください。