一人の役者にして一輪の花にして一等星
夢を喰らう 希望を奪う そんな少女 魔性の魅力に囚われたらもう最期。
でも仕方ない それはあなた達の罪 と誰かが言う。
つみ ばつ
罪 には 罰 を 罪深い咎人達よ
エゴイスト selfish
其の執行人には ----執行人には
目を付けられない様に生活を送って下さい
からん ころん
( 骨の山のてっぺんに座る。暇そうに肋骨や上腕骨とか使ってパズル。崩れて落ちた。退屈。)
「 4、5、7、8、9、10、11、12、13、22、25、50 どれが良いかな。
咎人は来ないかな。余りに重くて深い罪、私が食べて上げるから 」
此処は罪の間 来ない方がお勧めしましょう。
男も女も老人でも子供でも 機械でも化け物でも神でも平等に捌いて喰べてしまうので。
罪から逃れる術は無いのです。全ては身に降り掛かり身を滅ぼすのです。
…罪を食べる?
(ふと、骨山の狭間から響く声。
声の主は、蒼い双眸で骨上の人物をじっと見つめる年端もいかない少年だった。)
「 そう、罪を食べる 喰らい尽くす、骨の髄まで
罪の質が深くも浅くも 与える罰は皆同じ、平等に 」
こくん がぶり
( 落ちてた骨を鋭利な牙で噛み砕きながら告げる。例え少年でも、彼は悪くないと言う人が居ようとも、与える罰は変わらない。)
( 見た目は少女ながらにして其の眼に既に光は無く、炎の様に赤く赤く照らされた瞳。牙は口を閉じてもはみ出る【 捕食者 】 の牙をしている。
罰は少女にとっての食事ともなるのだ。)
…そうか。おれはクラズマ。
この身に宿る罪を…償うための旅をしている。
一つ質問するぞ。
罪を食えば、そいつはどうなるんだ?
(骨を咀嚼する少女から目を伏せ、尋ねる。)
「 その心意気は偉いよ、とっても偉い、でもだからと言って罪は軽くならない。誰しも小大関係無しに罪を背負うものだから 」
「 罪はその人の人生を表す。 つまり、罪を喰えばその人の存在と言うものが消える、分かりやすく言うなら死ぬ 」
「 でも安心して、骨だけは残してあげるから 」
( 瞬き一度もせずに少年を見詰める。少女にとってそれが至極当然と言わんばかり。)
「 遺言ぐらいは聞くよ、命を噛み締める時間が増えるだけ だけれどね? 」
…確かに、こんな命なら消えた方がマシだな。
(己の胸に触れ、うつむく。)
……それでも、もう一度生きたい。
罪だらけの命でも、居場所があるって分かったんだ。
だからそこへ帰るために。ただいまって言うために。
おれは死なない。
…ところでさ、もう一つ質問だ。
もしも一つの肉体に『二つの魂』が共存しているとしたら…?
「 自身の事を良く知る、其れはとても大事。自身の罪を深く知れば死にたくないと思える。其れが一つの罰。謝罪をするべき、人達への懺悔をする 」
( 冷たく見下ろす、今更何を言うのかと対して期待などせず )
「 居場所なんて無い。咎人に、罪人に、有るべき場所はあの世のみ。今更 更生をしたいだなんて、そんな美味しい話は無し。」
「 そして二つの魂、平等に喰う。何方もあの世行き。命令した方も、執行した方も、罪は同じ。死という罰を与えるのみ。此処に来たからには、代償を払う。たったそれだけ、私が喰べるだけ 」
それでも、あるんだ。
おれの心の中には、あの星の店が…
この命を肯定してくれた。
それを、アイツの言葉を無駄にしたくない。
謝る人がいないならどうすればいい。
この罪もろとも全て消し去ってしまえれば、それで…
……アンタはおれを喰うのか?
「 其れでも、だよ。償う人はあの世に居る。そこで永遠と罪の清算をすると良い。そして.....貴方みたいな罪人を肯定した、その人はつまり匿った。その人も此処に来たならば食べるべき存在 」
「 食べなければ罪は祓えない、そして私の腹も膨れない、一石-ニ鳥。安心して、ちゃんと美味しく、肉片は残さない予定 」
( 牙を見せながら大きく頷く、『 ただし 』と一言、希望を持たせる一言を付け足し )
「 とある罪人は言った、『他の方法で罪は払えないのか、無いならばこれでどうだ』と、新たな提案をした。其の方法はただ時間の無駄だったから勿論罰は与えたけど。
......貴方は提案出来る?自分も納得出来る、罪の祓い方を。其れを私の判断で決める。
セーフ か アウト
[ 無罪 ] [ 有罪 ] 考えれるものならば、考えると良い 」
分かるんだ。
この肉体が、段々…
世界が廻るたびに、『アイツ』に近付いていること。
だからもう方法は一つしかない。
おれは『コイツ』の罪を自分自身で裁く。
制限時間は10分。
もしもおれが裁けなかったのなら、好きに喰っていい。
これでどうだ。
「 そう、それが貴方の罪。理由はどうあれ貴方は悪神との契約。分かると思うけど、そいつを匿っているような物。当然執行対象になる 」
( 上げた腰をそのまま降ろし、掌を広げて見せた。)
「 “5分”ならばやっても良いよ、それが出来なければ交渉決裂、即罰を与える。勿論失敗しても罰を与える、喰う 」
分かった。
おれはそれだけの糾弾を受けるべき罪人だ。
…だから、ここで必ず自分の命とケジメをつける。
――悪神、いるんだろ。
出てこいよ。
(刹那、風が吹く。揺れる青髪、なびくそれに隠された双眸が、風が止んだ瞬間に深紅に染まっていた。)
…
……――
…あはは、困り者ですね。
勝手に契りを交わされては。
完全受肉だけは程遠い。…ですが、この器は間違いなく私に近付いている。
一歩ずつ、一歩ずつ。罪を重ねるように。
いいでしょう。今ここであなたを殺戮します。
(ぽう。足元に砂時計が形成される。砂が落ち切るのは『10分』。
着実に顕現時間が増えている。しかし、制限時間は『5分』だ。)
「 ......“想像以上”に“想像以下”、それでいて面倒。成る程、貴方達は深く強く食らいつく必要があるみたい。ただ、貴方は罪人、罪を受ける餌。私は執行人、罰を与える捕食者。約束通り5分は見てる、手は出さない。だからと言って、殺れば終わる...なんて、思うな 」
( 無反応。恐るべしと言われるその姿を見ても、驚きもビビリもしない。寧ろ呆れた視線と溜め息。
がさがさと骨山に手を突っ込み何かを取り出す。 ....鋼の一斗缶の被り物。 口元付近だけ綺麗に歯形が着き、食べられている )
「 罪人にはまだだったね、自己紹介。ア・スフクター。呼び方は自由。『 アクター(役者) 』でも 『 アスター(花) 』でも『 アフター(未来) 』でも何でも良い。種族は 【 屍食鬼 (グール) 】。さぁ、遺り少ない時間で自身の罪と言うものを深く深く、理解するが良いよ 」
「 足掻いた所で、罰は与えられるのだから 」
そうですか、ならばアフター。
私が創る『未来』への礎となってもらいましょう。
…この器で魔力を消費するほど、よく馴染む。
完全顕現までの道のりは近いように思えるのですよ。
あなたはその為の轍にしかすぎません。
使役、弐。
『ラインの黄金』。
あなたの罪過を見せて頂きましょうか。
(小さな背から広がった六本の翼。その内二本は鍵で施錠されている。
弐と呼ばれた翼は、前に出ると魔力を生成する。
黄金の槍が無数に連なってアフターに放たれた。)
「 ....貴方達に未来は存在しない、有るのは死、ただ今残り少ない命の時を噛み締めると良い。
私は執行人、罪人よりも、咎人よりも、強く無ければいけない。そんな玩具、喰らい尽く必要も無い 」
( 飛来してくる黄金の槍達。全て見切り必要最低限の動きで躱し続ける。首を曲げる、腰を降ろす、たったそれだけ。
龍の様な牙を大きく見せつけながら、鼻で笑った )
ふふふ、なんとも小賢しい。
完全顕現すれば私と比肩できるでしょう。
今ここで殺戮するには時間が足りませんね。
せめてあと5分、顕現に足る時間が15分であれば。
少ない力ではありますが、あなたの命を消し去ることは可能でしょう。
…未来の話ですが――
――おや?
(くるり。交わされた黄金の槍がこちらに向かった。
蒼く光る右目。空を移して輝く。)
…ぉれは、おれはクラズマだ。
お前みたいなゲス野郎に、くれてやるモンはねえんだよ!!
(『罪過を燃やす』黄金の槍。それが己の喉元に届く瞬間。
左目が、深紅に光った。槍を握りしめた手からポタポタと血が垂れる。)
……私の顕現を妨害した?
(落ちる砂時計。)
「 残念ながら私は“1人”に過ぎない、私より強い子、奴等なんて他にも沢山居る。だからと言って、今の貴方に負ける程私は弱くないけれど 」
( 被り物を外してジッと罪人を見詰め続ける、罪人に対して手出しはしない。どう動くか、どう足掻くかなんて興味は無い...訂正。少しだけ興味が湧いて来た )
「 今しっかり聞いたけれど、もう一度聞こうか。罪人、お前の名前は? 」
( 骨山に腰を掛けて、血の垂れる少年を静かに見る。其の目に何かを感じる、強く生きようとする意志を )
「 罪人に変わりは無い、罰を与えるのに変わりは無い。期待はするな 」
私はロキ、ちがう、ワたシ、……おれ、おれは――
(槍を握る手が緩められる。ゆっくりと赤い瞳に突き刺さる黄金の槍。
ゴオオオ…
燃えていく半身。脳内で響く悪神の叫び声を消すように、クラズマは天まで声を伸ばす。)
…クラズマ。
家名もなにもない、貧民街で生まれた鉄足の人間。
それがおれだ。
(青い空に赤い炎が静かに燃える。澄んだ空と同じ色をした右目で少女をしっかりと見つめ、そう告げた。もうそこに悪神の気配はない。)
「 ....罪人クラズマ、私は貴方について興味が湧いた。ですが平等に罪を与えるのが私の役目。そして貴方は宣言通りに自身の罪を認めて、その罪をしっかりと消した。よって________
今は罪人、貴方の臓器一つを喰らう。その代わりに1々月の猶予を与える。」
臓器を捧げるだけならいくらでも構わない。
だが、猶予…?
猶予とは、なんだ。
「 臓器は何でも構わない。ここで心臓を捧げて終わるのも許す。猶予はそのまま、執行猶予。ただ先延ばしにしただけ、と言ったらそれで終わりだけれど。
貴方の罪がそれで消えるなんて事はない。罰は与えなければ終わらない。 」
( 冷たく告げる。それでも未来は変わらない。待つのは死のみ。 )
…分かった。そうだな、おれの罪は確かに消えない。
だからアフター、『その時』にアンタがおれを裁いてくれ。
――胃を差し出す。
この名に誓って。
(ようやく炎が鎮火した。残り火の隙間に見えるのは燃えるような赤い髪。
まさに半分を現しているその容貌で、クラズマは己の鳩尾辺りを指差した。)
「 ....初めてだよ、罪人から執行人に罰の執行を依頼されたのは。享受した、時が来たら[ 問答無用 ]で貴方に対しての罰を遂行する。その覚悟しっかりと受け取った 」
どさっ、ぐりぐり _______ごくん
( 一旦降りては鳩尾に顔を埋める ....少女が喉を鳴らせば身体が軽くなる感覚。相手に対して痛みも与えずに “胃”を喰らった。熱々で程良い肉付き ....不味くて、美味しい )
「 ご馳走様、取り敢えず“仮釈放”的な感じになるよ、罪人クラズマ 」
…あぁ、ありがとう。
礼を言ったのはアンタで二人目だな。
いつかおれを殺しにきてくれ。
アンタが執行人なら文句は言わない。
…じゃあ、おれは行くよ。
(踵を返し、骸が作る乱雑な階段を降りていく。どこか軽くなった体に少しの違和感を覚えつつも、更に足取りの方が軽かった。)
「 ....1月後を楽しみにしています、罪人。礼など言われる立場では無いです。貴方が思うよりも、私は________ 」
( そこから先は何も言わない、これ以上この罪人に心を許すのは贔屓になる。階段を降りて元の世界へと戻る少年に向かい、黒く染まり始めた空を見ながら呟く )
「 幸運を、死にゆく者に敬礼を。全てに等しい罰を罪人に。獄で幸を掴み、またこの世で聖人として生き長らえる様に祈ります 」
( …一部始終を …骨の影にて眺める者___)
...罪 断罪… 青の復讐者のようなモノ、か…?
何にせよ 都合の悪い吹き溜まりに迷い混んだ…らしい
( …神を宿した少年、骸に座す断罪者…
その光景には 宗教絵画のような荘厳さすら
感じられるような"空気"が漂い …観察者は唸る )
ああ、これで…もう一度あの店に行こう。
ちゃんと制御もできるようになった。
だから、みんなと――
(ドクン!)
(ドクン)
(ドク…――)
【契約を忘れましたか?】
(ふと、声が響いた。赤い目の横を冷や汗が滑り落ちる。)
【ずっと待っていましたよ。あなたが『契約を破る』ことを。
一ヶ月もあれば事足りる。契約を破った場合、どうなるかご存知ですか?】
【それは――】
(その瞬間、髪と双眸は燃えるような赤色に染め上げられた。
ただそれだけの話。)
「 新たな罪人、今晩は。生物は必ず罪を持つ、大小関係無しに、一つは必ず。勿論貴方も、罪を持つ、そして罰を与えるのが私の役目 」
( 無機質な首の動き、分かっていたぞと言わんばかりに観察者の方へ視線を送る。光の無い赤い目は生の気を感じ難い )
「 第二幕の開始、と行く?貴方もどうせ罪人だからね 」
>>28
(これはエピローグみたいなものなんでスルーしといてください)
( …反射的に身を隠すも… …仕方は、無い と )
「 …さて 白に近いグレー …と、いうのを希望したいね 」
( …裁判を通り越して処刑場へと辿り着く
奇妙なまでに落ち着いた風が通り抜ける… )
「 …ScullFase・レイチェル。…して、そちらは? 」
「 其れは貴方による、最も天秤は必ず片方に傾き、罰は平等に死という結末が訪れる 」
( 続いての罪人は女性、それも大人。側から見たら親子に見えるだろう身長差。しかし視線は冷たい )
「 執行人の名はア・スフクター。役者にして花にして未来。喰人鬼(グール)の種族。組織の1人、だよ。 何か質問は? 」
「 ふむ、…まぁ 長々とは問わせて貰うとしようか 」
( 普段の目線から下に見下ろせる存在
…しかし、風圧に感じる個の重みはまるで違う )
「 さて …まぁ、幾人も同じことを聞いたのだろうが…
一先ずは同じ轍を踏むとしようか、…私の天秤は…
どう傾いているのかな? 」
「 ...時間稼ぎでは無いならば質問には答える。返答が不要と判断した場合、即罰を与える事にする。 」
( 冷たく淡々と、骨山の上から見下ろす。軽く口を開き牙を見せた後に、下を指す )
「 当然有罪。貴女も何か罪を犯しているのに変わりは無い。嘘、暴言、暴力、軽くても重くても、罪は罪。そして与えられる罰は同じ、私が喰らう 」
「 成る程、古く見なくなった食人風習…いや
…生態系的浄化を司る高位捕食者、といった所か 」
( 背筋を伝うような ___見定める"野獣"の視線
…そして 少なからず抱いた疑問を確信にする…
___獣。…懐かしさすら覚えるような"人獣"が持つ眼 )
( 何を間違っても… 人が持てない声色が奏でる恐怖は
"人の形を取る獣"に他ならなかった。…所々、違いはあるが)
「 … …死、即ち断罪か… それが私の罪が量かね? 」
「 少し違う、私達の組織は様々な種族で構成された物。そして私は執行人、罰は私の食事にもなる。罪人は骨を残して消える。世界は平和に近付く、一食三環 」
( 抑揚は一切無い、先程まで少年に湧いていた情は簡単に消えて、ただ冷淡に彼女を見る。いつでも罰を与える事が可能な様に骨山の上にて膝を曲げて腰を軽く降ろす )
( 飢えは無い。しかし腹が満たされる事も無い。執行人を続けると言う事も少女の仕事にして罪 )
「 当然、例外は少年 ...1人のみ。其れ以外皆死という罰を与えた。軽くても重くても、死は平等に訪れて、与えられるもの 」
「 …聞けば聞く程… いや、少し形は違うか 」
( 抱く感情は… 何なのであろうか 恐怖ではない
…懐かしさが混じるも、愉しくも思えてくる
案外 この地が持つ雰囲気は私向けでは無いだろうか? )
「 …見ることが無かったネズミも居ないらしいね
ふむ… 餓鬼道に住まう、…獣… いや、"狩人"か
それでいて … あぁ、とても良い眼をしている … 」
( 僅かに腐れた屍肉の 鼻を突き刺すような匂い )
「 ......さて、質問は終わりかな。ならば私はただ罰を与えるだけだよ 」
( 褒められても何も出ない、何も出せない。頭蓋骨だけでも大きく山が出来る、最近のハマりは背骨のジェンガ。後は骨粉にする事が多い。それをする事で“喜ぶ者”が組織にいるから
そして彼女も変わらない、何も変わらない。同じように死を与えるだけな筈。なのに先程から感じる圧は何だと言うのか )
「 罪人レイチェル、貴女は一体何者。少なくとも人ではないと、私は感じた。 」
「 多少の時を挟むだけだ、まぁ 彩りの少しは
気にしても罪はあるまい。…最も、それ即ち
結果的に罪に問われない事とは言えど…だがね 」
( 濃密な屍肉の ___"気配" 物言わずとも僅かな風に
音にもならぬ僅かな音 "気配" …漂うモノ、このような
……私たちが好む地に満遍なく溢れる ……____ )
「 …難しい事だよ、それは … ……だが、伺い知れる
諸々には答えとなりうる部分はあった …含めるモノは」
「 恐らく 私は… 君と見えるものが同じだろう
…濃密な…"死"の、香りに炙り出される殆どが
血を嗅ぎとり 鋭く 素早い…"獣"、それが一部 」
「 そう、今更何かをした所で過去は消えない。犯した罪を無かった事には出来ない、そして罪人に未来は無い。此処で終わりを告げるのみ 」
( 罪人の事を哀れと思ったり馬鹿だと思った事は沢山ある、不思議だと思った事も、弱いと思った事も。しかし彼女、また不思議な罪人。情を沸かせてはいけない。なのに----- )
「 私と罪人とでは見る世界が違う、罪人は世界を広く見て、罪を知り犯した。私は組織の皆んなと一緒に狭いけれど色んな場所を見た。何方が良いかなんてのは価値観の違い、だけど私は此方が良い。罪人にも怖い奴はいる、物騒な奴もいる ....私と同じ様な罪人も過去に何人か居た、罪人レイチェル、貴女もそう。その台詞も良く似てる 」
「 ...駄目、話が逸れてる。 罰を執行しなくちゃ 」
[ガチャン]
( しゃれこうべの一つが地面に転がり …足元で止まる
風は吹かず …また、動かす術もない ___死の香り )
「 …そうだな、…私は優秀であり有望でもあった
__悪いこと、良いこと 複数の意味を以て…だから
…"狩人"として全てを暴き 探し求め… "世界"
へと駆り出された… "獣狩りの狩人"私のもうひとつ 」
「 …いつか 人は変じて"獣"となるのだと知った
…だが、血溜まりの故郷はそれを迎え入れ
永遠の…"血と骨"、それらが含める繁栄を極めた 」
( ___おぞましい記憶の羅列 …しかし語らう声の
…懐かしさ ___血に濡れた記憶の数々 )
「 その中で… 獣を喰らって血を静めた
…忌みたる"異端の人獣" …私の最後に賜った
血と骨の"証"にして ___"人を喰った"罪 」
( _______今一度 眼を合わせる
互いも 互いの "野獣"の眼。
赤黒い空気の溢れる吹き溜まり …その 底で )
「 …君が懐かしい ___会ったことがない …
しかし 嗅ぎ続けたこの匂い… "血肉の証"を
全身に纏う …故郷の"狩人"が持つ香り 」
「 ...罪人レイチェル、とても惜しかった。もう少し出会うのが早ければ私と貴女は友達として、執行人として隣に立っていたかもしれない。 だから、残念に思う、そこまで重くて深くて私と同じ罪、食べて終わらせなければいけない事を。本当に残念に思う。貴女の髑髏は特別に、此の罪人の山の頂上に置こう 」
( 言っている事全て理解出来る、納得出来る、だからこそ辛い。分からない方が幸せだったろうに。同じ狩人、同じ人食い、同じ“獣” 年齢、経験、体格、全てにおいて差はあるものの、何故か肩を並べて話し合う存在しない未来が脳裏に映る。此処で今初めて会った筈なのに、幼馴染や親友と再会したような気がする。...するだけだ )
「 私は執行人、貴女は罪人。でもお互いに獣。血と肉を欲して、骨に貪り付き、死を与えた者同士。 同じ罪を背負う者。.......でも、分かるよね 」
それが私の仕事にして ....罰 そしてそれが貴女の罰。
「 ……立場、気の持ち方 …狩人も獣も、在り方は違った
しかし互いについての理解は深くあるのが常…… あぁ
…やはり酷く、懐かしい… 君も私も同じ …そう、最後は
……殆ど こうなると決まってしまっている。
______そうだろう? …血と 骨の世界ならば 」
( 右手に …大型の鉈 …染み付いた血の痕 欠けた刃
"木を前に掴むモノではない凶器"。…しかし その意味は
……命への執着ではない 相手を恨むでも決してない )
「 ……聞こう これが…私の意志では最後だ
こんな姿を 何回見たか覚えているか? 」
( …恐らくは 互いに… "同じモノ"を握り締め
心を圧し殺しながら挑んだ姿 ……そう、2人には…
見えずとも … 共ずると分かってしまう )
「 .....無謀にも私に挑んで来た罪人は多数居る、勿論全員敗北した。しかし初めてだよ、レイチェル。貴女の様様な姿を見たのは。あぁ、本当に残念だ。納得して貴女も罰を受けてくれないと言うのなら、私は本気で貴女をやるしか無い。こうして何方かが死ぬまで、と言うのは久しぶりだよ。レイチェル 」
( 少女の手には何も持っていない。しかし幻想が向かい合った彼女と同じ得物を構えている様に見えた、血に濡れて、ボロボロで、それでいて懐かしい。
本気を出そう。いつもの被り物、鋼の一斗缶。口元は綺麗に食い荒らされて鋭く尖った牙のお目見え )
「 どんなに足掻いても、苦しんでも、逃げても、罰は与えられる、それが罪人の_______私達の罪だから 」
( 可能ならば殺し合いたくない、しかし駄目なのだろう。これは逃げられない運命、覚悟を決めなければ、待つのは相手を侮辱したと言う結果のみが残る。そんなのは駄目だ...全力で、敬意を払い、彼女を討つ )
「 遺言は、選んだ。レイチェルも選んだね 」
「 ……"死"に忌避を唱えた事はない … 罪も 罰も…
自分がそうだった、相手も… だから、避ける事は
……決して、無かった ……そうだね? ……最後に…
こう …なった時… …あの感覚を覚えているかな? 」
( …共に歩んだ 共に戦った ……されど最後には ……
___走馬灯のように 鮮明な幻影 …血飛沫の記憶
抵抗ではない …しかし 最後に互いを…深く知るために。
…同じを、歩んだからこそ … 血を 相手の、それを
浴びる度に ___脳裏へ焼き付く"血肉の旅路"…
……知って貰い… 何より 知るために 激しく牙を
剥き出し続けた ……それだけが 互いの救いだった )
( … ……其処からはもう 互いに慣れたモノだったろう
私は右手の鉈を握り 左の手に… "銀のナイフ"を備える
… 生きるも死ぬも 一寸先は誰にも見えることはない
……だから どちらでもいいように …私達は"狩り"あう )
( ______理解は最初からしていた ……恐らくは…
私は此処へ導かれたのだろう …罪 それ以外のモノに )
「 ……安心したよ… …それを聞くのは 1人だからね… 」
"スフクター"
( …静かに 唾の広い黒帽子を被る )
「 とても悲しい、とても悔しい、深く深く、凄く大きな罪だよ、これは。私とレイチェル、とても深くて重い罪。だからお互いに忘れないように焼き付けてしまおうか、脳の底に、もう一度。
今まで私が執行人を続けて来たのは、レイチェルが生きていたのは、全てこの時の為だったんだろうね。
そして今思うよ、情の一言では表せないだろう関係。生まれて来る場所が違うだけで、同じ血が流れるであろうレイチェル。今ここで、罰を与えて終わらせる 」
幸運を、死にゆく者に敬礼を。全てに等しい罰を
“ワタシタチ ”
“ 罪人”に。獄で幸を掴み、またこの世で聖人として生き長らえるように祈ります。....この悲劇が、決して二度と訪れない様に。深くて辛い絶望が消え去るように_______
( 瞳を閉じて向き合う、喰らい終わらせよう。私達の罪を、罰を。血も肉も魂も決してもう残さない。骨も燃やしてしまえ、この山に彼女は相応しくない。全てにおいてこれが......赤い糸はほどけない、絡み合った運命 )
( その名で呼ぶのはもう、彼女しか居ない )
さぁレイチェル、罰の時間だ。悔い無き終わりを、互いにね。
( .......鋭利な牙、少女に似つかわしく無い、剣や槍よりも貫けて、ただ狩る、食う事に特化した得物。両手はガラ空きだが ....まやかしに過ぎない、相手と同じ武器。せめて最期は“楽しもう” その決意が身体を流れる )
「 ………………あぁ 始めよう 」
懐かしき …… 不浄の地 ___救いの僅かな時間を
…通じ合うまま 互いに狙いを定める
振るう言葉は 鈍い得物へ姿を変え
__決まった結果を 僅かに変え合う
( "獣"と"獣"であり "狩人"と"狩人"であり
"友"と"友"であり "罪"と"罪" )
_____全ての清算は 血によってのみ……
( 静かな音を最後… いよいよ以て鈍い鉈は
嘗ての"凶器"へと変貌する …血肉の気配が
骨の山を覆っていく… …私達は… そう )
"呪い"
( 音も無く眼前へ跳躍し
また躊躇いも無く鉈を振り下ろす )
「 私達の罰はこうしてしか拭き合えない、嫌だよね、同じ存在だから全てが分かるよね。だからこそ .....レイチェル、とても嬉しいよ、最期がこれになるのなら 」
ガキィッ!!!
( 鉈を受け止めるのは鉄の一斗缶、被ったそれはしっかりと急所を守るのに適しており、簡単には打ち破れない )
ギギギギ......
( 力任せに踏ん張り押し続ける、牙を剣の様に振っては首筋から切り裂こうと得物を振る )
.....ガサガサガサガサ
( 骨山から探る、彼女を打ち破れるものを、牙だけでは貫けないだろうし、そして本気でやらなければ、彼女に侮辱になってしまうだろう )
[チィンッ][ギィ ギギギギギ]
( 唾是り合いは 空いた手の応酬を以て力任せに続く
…襲い来る牙の得物をナイフで防ぎ、肩目掛け振り下ろす )
( …不安定な骨の山 足場に掛けるは最悪なそれ
だが 静止でさえあれば姿勢も安定する )
ガラガラガラ .... シュピギィンッ!!
( 骨山から取り出したのは本気の牙、赤く血濡れて鎌の様に反りを見せた、ただレイチェルの為に使う。初めて使う付け歯。しかし防御が疎かになり..... )
ザシュッ!!!! ドクッ..ドクッ....
( ナイフにより肩が切り裂かれては赤い滝が滴り落ちる、それでも退く様子など見せずに付け歯とは別の手で奥歯を引き抜き、ナイフを払いながら脚に突き刺そうと振り下ろす。喰人鬼の牙は竜にも匹敵する。そして再生が速く、5秒で乳歯になり15秒で元通り )
( 根比べはまだまだ続く、少女は折れるという事を知らない )