真っ赤な秋

次第に黒く染まり行く茜空を眺めて
寒さはそろそろ冬を思わせる___。

「 ... ...にひひひっ ...こちらこそ！ ...それじゃあ ...ご飯を食べたら、色々しよ？ 」

「 … オッケー！ 」

(/ ___にゃは♪ )

(/やっほー♪)

(/ ...さて、さて )

(/キミの要望とか？返すとか？)

(/ ...そぉだね！ ...少なくとも妙にテンションは高いからそう言う事をしよっか！ )


( ...要望の方は沢山あっちゃうんだけど () )

(/きひひーっ__キミの返しみんな面白いのーっ！)

(/ ...今日は夜遅くまで起きるから！ )

(/明日の無理だけはしちゃダメだよ〜？__にゃは)

(/ だいじょお〜〜ぶ！さて ... )


( / ...ふふふ、誰を選んでも楽しめる事を実は考えててね )

(/んにゃ？　…返しとは違ったものを今から？
なる程、興味深い　…)

(/ ...返しもするけれどそれはそれ、でね？ ...暇かもだし )


(/ ...ニャルちゃんでもテホプでも新人でも___本当誰でも、ね )

「 御呼びになりましてございましょうか 」

　「 ...うん、呼んだよ、にひひひ 」

「 は、…何なりと 」

( 畏まった一礼 )

　「 ...ギャグ、ホラー、戦闘、日常 ...えとせとら

　　今の気分はどんな感じかな？ 」

「 … 強いて申し上げるとするならば 」

( 面を下げ、…畏まった姿勢 )
「 …日常、と答えましょう 」

　「 ...まぁ、どんな物でも楽しめる様にはするつもりだったんだけど！ ...ふふふ 」

　( ...ニヤニヤと、面白そうに眺めてる )


　「 ___何となく久しぶりに ... ... ニャルちゃんとは関わりが少ないor無い、子を絡ませたくてね 」

「 … 描写を除いた場所で顔を会わせた方々は
　 多いと存じていますが、…深き関わりと申され
　 ますのなら 確かにそうでございましたね 」

(…苛立つ様子は見せない、…冷静さを押し出す)

____それじゃあ、楽しみなよ ...にひひひ

「 ...あ、何時も通りにニャルちゃんは過ごしてくれてて平気だよっ 」

「 承りました。…失礼致します 」

_____一礼 …ドアの向こうへ。

　　___扉を開けた瞬間


　　　「 ___にゃは〜〜〜〜〜ッ！！！ 」


　　( ....飛び込んでくるもふもふ、赤猫 )


　　「 お久しぶりだぞ〜〜 ...にゃる！ 」

_______________


[ ｻｯｻｯ　ｻｯｻｯ ] ……


「 ……… 」


( 涼しさと、怠惰を誘う憂鬱の季節が訪れている

__木枯らしは着々と茶色に濃く、…森を染めて
"秋"と名乗る支配者は声なく 高らかに来訪した。

__彼女は、訪れる季節に大して眼を向けることもなく
"秋には秋の仕事がある"、…と 中庭の枯れ葉を掃いていた )

_____[　ぼふんっ　]



「 ……… えぇ、お久し振りにございますね
　レギオン様 …随分と、毛並みよくなられました 」

( クリーンヒットの直前に抱き止め …左手で受け皿
右手で串を作って跳んできた赤い猫をふわりと撫でる )

　___遅れて枯葉が吹き飛ぶ ...白黒の姿が見えた瞬間に、駆けて来たらしい ...

　　( ...猫は炬燵で丸くなる、そんな季節が近付いて来ているが ...残念ながら赤猫はとっても気紛れ ...
　　...今日はなんだか、動きたい気分 )


　　「 ん ...換毛？って奴もそろそろだと思ってるんだぞ〜 ...自分的には面倒だししたく無いし〜 ...後、寒いからこのままで居たい、ぞ！ 」

　( ...マフラー巻いて軽装の赤猫 ...軽く抱くだけでもポカポカとあったかいのが良く分かる )

「 … 月夜姉様に頼めば喜んで櫛をかけてくださると
　　思いますよ、…さて、大分集まりましたね … 」

( 大袋詰めにされた枯れ葉がひとつふたつみっつ…
__舞い落ちる木の葉は未だ多くも、…兵達が遠巻きで
　個別の落ち葉拾いに励んでいる。___遠くを見渡し )


「 … どうしたものでしょう、肥料は足りていますし
　　放り捨てるはご法度。__何かしら…使い道は … 」

　( 尻尾をマフラーみたいに白黒の首に緩く巻き付けながら ...対処に悩んでいる事を察せば、ふと思い付いたかの様に )


　　「 ____焚き火にでもするか〜？ 」

　　( ...得意げな表情 ...ドヤるみたいに軽く火の粉を口から吹いて見せて、枯れ葉の塊に視線を寄せる )


　「 ...あ、焼き芋とかも良いぞ〜っ ... にゃは 」

　　「 (…………) 」

___思案に耽る仕草


( 暫く、彼女は返事を忘れ__思案に没頭していたが
済むと …高く指を掲げ ゆっくりと力を指に籠めて … )


　　　　　〖 セレクテッド:クラフト 〗


______指を鳴らすと …



: 木の葉袋の周囲に四角形の"切り目"が走り
〖空間が裏返って〗…___代わりに現れたのは
　吹込口の付いた …大型のグリル。しっかり
　枯れ葉燃料も添えられた性格通りの設備 …


「 … よい提案です、採用させて頂きました 」

　「 ...にゃはは、流石はにゃるちゃんだぞーっ！
　　...んじゃあ、早速燃やしちゃうか〜？ 」

　( ...ワクワク、ウズウズ、そんな模様が良く見える
　　...赤猫は何と言うか、欲の出し方が素直 ...

現に今も ... きゅるるるぅ〜 ...と、腹の音を鳴らしている )

　　「 ...あ、でも材料とかも、用意するのが先 ...かぞ〜？ 」

　( ...火加減の調節は赤猫がするから、他の事は任せるつもりっぽい )

「 … 余り気味だった瑠和用の鶏肉が厨房にありますから
　　持って参りましょう__レギちゃんは、グリルを暖めて
　　くれませんか？…弱火で金網を熱しておけば、丁度 …
　　ベストな状態で焼き上げられるでしょう 」

( 手早く 設備の前準備を行いつつ …彼女は
白い息を吐いた __赤猫を降ろして頭も撫でて )

　　「 ( ...レギちゃん？ ...レギちゃん )
　　...分かったぞ〜〜っ ...ん、さむさむ ... 」

　　( 白黒が離れた事で ...若干人肌による寒さを感じては、即座に丸まって ...尻尾を自分に巻き付けて防寒対策
　　...小腹が空きながらも、熱した後で沢山食べられると踏んで ... )


　　　[ ...ﾎﾞｫｵ~ｯ ] ...吐息は火に包まれて
　　　じっくり ...弱火で熱して、温める ...

_____…数分後


　[ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ]　…　「 レギちゃん、只今戻りました 」


( 荷車。…プラ袋で包んだ鶏肉を引いて、白黒が戻る
グリルの具合を確かめながら、…荷車を降ろして … )

「 丸ごとは全部、ハインが食べたそうですけど
　手頃なものが多めにありましたので、助かりました 」

　　[ ...ﾊﾟﾁ、ﾊﾟﾁ ...ﾒﾗﾒﾗ ]


　　「 ...ん！おかえり、だぞ〜っ！ 」


　( ...じっと火を見詰めて居た中で鼻を鳴らせば帰って来た事に気付き、陽気な笑顔を白黒に対して向ける ...
　　グリルは程良く温められていて ...多分とっても、美味しく出来そう )


　「 ...お腹空いたし、早速食べちゃうぞ〜っ 」

____(/日常の風景、…のどかで心穏やかなもの)

　_____(/ ...んにゃ？ )

(/… ふふ、今のところの感想にございます
　穏やかで、…木枯らしの中でも暖かい __

　…いつかどこかで、この感覚を覚えていた
　…　そんな気がした__だけのことです)

(/ ...ん、そう言う事か〜っ ...急に展開を変えたいのかと思ったぞ〜 ... )

(/… ___食事風景をカットし、…食事後で宜しいですか？)

(/ ん！だいじょぉ〜〜ぶ！ )

_____ｵﾘｰﾌﾞの香りが漂う …こんがりとした皮
　　 油は甘い舌触り。適度に体を暖めてくれる…


　(食器を片付けながら …彼女は、森の方角を眺める)


「 ………… 」

(/ ...何だかこう、こう言う事、多いな〜 ...夜更かしに身体が耐えられなくなって来てるぞ ... ...うぐぐ
　...今日は冷えるから、気を付けるんだぞ〜 ... )

[ バリ… バリｯ ___ﾊﾟｷﾊﾟｷ …ｺﾞﾘﾎﾞﾘ]

____ｻﾞﾜｻﾞﾜ …　ｻﾞﾜｻﾞﾜ


: … 使用人が集まり、人壁を作って何かを見ている …
此処は〖赤城1F:エントランス〗。…中央に備えられた
樹木や囲いの茂り、水の循環設備などが眼を引く場所だ

　___彼らは不安そうに、樹木の方角を見詰めている

「 これは … 何の騒ぎですか 」

( 近くを通りがかった白黒が集団を見咎めると
何かを囲う使用人たちは逆らう事なく道を空ける… )


[ ﾊﾞｷｯ　…ﾊﾞｷﾊﾞｷ…　ﾒﾘﾒﾘ…ｯ ]


___飛竜の骨格が、…中央の飾り木を喰い倒していた。

… 辺りには木屑や散った茂利が散乱している …
綺麗なエントランスは台無しだ、見るに堪えない


( 軽い頭痛を起こした頭を抑えて眼を閉じながら…
ため息混じりに、彼女は使用人達に業務へ戻るよう
指示を飛ばし __このはた迷惑な尸龍の対応に入った )


「 … ライヒェル、ライヒェル　___聞こえますか 」

(/ ...うきゅう〜〜 ...おつ、かれ )

(/ ｱｸﾞ?…ご主人、…らｨ…ひぇるです )

(/ ...やぁ、さて ...なんか、やらかしたと言うか、なんでこう ...そう、食欲旺盛になってるのかな？ )

(/ ライヒェルは元々大食らいな種である〖竜〗です
　加え彼女の食性は〖草食〗、エネルギー供給の少ない
〖草木〗が主食であるため 普通の竜よりも食事量を
　増やさなければならないようですね。…今回は…

___土王様の部屋で昼寝し続けた結果として…
　 亀飼育エリアの果物や花を喰い逃してしまい
　 仕方なく、…其処らの草木を食べていた模様です )

(/ ... ...あちゃ〜〜〜〜〜 )

(/ ...大変だね、中々 ...ふぅむ、ダレットに手伝って貰うのが一番良いかな？ ...植物関係、的には ....


王は ...うん、色々忙しいみたいだし )

(/ では、今宵のテーマは骨と緑の女帝
　になさいませんか？__楽しくやれそうです )

(/ ... ....んにゃ、にひひっ ...望む事を何でもするよっ！ )

「 ライヒェルっ … 聞きなさい！それは"飾り"といって
普段、私めが出す "食べ物" の類いではなく …　… 」

[ﾊﾞﾘﾊﾞﾘ …]


: 食いでのないまま …竜骨は僅かな食事を終えると
次なる食物を求めて視線を上下、左右や背後へ動かす

__空腹が思考能力を低下させている …声は届かず、更に…

… "別階"に、纏まった植物の生命力を捉えた。…
〖尸龍の餓眼〗が …命の波動を壁越しでも感知する

　　　　____"紫焔"が骨身全体を包むと　…


「 … 聞いているのですか？ ライヒェル … ライヒェル！ 」


　　　　　　　　[　フワ〜　_____…　]


: …まるで尸骨は幽霊のように。__壁や、床を透けて行く…




「 ……… 」


: 彼女は、振り向く。…散々な状態のエントランス
この日、最大のため息まで …3 …2　…1　____


_____…　はぁ　____…　…　…　…

_____〖植物園にて〗______

: 其処は、…"黒騎士"が育児へ注力する際に __"女帝"へ
譲り渡され 今は彼女が治める領域となった緑色の楽園 …

__そうとも知らず …巨大な尸骨はノコノコとやってきた



　　　[ ﾄﾞｽｩﾝｯ! ]　_____ｶ ﾗ ｶ ﾗｶ ﾗ ｶﾗ ｶﾗ

( 見渡す限り、…美味しそうな緑と緑に緑な緑。…
"秘境 を育てた〖竜〗の瞳は、肥沃かつ多様性
__健全で強い生命をはっきりと感じ取っていた

… 喜ぶように、首の骨を心地よく鳴らし　… )


: 朱く熟れ、…ぷんぷんと甘く香る果実を付けた樹木へ
亀のように ___ゆっくりと近付いていく … …

_____ふん、ふん ..ふふ〜〜ん ...っと！


　( ...一人なのを良い事にウキウキ気分
　　植物園にて鼻歌を歌いながら ...植物に対して水やりをしつつ ...幾らか種を拝借して )


　　「 ...姉御達に喜んで貰える様な物、どんなのにしよっかなぁ ...やはり純白に輝く白百合 ...でもアレはちょっと危ないし不謹慎

それよりかは色鮮やかな ...かなり悩んでしまうのが ....あぁ〜〜っ！すっごく魅力的 ...と言うのがやっぱり心の奥底から ...幸せ極まりない事っ 」


　( ...めっちゃはしゃいでる )

　　[　メキ　メキ　メキ　___ﾊﾟﾊﾟ …ﾊﾟｷﾊﾟｷ…　]

( 心地好くも、嫌にも聞こえる "枝が折れる音" が響く )

_________

　[ ﾊﾟｷ　…ﾊﾞｷｯｼｬｸﾊﾞｷﾊﾞｷ…ﾊﾞｷｯ ｼｬｸｯ ]


: 生態系上位の悪い癖だ、…周囲の警戒を怠ったまま
尸龍は早速食事を楽しんでいる。…目を付けたのは …
ほどよく実を結んだ枝、…根本から降りながら …
海鳥が魚を喰うように少しずつ呑み、…口内で砕き
ゆっくりと飲み込んでいる … 枝も実も葉も美味だ。


____[ﾊﾞｷｯ　ﾊﾞｷｯ　ﾊﾞｷｯ…]

「 _______ ....ん？ 」

　( 暫くしてから ...通常ならば聞かない様な音に気が付き ...ふと其方を向けば )


　　　　　　　　　　ﾋｨｯ！！！？


　　( ...色々と見た目やしている事に驚いたのか、素っ頓狂な声が思わず出てしまう ...
　　...若干見上げながら 枝から葉まで、植物と言う物を味わう尸竜を相手に ...__停止した思考が再起動するまで、数秒 )


　　　　　___ち、ちょ ...おいこらぁっ！？
　　　　何してるんですかぁ〜〜〜〜！！！？


　　( ...赤猫や氷鬼と過ごして来た事もあり、若干の破天荒が身について来た気もする ...
　　　...蔓を両手に纏い、角に引っ掛けて ...頭を下げさせようとする )



　　　　ダレット ...自然と長く共に過ごして来たからか、その身から放つ香りも ...かなりの緑

　　　[　ゴクン ____…　]

: 食事を終えた。…あるのか分からん腹に結構な
エネルギーが入ったが、それでもまだ足りなそう

__… クレーン車と見まごう怪力で首を振り
　　　次なる〖よい食事〗を求め、…匂いを嗅ぐ



　[ｽﾝｽﾝ …ｽﾝ　…ｽﾝｽﾝ]　______　…　ｺﾙﾙﾙﾙ …

: … 香る〖匂い〗に導かれ、…女帝と目が合う。


( 喉(？)を鳴らす …唸り声にしか聞こえない音が響く …
今、…尸龍は思考能力が低下していた。…空腹のなかで
捉えた〖美味な香り〗に思考を奪われ __身体は動く )



　　　　　　　 　　[ ゴ カ … ]


____女帝の目の前で… 万力染みたアギトが開かれた。

　　　　　　　_____えっ


　　( ....目の前で大きな口が開いている ...
　　　....さっきまで食べて居た様な植物はない
　　...竜の目は少なくとも、こっちをじっと見ている

　　　有るのは自分の身 ... ....不穏な未来が脳裏に過っては、思わず顔を青ざめさせる )


　　「 ...待ち、ましょう？そう！い、一旦どうかあの！待っては下さらないでしょうか！？いや本当私なんか見ての通り食べても美味しくなんか無いんです！ ...か、勘弁して下さいっ ....！えぇい ...うぅ、か、かくなる上は ... ！ 」


　　( ...自分の栄養や水分・エネルギーを消費して
　　　種を急成長 ....無理矢理実らせたり、咲かせたりする ....緑の女帝の名前は伊達じゃない

　　　...身を守る様に、植物で全身を覆い ...震えを誤魔化す )

　　[ ボ　ッ ]　_____…　ﾊﾟﾗﾊﾟﾗﾊﾟﾗ …

: 覆った植物へ噛みつき …芋か何かとばかりに引き抜いた。
根に付いていた土が、ﾊﾟﾗﾊﾟﾗと雨垂れめいて降ってくる …

__[ｽｽﾞｽﾞ …]


　…　バキッ！　バキッ！　__ﾊﾟｷｷ…ﾊﾞﾘﾊﾞﾘっ…バキッ！


( が、…幸いな事に興味の優先度は確保できた食糧だった
丸ごと引っこ抜いた植物を隣に横倒しすると …肉食龍にも
劣らぬ迫力で、纏まった〖緑〗へ噛みつき…千切って呑み込む

____…緑の女帝には眼もくれない … )

　「 ...し、自然の破壊者か何かですか ...も、もぉおおっ！ 」


　( ....そう言う食性の生物だと言う事は理解している

　自分の命が助かったのも .. 単に好物にありつきかたかっただけなんだろう ... ...それでもなんだか


　　腑に落ちないのは、仕方ない )


　　「 ....よし、決めました 」

　　___ふと立ち上がる ...決意の表明


　　　「 アナタが ...その、名前とかどんな生物とかかは分かりませんが！放っておいたら ...大変な事になるのが何となくわかります！ ...ですから！


　　　私が餌の提供をし続けましょう！！ ...ふふ、ゆ、優良物件、ですよ？ 」


　( ...若干まだ怯えながらも、恐る恐る掌を開いては ...種を見せ付けて )

　　　〖　　ｼ　…ﾘ ｭｳ　　〗




: … 残らず喰らい終え ___厳かな…掠れた音が鳴る

振り向く…巨大龍の骨格。… 餓えた瞳は、正常に輝いた

深い知性 ___…　"緑" の深きへ至れし風格に満ち足りて



　…　翼腕 __…引き裂くカギ爪の指を、"種"に近付ける …

(/ ......この時間帯、つまりはそう言う事です
...眠くなって来てしまいました )

(/ ﾐｶﾄﾞ … ｱｽ … ツヅケル … ｶﾏﾜﾅｲ
マツ … ｱｽ … ｶﾅﾗｽﾞ … )

(/ .... .... .... ...ひゃい、頑張らせて、貰いますっ )

(/ ...お待たせ、です！ )



　　「 ...種？...この種が気になるんですか？ ...え、いや私が言うのもアレですが ...色々本当に良く分かんないんですけれど ...生態と言い、し、ｼﾘｭｳ？ ...スカルドラゴンさんは良く分かんないドラゴンですね ...！ 」


　　( ...まぁ、少なくとも悪意が無いのは確か
　　...今までの対話からそれは分かった ...なのでまぁ

　　____何の躊躇いも無く、種を渡す ...何せ本当にただの種だから ... )


　　　緑の女帝が居て初めて ...急成長を成せる代物


　( ...愛着や可愛げが若干だけれど、湧いた気もする )

　　

〖　 ｼ…ﾘｭｳ　__尸[ｼｶﾊﾞﾈ]… ノ … ﾘｭｳ

　　ｶﾂ …ﾃ　…ﾄﾞらｺﾞﾝ ﾄ …ﾖﾊﾞﾚし モノ　　〗



　　[ ﾊﾟｷﾊﾟｷ ___…　ギチッ______… ]

: …___"竜骨"に、…触れた種子が芽を噴いた
__… 小さなタネは破裂と 濁流のような木の根を
　 尸骨へ吐き出し __骨格全てを覆い尽くした …

[　ﾊﾟｷｯ　ﾊﾟｷｯ　___バキﾊﾞｷｯ　…　ﾊﾟｷｯ____　]

　　「 ...お、おぉ、おぉ〜〜〜 ...！！！？ 」

　( ...仕掛けのタネは違うんだろうけれど
　　似た仕組みをこなす尸龍への興味が一気に傾き ...思わず 幼子の様に ...未知の物を見たと言わんばかりに目を輝かせて .... 詰め寄り、眺める )


　　「 ...す、スカルなドラゴンが...より格好良くなっちゃうんですかぁ〜〜！！？ 」


　　( ...鎧の様に纏われる緑に、期待は深まる )

: 急激な成長を遂げた木の根は …緻密に骨格の隙間を
補うように埋めていく。…__筋繊維を表現した木目模様

　　__　…樹木による 擬似的な〖受肉〗を経て　…

・肉体を重厚かつ 緻密に再現した　"飛竜の筋樹"、

・幽鬼めいて …揺らめいた水皮膜は薄い木葉が代わり

・おかしな角は __枝分かれした …樹木へと〖還る〗


: … 樹木の精霊 ___"森が竜の形を取った"とも
穏やかな瞳が緑の女帝へ向けられる …〖ｳｯﾄﾞﾄﾞﾗｺﾞﾝ〗


〖 我ガ名ハ… イクツカアル …　天寿ヲ生キ終エ …

　尸骨ヲ遺シタ カツテノ飛竜ノ名ハ … オルドルムヴァ

　カリソメノ命ヲ吹キ込マレシ… 尸龍 ライヒェル:ドール


　[女帝] ノ恵ミガ　… 呼ビ覚マシタ "転生"ノ 竜 …

　我ガ名ハ　___　地神　オルヴァー 。〗



[… 受木を経て __より巨大化した、樹竜が腰を降ろす]

(/ .......な、何だか凄まじい事になって居ませんか！！？ ...そ、想像以上に神々しいと言いますか )

(/ … なんと、想像を遥かに越えた正体でしたね …
飛竜種の "ドラゴン" 、オルドルムヴァの尸骨にして…

天寿を全うした末に転生するはずだった〖地神〗だとは )

________

(/ ...餌付けとか、凄く不敬だったかもしれません ...ひぃい ...！？
　色々恐るべき、過ぎます ...よぉ ...！ )

___用語解説を致しましょうか …


〖ドラゴン〗

これは … "名" ではなく "位" のようなモノです

名高く気高く、強力な力。…〖生命エネルギー〗を持つ

竜種に、自然が与える "自然の番人" としての位であり

その指名は生涯に渡り "自然" を守り、エネルギーを溜め

…　死期には生涯に渡り溜め続けたエネルギーを荒廃した

自然の苗床で解放し、新たな生態系を造る事です　____

(/ ....あのすみません！！？その！！これ私が関わるべき案件でした！？スケール！スケールが色々流石にちょっと！？ ....いや確かに自然関係してますけど ...けどぉ〜〜！！？ )

〖飛竜　オルドルムヴァ〗

"飛竜種"の〖ドラゴン〗というのは珍しい存在でしたが

厳格ながら人間と友好を結ぶ事さえあったという …

竜としても珍しい、変わり者と言える飛竜だったようです


____… 〖ドラゴン〗の指名を全うした竜は

____最愛の土地で　"地神" として甦る事を許される


…　かの飛竜も、すぐに甦る事になっていましたが…

(/ はい。…無邪気な自然の、貴女ゆえの "地神" です

__… あんまり重い事にはなりませんから。…ごゆるりと)

(/ ....ご、ごゆるり出来ませんよぉ〜〜〜！？あ、姉御ぉ〜〜〜 ...！！！ )

[ ﾊﾞﾝｯ!! ]　「 ダッコ … ___無事かいｯ!? 」


____乱暴に扉が開かれた。… 場の空気を突っ切って
　　荒々しくも 暖かな風が植物園へと流れ込んで行く …

「 …　っ　___…　んだぃ？こりゃ…"神"の気配がぁ 」


( … 姉御だ。…問答を、弟分と行う前に"樹竜"との
　 間に割り込み、…　ガンを飛ばす勢いで顔を見上げる )


「 したって… すっ飛んで来たらよ ___
… 一体全体、何で "地神" が居るんだい 」

〖 地神 オルヴァー … 〖女帝〗ノ恵ミデ目覚メタリ 〗


___…　しっかり背中を見せつつ …デカブツ同士が相対する。

　ﾊﾞﾝｯ!! 「 __んひぃっ！！？あ、姉御ぉ！？ ...ち、ちょっと、お身体の方は大丈夫なんですかぁ ...！！？

　　あ、あの！呼んでおいてアレなんですけれど ...か、身体を優先して下さい ....それはそうと失礼します ...！ 」


　　( 怯えは隠さず ...姉御の大きな背中の後ろに隠れて、恐る恐る樹竜を見上げる ...
　　....あげたのはただの種のみなのだ、...決して知恵の種いう訳でも無い )



　「 あ、姉御も知ってるんですかぁ ...？
　　えっと、す、スカルドラゴンさんが急にこう ...樹を纏って ...！ ...わ、私にもサッパリなんですよぉ ...！ 」

　　( ...裾を掴み、身震いし続ける ... ...意味は自分でも良く分かっていない )

「 ん。…あー　___姉貴が病院で卵見ててやっから
オレに言ってこいってな … ま、ヤワじゃぁないよ

　　 … 度胸、あんのかないのかハッキリしな？
産ませて早々仕込むよーな旦那どもの壱匹だってんだ

　__無いとか言い出したら張り倒してやっからねぇ？ 」

( 変な冗談と満面笑顔で頬っぺた両方押し込んで ___
… 向き直るのは、敵意のない巨大な樹竜。…静かだ )


「 …　此処、"魔城" だろーが、アンタ何処の "地神"
　だってんたい？ 何血迷ってもこんなトコ来る種族じゃ
　無いじゃないか …　しかもオレの弟分の前たぁね … 」

_____(ゆっくりと　…樹竜は言葉を発する)


〖 此処ヨリ遥カ…　西ノ深キ森ヘ還ルモノ

… 欲深キ "死霊使" ノ束縛デ恵ミヲ阻マレ

尸龍トシテ彷徨イツヅケ … コノ場へ至ル 〗


__…　どうやら〖女帝〗は"恩"を売ってしまったようだ。

　( ...緑の女帝　___赤城内ではまだまともに近い思想を持っている )

　「 ﾋﾟｨ！！？あ、ありますあります！ 度胸無かったらこんな所にいませんよぉ ...！ ...う、うぐぎく 」


　( ..心臓が破裂しそうな程ﾄﾞｯｸﾝﾄﾞｯｸﾝと何度も脈打ち ... ...冷や汗もﾋﾞｯｼｮﾘ ...
　見栄を張っているのは恐らくバレているだろうけれど ...せめて口先だけは強く見せようとする ....それでも、裾を掴む手に力が強く入るが )


　　「 ......へ、ﾍﾙﾌﾟ、です 」


　( ...そこまで偉くなったつもりは無いのか、萎縮した様子 )

「 はっ。… つまりなんだぃ？あんたダッコｫ…
　　"地神"の恩人になっちまったワケかい！

　 ___っ　はっはっ…　こりゃあいい！
　　… まっさか"地神"たぁねぇ … 」

( 大笑いしながら姉御はばんばん弟分の肩を叩く )


　…　んで


「 …　[仲魔]かい？ 」

〖 ソノトオリ 〗
___________________


( … 一回、落ち着かせる為に__[ぱふっ…ぎゅうー]
　…　姉御の匂いと柔らかさで顔を包んでやってから )

「 聞いたかイ？ダッコぉ…　あんた "地神" の
〖召喚権〗を頂いちまえるらしーぞぉ？… きひひっ！ 」

　「 ....へ、あ、え、え〜〜と？その、わ、私のした事の規模が未だにつ、掴みがたいんですけれど ...？
　...な、なんかやらかしたと言うよりかは ...やって良かった感じ、で ...し、しょうか ...？ 」


　( 肩を叩かれ ...陽気な姉御の雰囲気に戸惑いは隠せず ... ....事の重大さを理解する事さえ、脳がどうにも拒んでいる )


　　_____________


　　　ﾌｷﾞｭｯ！！？ ...ぁ、あねごぉ〜〜〜！！？

　( ...それで落ち着く筈も無く、ジタバタともがこうと ...手足を動かしているのが良く分かる )

「 … まー。__やって良かった事さね、あんまし
　 気にし過ぎんじゃないよぉ？…　此処はビシッと 」

( ___身体を離して …　[ﾁｭｯ]____ )


「　…　カッコ付けとき、な？　…だんな様 」

: ちょっぴり …長く、ハグをして勇気付けて…
待ち続ける巨大な樹竜の前に__とんと背中を押す


____________


〖 … 〖女帝〗、アナタノ名ヲ覚エタイ __名乗リヲ 〗


　　…　腰を降ろした。__それだけで壮大な、樹竜 …

　　　...ん、んんっ ...っ ...！

　( ...声色を整えた後で ...姉御が見ている緊張感が体に伝わる中、それでも ...一つ拍を置いては落ち着きを取り戻し ...改めて、その名を名乗ろう )



　　___ダレット ...我が名誉ある名はダレット！


　　　...これでも一応、そこそこな名家のお嬢様！自然を愛する者で ...そしてまた、炎や氷と共に月を守る者！


　　　...よ、よろしく、頼もう！！！

〖 … ワレハ 地神 オルヴァー …コンゴトモ、ヨロシク 〗


___…　"ｶﾁﾘ" と、…〖女帝〗の心だか何かの感覚に
　　 目の前の樹竜の __"権利"的なモノが通り抜けた
　　　…　そんな体験が、一瞬だけ実感できる __…


_____[ﾊﾟｷｷｷ …]　…　[ｽﾞﾙｽﾞﾙｽﾞﾙｽﾞﾙ …　]

: 言い終えると …"筋樹"が蛇のように地面へ抜け落ち
それらが地面へと潜り込んで __元の"尸龍"が遺された


____…　空間から微かに声がする　…


・ 尸龍ニハ　尸龍ノ意志アリ … 〖女帝〗ノ声
　　ワレヲ喚ブマデ … 尸骨ヲ尸龍へ預ケヨウ

　　　…　ワレヲ喚ブハ念ズルダケデイイ

　　　　　　　___　サラバダ


______[ ｶﾗｶﾗｶﾗｶﾗｶﾗｯ　… ]


: 声が終わると …力尽きたように骨格がバラバラに落ちる
　　___頭骨から、…元の少々間抜けな声が聞こえる　…


　　　　　　〖 ｸﾞｺﾞｰ　…　ｼｭﾙﾙ　…　ｸﾞｺﾞｰ 〗
_______


( …　しばらく、間を空けて…　また抱き上げられる感覚 )


　「 … ひひっ　____カッコ　…良かったねェ？
　　さぁっすがオレの …[ぱふむぎゅっ！]…ダンナ様！」


　　____満面笑顔の祝福が … 女帝の元へ訪れた

　「 な、なんでこうな ...う、ウグゥ〜〜〜...す、凄く疲れましたよぉ姉御ぉ〜〜〜 ..！！！ 」

　( ...最早感触については突っ込む余裕も無く ...不安が消えた事による安心感で思わず顔を擦り寄せて ...大きな溜息を吐く
　....こうして扱ってくれる事がなんやかんやですっごく嬉しかったりするし )


　「 ...はぁ〜〜〜 ...あ、それにしてもなんですけれど



　　　　___フルネーム、言わなくて大丈夫でしたかね？ ....あ、あはは 」

「 んー、ま　平気なんじゃないかい？__本気の主従っつー
訳でもないからねェ …ひひひっ … ん、のむかい？ 」

: [ぷるん]__…　くしくしと頭を撫でながら

　「 ....へぁ！！！？の、飲みませんよぉっ！？ ...も、もぉおっ！揶揄わないで下さいよ姉御ぉっ ... 」

　( ...顔を赤く染めて頬を膨らませながら ...慌てて服の中に仕舞い込ませる ...疲労はしたけれど、それ以上に ... ...有意義だったと、思えた )

　[ ひひひひっ！ ]


( 豪快で煽情的で、…だからこそ夢中だらけの姉御は
もう心底、… ３匹の事が好きで大好きで 尽くす気だ

___からかう姿も　…何処か無邪気で楽しそう )


___________


　[ライヒェル・ドール :正体編]

… 区切りが付いたよ！やったね！

(/ .......ふひゃぁ〜〜〜〜 )

(/… 地神の描写はけっこう頑張った)

(/ おひゅかれさまだよぉ〜〜 ...ん〜〜〜〜 [ ちゅう ] ...にひひ )

(/…　ふひゃへ)

(/ ....寝るぅ？流石に ...くひ )

(/…寝る、おやひゅみ…)

(/ ひゃ〜〜い...おやすみぃ )

(/やはり　…渾沌か)

(/ 目新しさを感じる訳ではなかったが
　少しは歯応えが加わりそうだ、…ククク )