白痴な�L録(3)

1: 更互無◆WM:2020/12/31(木) 22:48

Hello, world!



更互無と申します。
・文章力を鍛えるために短い小説かきます。
・浮上率、悪いので上げる頻度は遅めでしょう。
・中学生なので、知識が間違っているかもしれません。その時はすみません。+誤字あったらすみません。

2: 更互無◆WM:2020/12/31(木) 23:03

題 : ココロリサーチ
1-1 : 存在理由




たまに「自分は生きていて意味があったのだろうか?」と思う時がある。
オレは醜く、未来なき人間だ。そしてこの不平等の生みの親、世界そのものに中指をおっ立てる一人でもある。もしも、この世界に創造主” クラフター ”がいるのなら、ソイツにはこう言いたい。クソッタレ!


「……ノウくん?
おーーーい、ノウくん!聞いてます?」


ゴォォォォォォォ–––!!
騒音に入り混じる、聞きなれた高い声。
人と話している時、こうしてボーッとしてしまうのは悪癖だ。
真横の少女がまじまじと顔を近づけてきたことで、こちらの体は、少女から距離を取るよう自然と壁へと傾いた。少女のただでさえ大きな目を強調する、白くて、上向いたゲジゲジまつ毛が、自分の頬に触れまいかと、なんだかド�Lド�Lしてしまう至近距離だ。


「 え、あ 」

ゴォォォォォォォ–––!!
時速、数十�Lロもの速度で進む地下鉄列車。
割れた窓からは、暗黒の残像が通り過ぎ、電車のヒビ入り扉はガタガタ揺れる。こうした騒音演奏会に耳を塞ぎたくなる中、真横の少女は、丁寧に、耳元まで自身の口元を近づけた。そして文句を言うのだ。

「まったく、なんです?その間の抜けた態度は。しっかりしてください。アナタは学年の中でも、非っじょーに!成績が!いいんですよ。ワタシ、アナタの未来を楽しみにしているんですから」

「そうなのか」

「素っ気ない返事です。もっと自分の将来だとか、自分の目標に目を向けてください。もっと、自分に関心を持ってください。ワタシ、アナタがとても心配です。最近アナタ、学校ずっと休んでいましたし」

「それはごめん、もっと自分に関心持つ」

「また素っ気なくてもう!って感じです。アナタの抱える問題には、時間が必要のようです。
…そうです!ノウくんは何か、したいことはありませんか?」


したいこと?
この少女は、オレのことを何も知らないからこんなこと言えるんだ。それに、さっきからずっと、オレの将来だとか目標だとか言っているが、オレには文字通り、未来がない。これは比喩なんかじゃなくて真面目な意味で。
このことについて、オレの数少ない友達の一人であるオマエにだけ、教えよう。

3: 更互無◆WM:2020/12/31(木) 23:16

題 : ココロリサーチ
1-2 : 存在理由




ーー数週間前に、真っ白な病室で告げられた言葉が、今も、頭の中でずっと繰り返される。


『�Lミは未知の病気』『絶対治らない』『心臓を中心に体中に触手が』『残り寿命、持って半年』『仮病名、混沌病』『お気の毒に』


というわけで、オレの今の体は、異常だらけだ。例えば、右腕の皮膚の色は黒色へと変色。また体の、あちらこちらからは『伝説の古代生物チンアナゴ』みたいな黒色の触手が。この無数の触手たちは、朝、パンをかじっている時も、夜、フトンの中で目を閉じている時も、いつでもどこでも、うごめき続ける。想像してみろ。ほら醜くて、�Lモいだろ?
当然、それらは隠さなくちゃいけない。だから体中は、包帯でぐるぐる巻き状態にある。それから、つい最近、右目を突き破ってきた忌々しい触手には、眼帯でフタをした。
以上の対策で、姿は病人みたいになってしまったが、これらは醜悪さを隠すためで、みんなとやっていることはそう大差ない。画像加工やメイクと一緒さ。


「ノウくん、またぼーっとしてる」


少女は真横から睨む。子どもみたいな膨れっ面で。オレとは違って、堀の深い明確な輪郭顔の持ち主だ。雪のような冷たい肌に、ツンと�Lレイな三角形を描く整然とした鼻。人種の差異を感じさせるプラチナ色の髪に青さを残した透明な目と・・・このように顔立ちからして大人っぽいにも関わらず、幼なげな行動がやけに似合う。ギャップというやつか?


「フグみたいな顔だな」

「電車がうるさくて聞こえないです」

「フグみたいな顔!」

「フ、ゲ?」

「フグ!」

「プク」

「わざとだろ」

「ふふ、わざとです。
ところで、フグってなんですか?」

「次降りる」

「もう!」


彼女の名前はメイヴ、愛称メイ。
市民番号912098。年齢は17歳でオレの数少ない友達…いや、ここでは幼馴染と言った方が正確な表現かもしれない。オレと唯一、同じ共通の過去を待つからだ。
それから、急に重い話になってしまうが、すまない。彼女の存在はオレが自殺しない理由の一つでもある。
彼女はすぐに人を信用してしまう良い子だ。逆に悪く言えば、あまりにも楽観的であまりにも無知。疑うことを知らないんだ。今の過酷な世界において『あらゆるものへの疑い』は生存確率を上げる常識的な工夫とさえ言えるのに。
電車から降りた今だって、別クラスの男子生徒からストー�Lングされているのに彼女は気付いていない。まさか、自分が普通に接した相手が、自分に対し、異常なほど好意を寄せるなんて疑いもしないからだ。

守ってやらないと。

ともあれ、そうした理由で、オレは存在している。クソなこの世に芽吹く数少ない儚いモノを守るために。これを偽善的に思うか?
オマエのその感性は正しい。オレは偽善者さ。エゴイストであって、決してヒーローなんかじゃない。

セルリアンとの戦闘の�L録(2)

1: ヨシフ=スターリン:2020/11/19(木) 16:56

これは、1956年にジャパリパークで起きた«例の異変»についての資料です。


あっ、感想お願いします。

今回の小説は偽のインタビューや資料を出し、ノンフィクション風に書いたものです。
勿論、これから話すことは全てフィクションです。

2: ヨシフ=スターリン:2020/11/23(月) 19:04

南洋諸島にあるアメリカ領サンドスター諸島。
その一角にある�L大な研究施設兼動物園«ジャパリパーク»。
一見平和そうに見えるこの地でも、戦火が上がりました。
60年前の1956年に起きた«セルリアン»の大量発生です。
我々はセルリアンの大量発生について取材するため、川田幸男さんを訪ねました。

「あっ、こんにちは。」

川田幸男さん。85歳。
セルリアンの大量発生当時、13歳だった川田さんは、アメリカ領サンドスター諸島でセルリアンの攻撃を受け、右足を失いました。

「当時の状況はどのようなものでしたか?」
「最悪でしたよ。周りで兵士がバタバタ倒れていくし、友人もみんな死んだし・・・
その中でも、一番印象に残ったのは、米軍のサンドスター諸島への原爆投下でした。」

原爆投下···

サンドスター諸島のセルリアンを駆除するため、現地住民をも見捨てた核攻撃でした。

千歳奏の戦国桃山☆転生日�L物語!(12)

1: フルーツジュース!:2020/09/22(火) 20:44


登場人物

千歳奏
ちとせかなで
見た目はそこら辺どこにでもいるようなごく普通の女子高生。
ちょっと天然なところがある。
素直で明るい性格の少女。
勉強も運動もあまり得意ではないが、
歴史と地理は最近、興味を持つ。
割りと料理が好きで出来る方!
ある日、交通事故に遭い、
戦国時代にタイムスリップしてしまう。
タイムスリップ?いいや?転生?
なぜか、赤子、捨て子としてやってきた!
誕生日:10月16日。
星座:てんびん座
血液型:O型!
身長:159センチ
兄弟姉妹構成:姉1弟1

【すとーりー】
そこら辺どこにでもいるような女子高生である千歳奏は。
いつものように学校に登校していた。
ある日、公園から飛び出たボールを追いかける少年を道路まで来て、
大型トラックが目の前に来て…
少年を助けようと道路を出て…
そこからが、�L録がない。
気がついたら、そこは戦国時代という昔の日本だった。
木の下で捨てられた赤子になっていた。
タイムスリップ?転生?
ややこしいことになるが…
そんな、奏は戦国の世での物語が始まった。

*荒らし禁止!

2: フルーツジュース!:2020/09/22(火) 21:38


第一話 物語のはじまり

時は現代日本
2019年一月。
冬休みが開けたばかりの日。

私の名前は、千歳奏。
高校一年生の16歳だ。
今は、平成だが、五月には新しい元号になる。
平成生まれの私からすれば、ちょっとさみしいけど、新しい元号が何にになるか?
楽しみでもある。

そんなことより、寒い!

「寒い!」
私は、寒がりだし、暑がりだし。
寒い冬は、コート、マフラー、手袋、ニット棒、イヤーマフは絶対!
スカートはタイツ!
お腹には貼るカイロと手には貼らないカイロもしないと!

ちなみに、私はあんまりドラマは見ない。
アニメは見るし好きだ。
ゲームはやるし、漫画やラノベを読む!
堅苦しい小説は難しくて読めないけど。
まあ、勉強は苦手だから、気にしないで!
姉もアニメやゲームが好きなので、
その影響かな?
最近、歴史や地理に興味を持っている。
特に戦国時代。
戦国武将のゲームをやっていたこともあったから、そのせいか?

私の高校の制服は、
定番のセーラー服だ。色は黒。
創立百年はある。
元々はお嬢様の女子高だったらしいが、
今は、普通の共学だ。
仕方がない。少子化対策だからね?

そんなことより…
ただいま、今、
朝、二度寝をしてしまったので…
大忙しで学校に向かう!

「ヤバイ、ヤバイ、遅刻するー!」
口にパンを加えながら走る。
しかし、昨日は雪降って、
今日は晴れだから、
固まった氷を滑らないように気をつけてる!
それにしても、前よりは、
雪、降らなくなったなあ〜。
やんちゃな娘の私は、雪は好き。

まあ、私は、遅刻ギリギリはよくする方
ので!テヘェ

Lーコン〜カーコン♩
Lーコン〜カーコン♩

「やった!遅刻ギリギリだ!」
運動もそんなに得意ではないが、
体力はある方。
まあ、スポーツ好きだから。

4: フルーツジュース!:2020/09/22(火) 21:59


今日は遅刻せず来られる!
と、思いつつ、

「♩〜♩」
鼻歌をしながら、学校へ向かった。

その時でした、

「ぼーる、ぼーる」

「!!!」
小さい少年が、公園から出て、
ボールを追いかけて、道路に出てしまった

周りを見た人が、叫んでいた。

(トラック…)
向こうから、大型トラックがやってきているのだ。
お母さんも目の隙に、見放していたので、
お母さんも我が子の名前を叫んでいた。
しかし、少年は幼いのか?
気づかず、トラック来ることも、

「・・・・」
私は、なぜか、体が動き始め、
走り出す!

少年は、道路の真ん中にボールを持ち、
トラックが来ているのにも関わらず、
ぼーと、立ち止まってしまった。

「きゃー!」
母親の叫ぶ声がする。
トラックは少年の目の前…

「危ないー!」

タアタアタアタア

私は、少年を助けようとした…

ギィー、ドーン

「え?…」
大きな音がした。

しかし、よく聞こえない、
なぜか、目の前が真っ暗になって、
何も見えない。
何だろう、この�L録がない…
思い出しても、思い出しても、
思い出せない。
頭が痛くなる…

部屋主(めんへらさん)のオリ�Lャラ達の過去などの小説を自己満程度で載せるスレ(2)

1: 占ツクのめんへらさん:2020/09/05(土) 19:30

ここでは、占いツクールで活動している部屋主の私、めんへらさんが、自分のオリ�Lャラ達の過去などの小説を自己満程度で載せに来るスレとなってます、私の事を知らない人は、BL、GL、NL、nmmnなどに耐性がある、または、そういったジャンルが好きな人のみが調べてください、知っている人達はそのまま生暖かい目で見守ってもらえると幸いです。
なお、荒らし目的の人は御遠慮いただきます、そしてここで、「私に関係ない事、関係ない話題」を出すのはやめてください。
未熟者ですが、よろしくお願いします。
(※※※※なお、検索避けもせずにnmmnの本人の名前などを言ったりするのはもっとやめてください、彼等とこのスレ、そして私とはは一切関係ありません。※※※※)

ではどうぞ

2: 占ツクのめんへらさん:2020/09/05(土) 21:30

では、まずは�L念すべき一作目のタイトルは……【闇鍋団誕生秘話】はもうちょい先で………

私が居るから〈世界はBLUEそしてSHADOW〉(3)

1: 大博:2020/07/25(土) 09:47

少しだけいじめがあるものを書いてみようかなと思います。
いじめとはどんなものなのか、実際にいじめられている人の気持ちを考えながら、やり過ぎない様に書いていきたいと思います。
いじめがこの話の土台では無いのでそこは気を付けたいと思います。

拝啓、大好きな�Lミへ(4)

1: OLIVER大好き&◆oE:2020/05/12(火) 12:51

拝啓、大好きな�Lミへ
愛してるよ�Lミが大好き 







私は花村尚人

2: OLIVER大好き&◆oE:2020/05/12(火) 13:08

「なーんだこれ気持ち悪い粘着ストーカーかよ」
あっ自己紹介を忘れていたね俺は金村尚人探偵だそして奇遇にも自殺した人と同じ名前だ
花村尚人は自殺したそうだなんで俺がここに居るかと言うと俺は仲間に呼ばれて来た
それだけ
「ちょっとぉやっ止めてくーだーさーい!!」
そいつが俺の仲間関田真だ正直言うと腹黒だしうざい
「なーにやってんだ全部真が悪い」
「は?なんで?」
ほらね
「おいおい自殺したやつの部屋でそんなことやってたらバチ当たるぞ〜」
こいつは�L村梅毒←はいとって読むんだぞ
神社の後継ぎ息子で性格はとにかく糞だ糞!!
まぁ俺には関係無いこんなやつらに構っている暇など無い
「あーあのろまといっしょかぁ〜」
こいつは赤籐成美俺の親父の探偵事務所のライバル探偵事務所の息子だ
「なーんだいつもの親父が居ないだけましじゃーんねぇ麦?」
「そーだね雷」
こいつらは新田麦と雷こいつらも成美側の人間だ
「まぁ良い俺は明日日直なんだ」
「ちぇー釣れないなぁ」
「じゃあね」

赤い部屋生活《ボクの日�L》(2)

1: 小野寺 祐樹:2020/03/02(月) 21:53

《一日目》2Xxx/7/9

今日はお誕生日だった。プレゼントを買ってもらう代わりに、
お父さんとお母さんに頼んで部屋の壁紙を真っ赤にしてもらった。

今日から寝る時も起きる時もぜーんぶ真っ赤。

ストロベリー�Lラー(2)

1: オニオンさんだお&◆RI:2020/02/27(木) 18:06

まさかゆかちんのあの一言からこの物語を書くことに繋がるなんて…w

⚠注意点⚠
・物語初心者なので設定ガバガバだお…
・気まぐれだから途中でやめる可能性ありだお…

🚨ルール🚨
・悪口言うヤツは地獄の業火で焼かれてもらうお!
・みんなで楽しくやるんだお!

😗その他😗
・Q&Aコーナーあるお!物語の分からないところなど、いろんな質問にズバッと答えるお!筆者についての質問もOK!でもプライバシー的な質問(体重、住所、電話番号)はNGだお!

では、オニオンさん頑張るお!

2: オニオンさんだお&◆RI:2020/02/27(木) 18:22

登場人物とデータ↓

いちごハンバーグ:本作の第1主人公。ハンバーグにホイップクリームと苺、デミグラスソースのかかったバニラアイスがのっている。ハンバーグの中にはカスタードクリームが詰まっている。イジ・ワールが作った最新の料理。ある時不思議な力で命が宿った。だが腐敗して死に、霊となる。心優しい。僕って言ってるけど性別不明。

イジ・ワール:本作の第2主人公。�L名高級レストラン、「ヤバ・イーゼル」の店長。名前の通りとにかく意地悪。弟子にも意地悪。料理はとてもうまい。でも、お客さんはいつも何か足りない様な顔をして帰って行くので腹が立っている。その足りない物とは…?男。53歳。

ミネルバの幽霊:イジ・ワールの飼い�Lの幽霊。メス。いちごハンバーグに優しい。イジ・ワールを酷く憎んでいる。

ピッケ:厨房にこっそり住んでるオスのネズミ。ネズミなのにミネルバの幽霊と仲が良い。生前のミネルバとも仲が良かったらしい。いちごハンバーグの手助けをする、頼れる存在。

捨て犬タービル:レストランのゴミ捨て場付近に捨てられていたオスの犬。ミネルバ(幽霊)、ピッケとは親友。顔は怖いが優しい。

イジ・ワールの弟子達:イジ・ワールにこき使わされている。仕事をやめたくても給料が高いため、やめたいけどやめたくない状況。

まぁざっとこんなもんだお。忘れている�Lャラクターがいたらまた追加するお!

短編集(�L・ω・`)(10)

1: invincible:2020/01/07(火) 18:16

短編集です。いろんなジャンルの小説を書くと思います。

4: invincible:2020/01/09(木) 23:22

「色々あるんです。宗派とか、他国介入とか。イランだと民族も違いますし、宗教も多様です」

アラヴィーさんは一語一語を噛みしめるように言った。これだけのことを落ち着いて言うことすら、彼には辛い事なのだろう。だが私としても折角あったのだから、少しくらいは踏み込んだ話がしたかった。ただ、今の彼の表情を見ると、とても口に出せない。すると、アラヴィーさんはまた気を利かせてくれたのか、

「大丈夫ですよ。石油の出る魔法のツボとしか思われないよりは、興味を持っていただく方が気持ち良いですから」

と言って彼はまた微笑んだ。ちょっと毒が入っていたがやはり彼の語り口は優しい。これで私も踏ん切りがついた。

「今のイランは自由じゃないんですよね。昔の皇帝がいた時の方が自由で良かったと思いますか?」

と少々新聞�L者のようなことを聞いてしまった。こんな発言、場所が場所なら私の命はないだろう。すると彼は、

「皇帝の時代は日本より自由でした」

と言って、一息ついた。私は思わず「えっ?」と言ってしまった。しかもやや強めの語調で。今回ばかりは彼の発言に違和感しか感じなかった。しかし、それは私の早とちりに過ぎなかった。彼は間をおいて、

「強盗も放火も殺人も好き放題できましたから。苦しかったらしいですよ」

ひどい冗談だ。彼には悪いがイギリス人でもこんなジョークは言わない。しかし、これが彼の率直な感想なのだろう。そして彼はこう続けた。

「今は不自由でも治安はマシです」

言い終わると表情を崩して、

「ここほどじゃないですけどね」

と言って笑った。

それからというものは、踏み込んだ話は無しにして、日常的な話題のみを交わした。会話は終始和やかなムードに包まれて終わった。私は、満ち足りた気分でその店を後にした。

6: invincible:2020/01/09(木) 23:49

第2話「最も好かれる顔」

男は生まれてこのかた一度も付き合ったことがなかった。それどころか、まともに会話したこともほとんどない。彼は生徒の頃から、母親以外の女性に何もされてこなかったのである。多少、いじられたりしていれば彼の現状も少しはマシであったろう。だが、石ころのように扱われるというのはいじられるより深い傷を負わせることがある。
彼は、女性に相手にされず、また自分からぶつかりに行こうともしなかった。その理由はコンプレックスがあったからである。彼の風貌は清潔感がなく、腐りかけのモヤシのようであった。手入れをしないものだから中の下ほどのルックスもより酷いものに見えた。これだから、生徒時代も意地悪をする勇気のある女子が出てこなかったのである。

彼は自身が女性に相手にされないのは女性のせいだと思っていた。まず、このような顔に産んだのは母親であり、母親は女性だ。そして顔でしか判断しない女性も悪である。それが彼の考えであった。もっとも、顔だけで判断している女性など少数派なのだが。

少なくとも彼は、顔がすべての原因であるので顔をなんとかしようと考えていた。「女なんて」が口癖の彼であるが、流石に魔法使いにはなりたくなかった。だが、彼には清潔感を保つ根気も整形する金もなかった。そこで彼はネットに頼ることにした。「溺れるものは藁をも掴む」とはこのことだと冷笑するものもいたが、なんと彼は整形より安く顔を変える機械を発見したのである。

そのページは最終更新日が10年以上前であった。背景や説明文も怪しかった。何より、ページ管理人兼開発者が全く無名の人物なのである。しかし、彼は特に何も考えず、

「これで俺も勝ち組」

と言って購入したのである。
驚いたことに、目当ての商品はきちんと彼の元に届いた。その商品には「最新のAIがあなたを女性が一番好きな男性の顔を判別、この機械が整形してくれます。これであなたもモテモテ(麻酔付属)」と古�Lい字体で書かれていた。彼は早速、この機械を組み立て、顔に被せ、麻酔をした。決して器用ではない彼であったがこの時ばかりはトントン拍子で作業が進んだ。
整形作業から数時間、彼はついに目を覚ました。顔を触ってみると、前とは違う感触がする。彼は自分がモテモテの勝ち組になったことを確信した。そして、ステージ上で多数の女性の前で脚光をあびる自分を想像しながら、眠りについた。

その後、彼の願望は半分だけ達成された。その年のモノマネ番組で「一万円札の肖像画のそっくりさん」として登場したのである。

$LAVE HERO(10)

1: ???:2020/01/06(月) 23:22

ダーリンドール・サーカスの特別招待状をお受け取りの皆様、こんばんは。
この度は裏演目のお披露目会へようこそ。
裏演目では好きな奴隷に金を賭け、勝ち負けに応じて配当を得ることが出来る競人も行っております。
借金にまみれた人間達の織り成す醜悪なサーカスをお楽しみ下さいませ。

少々グロテスクな場面もございますが──Are you ready?

YES→>>02
No→出口へどうぞ

※以前投稿したものの修正版です

2: ???:2020/01/06(月) 23:28

「ただいま〜」

ダークグレーのスーツジャケットを脱いでハンガーにかけると、鎧を脱いだように一気に肩の力が抜ける。
匂い釣られてリビングへ向かうと、エプロンを纏った彼氏が忙しそうに配膳していた。

ゴロゴロと大ぶりに切られた野菜が浮かぶ豚汁に、骨まで柔らかくなる程くたくたに煮込まれた鰯の甘露煮。
まだ柔らかな湯気が微かに立ち上っていて、温かい。
取引先や上司のセクハラ、後輩の嫌味、しつこいクレーマーの攻撃で参っていた私を癒してくれる──。

「お仕事お疲れ様!ビール買っておいたよ〜」
「いつもありがとう、大我《たいが》君」

パチンコ・スロットの経営をする会社に務めて早5年。
自分で言うのもなんだが、三十路前に課長のポストにまで上り詰めたやり手のOLだ。
しかし仕事以外の事はからっきしで生活能力が低く(3日でゴミ屋敷)、見かねた大我君が同棲を申し出てくれたのがきっかけで、現在は生活を共にしている。

「俺が誕生日にあげた簪(かんざし)、使ってくれてるんだね」

不意に大我君が、ご飯を咀嚼しながら優しい声で言った。
優しげな眼差しの先は、私のうなじで揺れる小さな桜のガラス細工。

「シンプルだから使いやすいし、夏場は助かってるよ。そういえば明日は大我君の誕生日だったじゃん!? 明日も仕事早めに切り上げるから、一緒にお祝いしようよ!」
「ありがとう、すげぇ楽しみ!」

大我君の無邪気な笑顔を、ずっと隣で見られればいいと思っていた。

3: ???:2020/01/06(月) 23:42

──夜が明けて。



〜♪

設定しておいたスマホのアラーム曲のモーツァルトが、覚醒しきれていない耳にうるさい。
気だるさを残しつつスマホを操作して起床すると、ふと大きな虚無感に包まれた。

「大我君……?」

いつもなら私より遅く出勤するためギリギリまで隣で寝ているはずの大我君がいなかった。
パジャマと布団はは綺麗に畳まれ、シワの寄ったシーツはもう冷たい。
それだけじゃない。
部屋全体もなんだか綺麗に片付いていて──。

「こんな朝早くに用事……?」

少し寂しさを抱くものの、出勤を控えた私もゆっくりとしていられなかったので、着替ようとクローゼットに手をかけた時だった。
インターホンが鳴ったかと思うと、聞き覚えのない男性の声がドア越しに響く。

「志賀葉美渦(しがは みうず)さん、いらっしゃいますか?」
「は、はい!」

いきなりフルネームを呼ばれ、慌てて寝巻きにカーディガンを羽織り、ドアスコープも確認せずに反射的に玄関へ出てしまった。
──いかついおじさんがたっているとも知らずに。

「えっと……?」

勝手に1人だと思い込んでいた私は、玄関を取り囲む黒いスーツを纏った5人の男にたじろいだ。
アニメやドラマに出てくる、いわゆる黒服。
金持ちがSPに雇ってそうな、某逃走番組のハンターのような、そんな人達って実際にいるんだ、と回らない頭で思う。

「志賀葉美渦様でいらっしゃいますよね?」
「えぇ……そうですけ、ど……?」

威圧感に抗えず、失礼だと思いつつも後ずさりしてしまう。
黒服の一人がそれを詰めるようにして、やおら歩み寄る。

「桜瀬(さくらせ)金融の者です。宮内大我様の借金5000万の担保として、あなたの回収に参りました」
「……ヱァ?」

カーディガンを抑えていた手を思わず下ろしてしまい、Tシャツにプリントされた『夜は焼肉っしょ!』という力強い筆文字で描かれた柄がご開帳したが、黒服のおじさんはそれに笑うことなく、顔色一つ変えずに淡々と続けた。

「桜瀬金融に5000万円を昨日までに返済とのことで契約致しておりました。支払い期限を過ぎた為、担保として志賀葉様、貴方の身柄を拘束させて頂きます」

目の高さにに掲げられた借用書には、確かにゼロが7つ。
宮内大我という滲んだ走り書きのサインもある。

「ごっ、ごせんま……んっ!? ちょっと待って、そんな……そんな、ありえない! 大我君がそんな……っ」

黒服の男から借用書をひったくるように奪って目を通すと、赤字で書かれた一文の下に身に覚えのない拇印が押されていた。

──志賀葉 美渦は借金が期日までに返済できない場合、担保として桜瀬金融に身柄を引き渡すことを承諾する。

見覚えのある筆跡──。
少し右上がりで丸みを帯びている特徴的な筆跡に、目頭が熱くなった。
信じたくない、でもこのタイミングで消えた彼を信じられるど、私は馬鹿じゃなかった。
寝ている隙にでも拇印を押したのだろう。
同棲していれば、チャンスはいくらでもある──。

部屋が綺麗に片付いていたのも、大我君が私物を持って夜逃げしたからに違いない。

「え、あの、身柄を引き渡すって一体どういう……」
「ちょっとした労働です。少し手荒な真似にはなりますが──」
「な、えっ、なに!?」

突如両脇が動かなくなったかと思うと黒服の男達に拘束されていて、すっと口にハンカチが当てられる。
ツンと鼻を刺すような刺激�Lがして、吸い込まないよう息を止めるも限界は早かった。
どっと瞼が重くなり、私はそのまま意識を手放した

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