あなたの目に、ふととある店が映り込む
まだ昼だと言うにもかかわらず、その店は『星空』を体現させたような見た目で佇んでいる
昼間の中の星、常識の中の非常識、普通の中の異常
生き物とは、そんな非日常に好奇心をくすぐられるものだ
カランコロンと扉を開く
『いらっしゃいませお客様、どうぞ、お好きなお席へ』
開いた先に視界に飛び込むものは、あまりに美しい『星』であった
【っよっと…シキさん、あのガキは?】
(裂けた槍を瞬間移動で交わし、再びシキの元へと戻って問いかける)
「ん〜?ここの客さ、あの子の中からあれが出てきた」
【ったく、だからなんで最近のガキは偉いもんかかえこんでんだ…!】
「まぁそう怒るなよ叢雲くん、ほらよ、さっさと倒しておくれ」
【……依頼主の腕とか、どうなんだか】
「いいからいいから、ズバッとやりたまえ」
ザンッッッ
(音が鳴り響く、叢雲の『霞』はなんと、シキの右腕を切り落としている)
「ん、バッチリやりたまえ」
【了解】
(だが、その様子に、当事者は2人とも動揺どころか興味すら向けない)
彼岸の花
(『曼珠沙華』が、赤く光る)
…私を倒す策があるとでも?
その妖術士の腕を犠牲にしたからなんでしょう。
結果として君は私に殺され、犠牲は無に還るだけだというのに。
あははは、如何にも無知で、蒙昧で、涙が出ますね。
――まあ、それなら一気に『終』わらせてあげましょうか。
(6枚の内、『3枚』の翼を広げる。)
使役、弐。
『レールの黄金』
使役、參。
『ワルキューレ』
使役、伍。
『ジークフリード』
(それぞれ、弐からは黄金の槍が無数に放たれ、參からは『生命を吸い取る』輪が数本連なって向かい、伍からは『魂を縛る』鎖が出る。それらは叢雲めがけて飛んでいった)
【怖ぇなぁ、まぁどうにかするしかねえが】
(ガンッと、両の刀で鎖を防ぎつつ、瞬間移動で徐々に接近してゆく)
「…さて、血は足りただろう、さっさと片付けてもらいたいものだ」
(そんな中落とされた腕を拾い上げ、切断面を合わせる、するとずるりと傷口からダラダラと流れる血が、逆再生のように吸い上がり、何事も無かったかのように切断面が消えてゆく)
「『曼珠沙華』、異形を斬ることに特化している『妖刀』、…頑張ってくれたまえよ〜叢雲くん」
【他人事か、よっ!!】
(そして、刀を振り下ろす)
――おや、中々やるようですね。
私をここまで相手できたのは、君が初めてですよ。
…『今度』は、必ず食んであげましょう。
ああ、もう時間のようだ。
(そう告げると、深紅に満ちた双眸が深い青に染められていく。
砂時計の砂が一粒残らず落ちたのは、その時だった。)
――っ
(変わる。目の前に迫りくる刃。)
【、ほいよ、っと】
(曼珠沙華を振り下ろす手を寸前でとめ、だが警戒はとかず、首を足で締め眉間に向けて刃を向けようとする)
「………叢雲くん、良いよ、そろそろだ」
【あ〜?あんた俺が死ぬとこ見たいからとか言いませんよねぇ?】
「なんて人聞きが悪い!今言われてとても興味が湧いたけどまだそんな事しないよ!」
【うーわいわなきゃよかった】
……お、おれ…なんで誰も…
死んで、ないのか?
(向けられた刃も視界に入らず、ひたすら困惑の表情。
完全に『変わった』ようだ。)
【あー、さっきのガキってお前ね、はいはい、どきましょーね】
「やぁ少年、意識は明瞭かい?」
(様子が戻った少年の前にしゃがみ、目の前で手を振る)
『いま水をおもちいたします』
あ、ああ…うん。
でも、なんで…
(シキの問いかけに頷き、周囲を見渡す。
そこには確かに交戦の後である破壊が残されている。)
生きてるのか? …『アイツ』と戦って。
「あぁ、『オジサマ』が頑張ってくれたからねぇ」
【あんたに言われると馬鹿にされてる感じしかしねーんですけど】
「はっはっは、安心したまえ、32歳なんてまだガキだよガキ」
【それもどうなんだ…】
(刀をしまい込み文句を言う叢雲に、へらへらと笑いながら言葉を返すシキ、先程までの戦いがあったとは思えないほどの軽さである)
オジサマ…?
(叢雲をじっと見つめる)
そっか、アンタが…止めてくれたのか。
……ありがとう。
(ようやく発した感謝の言葉。幼い顔にうっすらと安堵の色が浮かんだ瞬間、糸が切れたように地面に倒れた。)
「おや、気を失ってしまった」
『お待たせ致しました、お水をっ、…遅かったでしょうか』
「まぁ目覚めた時にでも渡せばいいさ、エトワール、叢雲くん、少年を休憩所にでも運んでくれたまえ、非力な僕には無理でね」
【へいへい、任されましたよっと】
(そういうと、倒れてしまった少年を抱き抱え、プラネタリウムを模した休憩所へと向かう)
(……手紙が、いつの間にかテーブルの上に置かれていた
……書かれている宛名はこの店の名前。)
「…む、」
(彼を運んでゆく2人を横目に、ふと、テーブルに置いてある手紙に気がつく)
「…………先程まではなかった、…ふむ、…………」
(その手紙を手に取り、す、とその瞳、瞳孔が開く、何者にも染まらないその色は、ほのかに光っている)
「…………おや、おやおやおや、これは…」
(その『異能』により、何かを察する)
(······)
「······『即時開封』」
(どこからか声がして、······一瞬後、少女がそこに居た。
······やや悪戯らしい笑みを浮かべるも、相手の瞳の色を見て······返答に期待しない一言を)
「······驚きましたか?」
「驚いたと言った方が嬉しいかな?異能使わない方が良かったねぇ」
(『目』をおさめ、にこりと微笑む)
「はろー、政府関係者の子かな?」
「閉まってましたからね……」
(驚かすつもりはあまり、と首を振る)
「……ああ、あなたは……確か、シキさんでしたっけ……はい、政府関係者ですが別にどうこうするわけではありませんよ」
(手紙で手に入れた情報により名前だけは知っている重要極秘人物へと頭を下げる)
「あはは、実の所、途中まで叢雲くんの目まで抜け手のお忍びだからねぇ、いやぁまいったまいった」
(軽く笑いながら告げる本当にまいっているとは思えない)
「それで、なんの御用だろう、お客様かな?店主ならばあちらにいるよ」
(と、休憩所にいる店主を指さす)
「……」
(それでいいのか超重要人物、と糞真面目は思った。
……ともかく。)
「マスターさん!コーヒーお願いします!」
(休憩所まで歩いてきて)
『!お、や……店は閉めていたのですが…お客様でしょうか』
(いつの間にか入ったのだろう、鍵は閉めていたのだが、シキ殿が開けたのだろうか、などと考えつつも、新しい声に応じる)
『叢雲さま、ここをお任せしても…』
【いーですよ、どうせシキさんのお目付け役なんで、場所移動するつもりもないし】
(快くひきうけたマフィアに礼を言い、カウンターの方へともどり、コーヒーの準備を始める)
「……能力で這入らせていただきました」
(やや申し訳なさそうに)
「少し前に手紙でオススメされたので……」
『おや、手紙ですか、…お客様の中で、文通のお相手がいらっしゃったのでしょうか…』
(ほう、とてを顔に添え(人間の顔であれば顎に当たる位置)そう呟く)
【………】(普通に不法侵入だよなぁ)
「ははは、考えるだけ無駄だぞぅ叢雲くん、それにそんなこと言ったら君も不法侵入だぜ?」
【あんたがよんだんでしょ、というか、思考読むのやめてもらっていいすか】
「……文通相手は無数です……特定の人物を探すのは無理ですね……」
(やや苦笑しつつ)
「……不法侵入ですよねぇ」
『まぁ、店主として否定はできかねますが……また来て下さるのであれば、次はOPENの札がかかっている時に来ていただけると…』
(色々危険でしたしね…と考えながら告げる)
「はは、政府関係者が不法侵入とかべつ、っむぐ」
【はーい、世界的重要人物が問題発言しねーでくださいよ】
「……善処します」
(やや散らかった店内を眺めて頷き)
「…………」
(後ろで起こっている騒ぎを聞いて頭を抱えそうになる。下っ端の身、直接関係はないはずだが……場所ゆえか。)
『……立場上深入りなどしませんが……本当にシキ殿は偉い方なのでしょうか…いえ、常連様なので何となく分かるのですが』
(できたコーヒーを差し出しつつ、告げる)
【はー、というかお忍びで俺の目掻い潜るとか何してくれてるんだか、今更なんだけどさ】
「ぷは、全く全く!息が止まるところだったぞぅ!まぁ別に死なないけどな!!!」
【うるせ】
「ありがとうございます」
(後ろの騒ぎも忘れて早速一口。)
「……美味しいです」
(地味に溜まっていた眠気と疲労が吹っ飛んでいく)
『それは良かった、どうぞご自由に、追加の注文がございましたら、いつでもお申し付けください』
(そういうと、先の混乱で起きた破損の修復に取り掛かる)
「まったく、年上を敬う事を覚えたまえ叢雲くん」
【あんた以外は敬ってますよっと】
(文句を言いつつ、自分も元いた席に座り、食べかけていたモンブランを頬張り始める)
「あちち……」
(……周囲を見回す。
開店している時はもっと幻想的なのかもしれない風景が広がる。
常連客の仲も良好なようだった。
コーヒーを全て飲み干し、テーブルで手紙を書く。……そして代金、おおよそ600円をその場に置いて)
「……では、また。お邪魔しました」
(篝は彼女の家に送った手紙に自分を『添付』し――一瞬にして消えた。)
『!…おや、お釣りが…』
「いいんじゃないかい?不法侵入の迷惑料も兼ねて貰っておきなさい」
【あんたほんとオブラートに包むとか言う言葉知らねぇよな】
「知って面白い事になるなら覚えよう」
『……どうぞ、またのご来店をお待ちしております』
――店のカウンターに、コーヒーフィルターで書いた手紙が置かれていた。
拙い文字で紡がれた最後の言葉。
『 ありがとう 』
それは決意。諦念に差す一筋の希望を信じ、もう一度歩き出す。
自分という名の人生を生きるために…
(退場!)
「 ……あっ、 」
( closeの札がかかったドアを見かけこの前初がいた喫茶店だとおもい小さく声を漏らし。まだ明るい時間なのにと思いつつ、そのままドアノブに手をかけ過去を見ようとするが思いとどまり。少し強い風が吹き、手元の資料が飛ばされた少し焦ったように目を見開き宙を舞う紙に手を伸ばす )
「 っ、どうしよう…! 」
「…………エトワール〜、なんだか外で子猫ちゃんが遊んでいるようだぜ」
『?はい?』
「風が強くて大事なものが飛んでいるようだ、紳士だろ君、行ってあげなさい、僕はモンブランを食べるのに忙しいからね」
(モグ…と後ろを見ることも無くそう告げた客に、疑問符を浮かべながら、外の扉を開ける)
『!おや、』
(すると風に舞っている紙と、それに手を伸ばす少女を発見、こういう事かと、高い身長と長い腕で、風に舞う紙を掴み、少女に差し出す)
『大丈夫ですか、お嬢様、他に飛んだものなどは?』
「 っ!……うん、大丈夫 」
( 店から現れた人物を見て少し息をのんだあと、差し出された資料を確認し枚数があることを確認すると安心したようにほっとため息をつき表情を緩めて。小さくお辞儀をしながら少し微笑んで )
「 ありがとう、大事なものだったから助かったよ 」
『それは良かった、お気をつけて』
(小さなお辞儀に、こちらも軽くかえす)
『おや、…そういえば、戻していませんでしたね…』
(と呟き、店のプレートをOPENに戻す)
( オープンになったのでプレートと時計を交互に見たあと、ぶかぶかの袖を口に持っていき数秒考え込んだ後おずおずと恐らくここの主人であろう人物に声をかけて )
「 ……少しだけ、お邪魔しても? 」
『!…ふふ、ええ、かまいませんよ、どうぞ中へ』
(ほんの少しだけ驚いた素振りを見せるが、快く頷き店へと招く)
『メニューは机の方に、決まりましたら、お声がけ下さい』
( 星空のような店内に少し驚いたように目を見開き、他にも人がいるのを見て少し首を傾げながらも席につき。メニューを見て声をかけて )
「 紅茶と…チョコレートケーキを一つ 」
( さっきしまった資料を取り出し少し退屈気にそれを眺めて )
『承りました、少々お待ちを』
(そう店主が告げ、準備をしていると、横から声がかかる)
「おや、「今日も」探偵業に勤しんでいるのかい子猫ちゃん」
(食べ終わった皿にフォークをおき、紅茶に口をつけつつそう告げる)
「………うむ!チョコケーキとは良い趣味だ!ここのケーキは絶品だぞぅ!」
「 …お金はとっていないから探偵ごっこっていうほうが正しいけどね 」
( 今日もと言われてあったことのない人に言われて少し眉を寄せたあと何時ものような無表情に戻し、資料から視線をあげじっと横にいる客人を見つめ。少しため息をついたあと何で知ってるのだろうと思いながらも深く詮索する気はないのかそのまま黙り込み )
「おや、趣味に近いのかな、そうさなぁ、でも金くらい取れそうだけどね、子猫ちゃんなら」
(そう言ってゴクリと紅茶を飲み干す、カップを置きニマニマと笑っている)
「 お金ならあるから別にいらないし、興味が無いから、だからあくまでもごっこでやってるだけ 」
( 無表情のまま感情のない声で呟き。べつに楽しいからやってるだけだしなぁと思いつつふっとため息をつき、相変わらずじっと見つめたまま問いかけて )
「 それで…ボクに何か用でも? 」
「いや別に?かわい子ちゃんにはとりあえず声をかける、常識だぜ?まァまァいいさ、エトワール〜?金置いていくぜ〜?叢雲くん、行くぞー」
【へいへい、わかりましたよ】
(そう言うと、席から立ち上がり、こう告げる)
「『またどこかで会おう、ホームズちゃん』」
(どこを見ているのか分からない瞳に映っているのは、きっとこの世界線ではないのだろう)
( その言葉を聞き眉をひそめつつも小さくため息をつき、先ほど座っていた人の席を見ながら小さく呟く。今回の事件で必要になった一枚のタロットカードを見つめて小さくため息をつく。これと先ほどまでのことは全く関係はないけど… )
「 破壊、破滅、崩壊……なんて考えすぎか 」
「 また……会うことがないといいけど 」
( ふっとため息をつきながら今までの考えを振り切るように頭をふって )
『……シキ殿はわからないを体現されたような方ですから…、お待たせ致しました、紅茶と、チョコケーキでございます』
(そういうと注文の品を差し出す、)
「隣の休憩所はいつでもご利用していただいて結構です、どうぞ、ごゆっくり」
「 ゆっくり…したいけど多分このケーキが食べ終わった頃にうるさいのが来るからまた今度かな 」
( その言葉を聞き時計を少し見て紅茶を飲んだ後小さく呟き。ケーキがもうそろそろ食べ終わりお会計をと思い席を立つと同時に喫茶店のドアが開き少し息を切らした小さな箱を持ったこの前訪れた青年が一人佇み少女に駆け寄る )
『 あぁもう!探しましたよぉ!お嬢さん、いい加減電話でも持ってくれやせんかねぇ? 』
「 初が持ってるから必要ないし、たいした用もないのにかけてくるやついるからいい 」
「 お会計お願いしても? 」
( 少しめんどくさそうな表情を浮かべため息をつきながら適当にいなして )
『おやおや、この間いらっしゃった…成程あの時の…』
(入ってきた青年の姿に少し考え納得)
『あ、お代はかまいませんよ、既に頂いていますので』
(そう、ぴらりと1枚の紙をみせる、紙には…)
【お話代、チョコケーキ美味しいよねぇ〜、今度また語ろうぜ、ホームズちゃん】
(横に書いたであろう本人の似顔絵も描かれている)
( その紙を見てはぁとため息をつく。仮を作るの得意じゃないんだけどとおもいつつ、少し困ったように額に手を当て少し考えこみ )
「 ありがとうって伝えといて、常連でしょ、さっき話した人……またあったら今度はお代はボクが持つから 」
( そう言ってドアに向かい開けて店を去る前にほんのりと笑みを浮かべる )
「 今度ここに来るときはココアの上にマシュマロが乗ってるやつが欲しい 」
( そう言って二人は店を去っていった )
『…ふふふ、了解致しました、…またのご来店、お待ちしております』
149:◆Qc:2021/02/24(水) 23:39 (夕暮れ、一通の手紙を持った少女が突然店の近くに『現れる』。)
「……今日はやってますかね」
>>149
「…………、ここ、でしょうか」
(ぽつりと、目の前にある店を見て、言葉をこぼす)
「…叢雲さんからのオススメだそうですが、…かふぇ、ですか」
(あまり1人でどこかに行こうなどと思ったことはなかった、だが、彼にわざわざ教えて貰ったのだ、…せっかくなら、彼と来たかったが)
「……入口はこちらでしょうか」
(そう呟きながら店の扉の取っ手に手をかける、その時、その視界端に誰かが現れたのを見る)
「…、」
(目的地は、同じなようだ)
「······おや」
(ふと、今から入ろうとしていたカフェの扉に誰かが手をかけたのを見つけて。どうやら独り言は聞こえなかったようで質問する)
「······こんにちは、常連さんですか?」
「……いえ、この店を勧められたもので、初めてですが」
(声をかけられるとは思わなかった、が、特に同様もせずに返答する)
「……あまり会話は得意ではありません、お気に召す回答で無ければ、申し訳ありません」
(そう言って軽く会釈して扉を開く)
「……勧められた……私と似たような感じですか」
(持っていた手紙の他にもう一枚手紙を取り出す)
「……いえ、別に大丈夫です」
(開かれた扉を押さえて中を軽く見る)
『…!おや、いらっしゃいませ、……2名様でしょうか』
「…いえ、1名づつです、たまたま入る時間が一緒でしたが他人ですので」
(扉に手をかけた彼女は、中の店主を見て1つ沈黙を置くが、特に動揺をする様子もなく店主の言葉を訂正する)
『おや、それはそれは…失礼いたしました、1名様ずつでございますね、それでは、どうぞお好きなお席へ』
「……」
(その言葉に、彼女は入口に1番近い席へと足を伸ばした)
「……では、私は……」
(見回すとほぼガラガラだったので、適当に……入り口から二番目に近い席に行く。一番近い席は取られたので、その隣である)
「…………カフェオレを1つお願いします」
(隣に座る相手を数秒横目で見ながら、注文をする)
『かしこまりました、少々お待ちください』
(店主が言葉を返した事にひとつ頷き、カバンから手帳を取り出す、軽く見ただけでもビッシリと文字が書き巡っているのが分かる、かのじょはその手帳の新しいページを開き、ペンを取り出してまた1つ文字を並べてゆく)
「私はブラックコーヒーをお願いします」
(そこそこ仕事……政府の任務や郵便局のバイトがたまっていたので、眠気を飛ばすために注文する。
……そうする間に、隣の席の相手が何か文字を書き始めたのを見て、やや関心を注ぐ)
『承りました』
(店主が返答しこちらも準備を始める、そんななか文字を書き込む彼女は見られている事もきにせず書き込み続けている)
(どうやら内容は医療系や、それに関連した様々な分野についての内容が書かれているようだ)
「…!」
(すると、彼女の持つカバンから初期設定の着信音が響く)
「………はい、天宮です」
『──、─』
「はい?…えぇ、まぁ、構いません、いらっしゃっても大丈夫です」
『──』
「えぇ分かりました、頼んでおきます、では、後ほど」
(会話は淡々として直ぐに終わったようで、すぐに携帯をしまい込んだ)
「………失礼しました」
(そして、いつの間にか、こちらを見ていた隣の彼に、会釈をまたする)
「あっ……いえ」
(そこまで自分は彼女のことを眺めていただろうかと思ったが、とにかく自分が勝手に見ていただけなので頭を下げる。
……そしてこっちも仕事を始める。政府スパイ関連の情報をまとめつつ、郵便のバイトでいくつかの手紙を能力で送る)
「すみません、サンドイッチとココアを追加でお願いします」
『はい、分かりました、…ご友人ですか?』
「…いえ、友人というか、…その」
「雪さぁんっ!!」
(店主と会話をしていると、店の扉が物凄い勢いで開かれる)
「やほやほーっ!!お待たせっ!叢雲サマ居ない〜?居ないよね〜!やったぁっ!!」
「……待っていません、静かにしてくださいアルファさん、他の方に迷惑です」
「あは☆ごめんねぇ、忘れてたぁ」
(テンションの爆弾が飛び込んできたようだ)
「……えっと……?」
(急に賑やかになった店内に目を見開き)
「(……確か、あの人は……マフィアのボス、ですよね?どうしてここに……)」
(別にどうこうする気はないが、……篝は少しずつ混乱してくる)
>>161訂正
(なんか来た。)
「……友人、さんですかね……ずいぶん賑やかですが」
(……だが一見騒がしいように見えて、どこか油断ならないような雰囲気も感じる。
撤退も視野に入れて、懐の手紙のうち一枚の送り先を自宅に指定。……そして再びそちらを軽く眺める)
「…友人といいますか、……夫の知人です…………何故か私の連絡先を入手されています」
「あーっはっはっは☆叢雲サマの奥サマとか、情報的には欲しくないわけないしね〜!!」
(表情筋はあまり動いていないのにいかにもどんよりとした雰囲気の彼女とは真逆に、妙にテンションが高い彼はそう告げた)
『………』
(事件性のある匂いがするが、深くは触れない、店主は無言で注文された品々を全員の前に差し出した)
「あはは……」
(コーヒーを一口飲むと頭が回り出した。念のため政府関連の仕事を全部添付して机から消しておく)
「情報ってお金になるからトーっても美味しいんだよ奥サマ、まぁ君の情報売ったりしたら叢雲サマにマフィアとで僕存在ごと消滅させられそうだからしないけどネ」
「……………なんでもいいですが、あまり周りの方々に迷惑をかけないように」
「わかってるよぉ〜、
………ま、『政府』の情報とか、お金になる話はほーって置かないけどね」
(彼女に見えない角度で、口角が歪む、とても楽しそうに)
「ネッ!オジョーサンっ!」
(一瞬鳥肌が立った。いくら立ち位置が重大だといっても所詮篝は下っ端の小娘である。……)
「……うるさいです」
(やや憮然として言う。既に疲れてきた)
「…?」
「んふふ、ぼっくんは情報屋さんだからお金積んでくれたらなぁんでも情報あげる〜って上司サマに言っておいてねぇ!」
(先程の歪んだ笑みをぱっと愛嬌のある笑みにかえ、そう告げる)
「たぶん『α』っていえば上司サマも分かってくれるから、ま、信じるか信じないかはあなた次第っ!…ってやつ!」
「私にそんな権限はないんですがね……あー」
(全否定しようとしたら続く相手の言葉で中途半端になった)
「でもお高いんでしょう?」
(通販型ショッピングみたいに言う。頭のネジが一本飛んだ。
……でも、理性は失わず、情報も抜かれる恐れがあるので、)
「……えぇ、覚えてたら。」
「もちろぉん、お金は多くなくちゃ」
(1円たりともまけないよ、と笑う)
「………ま、それに見合った情報はもちろん出すから、ちゃんと覚えててよね〜♪」
「別に今は何も欲しくないですよ」
(······というよりそれどころでは無い、と頭を振って)
「オジョーサンはそうでも、上層部は色々と欲しいと思うよ?ま、話だけは伝えといてねっ、はむ」
(そういうと、頼んでいてもらったサンドイッチを頬張る)
「あ、これうまー☆」
「……」
「ん、なぁにぃ?奥サマ」
「…いえ、叢雲さんに今の会話、伝えておいた方が良いかと思い、録音していただけです」
「ッゴホッ!!」
(急に振り下ろされた爆弾に、豪快に噎せる)
「ちょっとぉ!?何撮ってんの!!?」
「既に送りました、殺そうとしたら殺します」
「うわ…流石叢雲サマの嫁…もー、商売上がったりだよ…」
(やや冷めた目でアルファを見つめる······も、今の会話で聞こえた名前に聞き覚えを感じて)
「(叢雲さんって······確かこの前来た時にいたような······)」
(······なるほど、どうやら多少は大丈夫そうだ)
「…あ、既読にな「てめぇごるぁアルファア!!!!」あ」
「ぎゃああああ!!!なんかもう来た!!!!うわーん逃げるもんね逃げるもんねぇえ!!!」
(彼女の携帯に既読が着いた途端、『店内に』いきなり男が現れた)
「待ちやがれクソ【規制】!!!」
『おやおやおや、女性陣がいる中でこんなに怒る叢雲様は初めてみます』
(中指を立てて公開できない言葉を叫ぶ彼に、店主は困ったように告げる)
「叢雲さん、落ち着いてください」
「……………ゆきさん、もー!ゆきさんも!あいつを甘やかしちゃダメでしょ〜!」
(そんなキレ散らかす彼に、声をかける、すると先程までとは別人だったかのように話し出した)
(急に騒がしくなる店内、······状況を理解できないのか、はたまた無心で眺めているのか、篝は静かにコーヒーを一口飲んだ。)
「店長さん、チーズケーキお願いできますか?」
(少しずつ居心地が悪くなってきていることを実感するが、もう少しだけ眺めていようと追加で注文を頼む)
『ええ、かしこまりました』
(騒然としている店内での注文に返答し、準備を始める)
「叢雲さん、他の方もいらっしゃいますから、あまりキレ散らかさないでください」
「…なんか冷たくない?外だから?…まぁいいや…って」
(他の人、と聞いて目線をそちらに向けると、1つ瞬きをする)
「…………なーんか見た事ある、えーと…」
(思考をめぐらせる、どこかで見たような)
「…あァ、シキさんの護衛の時にいた」
(そして、思い出した)
「はい、私です······今日も私的ですので······」
(相手に向けて頭を下げる。······というか公的であっても、今の様子を見ていると手を出す勇気はない)
「いや、騒がしくしてごめんね、あのアホになんか言われてなかったか?なんかあったら潰すけど」
(と、既に逃げた男について問いかける)
「大丈夫です······結構危なかったですけど」
(問いかけてくる相手に苦笑を返す。そして、危機は去ったようなので郵便局バイト関連の手紙をいくつか取り出す。さすがに政府関連は出さないが)
「…ならいい、…あー、店長」
『はい、何でしょう』
「あの馬鹿、出禁にしといてくれ、まじでやらかすアイツは」
『え、あ、は、はい』
(言葉から感じる圧に流石に頷く以外の選択肢はなかった)
「はぁ…ゆきさん、とりあえず俺はこのまま上がるんで帰りますけど…ここにいます?」
「…いえ、私も帰ります、頼んだものも飲み終わりましたし…美味しかったので、また、こんどは、その、ふたりで」
「、…了解しました!店長、お代置いときますね、あのバカの分もとりあえず」
「また来ます、…お騒がせしました」
(店長に声をかけたあと、隣に座っていた彼女に会釈をし、2人は店を後にした)
『はい、またのお越しを』
(去っていく二人に会釈をする。
······店内ががらんとした事だし、自分もチーズケーキが来てそれを食べたら帰ろうかと思って作業を進める)
『賑やかな方々がいらっしゃいましたね、お待たせ致しました』
(そう言って作業の邪魔のならない場所に、チーズケーキをおく)
「ありがとうございます……」
(早速食べ始める。……作業は中断、どころかもうまとめて添付して家に送ってしまう)
『ふふ、では、ごゆっくり』
(食べ始めた彼女を見て、自分も片付けを始めた)
(数分後)
「ごちそうさまでした……」
(手を合わせる。……そして立ち上がり、「……では、帰ります」と言って代金を払う)
『はい、確かに、またのお越しをお待ちしております』
(代金を受け取り、お辞儀をして送り出す、扉を閉める時、手を振る店主が見えることだろう)
「ありがとうございましたー!」
(扉から出る時、手を振る店主が見えた。
……さて。またさっきの情報屋がいる可能性もあるので、さっさと帰ろう。
……篝は懐にただ一枚残っていた手紙を取りだし、……消えた。)
(ありがとうございました!!)
「 …疲れた 」
( 少しつかれたようにため息をつきながら手袋を外し、目を抑える。少し首をふったあと目的の喫茶店のドアの前にたち。いつもはしない薄い化粧に、マキシワンピースで立ち姿はお嬢様だが、その表情はうんざりとしていて。いつもいる彼はいないのか、一人でドアの前にたちどうするか少し悩んだ後ドアノブに手をかけ )
『!おや、いらっしゃいませ、お久しぶりですね』
(見覚えのある客人に、挨拶も兼ねて声をかける)
「 ……最近忙しかったから、確かに久しぶりかも 」
( その言葉をきいて少し微笑んで頷いて。少し顎に手を当てて最近を振り返り苦虫を食い潰したような表情を浮かべため息をつき。 )
『おやおやおや、お疲れのようですね、…休憩スペースがございます、少し休まれては?』
(そう言って、人が寝ころべる程度の大きさのクッションが置いてあるプラネタリウムのような休憩スペースを指さす)
「 …もう少し考えることあるから、大丈夫…気遣いありがとう 」
( 少し躊躇ったあと首を振り先ほどの集まりでの事件を思い出しため息をついて。そのあとほんのりと微笑んでお礼をいい。 )
「 ココア、貰える? 」
『そうですか…はい、かしこまりました、少々お待ちくださいね』
(そういうと腕をおろし、ココアの準備を始める)
( そのまま近くの席に座り、ため息をつく。ぎゅっと眉根をよせ先ほどまでのパーティーでのことを思い出す。そのまま目をつむり、首をふる。あの状況じゃ、どちらかしか。その後自分に言いきかせるように呟き )
「 あれが最善だった…って思うしかない 」
『…お客様、大丈夫ですか?』
(用意できたココアを渡そうと客の方を向けば、眉間に皺を寄せているよで、声をかける)
『あまり根詰めるのは宜しくありません、1度リラックスしてみた方がよろしいかと』
(お節介ですが、とココアを差し出す)
「 っ!…そう、だね、うん 」
( 差し出されたココアに少し驚いたように目を見張り、その言葉をきき頷きつつ。眉間のしわを伸ばすように手で押して、目を閉じて )
(_________僅かな寒さが 妙に気になる通りを往く…)
「 ………………… 」
( …稀には、と…気ままに繰り出した先の街…
ヘッドドレスを外し、借りた灰色のコートを着て…
…それでも、ぶらりと眺める風景にも飽きていた )
( …物珍しい物もない …どう、時間を潰そうかと
適当な場所を探してみれば… … )
「 ……………む 」
_______奇妙な建物が目に付いた
『…あぁ、そう言えば』
(ふと思い出したかのように言葉を告げ、ゴソゴソと引き出しを探る)
『こちら、以前お帰りの際に、マシュマロが乗ったココアを、との事でしたので、遅れてしまい申し訳ありません』
(そう言って、可愛らしい小皿に数個のマシュマロを乗せて差し出す)
(____看板を目に 手持ちの金額を眺める…)
…一服、程度には… 時間を使えそうです
[カラン コロン…] 「 …お席は、開いておられますか? 」
『!いらっしゃいませ、ええ、お好きな席へ、メニューは机にございますので、お決まりになりましたらお呼びください』
(そういって空いている席の方に手を向ける)
[!?]
「 っ… …はい、失礼します… 」
( … …予想の斜め上なマスターの姿に
軽く、そうほんの軽く…驚いて、…驚きながら
指された席へと、畏まりながら …座する )
「 ……………………( ……星…? ) 」