暗殺教室〜もうひとつの物語〜Part5♪

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1:みゆき:2016/04/20(水) 06:38 ID:g/M

Part4の続きです
そっちが終わったら
ここへ!
X荒し、なりすまし
O雑談、小説
です
よろしくお願いします♪

732:黒猫&◆WA:2016/05/21(土) 21:51 ID:Mrw

えっ!?これって最終回系!?

733:凪海 (*」゚∀゚)」:2016/05/21(土) 21:52 ID:ySs

殺せんせーの過去は飛ばす予定であり、もうそろそろ終わります(`・ ω・´)ゞビシッ!!

734:凪海 (*」゚∀゚)」:2016/05/21(土) 22:05 ID:ySs

私が書く「暗殺教室」では、海の真実が全て明らかになったので、これからちょくちょくでるかも……。

735:黒猫&◆WA:2016/05/21(土) 22:10 ID:Mrw

もうすぐ終わっちゃうんだ!ちょっと寂しい!
でも、海ちょくちょく出るんだ!!!やったー!

736:かめ♪:2016/05/21(土) 22:47 ID:Qvk

凪海)教えてくれてありがとう

737:凪海 (*」゚∀゚)」:2016/05/21(土) 23:18 ID:ySs

かめ♪)いえいえ(∀`*)ゞ

738:凪海◆L6 (=゚ω゚)ノ ―===≡≡≡ dice2:2016/05/21(土) 23:50 ID:ySs

>>726

 その後、海は国の手配により発信機と触手細胞を取り除くために烏間先生につれられて姿を消した。
 あの日以来、海からは何の連絡も来ず、LINEをしても電話をしても通じることはなかった。
 そして、1月になった。

渚「調子はどう? かや……あ、雪村さん」
茅「茅野でいいよ。みんなから呼ばれてるうちにこの名前、気に入っちゃった」

 そう言って、茅野は笑った。
 触手を取り除かれたとはいえ、殺せんせーから「しばらく絶対安静が必要だ」と言われていた茅野は、2学期終了後、即。病院に入院することとなったのだ。

杉「冬休み、つぶれちゃったな」
茅「3学期にはぎりぎり間に合うよ。でも……、みんなの冬休みだって……」

 ………。

杉「暗殺とか、言える雰囲気じゃなくてな」
茅「ごめんなさい、私のせいだ……。私は、お姉ちゃんの真実が全てわかって、やっと心の整理がついたけど。その代わりにみんなは、殺せんせーの過去を知ってしまって……」
渚「違うよ、茅野。いつかは知らなきゃいけなかったんだ」
奥「みんなが、全力で背を向けてきたんです。少しでも長く、『楽しい暗殺』を続けるために……」

 海の言っていた「覚悟」って、こういうことだったのか……。

茅「渚はどうするの?」

 茅野に聞かれて、僕は今抱いている気持ちを告白した。

渚「ちょっと、やってみたいことがあるんだ。冬休みが明けたら、みんなに相談してみるよ……」

 それと、ちょっと恥ずかしいけど……。

渚「か、茅野……。あのときのこと、ごめん!」
茅「え?」
渚「あの夜は、あの方法しか考えつかなくて……。もしかして、怒ってる……?」
茅「……ま、まさか! 助けてくれたんだもの。感謝しか出てこないよ!」
渚「よかった〜。『友だちやめる』って言われたらどうしようかと、心配で……」

 僕はすごくほっとして、溜め息をついた。

茅「き、気にしすぎっ! ずっと普通に友だちだってば!」
神「……そろそろ帰りましょう、渚くん。茅野さん、まだ万全じゃないみたいだし」
渚「あ、そうだね」

 僕らは帰り支度を始めようとしたけれど、神崎さんはとまったままだった。

奥「どうかしたんですか?」
神「言おうかどうしようか、迷っていたんだけど……」

 神崎さんは迷うような表情をしながら、ドアの方に視線を向けた。

神「入ってもいいと思うわ」

 ?
 誰に言ってるんだろう。
 神崎さんの言葉を合図に、ゆっくりと、ドアが開かれた……。

渚「え……?」

 そこにいたのは!

739:黒猫&◆WA:2016/05/22(日) 10:29 ID:Mrw

きゃーーーー!!!続き気になるーーーーーー!!!
どうなるのー!!!

740:葉月 美桜◆hc 更新頑張るー!:2016/05/22(日) 11:59 ID:Jqw

あわわわわっ
すっごい気になるっ

741:黒猫&◆WA:2016/05/22(日) 13:27 ID:Mrw

ほんとに!!!!!!

742:凪海◆L6 (=゚ω゚)ノ ―===≡≡≡ dice2:2016/05/22(日) 14:28 ID:ySs

>>738

 そこにいたのは!

海「久しぶり」
渚「海……」

 車いすに乗った海は、ゆっくりと僕らに近づいた。

渚「か、神崎さんは気づいてたの……?」
神「ここに来たときにね、ちょうどLINEが」
海「国で公式の病院に行って発信機と触手細胞を取り除いてから、一般の病院に入院しても大丈夫だって話になってさ。烏間先生に『あかりはどこに入院してるんですか』って聞いたらここにいるって言われて」
奥「車いすだなんて、大丈夫なんですか?」
海「いろんな薬品を体から全部抜き取ったらさ、しばらく体が動かなくなっちゃって……。あ、でも大丈夫! リハビリとか毎日してるし、足も体もすぐに元通りになるよ」

 ほっ……。

神「それじゃあ、私たちは行くわね」

 神崎さんが僕らの背中を押した。

☆(茅野side)

 渚たちがでていったけど、私たちは一言も話さなかった。

海「調子はどう?」
茅「平気……」

 海ちゃんが車いすをゆっくり押しながら窓に近づいた。

海「あかりさ、殺せんせーのこと。もう恨んでない?」
茅「うん……。海ちゃんは?」
海「……私さ、本当は『死神』に対して恨みはなかったんだ」
茅「え?」

 思いもよらない言葉に私は驚いた。
 あの日、海ちゃんが話した過去では「死神」を恨んでいるような言葉しかでてこなかった。それなのに……。

海「本当は、怖かったんだ……。あのとき、刺されたときにさ。自分を守る言葉も力もなかったから、だから。それを手に入れたいって思ったんだ……。でも、そんなのは偽りの力でしかなかった。本当の強さってさ、手に入れるだけじゃ無理だって。あの教室に来てから気づいた」
茅「そうだね」

 そうだ、強さなんて手に入れるだけじゃ無理だ。私も結局、強くなりたくて。殺せんせーを殺したくて、触手を手に入れた。でも、そんなのは……。

海「それとさ、あかり。そろそろやめない? その……『ちゃん』付けとかさ」
茅「え?」
海「……私、こう見えて一応。戸籍上は雪村の子なんだよ? 姉妹で『ちゃん』付けはおかしいって」
茅「……そうだね」

 海ちゃ……海は笑っていた。私も笑い返した。でも、すぐに海の笑いは何故か、ゲスな笑い方になった。

海「で、さっき廊下で耳そばたてて聞いてたんだけどさ、あんた。渚にホレたの?」
茅「うぇっ⁉」

 な、何言ってんの⁉

海「どうなのぉ?」
茅「う、海こそどうなの? 渚のこと……」

 すると海は微笑んだ。

海「好きだよ。でもさ、あかり。私が彼のこと好きだからって、あんたはあんたで諦めたらダメだよ」
茅「うっ……」

 私が渚のこと好きっていう、前提で話してるよ……。

海「ねぇ、あかり」

 海は私に近づいて、私の手をとった。

海「あぐりさんはさ、私に勇気をくれたよ。一歩踏み出す勇気。私はそれがあったから頑張れた」
茅「うん」
海「それとね、あかり。あんたがあのクラスにいてくれて良かった。ま、裏を返せば4月いっぱい一生懸命あんたを探してたのに、何故かこのクラスにいるってオチ。私の1ヶ月間の努力が一気に無駄になった瞬間の衝撃といったらなかったなぁ」
茅「あ、あはは」

 私は何を言えばいいかわからず、とりあえず笑っておいた。

海「長らへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき」
茅「? 何それ」
海「あれ、知らないの? 百人一首なんだけどさ、『長く生きていれば、今どんなにつらくてもいつかは懐かしい思い出となるのだなぁ』みたいな感じの意味。私もちゃんとは理解できてないけどさ。ま、要するに『明けない夜はない!』って言ってるのと同じだよ」
茅「い、いい加減だね」

 ………。

茅「……私、本当にあのクラスに来られてよかった。海、本当にありがとね」
海「え⁉ やだ、やめてよ! お礼とか恥ずかしいからっ! てか、私何もしてないし」
茅「ううん、そんなことない」

 私は笑って海を見た。もしかしたら、私は泣いていたかもしれない。海はそんな私を見てしばらく唖然としていたけれど、やがて彼女はくるりと背を向けた。

海「そ、そろそろリハビリの時間だから行くね! また明日」
茅「うん、バイバイ」

 海はそう言って車いすで去っていく。私は彼女の後ろ姿を見ながら言った。

茅「ありがと、海……」

〜END〜

743:凪海 ( &:2016/05/22(日) 14:32 ID:ySs

ひと段落したら、>>610にあるみゆきのリクに答えます!!

744:玲:2016/05/22(日) 14:43 ID:emg

感動の涙がたまんまい....( ;-;)ノ感動〜

最終的にどう結ばれるんだろ....(渚カエを期待する我がいる....)

なんかいいの来たから書きたい....書きますか!

745:玲:2016/05/22(日) 14:52 ID:emg

手なわけで早速書いた!

渚視点

僕は懐かしい小さい頃の夢を見た
その夢は僕が迷子になった同じ歳の女の子と一緒に遊んだ時の事だった
少し長い黒髪で可愛く笑う女の子
たった1日で僕の心を奪われた....
そう....あの時僕は初めて恋に落ちた

746:凪海 ( &:2016/05/22(日) 15:47 ID:ySs

一応、今回の話は恋愛系は含んでいるけど、無視している部分もあるので誰が誰と結ばれるというところは考えてないよ〜。

747:黒猫&◆WA:2016/05/22(日) 17:10 ID:Mrw

うぅぅ!
いいお話だったー!!

748:凪海:2016/05/22(日) 17:14 ID:ySs

黒猫、本当にありがとうございました。

みんなも応援ありがとうです。

749:葉月 美桜◆hc 更新頑張るー!:2016/05/22(日) 17:16 ID:Jqw

凪海さすがぁ〜!!

750:橘 舞花☆赤髪の殺し屋◆Us テスト期間突入!:2016/05/22(日) 17:45 ID:p/I

凪海お疲れさん!
マジ泣ける〜!
親いないからいいけどw

また感動とかそういう系の短めなの書いてほしいな!

お疲れ様!凪海!

751:黒猫&◆WA:2016/05/22(日) 18:16 ID:Mrw

凪海!
(ノ´∀`*)イエイエ!凪海の小説とっても面白かったよ!
毎日凪海の小説を見て元気出してた!!!!
いつも面白い小説ありがとう!

752:凪海:2016/05/22(日) 18:52 ID:ySs

 _/ ̄ ̄ ̄ ̄\ありがと
Σ_     ∪ ゜∀゜)
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

753:黒猫&◆WA:2016/05/22(日) 20:18 ID:Mrw

(o゚▽゚)ゞどーいたまぁです♬

754:凪海◆L6 ホィ(ノ゚∀゚)ノ ⌒dice6:2016/05/22(日) 20:29 ID:ySs

あかりside

 あれはそう、3年も前の話だ。私がまだ女優業を目指す前……というか、子役になりたいなぁ。それともどうしようかなぁって迷っているときのこと。
 たまたま訪れた公園で、2人の同い年の子に会った。

海「ハハッ」
渚「う〜。相変わらず海はひどい……」

 1人は着物を着ているのに帽子をかぶっているというちぐはぐな格好をした女の子。もう1人はかわいらしい服を着た……女の子?

海「じゃあさ、渚。次はこれでどうよ」
渚「え?」

 着物の子がシロツメクサで編んだ花かんむりを女の子(?)にかぶせた。

海「うん、超似合う!」
渚「あ、あんまり嬉しくない……」
海「そうかなぁ?」

 そこで、着物の子がこっちを向いた。
 やばっ! ずっと見てたのがバレる! そう思って慌てて視線をそらそうとしたんだけど、着物の子がこっちに近づいてきて、私の手をとった。

海「君、名前は?」
あか「え?」
海「だぁかぁら! 名前っ!」
あか「あ、あかり……」
海「そっか。じゃあ、あかりって呼ぶね」

 そう言って着物の子は私の手を引っ張った。私はされるがまま。というかこの子、すごく力が強い!

渚「う、海。いきなり引っ張ってきたらその子にも悪いよ……」
海「だって遊びたそうな顔してたんだもん。なっ!」

 着物の子はこっちを向いて同意を求めてくる。私は思わずうなずいていた。

海「よし、それじゃあ遊ぼう!」
あか「ちょっと待って。な、名前を教えて!」

 私は思わず声をあげた。着物の子はきょとんとしていた。

渚「自己紹介してなかったの?」
海「そういや忘れてた」

 ………。

海「ま、いいや。私は海。よろしく」
渚「僕は渚だよ」
あか「ぼ、僕⁉ あなた、女の子じゃないの?」

 思わずそう言うと、その子はすごくショックを受けた顔をしていた。

海「アハハッ。ま、そう見られても仕方ないんじゃないかなぁ。彼は正真正銘の男の子だよ」
あか「あ、そうなの? なんかごめん……」
渚「ううん。平気だよ」

 この世界には色々な子がいるんだなぁ。なんて思った。

海「あ、あかりにもこれあげる!」

 そう言って海ちゃんは私の頭に何かを置いた。

あか「?」
海「シロツメクサの花かんむり。知ってる? シロツメクサの花言葉ってね、『幸運』って言うんだって。でも、大好きな人にあげるときは注意してね」
渚「どうして?」
海「シロツメクサには『約束』っていう花言葉もあるんだけど、その『約束』を破っちゃうと転じて『復讐』になっちゃうからだよ」

 怖っ!
 というか、それを笑顔で説明している海ちゃんのほうが怖いかも……。
 私は渚くんと顔を見合わせた。

海「あ、渚。君、もう塾の時間じゃない?」
渚「⁉ うわっ、ホントだ。ごめん、海、あかりちゃん。僕もう帰るね」
海「バイバーイ」
あか「あ、さ、さようなら!」

 渚くんは近くに停めてあった自転車に走っていき、それに乗って走り去った。

海「あかりは家どこ? よかったら送っていこうか?」
あか「え⁉ 大丈夫だよ」
海「そう? あ、私たちいつもここに16時くらいに集まるんだ。でも、渚は塾があるから17時には解散するんだけどね。よかったら、また明日も来てね。バイバイ」
あか「う、うん。バイバイ!」

 私たちはそうやって別れた。



 で、結局私はその日以来、この公園に行くことはなかったんだけど……。
 そんなこと、あの2人は覚えていないんだろうなぁ。
 そう思いながら私は、隣で楽しそうに談笑している渚と海を見た。

海「なぁ知ってるか? シロツメクサの花言葉」
渚「あー、知ってる。『幸運』だっけ」
海「それとさ……」
茅「『約束』だよね。で、転じて『復讐』だっけ」

 そう言うと、海と渚がこっちを向いてきょとんとした。

渚「あれ、その話。どっかで聞いたことある……」
海「私も誰かに話したような……」

 私はそんな2人の顔を見て、くすくす笑った。

755:凪海:2016/05/22(日) 20:32 ID:ySs

ちょっと時間がなかったので、短編にしてみました。

756:黒猫&◆WA:2016/05/22(日) 20:48 ID:Mrw

面白い!!!!短編でも面白い!!!!

757:橘 舞花☆赤髪の殺し屋◆Us:2016/05/22(日) 21:29 ID:p/I

れいたんじゃないけどなんかいい!
渚カエ・渚あかに填まりそうw

そういえばシロツメクサのかんむりの作り方知ってる人いる?
私はこの前友達に教えてもらったよ!
初めてにしては結構うまくいったw

758:黒猫&◆WA:2016/05/22(日) 21:50 ID:Mrw

うちは知らなかった!!

759:みゆき:2016/05/22(日) 22:03 ID:i02

凪海神!!!
ありがとう!!!

760:凪海 ♪〜(´ε`;):2016/05/22(日) 22:29 ID:ySs

私もシロツメクサの花かんむりの編み方知らない(;¬∀¬)ハハハ…

761:黒猫&◆WA:2016/05/22(日) 23:09 ID:Mrw

花のかんむりって可愛いよねー!!!!!

762:凪海 ♪〜(´ε`;):2016/05/22(日) 23:28 ID:ySs

(☞▪∀▪)☞ソレナ

763:黒猫&◆WA:2016/05/22(日) 23:43 ID:Mrw

゚+。(。・ω-)(-ω・。)ネー。+゚

764:かたしょう (=゚ω゚)ノ ―===≡≡≡ dice2:2016/05/23(月) 06:36 ID:XeY

ナギすごいなー

765:たこさんウインナー:2016/05/23(月) 07:27 ID:0IU

私知ってる
この前なんか沢山作って皆にあげててもらえなかった子泣いちゃってたもん…

766:橘 舞花☆赤髪の殺し屋◆Us:2016/05/23(月) 07:34 ID:p/I

そんなに欲しかったんだね
でも可愛いし欲しくなる気持ちも分かるかもw

767:凪海◆L6 (ノ ゜Д゜)ノdice4:2016/05/23(月) 16:28 ID:ySs

海がいる設定にするんでよろしく!
あ、ちなみに千速の続きです。だいぶ前のだけどww
。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.

>>652

 私のLINEのグループには「E組図書委員」というグループがある。E組女子の一部で読書同盟みたいなものを海が勝手に作り始めて、参加しているのは私と海と神崎と狭間。私が千葉について話すことになったきっかけは、海の一言だった。

「久しぶりに読んだけど、やっぱり『嵐が丘』はいいね!」
「え、海ちゃん。そんな怖そうな本を読んでるの?」
「復讐小説にしては邪道すぎるわ」
「相変わらず綺羅々は辛口コメントだなぁ」

「嵐が丘」っていうのはイギリス人作家、エミリー・ブロンテが書いた小説の名前だ。人付き合いの苦手な老紳士が「嵐が丘」という屋敷を訪れるところから物語は始まる。そこで老紳士はその屋敷で働いている家政婦を語り手として、「嵐が丘」にまつわる話を聞くことになる。
 物語開始以前、キャサリンとヒンドリー兄妹が住んでいた「嵐が丘」にヒースクリフという孤児が兄妹の父親によってつれてこられた。キャサリンはヒースクリフと仲良く過ごしていたが、反対にヒンドリーはヒースクリフが嫌いだった。父親が死に、ヒンドリーが「嵐が丘」の後継ぎになると彼はヒースクリフを召使い同然のように扱うようになった。それからしばらくして、キャサリンは「スラッシュクロス」という屋敷に住む息子、エドガーに求婚されて結婚してしまう。そのことにショックを受けたヒースクリフは彼女の前から姿を消した。やがて戻ってきた彼は復讐を開始するのだった。
 というのが、海がかつて話していた「嵐が丘」の内容。一応、恋愛小説でもあるそうだ。私は読んだことないけど。というか、本が分厚いのはさておくとしても表紙が怖かった。暗くて、まるで絵に呑みこまれてしまいそうな感じがした。

「ちょっと、相談があるんだけど」

 そう送ると、すぐに海から返信が来た。

「おや? 凛香から相談なんて珍しいね」

 本当は矢田に送りたかったんだけど、今日はピアノのレッスンの日だから送れなかった。

「もしかして千葉となんかあったの?」

 ………。
 海はすごく勘が鋭い。それとも私が分かりやすすぎるんだろうか……。

「人に素直に気持ちを伝えるにはどうすればいいのかなぁって、思ったの」
「そんなの。好きな人には『好きです』って言えばいいだけの話じゃん」

 ………。
 相談する相手、間違えたかも。

「海ちゃん。そんな簡単なものじゃないわ」

 神崎がすぐにフォローに入ってくれた。

「そういう海はどうなの? 渚に告白したの?」

 狭間が珍しく、恋愛話に食いついてきた。

「いや、ま……。というか、『互いに抜け駆けは無しね』って言われたばかりなんだけど……」

 と、海は言葉を濁した。

「でもさ、きっと言わないと伝わらないよ。って、綺麗ごとを並べてみる」

 海はすぐに話題を変えたものの、言い方はなんだか変だった。海はもしかして、恋愛に関しては色々と疎いというか。苦手なところがあるみたいだった。こういうところは女の子らしいというか……。
 そのとき、神崎が言った。

「私は直接、面と向かって言うことは苦手だから、LINEとかメール、あるいは手紙とかで本当の気持ちを綴(つづ)るかな」
「そうね。面と向かって言えないことは文にするといいわね」

 神崎ならわかるけど、狭間にも面と向かって言えないことがあるのか……。

「うん。わかった。ありがと、3人とも」

 そうお礼を言うと、

「ファイト(^O^)」
「頑張ってね」
「とりあえず、応援はするわ」

 と返ってきた。
 さて、早速だけど……千葉に連絡するか。緊張するけど。

768:凪海◆L6 \(^ω^\Ξ/^ω^)/イェイ!イェイ!:2016/05/23(月) 16:38 ID:ySs

なかなかうまくいかない小説……(・。・;)

769:ゆっきー:2016/05/23(月) 17:24 ID:mlI

千速!

770:黒猫&◆WA:2016/05/23(月) 18:05 ID:Mrw

凪海!そんな事ないよ!!!!めっちゃ面白い!!!

771:ゆっきー:2016/05/23(月) 18:24 ID:mlI

うん、面白いよ〜

772:凪海◆L6 それで? :2016/05/23(月) 18:34 ID:ySs

メモに#dayoneと打ってみて!!

773:黒猫&◆WA ♯dayone:2016/05/23(月) 19:30 ID:Mrw

打ったよー!!

774:凪海◆L6 なるほど :2016/05/23(月) 19:47 ID:ySs

あ、#は半角文字だよ。

775:葉月 美桜◆hc #dayone:2016/05/23(月) 20:17 ID:Jqw

#dayone

776:葉月 美桜◆hc それで? :2016/05/23(月) 20:18 ID:Jqw

ごめん間違えたー!

777:葉月 美桜◆hc 更新頑張るー!:2016/05/23(月) 20:18 ID:Jqw

あっそーいうことですか!
なるほどー!

778:凪海◆L6 なるほど :2016/05/23(月) 20:19 ID:ySs

ネタ思いついたんで、再び3つ同時にやろうと思う。
ま、どれか1つは必ずサボり気味になるだろうけどwww

779:凪海◆L6 (=゚ω゚)ノ ―===≡≡≡ dice2:2016/05/23(月) 20:48 ID:ySs

新作!(おそらく長編)
あ、しつこいようですけど海はでるんで。よろしく!

。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥
渚side

海「こんちはー」
あぐ「海、もう学校終わったの?」
海「うん。あ、殺せんせーもこんちはー」
殺「はい。こんにちは」

 元気よくE組の校舎に入ってきたのは本郷海。本校舎の生徒なんだけど、何故かよくE組に来る。そんでもって、本校舎生徒の中で唯一。殺せんせーのことを知っている。彼女は元・殺し屋なんだって。ビッチ先生の後輩らしい。

海「やっほ、みんな!」
倉「あ、海ちゃん。おっはー」
海「おっはー」

 海は倉橋さんとハイタッチをしてから僕のところへやってきた。

海「やっほ、渚」
渚「おはよう、海」
カ「また来たんだ、海」
海「また来てやったんだよ」

 そう言いつつ、海はカルマくんともハイタッチをしていた。

海「今日はいったい何をするのかなぁって、見学ついでに遊びに来た」
不「今日は烏間先生が造ったアスレチックを攻略するんだよ」

 僕の隣の席にいる不破さんの目は燃えていた。アスレチック攻略は岡野さんの得意分野なんだけど、最近は不破さんもハマってきたようだった。

海「マジで⁉ じゃあ私もそれに参加する!」
岡野「海っちもやるの? 負けないよ〜」
海「ひなた強いよなぁ。ま、私も負けないけど」

 A組の生徒なのに、海は僕らE組に対して仲良く、対等に接してくれる。
 彼女が僕らのクラスにやってきたのは4月になってからだ。



4月

あぐ「あ、待って、海!」

 雪村先生が慌てる声が聞こえて、僕らはなんだろうと廊下から顔をのぞかせた。

海「へぇ、ここがE組かぁ」
あぐ「もう」

 雪村先生が困ったような顔をしていた。そこにいたのは、女子だった。ていうか……。

渚「ジ、ジャンヌ⁉」
海「? あ、渚じゃん。久しぶりだね」
奥「だ、誰ですか?」
渚「え、えーっと。僕の幼なじみというか、昔の知り合いというか……」

 どう説明すればいいんだろうか。

海「ちなみに、本名は本郷海。椚ヶ丘中学校A組の生徒です!」
寺「ケッ。A組が何の用だよ」

 寺坂くんが迷惑そうな顔をしていた。

海「だって、あぐりさんがE組のみんなと仲良くしてほしいってお願いするからさぁ。どんな子がいるんだろーって思って見学を……。お、あ! しにが……じゃなかった。殺せんせーじゃん。お久しぶり! って、一か月ぶりか」
殺「う、海さんではないですか⁉ あれから体調の方は?」
海「へーき、へーき」

 え、殺せんせーとも知り合い?
 いったいどうなってるんだ?



岡野「じゃ、海っち。さっそく行こうよ!」
海「オッケ。負けないからなぁ」

 海は岡野さんと一緒に走って教室をでていった。
 さてと、僕も校庭にでようかな。

780:凪海◆L6 へぇ :2016/05/23(月) 20:54 ID:ySs

えーっと、今回の話は「もしもの話」です。
もし、雪村先生が生きていたら? という感じで。
(;−ω−)ウーン、まぁ。彼女がいなかったから「暗殺教室」はある意味で成り立ったんだけどね……。

雪村先生が生きているってことは、茅野カエデはいないってなるけど。とりあえず、でるから心配しないで。というわけで、よろしくお願いします。
ギャグ創作で終わりそうな気がする(朱・´ー・`)<はわわ

781:凪海◆L6 たしかに :2016/05/23(月) 21:54 ID:ySs

あ!?
海の苗字……雪村の姓にするの忘れてた。
ごめん、そういうことでよろしく!!

782:黒猫&◆WA ♯おもろーwwww:2016/05/23(月) 22:14 ID:Mrw

面白い!!!!!!
海が出てくるやつほんとに面白い!!!!

783:橘 舞花☆赤髪の殺し屋◆Us:2016/05/23(月) 22:29 ID:p/I

『新シリーズ開幕ってわけだ!』

なんかこのセリフ、アニメで不破さんが言ってた気がするから使ってみたw

784:橘 舞花☆赤髪の殺し屋◆Us:2016/05/23(月) 22:30 ID:p/I

あれ?

785:橘 舞花☆◆Us:2016/05/23(月) 22:31 ID:p/I

凪海とかみゆがやってるやつ出来ない(涙)

786:橘 舞花☆赤髪の殺し屋◆Us:2016/05/23(月) 22:32 ID:p/I

だめだ…
諦めよう…

787:凪海 わくわく :2016/05/23(月) 22:34 ID:ySs

↓↓↓これをコピーして、メモに貼っつけてみて↓↓↓

#dayone

788:橘 舞花☆◆Us それで? :2016/05/23(月) 22:35 ID:p/I

どうだ!

789:凪海 うふふ :2016/05/23(月) 22:35 ID:ySs

(''∇^d) ナイス☆!!

790:橘 舞花☆赤髪の殺し屋◆Us だよね :2016/05/23(月) 22:37 ID:p/I

あっ!
来た!
#dayoneの

『n』が『h』になってたw
そりゃ出来ない訳だw

791:凪海<偽者>MOW:2016/05/23(月) 22:42 ID:ySs

舞花)たしかにw

792:凪海◆L6:2016/05/23(月) 22:43 ID:ySs

あ、偽物った。
ごめん。

793:凪海◆L6 わくわく :2016/05/23(月) 22:56 ID:ySs

何回言うかわかんないけど、海でまぁす。(>>168にあるA班に入れます)
*(●ゝω・●)*:;;;;;;:*(●ゝω・●)*:;;;;;;:*(●ゝω・●)*:;;;;;:*(●ゝω・●)*

>>272

「茅野っ!」

僕は磯貝くんから電話を奪い取って、思わず声をあげていた。
しばらくの間、音は何も聞こえなかった。小さく、何かポップな曲が聞こえる以外は……。

「ま、彼女を無事に返してほしければ急いで賞金首を連れてくるんだね」

そうして電話は切れてしまった。

「……どうする?」

千葉くんが僕らを見た。

「と、とりあえず。茅野っちがどこにいるか見つけるのが先決だよ」
「そうだな。こっちにはGPS探知ができるクラスメイトがいるし! というわけだから、律。茅野のスマホの居場所を探知してくれ」

僕らは律の次の言葉を待った。ところが……。

「すいません。どうやら茅野さんはスマホを学校に置き忘れているみたいです」



「そんなっ!」
「打つ手がないじゃないか」
「で、でも。殺せんせーの嗅覚を使えば……」
「いや、その必要はないよ」

否定したのは海だった。

「どういうこと?」
「さっきの通話、あれをもう一度聞き直すべきだよ。律」
「あ、はい。では再生してみますね」

謎の人物の声、僕らの声、茅野の声……。

「な?」
「いや、な? って言われてもわからん」

うん、全然わかんない。

「は、早く答えを言ってよ、海!」
「いや、もう答えがでてんだけど……」

海が困ったような顔をした。

「じゃあ、律。さっきの通話。もうちょっと高くして」
「はい」

音量が上がって、もう一度再生。
謎の人物の声、僕らの声、茅野の声……。

「あ」

カルマくんが声をあげて、すぐにニヤリと笑った。

「てか、逆に海。どんだけ耳いいんだよ」
「いや、聞こうと思えば聞こえるよ。第一、人間の耳はそういうのに特化している動物だし……」

海はそう言って僕らを見回した。

794:ゆっくり楓:2016/05/24(火) 18:08 ID:MVI

僕宛のコメントもあったのに、すいません。
長らく顔を出せませんでした。

795:黒猫&◆WA:2016/05/24(火) 19:54 ID:Mrw

ど、どんな声が!?

796:たこさんウインナー:2016/05/24(火) 20:10 ID:0IU

海耳良いんだ!
そう言えば海って誰が作ったのオリキャラだけど

797:凪海◆L6 Σ(゚ロ゚」)」:2016/05/24(火) 20:14 ID:ySs

私が作ったオリキャラです!!

798:凪海◆L6 Σ(゚ロ゚」)」:2016/05/24(火) 20:14 ID:ySs

2

799:凪海◆L6 Σ(゚ロ゚」)」:2016/05/24(火) 20:14 ID:ySs

1

800:凪海◆L6 Σ(゚ロ゚」)」:2016/05/24(火) 20:14 ID:ySs

800!!

801:凪海◆L6 Σ(゚ロ゚」)」:2016/05/24(火) 22:04 ID:ySs

>>779

あかりside

あか「うー……」

私が机に突っ伏して唸っていると、友だちの唯香が声をかけてきた。

唯「どしたのよ、あかり」
あか「お姉ちゃんに彼氏ができたらしいんだけどさ、なかなか教えてくれないんだよ……」
唯「え、彼氏⁉ たしかお姉さんって柳沢って婚約者がいるんじゃなかったっけ?」

唯香にそう言われた瞬間、私はふふふと笑った。

あか「新しくできた彼氏さんが、柳沢からお姉ちゃんを奪ったんだよぉ〜!」
唯「何それ、すごっ!」

この話を初めてお姉ちゃんから聞いた時、本当にすごいと思った。あの柳沢からお姉ちゃんを奪うとか、まるでラブコメみたいだった。

唯「あかり、あれ」

唯香が指し示した方向、窓の外を見た。手を振っている子がいる。

唯「今日も来てるんだね」
あか「うん。……唯香、私帰るね」
唯「うん、バイバーイ」

教室をでて校門前に走っていくと、椚ヶ丘の女子制服を着た子が待っていた。

あか「お待たせ、海」
海「教室で話し込んでたみたいだけど、大丈夫なの?」
あか「全然平気ー」

海は私の双子の妹……と、世間的ではなっている。本当は血が繋がっていない赤の他人。柳沢の実験の被験者だったらしいんだけど、お姉ちゃんにある日、連れられて私の前に現れた。



海「はじめ、まして……」
あか「……お姉ちゃん、この子誰?」
あぐ「柳沢さんのね、実験の被験者だった子なの」

柳沢がどんな実験をしていたかを私は知らない。でも、国で非公式の実験をしているということはお姉ちゃんから聞いていた。

あぐ「一応ね、私たちの妹なのよ」
あか「い、妹⁉」

私は目を白黒させた……。



海「そろそろ暑くなってきたから、今日は冷しゃぶにしない?」
あか「いいね、それ!」

私たちが仲良くなるのに、そんなに時間はかからなかった。今では一応、なんでも話せる仲。

あか「ねぇ、海はさ」
海「うん?」
あか「お姉ちゃんの彼氏さんに会ったことある?」

そう聞くと、海は目を大きく見開いた。
え、何その反応……。

あか「ねぇ、どうなの?」
海「あ、会ったことはあるけど……」
あか「むぅ……。私だけ仲間はずれじゃん」
海「あ、あはは。でもその人……人か。うん、その人ね。けっこう忙しい身らしいんだ。でも、いつかは会えると思うよ」

曖昧な答えを返された。

802:みゆき もうすぐテスト〜!:2016/05/24(火) 22:38 ID:i02

すげぇ…

803:ゆっきー:2016/05/24(火) 22:40 ID:sfU

800おめー

804:凪海◆L6 Σ(゚ロ゚」)」:2016/05/24(火) 22:40 ID:ySs

楓、お久しぶり!

805:橘 舞花☆赤髪の殺し屋◆Us え? :2016/05/24(火) 22:49 ID:p/I

800おめ!

806:凪海◆L6:2016/05/25(水) 00:15 ID:ySs

>>767

LINEをしようとしたところで、千葉からいきなり通知が来た。
え、ちょっと待って!

「大丈夫か⁉」

何が?

「海から連絡があって、速水に何かあったって……」

う、海……。
まぁ、きっと彼女なりの配慮なのだろう。

「大丈夫、なんでもなかった」

そう送ると、即座に

「そうか」

………。

「ねぇ、電話してもいい?」
「いきなり⁉」

私の言葉に千葉が驚いた返事をした。けれど……。

「いいよ」

と即座に返事が来た時、私はその返事が欲しかったにもかかわらず、緊張してきた。

「じゃ、電話するね」

私はLINEで通話しようと思ったけど、普通に電話しようと思った。
しばらく、向こうから受話器が降りる音が聞こえなかった。
やがて……。

「もしもし」

という、千葉の声が聞こえた。

807:黒猫&◆WA:2016/05/25(水) 19:39 ID:Mrw

800オメーーー!

808:竜牙:2016/05/25(水) 19:48 ID:OtI

わー。テスト期間中にすごく進んでますね……。ごめんなさい。何も言わず更新せずにいて……。
みんなの小説!好きです!溺れてます。こんな私ですが改めてよろしくお願いします!

809:葉月 美桜◆hc 月がキレイですね〜…なぁんてね!:2016/05/25(水) 21:13 ID:Jqw

さすが凪海〜!
みゆもがんばろ〜いろいろと笑

810:黒猫&◆WA:2016/05/25(水) 22:25 ID:Mrw

テストぉーーーーー!!!!!あーーーーー(°∀°)ぁあ"あ"ぁ"あ"あ"あ"

811:凪海◆L6:2016/05/26(木) 00:08 ID:ySs

>>793

「私、あんまりこの町について詳しくないからなんとも言えないんだけど、とりあえず。ここらでめっちゃ車が通る場所で、なおかつ。この音楽が聞ける場所なんだけど……」

そう言いながら海はスマホをいじって動画サイトを呼び出すと、そこからさらに検索をかけて音楽を流し始めた。僕らは聞き耳を立てた。
どこかの有名な遊園地でよく使われている音楽だった。

「じゃあ律、もう一回あの通話を再生して」
「はい」

そして再生される通話。僕らは、今度は外の音に注意した。

「あ!」

たしかに海の言うとおり、車が激しく行き交う音やあの音楽が流れている。でも、ときどきジャンルの全く違う音楽も流れたりした……。
どこかで聞いたような、このメドレーみたいな音楽……。

「ここって、もしかして椚ヶ丘駅の西口にあるデパートから流れている音楽じゃない?」

中村さんの言葉に僕らはハッとした。どうりで聞いたことがあると思った!

「じゃ、そこに狙いを絞ろう」

そして僕らは茅野を助けるために作戦をたて始めた。

☆(倉橋side)

みんなと別れてから30分くらいたったかな? 磯貝くんから連絡が入った。

「茅野の居場所がわかった」
「ホントかっ⁉」

私たちは互いにハイタッチをして喜んだ。
本当に良かったよぉ〜。
けれど、次の磯貝くんの言葉が私たちに衝撃を与えた。

「ただ、今は殺し屋に捕まってるそうだ」



「そいつから連絡があって、なんとか居場所がわかるところまではいけたんだ。相手の狙いは殺せんせー。これは疑いようもない事実だ」

え、でも……。

「殺せんせーを殺すのに生徒を人質に取るだなんて、賞金目当てじゃないのかしら」

寿美鈴ちゃんの言葉に私たちは「そうだね」とうなずきあった。

「いや、賞金目当てではあるらしいんだ。ただ、相手が茅野をさらった理由が……その。存在しない生徒を人質にとるってことで」

存在しない生徒……?
カエデちゃんはクラスの一員なのに、どうして……。
私の隣にいた桃花ちゃんが声を上げた。

「あ! 雪村あかりちゃんってことか!」

あ、たしかに!

「相手も手段を選ばねぇな」

村松くんが言った。

「俺たちは今から犯人の居場所へ乗りこむ。それから、もしも今後犯人から連絡が来たらそっちに行くようになってるから、穏便に犯人を説得してくれ」

任せて!

812:凪海◆L6:2016/05/26(木) 02:21 ID:ySs

>>801

渚side

もうすぐ夏休みになる。僕らはA組に期末テストで勝った報酬として南の島へ行くことが決まっていた。
そこで、僕らは……。

「え、私も行っていいの⁉」

そう言う海の言葉に、僕らはうなずいた。

「だ、だって私A組だし。みんなと一応は張り合ってる仲だよ⁉ それなのに……」
「海はもう、僕らの大事な仲間だよ」

すると海は顔を真っ赤にして、「そ、そうかな……」と恥ずかしそうにつぶやいた。

「あのさ、もしも私を誘うんだったらもう1人いいかな」
「それってもしかして、浅野クン?」
「違う」

カルマくんの言葉を海は即座に否定した。

「うーんと……」

そこへ雪村先生が教室に入ってきた。

「あら、海。来てたのね?」
「あ、あぐりさん。……あのさ」

そう言って海は雪村先生に近づいた。

「そうそう、海。みんながね、海も一緒に南の島にどうかなぁって」
「それはもう聞いたんだ。ただ……そこにあかりを誘ってもいいかな」
「え、あかりを⁉」

雪村先生がひどく驚いているけど、誰だろう、「あかり」って。

「うーん……」
「ね、いいでしょ。大丈夫だよ、私がすぐに馴染めたクラスだからあかりもすぐに慣れるって!」
「私の口からはなんとも言えません。決めるのはあかりよ」
「よっしゃ!」

海は1人で喜んでいるけど……。

「で、誰なの? 『あかり』って」

中村さんが聞いた。

「私の双子のお姉さんだよ」
「ふ、双子⁉」
「顔は全く似てないけどね」

海は苦笑しながら言った。
いったい、どんな人なんだろう。「あかり」って。

☆(あかりside)

夕飯の準備をしていると、ちょうど海が帰ってきた。

「ただいま〜」
「おかえり、海」

海は靴を脱いでこっちにやってきた。

「ねぇ、あかり。夏休みって予定ある?」
「ないけど……」

味噌汁の味を確かめながら答える。うん、いい出来。

「じゃあさ、あぐりさんの彼氏さんに会ってみない?」
「⁉」

いきなりの不意打ち発言に、再度味見をした味噌汁をふくところだった。

813:凪海◆L6:2016/05/26(木) 02:22 ID:ySs

ごめん、「交流」のスレに一回、間違えて書き込んじゃった.゚.(ノДヽ).゚.

814:黒猫&◆WA:2016/05/26(木) 16:21 ID:Mrw

凪海!
それあるあるだよーwwww私も何回か違うスレに書き込んじゃう時あるwwww

815:たこさんウインナー アプリに尊敬:2016/05/26(木) 18:02 ID:FXk

だよねーなんおかしいと思ったよ…
800おめ★☆

816:凪海◆L6 だよね :2016/05/26(木) 19:59 ID:ySs

\( ˙Ο˙ )/

817:凪海◆L6 ホィ(ノ゚∀゚)ノ ⌒dice6:2016/05/26(木) 20:33 ID:ySs

>>812

「いきなりすぎない?」
「うん、いきなりだとは思ったよ。でも、あぐりさんの彼氏にさ、会ってみたくない?」

 海の何か狙いをつけたような目に、私は興味をそそられる。

「たしかに、そうだけど……」
「なら決まりね」

 と、あっという間に決められてしまったんだけど。

「え? ていうか、どこに行くの?」
「南の島」

 どこよ、そこ。

☆(渚side)

夏休み

 僕らが島に着くと、海が出迎えてくれた。

「お疲れー」

 海は僕らより先に島に来ていた。えーっと、雪村先生の妹さんも一緒にいるらしいんだけど。
 雪村先生が海に聞いた。
 
「海、あかりは?」
「それがさ、恥ずかしがってでてこないんだよ」

 そう言いながら海は困った顔をして殺せんせーを見た。

「姉の彼氏が人外だって知ったら、あかり。どう思うかな」
「え、か、かかかか彼氏⁉ な、何言ってんのよ、海!」
「あれ、違うの?」

 海は今度は僕らを見た。
 中村さんが即座に言った。

「私たちもてっきり、雪村先生は殺せんせーと付き合ってるもんだと思ってたけど」
「え、な、何を言って⁉ ね、ねぇ、殺せんせー?」
「え、あ、え⁉」

 そんな2人の様子を見て、海はにやにや笑っていた。
 始めからそれが狙いだったのかな……。

「まぁ、殺せんせーのことは後回しにしておいて。みんなに紹介するよ」

 海は僕らに「こっちへ来て」と言って走りだした。

「おーい、あかり。みんな来たよー」

 僕らが泊まるホテルの玄関に着くと、海はそこで声を張り上げて雪村先生の妹の名前を呼んだ。

「どこに隠れてんのさ、ったく」

 海はしばらくそこら辺をウロウロしていたけど、やがて。

「あ、みーっけ」
「⁉」

 近くの物陰がガサガサ動き始めた。海はそこへ行き、

「ほら、早くでてきなよ」
「え、でも……」
「大丈夫だよ、みんな人間だから」
「……それどういう意味?」

 海が引っ張って来た子は……。

「かわいい子じゃん!」

 岡島くんが即座に言った。
 たしかに、僕も見惚れてしまった……。
 雪村先生に顔は似ていないけれど、黒髪のところが似ていた。ウェーブのかかった、綺麗な髪だった。

「彼女が雪村あかり。あぐりさんの妹だよ」
「はじめ、まして……」

 雪村さんは頭をさげて僕らに挨拶をした。僕らもなんとなくそれにならって頭をさげた。

「え、てか磨瀬榛名じゃん!」

 三村くんの言葉に僕らはハッとした。
 たしかに!

「あ、えっと。前に、その名前で役者をしてました……」
「マジで⁉」

 雪村さんは恥ずかしそうにコクリとうなずいた。
 僕らがそれぞれ黙っていると、海はいらいらしたように声を上げた。

「あー、もう! かたっくるしいなぁ。あかり、敬語なし!」
「うぇっ⁉」
「それからみんなも、そんな離れた位置にいないでもっと近くに来てよ! なんでこんな他人行儀なのさ、みんな!」
「なんかごめん……」

 僕らは2人に近づいていった。

818:凪海◆L6 (;`・ω・)つdice3:2016/05/26(木) 20:50 ID:ySs

>>806

 私は緊張して、声がでなかった。何か言わなきゃと思うたびに、何を言えばいいのかわからなくなる……。

「……速水、聞こえてるか?」
「あぅ、うん、聞こえてる、よ……」

 親がいなくてよかった。いたら絶対怪しまれるもの。

「なんで急に電話なんだ?」
「………」

 どう答えればいいんだろう。
 声が聞きたかったから、なんて言えない。恥ずかしいし。

「速水?」

 名前を呼ばれるけど、返事ができない。
 息が、苦しくて。

「大丈夫か?」
「う、ん。大丈夫……」

 大丈夫なのかな、私。
 千葉の声が聞こえなくなった。ちょっと、不安になる。
 私は壁によりかかった。冷たい壁は熱くなっている頬に心地よかった。
 
「今日は、悪かったな」
「どうして、謝るの?」
「……女子ってさ、いきなり男子に手を握られたら嫌だろ?」

 どう答えればいいのかわからなかった。
 嫌とかそういうのではなく、でも、さっき握られたとき。すごく心臓がドキドキして、息が、今みたいに苦しくなって。どうしようもなくなって。千葉の声も、遠い遠い世界にいるみたいに感じて……。
 
「嫌とか、そういうのじゃなくて。なんか、その……恥ずかしかったっていうか。ドキドキしたっていうか……」
「⁉」

 電話の向こうでガタガタと激しい音が聞こえた。

「だ、大丈夫⁉」
「あ、ああ。平気だ……」

 そ、そう……。
 私はほっとした。

「私さ、今まで男子と付き合ってなんて、来なかったから……。何をどうすればいいのかとか、そういうの。よく、わからなくて……」

 千葉は黙っている。
 不安になるけど、心臓もドキドキして、電話の向こうに聞こえやしないかと、ひやひやしてるけど……。
 千葉が私の手をとって、銃を一緒に持ってくれたとき。そのまま体を預けてしまいたいような衝動にかられた。でも、きっとそんなのは気のせいじゃないかとか。そんなことも、チラッと考えた。
 私は結局、何を言いたいんだろう。
 何か言わなきゃと思えば思うほど、何を言えばいいのかわからなくなる……。

819:華月 杏◆dA 精神的に死んでる…:2016/05/26(木) 21:47 ID:eyU

おひさー

820:凪海◆L6 たしかに :2016/05/26(木) 22:02 ID:ySs

お久しぶり!
杏、大丈夫??

821:凪海◆L6 だよね :2016/05/26(木) 23:06 ID:ySs

http://www.amazon.co.jp/暗殺教室-20-ジャンプコミックス-松井-優征/dp/4088806867/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1464271556&sr=1-1&keywords=暗殺教室

822:凪海◆L6 あるある :2016/05/27(金) 00:28 ID:ySs

>>821
うまく貼れなかったけど、とりあえず「暗殺教室」20巻の表紙がAmazonで公開されました。

823:凪海◆L6:2016/05/27(金) 19:51 ID:ySs

少ししたら更新するよん。

824:黒猫&◆WA:2016/05/27(金) 19:57 ID:Mrw

テスト一週間前ー!!!!!!!!
これから少ししか来れないかも!?
凪海!小説頑張れ!!!!!!!

825:凪海◆L6:2016/05/27(金) 20:08 ID:ySs

黒猫、煤i ̄□ ̄;)マジカヨ!!

テスト、ファイトォォォォォ!!

826:凪海◆L6 ホィ(ノ゚∀゚)ノ ⌒dice6:2016/05/27(金) 20:39 ID:ySs

>>811

渚side

 フリーランニングを使って走っていくこと10分。茅野が連れ去られたらしき場所にたどり着いた。
 たしかに電話の音で聞いた通り、車の激しく行き交う音や音楽が流れている。

「ここで間違いないみてぇだな」
「問題はどこにいるかだよね」

 多くの建物が建っている。これらのどこかに茅野と犯人が潜んでいるのだ。僕は緊張のあまり、喉がカラカラに渇いていた。

「迷ってても仕方ない。1つ1つ、しらみつぶしに捜していくしかないよ」

 海の言葉に僕らはうなずいた。

「忘れてはいけないのは、音楽や車の行き交う音が聞こえなくなる場所。そこにいることはまずありえない。まぁ、もしかしたら場所を移動している可能性もあるだろうけど、それは低い確率と見てもいいでしょ」
「それじゃ、手分けして捜すぞ」
「オッケ!」

 僕らは超体育着を脱いで普通の私服に着替えた。私服の方が周囲に怪しまれにくいという判断からだった。でも、海は和服がいつもの服だからちょっと目立ってるけど……。

「ねぇ、海」
「何?」

 僕は海と行動を共にしていた。

「茅野がどこにいるのか、見当はついてるの?」
「ついてないよ」

 海はそう言いつつ、近くの路地裏に行ってはそこで窓を見つけると中を覗く動作を何度か繰り返した。

「……みんなにここら辺にいるんじゃないかって言ったけど、本当に正しいかどうかもわからないし」
「うん……」
「でも、私は仲間を傷つける奴がいたら絶対に許さない。私は……仲間を守るためだったら自分の身を犠牲にしてもいいと思ってるし、犯人も平気で殺すよ」
「ダ、ダメだよ! 殺したらっ!」
「……私がそういうことをしないで済むように、みんなが頑張ってくれると助かるんだけどね」

 海の場合、本当にやろうと思えばやってしまうかもしれないから、こっちとしてはひやひやものだ。

「ダメだ、ここにもいない」

 舌打ちをしながら、海は僕に「次に行こう」と言った。

「うん」

 僕はうなずいて海の後ろをついて行こうとした。

 ガタッ

「?」
「どうした?」

 海がこっちを向いた。

「いや、何か。今、音が聞こえたような……。気のせいかな?」
「……どこら辺?」
「え?」
「だから、音! どこら辺で聞こえた⁉」
「あ、あっちの方角……」

 僕は海の気に圧されて、音のした方を指さした。海は急いでそちらに向かった。でも、そこは行き止まりだ。いくらなんでも、僕の聞き間違いかも。
 海はしばらくその壁を触ったりしていた。ときどきコンコンとたたいたり。

「あ」

 何かひらめいたような声をあげて、次の瞬間!

「え⁉」

 海は思い切りその壁に蹴りをいれたのだ!

「う、海⁉ って、え⁉」

 壁が向こう側へ倒れていく、激しい音をたてて……。

「ここ、いったい……?」
「どうやら隠し通路みたいだね」

 そう、そこにあったのは隠し通路だったのだ。

827:凪海◆L6 (;`・ω・)つdice3:2016/05/27(金) 21:00 ID:ySs

>>817

 本来、この南の島に来たのは殺せんせーを暗殺するためのはずなんだけど……、何故か僕らは一日じゅう遊びまくってしまった。もちろん、殺せんせーと雪村先生も一緒で。

「あー、遊んだ、遊んだ」
「もう、海ったらはしゃぎすぎだよ……。疲れちゃった」
「あはは」

 海は持ってきた扇子で扇ぎながら、雪村さんの言葉に笑っていた。僕らもすごくはしゃぎすぎた。おかげで汗だくだ。

「でもさ、あかりも楽しかったでしょ。ついでにあぐりさんの彼氏さんにも会えたし」
「う、うん……」

 雪村さんはうなずきつつ、微妙な表情をしていた。まぁ、そうだろうな。自分の身内の彼氏が人外だなんてちょっと複雑だよ。

「さて、夕飯食べた後はどうするの?」
「あ、殺せんせー暗殺の予定だけど。その前に花火大会をしようって話になってて……あ!」

 僕は慌てて口をふさいだ。案の定、雪村さんはポカンとしていた。

「あん、さつ……?」

 まずい、雪村さんはこのE組の事情を知らない。口を思わず滑らせてしまった僕のミスだ。

「この前、月が爆発を起こしたニュースはあかりも知ってるでしょ?」
「海!」

 僕は慌てて海を制そうとした。けれど、海はかまわず続けた。

「それの犯人と言われているのが、彼。殺せんせーなの。彼は来年の3月、地球を爆破する予定で、そうならないために彼を殺すっていうのがE組に課せられた課題みたいなものらしいよ」

 あぁ、全部話しちゃった……。
 雪村さんは目を見開いて驚いている。

「信じられないかもしれないけど、それが事実みたいだし」
「そ、う……」

 雪村さんは茫然としていた。



 夕飯を食べ終えると、僕らは花火大会を始めた。といっても、僕ら生徒で持ち寄った花火道具でひたすら花火をしながら遊ぶだけなんだけどね。

「あかり、ほら見て! 超きれいだよねぇ!」

 海は雪村さんに花火を見せつけながら、楽しそうにしていた。いっぽうで、雪村さんは複雑な表情をしていた。

「ねぇ、雪村ちゃん。どうしちゃったの?」 

 中村さんが不思議そうな顔をしながら僕に聞いてきた。

「海が殺せんせーのこと、全部話しちゃったんだ」
「え、それってまずくないっ⁉ ただでさえ、あれは国家機密なのに」

 うん……。

「場合によっては記憶消去もありうるかもしれないよね」

 カルマくんがボソッとそんなことを言っていた。

☆(あかりside)

 何か、変だ……。

「あかり?」
「え、何?」
「いや、なんか思いつめたような顔をしてたから。何かあったのかなぁって思って」
「だ、大丈夫だよ!」

 変だって思うのは、あの殺せんせーとかいう謎の生物のせいだろう。そう思うことにした。

「今日は楽しかったね」

 海が花火の後片付けをしながら私のほうを見て笑った。私もその笑顔にうなずいて、笑顔で返した。

「最初はちょっと緊張したけど、海の言う通り。みんな良い人たちで助かったよぉ」
「ふふっ」

 あれがお姉ちゃんが受け持ってるクラス、か。
 あの人たちが、自分のクラスメイトだったらどんなに楽しいだろうか。

「よし、これで終わりだ。戻ろ、あか……」

 海の言葉が、そこで止まった。

「さ、下がれ、あかりっ!」
「え⁉」

 海が私を引っ張って、私は海の背中にまわされた。

「⁉」
「お前、誰だっ⁉」

 海の言葉に、私は海の背中越しでその人物を見た。
 夏なのに、黒いマントを着ている、なんとも暑そうな格好をしている人がそこにいたのだ。

828:黒猫&◆WA:2016/05/28(土) 17:41 ID:Mrw

来たよぉーー!!!!!٩(*>▽<*)۶
黒ずくめって!!!海とあかり大丈夫!?
続き楽しみ♪♪♪♪♪♪

829:葉月 美桜◆hc 月がキレイですね〜…なぁんてね!:2016/05/28(土) 20:12 ID:Jqw

そこに渚が助けに…?
あわわわっあかりに海は大丈夫かなっ?

830:凪海◆L6 (ノ ゜Д゜)ノdice4:2016/05/28(土) 21:50 ID:ySs

>>818

 お互いに無言状態が1分くらい続いた。ちゃんと電話は通じているだろうかと不安になって、何か言わなきゃと思うたびに何を言えばいいのか。顔が火照って、熱でもあるんじゃないかってくらいに……。

「速水?」

 沈黙を破ったのは千葉だった。

「な、に……?」
「……声、しなかったからてっきりもういないもんだと思ってた」
「いたよ、ずっと……」

 ただ、恥ずかしくて声がだせなかっただけで。

「俺も女子と付き合ったことなんてなかったし、そもそも人付き合いがあまり得意じゃないほうだから。速水に迷惑かけることもいっぱいあると思う」
「そ、そんなことない!」

 思わず声をあげていた。

「わ、私の方が迷惑かけてばっかりで……。いっつも、千葉に、その、迷惑かけてばかりで申し訳ないし……」

 耳をすますと、電話の向こうでクスクス笑う声が聞こえた。

「千葉?」
「あ、ごめん。なんか互いに思ってることは一緒なんだなぁって思ってさ」
「あ……」

 私もなんとなく気づいて、笑ってしまった。

「……なぁ、速水」
「うん?」

 ひとしきり笑ったあとで、千葉がちょっと真剣そうな声をだした。私は笑いの余韻に浸りながら返事をした。

「な、名前で呼んでもいいか?」
「へっ⁉」

 な、何をいきなりっ!

「そ、そんな。え、ちょっと待って。というか、え、今⁉」

 動揺しすぎだ、私……。
 いや、でも普通。異性に「名前で呼んでもいい?」と言われたら、誰でも動揺するか……。

「今」

 千葉の声が緊張で堅くなっている。

「え……、えっと……。あの、その……」

 今、なんだろうか。
 もしもこれが学校でだったら、間違いなくカルマ、中村あたりにからかわれているだろう。あ、海もからかってきそう……。

「は、恥ずかしいよ……」

 私はまた顔が火照った。

「残念だな」
「え?」
「いや、今。きっと速水は顔が真っ赤になってるだろうから、それを見られなくて残念だって思って」

 ?

「きっと、かわいいだろうなって」

 ⁉
 私はやかんが沸騰したかのように、顔が思い切り火照った。
 そして、その隙を撃つかのように、千葉は。

「凛香」

 と、ささやくように私の名前を呼んだのだった。

〜END〜

831:黒猫&◆WA:2016/05/28(土) 22:19 ID:Mrw

ギャァーーーーーーーーーーーー!!!!!!
速水さんのテレキタァーーーーーーーーーーーー!
千葉くんかっこ良すぎ!!!!!
速水さん可愛いーーーーーーーーーーーー!!!!!


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