東方projectのなりです。
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……そっか、ありがとう…
(俯きながらも、少し尤魔と会う事に戸惑いを持ち始めて)
イリア
「……?
どうしたの?まだ何か悩んでるの?」
チェスのボードを横にずらし、両手をテーブルの上に置いて組み、その腕の上に自分の頭を乗せてまだ饕餮と会って話すことを戸惑っているフランへ話しかけて
……いや、この前助けに来てくれた時…話したいことや聞きたいことがあるって言ってたからさ?
…もしかして怒られるんじゃないかって思って…
(尤魔と話をしたいのは自分も同じだが、相手の内容が思い当たる節しかなく、自分に対して何か不満があるのかと思うととてもではないが会う顔が見つからなくて)
イリア
「あははは、確かに色んな事を言っていたよ……
だけど、それはどれもアンタの事を心配しての言葉だけだったけどね?」
饕餮が言っていた事は全てフランの事を気遣ったものだけで、責めたり怒っていたような様子は無かったと言うことを教えて
……でもやっぱり、面と向かって話をしなきゃダメだよね…
(イリアの言葉を聞いて心配事が多かったと聞くと、少し安心するも、自分としてはちゃんと話を聞いておきたいと)
イリア
「そうね、一回面と向かって話した方がアンタも気が楽になるだろうし。」
テーブルの上に頭を乗せたまま目線を窓の外へやっては、ちゃんとお互いに話した方が楽になるだろうと考えて
…早く帰って来ないかな……
(尤魔の帰ってくる間、不安な心を抱いたまま過ごすのが辛いのか、はたまた紅魔館で向かう途中に襲われていないか心配なのか、胸元を押さえながらも尤魔の帰りを待って)
イリア
「……ねえ、主人格……いや、私(フラン)……」
視線を窓の外からフランへ戻すと、一つ思ったことがあり、それを聞こうと声をかけて
……どうしたの?
(自身に用があるのか、声をかけられては応じて)
イリア
「……………やっぱりいい。」
イリアの心の中には饕餮とフランの互いを想う気持ちを目の当たりにしているものの、その二人に対する感情や想いを言葉に表現できず、少し複雑な表情をして視線を外して
……何もないならいいけど…
(イリアが話を断ち切っては無理に聞こうとはせずに)
饕餮
「よう、フランは起きてるか……って、お?」
扉を開けて部屋に饕餮が入って来ると、フランが目を覚ましている事に気付くと、担いだスプーンを部屋の出入り口近くの壁に立て掛けてはフランが寝ているベッドの傍に来て
……うん、おはよう尤魔…
(扉の空いた音を聞いては視線をそちらに写し、尤魔の姿が見えては微笑んで)
尤魔
「何時目が覚めたんだ?
私が地上に行く前はまだ寝ていただろ?」
尤魔はフランの心情を知らず、ベッドの縁に腰掛けながら嬉しそうに笑いながら陽気に話して
…ついさっきだよ、尤魔がいつ地上に向かったかは分からないけど……
(相手の笑顔を受け止めながらも、何処か申し訳なさそうに話に応えて)
尤魔
「そうか、まあお前が目覚めてくれて良かったよ。」
フランが何か悩んでいるようにも見えるものの、そこに触れる前にフランの目が覚めるぐらい回復した事を喜んでいて
…ねえ尤魔。イリア…狂気人格に話した事を私にも教えてくれないかな…?
(真剣な眼差しを向けようとするも、尤魔の顔は直視出来ず、俯いたまま問い)
尤魔
「ああ、いいぞ。
色々な事があったみたいだが、お前が無事で良かったよ。」
視線を何故か合わせようとはしないフランの様子をますます疑問に思いながらも、此方からは視線を合わせようとしつつ、応えて
他には…何か話してない?
(尤魔の言葉を聴きながら、自身の手を握り)
尤魔
「お前はもっと私を頼ってくれてもいいんだぞ……?
お前が私を想ってくれるように、私もお前を大切に想っているんだからな……」
フランの肩を抱いて優しく抱擁しようとして
……尤魔が私から離れる決意をしたこと…なんとなく分かったよ。
(抱擁される前に尤魔の肩に手を伸ばしては抱擁を阻止して)
尤魔
「……………。」
彼女の言葉の中からフランの悩んでいた理由を悟り、一度抱擁を断られると、大人しく止めてそれ以上は何も言及せずに
…私がここまで弱いから……尤魔にも散々迷惑をかけるから…だから私が選ぶのは美咲にしてって言ったんでしょ…?分かってるよ…あの時美咲を選ぶのはお互い様だって言った事…本当は私から離れるための口実って…
(あの出来事が起こるまでは何もかも似ていて、お互いに支えようと思っていた。それでもやっぱり自分は何度も尤魔に迷惑をかけ、何千年先の別れに恐れてはフラン自身もケジメを付けようとして。しかしそのケジメは本心ではない事が表情から分かって)
尤魔
「………そうか……いつの間にかお前に迷惑をかけていたみたいだな……」
フランが本心から言っているわけではないと言うことはわかっている……だけど、自分が此所で強引に話を続けようとしても、口が上手くない自分では逆効果だ……それなら、一旦距離を置いて、上手い言葉を思い付いてから再び会った方がお互いのためだと考え、腰かけていたベッドから立ち上がって
…またそうやって逃げようとするの…?私は向き合おうと努力してるのに……
(ベッドから立ち上がる尤魔を止めようと同じく立ち上がるも、貧血を起こして一瞬体勢を崩してしまって)
尤魔
「……なんだ?お前も私から離れようとしていたじゃないか。」
剛欲同盟のモットーは「漁夫の利」
その長たる尤魔もまた、状況や戦況を読んで自分が有利な状況になった時に横槍を入れて成果を簒奪していく……それが一番楽で、真面目に戦って成果を得るよりも遥かに被害も労力も消費しないからだ
だが、そうした事ばかりをしていた事もあり、何かと向き合い続けると言った事の経験に乏しく、自分から離れようとしていたように感じたフランが、先程とは異なる主張をしたのを聞いて、少し困惑しながら応えて
…いい加減にしてよ……尤魔の本音を聞かせて。あの時話そうとしたことも全て…教えて…
(少し眩暈に息を荒げながらも尤魔の手を捕まえ逃さないようにしては、初めて尤魔の顔を見つめるも、その表情は、目も潤い、とても泣かないとは思えない表情から、先ほどのケジメが本心ではない事が確実に分かって)
尤魔
「……私の本音ならさっきからずっと言っているだろ?
私はお前には嘘を吐いた事はない筈だぞ……?」
立ち上がった自分が引き留めようとするフランを見て、その手を振り払ったりはしないものの、フランが何を求めているのか、どんな言葉をかければ良いのかがわからず
その悩みともどかしさが自分自身への苛立ちに変わり、少し言葉も攻撃的なものになってしまって
……分かった、そこまで言うなら信じる。勘違いしてごめんなさい…
(そう呟いては引き止めていた手を一度離しては尤魔を抱き締めようとして)
尤魔
「……お前の負担になっていたのかもしれないな……
悪い……」
フランが自分を抱き締めようとすると、それを受け入れつつ、フランが体勢を崩さないように此方も優しく抱き返して
……でもやっぱり怖いんだ…あの時にあんな話をさせられて…尤魔が何処かへ行ってしまう気がして…早く傍に居るって、感じたかった…
(二択の選択から降りるといった尤魔が数千年は共にいると言ったものの、いついなくなるのか不安でしょうがなく、イリアとの戦闘後、尤魔の心配を何度もしていた理由で。尤魔が応じてくれると、これからの未来が不安でしょうがないと呟き)
尤魔
「……大丈夫だ、お前が望むのならどれだけだって居てやるさ……」
優しくフランの頭を撫でながら抱き締めると、フランが望むのならどれだけだって一緒に居ると応える
未来がどうなるのかは自分にもわからないし、思い描いた通りの未来になる事は恐らくは無いだろう……
だが、それでも自分はフランと少しでも長く一緒に居られるように、その未来を望み向かって行くと決意して
……私が尤魔に転移魔法をかけたのも…あの場に尤魔がいたら居なくなってしまうと思ったから…尤魔は例え狂気人格に殺されても恨みやしないでしょ…?だからこそいつ私のせいで体を失うのか怖くて…
(頭を撫でられては涙を零し、震えながらも以前の狂気人格との戦闘での経緯を告げては何度も失いたくない…その言葉を繰り返して。それは過去にあったトラウマから離れる為の行いが、はたまた自分に言い聞かせているだけか…)
尤魔
「……………………。」
確かに、フランの言う通り自分は狂気人格……イリアに破壊されるような事があれば、それを受け入れて破壊されていただろう……
嘘や誤魔化しをしようと思えば幾らでも出来るのだが、フランに対してそれをするのは気分的にも乗らない……故に、フランへの慰めの言葉さえ思い付かず、ただ沈黙してしまって
闇組織との戦闘だって……共闘している時、いつ尤魔が瀕死になるかなんて…考えたくもなかった。闇組織を倒す一方…尤魔が傷つかないようにしようとしたけど…私の力じゃそこまで及ばない。
(静かに、それでも寄り添って話を聞いてくれる尤魔に対して先に話せなかった事を話して)
尤魔
「……まったく……!」
フランの事を抱き締める腕に力を入れて、強くフランを抱き締めようとして
……っ!?
(抱き締める力を強めた尤魔に驚いては話が止まって)
尤魔
「私はずっとお前の傍にいる……その言葉だけじゃ不安なのか?」
強くフランを抱き締めたのは、自分はもう消えないと言うことを言葉を用いる事無く暗に示そうと。例えそれがフランの別の人格が相手だろうと……
………だって…尤魔があんな事を言うからぁ……
(感情を表に出してしまっては涙声になり、強く抱き締められたまま尤魔の言葉の想いを受け取り、もう離れない事を知るも、未だに何度も頭の中で『数千年後の別れ』が巡り続けていては、抱き締める両手が震えて)
尤魔
「クックック、ちょっと意地悪が過ぎたか?」
フランの涙声を聞いて、その顔を見ながら笑ってやろうと思い、抱き締める腕の力を少しずつ弱めて、一旦離れようとしてみる
…尤魔ぁ……
(力が弱まり体が離れるとそこには涙を何度も零し、涙を右手で拭いながらも顔を隠しているフランの姿があって。)
尤魔
「まったく、綺麗な顔が台無しだぞ?
お前は笑っているのが一番だ、こんな風にな?」
涙を溢し、それを拭いながら顔を隠しているフランに、ギザギザの歯を見せながら、優しく笑って見せて
https://i.imgur.com/jmcOBho.png
……もう、誰のせいだと思ってるのさ……!
(遠回しに尤魔のせいでと言うも、相手の微笑む顔を見ては、涙を目尻に残しつつも微笑み返して)
尤魔
「クックック!何時かはその話しも笑い話に出来るようにしような……?」
今は二度と会えないかもしれないと言う不安や心配から、悲しい話しになっているものの、これから一緒に居る事で、やがてはこの話しそのものを荒唐無稽な笑い話しに出来るぐらい長く一緒に居ようと、笑顔のまま言って
…うん!
(微笑み返しては勢いよく尤魔に飛びついて顔を擦りつけて)
尤魔
「おいおい、泣き虫の次は甘えん坊かぁ?
まったく、仕方の無いやつだな。」
満更でも無いようで、尤魔も嬉しそうに笑いながら、フランと頬を擦り合わせる
幸せな時はすぐに通り過ぎてしまう……
悲しい記憶や思い出を風化させるためには長い時間がかかるだろう……
だが、幸せな記憶が積み重なれば、何時かは悲しい思い出さえ笑って話せるようになるだろう……
あっ、そういえばもう知ってるかもしれないけど……
(一旦顔を擦り合わせるのを止めてはイリアの方を向き)
彼女が私の中にいる狂気人格なんだけど…ちゃんと名前があってね?
(そう呟いては自己紹介をお願いする様な目を向けて)
イリア
「はーい、狂気人格のイリア・スカーレットでーす…」
さっきからずっと窓の外の景色を見ていたイリアは、自分の話題になったとわかると、二人の方を見ては気怠そうに手を振って
…あんな感じだけど、イリアはとっても優しいんだよ…?
(イリアの自己紹介を聞いては尤魔に視線を戻し、本来ではとても優しく心強いと)
尤魔
「ああ、アイツもお前だからな?」
イリアは優しいと言われると、照れくさそうに窓の外へ視線を戻すものの、尤魔はイリアもまたフランなのだから優しいと言うことに納得していて
…尤魔に攻撃したりとヤンチャなところはあるけど……許してあげて?あれは私のせいだから…
(優しいと言う言葉に納得している尤魔に助言と謝罪を申して)
尤魔
「ああ、それならもう気にしていないさ。
お前にも色々あったと言うのはわかっているつもりだからな。」
以前に攻撃された事ももう気にしていないと応え、快く許して
…とりあえず、これからはイリアの事もよろしくね…?
(尤魔の顔を見つつも、これから自分達をよろしく頼むと)
尤魔
「ああ、わかった。
お前もあまり無茶はするなよ?」
そう応えて立ち上がると、まだやらないといけない事があるのか、部屋の外に出ようと出入口の扉の方に向かおうと
………!
(この場を離れようとする尤魔の手を思わず掴んでしまって)
尤魔
「うん、どうしたんだ?」
外でやらないといけない事は幾らでもある。
フランが目を覚ましてくれたのならもう意識も安定してきただろうと思い業務に戻ろうとする中、自分の手を掴むフランの方に振り返って
…もう少し居てよ、もし本当にしなきゃいけないことがあるなら…私も手伝う。
(尤魔の手を掴みつつ、見上げるように目線を上げ、もう少し心寂しいからそばに居て欲しいと。実際、狂気人格と戦う中、ワープさせた以来会ってない為、そこそこの日が経っていて)
尤魔
「クックック。
そういえばお前は甘えん坊だったな?」
そう応えると、優しく微笑んでフランの傍に再び座って、フランの頭を右手で優しく撫でて慰めようと
ふふ……日々貴女の恋人として自分をよく見せようとしてるんだから…
(にこにこしながらも、頭を撫でられては猫のように嬉しそうにしていて)
尤魔
「本当に無理だけはするんじゃないぞ?」
饕餮の赤い角に鋭い牙と言った凶悪そうな見た目とは裏腹に自分の事を愛してくれているフランが猫のように嬉しそうに撫でを受けているのを見ては、ますます愛おしさを感じていて
…うん、もう尤魔に迷惑をかけないようにする…
(自身を心配してくれる相手に対してもっと寄り添っていたいのか、腕に触れながらも抱きついていて)
イリア
「知ってはいたけど、本当にラブラブだねー?」
少し不貞腐れた様子で頬杖をつきながら、先程からずっと二人の様子を見守っていた狂気人格(イリア)が幸せそうに抱き合う饕餮とフランの二人を見て、羽根をパタパタさせて
ふふっ、イリアも尤魔に惚れるのかな…?
(力任せにしか興味がないと思っていたイリアが羨ましそうにしているのを見ては、微笑んで)
イリア
「別に私はそんな……」
尤魔
「クックック、私は別に構わないぞ?
そこのお前もフランの一部なんだからな?」
素直になれず、興味無さそうに応えるイリアと、フランを優しく抱き締めたまま嬉しそうに応える尤魔
もしかして…私を好いてくれてるとか…?
(ちょっと冗談を言いつつも、尤魔の腕に抱き着きつつも)
イリア
「そんなんじゃないもん!」
図星だったのか顔を真っ赤にして、そのまま部屋の外に出て行こうとして
ふふっ…やっぱりイリアも優しいんだ……(顔を真っ赤にしては恥ずかしさのあまりに外に出ようとしているのを眺めて)
尤魔
「あっちのフランはあまり素直じゃないんだな?」
フランを優しく抱き締めながら、顔を真っ赤にして部屋から出て行ってしまったイリアを見た後、イリアの方はフラン本体よりも素直じゃない性格なんだと呟いて
うん、でもあの反応を見る限りは…ね?
(要するにツンデレなだけではないかと思いつつも、イリアに申し訳なかったかと感じていて)
尤魔
「クックック、そうだな。
少し性格が違うみたいだが、お前であることに変わりはない。」
ちょっとツンデレ気質があるイリアの様子を見ると、以前に少し話していたフランの怒り人格の事を思い出しつつ、怒り人格もイリア(狂気人格)もフランである事に換わりはないと言って
だから私達は尤魔を愛してる…これだと尤魔は人気者だね?
(イリアが実際に尤魔をどう思っているかは分からないものの、少なくとも主人格であるフランは何度も愛を告げて)
尤魔
「クックック!
そう言われるとなんだか恥ずかしいな?」
これまで剛欲同盟の盟主として畜生界や旧地獄で活動してきて、自分を慕う動物霊も沢山出来たが、こうして何度も互いに拳を交えながらも、恋仲になれたフランに改めて愛していると言われると少し恥ずかしくも嬉しくなって
ふふっ、同盟長でも恥ずかしくなるんだね…?部下が聞いていたらどうしよっか…もしかしたら新しい一面もあるって思われちゃうかもね?
(尤魔の顔を見つつも、幾千の争いを勝ち抜いてきた逞しい顔でもあるが、今だけは自分だけに見せてくれる優しい顔を楽しんでいて)
尤魔
「おいおい、こんな姿をアイツらに見られたら流石に幻滅されてしまうからな、愛情や親愛はお前だけに見せておくつもりだ。」
フランにだけ、普段の強い姿ではなく、愛情や親愛に満ちた面を見せると伝えると、腰掛けたベッドから外の光景……畜生界の赤い空を見上げて
それならこれも私達だけの秘密…って事だね?
(空を見上げる尤魔に対して、また秘密事ができては少し嬉しそうに呟いて)
尤魔
「クックック、そうだな、私とお前だけの秘密がまた増えたな。」
二人だけの秘密、フランにしか見ない顔、その特別感がまた心地よく感じている。
最初にフランと地の底の底、血の池地獄で対峙した時のような、この世の全てを奪おうと言う強欲さが薄れているものの、それを忌む様子は微塵もなくて
……さて、そろそろ尤魔もやる事があっただろうし、そろそろ離れるよ。
(思い出すように言っては尤魔の腕に絡めていた腕を離して、そういえばやる事があったんだと)
尤魔
「ああそうだな……
お前の元気な顔を見れて私も安心したよ。」
フランが自分から離れると、最初に自分がこの部屋に入ってきた時の塞ぎ込んだ悲しそうな様子をしていたのとは違い、今では元気に笑ってくれていた事に安心していて
…それじゃあ、いってらっしゃい、尤魔。
(少しでも迷惑をかけたお詫びとして見送りをしようとしては、立ち上がって)
尤魔
「ああ、行ってくるな?
お前も吸血鬼の再生力を過信せずに安静にしていなとダメだぞ?」
フランが立ち上がって見送ってくれている事に嬉しいと感じているものの、これでまた無茶をしようとするのだけは駄目だと伝えて
…うん、分かってるよ。尤魔を心配させない為にも言いつけは守る。
(少し間が開くものの、ちゃんと尤魔の為にも言いつけは守ると伝えて)
尤魔
「本当に気を付けろよ?」
少し間が空いた事が少し気になりながらも、自分もまた同盟長としてこの畜生界でやらないといけない事が山積みになっているため、最後に念押しすると部屋から出て
分かってるって。そういう尤魔も危険な真似はしないでよ?
(念を押されては理解していると主張しては尤魔を見送って)
《ズッ…》
尤魔が立ち去り、イリアも部屋から出てから数刻が過ぎ、外の世界では丁度深夜に差し掛かった頃、部屋全体や窓の外から色彩や他の動物霊達の気配が無くなったような、言い知れない印鑑に満ちた空間になって
……また一人か…
(イリアが心の中に居たのも、尤魔が傍に居たのもついさっきだと思いたくなるも、その考えも昔から一人だった思いにかき消されては、ふと外の気配が変わったことに気付くも、特に恐ることなく居座っていて)
《ガリガリガリガリ…》
ほんの数秒前までは幾つも感じられた動物霊達の気配は一切感じられず異様な静寂が広がる中
閉まった扉の向こうからは何かが扉の向こう側から扉を引っ掻くような音が聞こえて来る……
………。
(耳を研ぎ澄ませては扉の引っ掻く音を聞きつつ、その場から動かないで扉を見つめて)
レミリア
「……フラン?」
扉をカリカリと引っ掻くような音が静まった後、扉の向こうからフランの事を呼ぶ姉の声が聞こえて来る
……お姉様…?
(扉は開けずに、まるで遠い昔の閉じ込められていた時のように扉を通じて声を聞いて)
レミリア
「迎えに来たのよ、開けて頂戴?」
扉の向こうからは優しげな姉の声が聞こえ、迎えに来たから開けて欲しいと言うものの、扉には鍵がかけられていなくて
……開いてるから、入ってきて良いよ。
(尤魔が去った後から鍵が閉まっていないことは覚えているため、その場から動かず入ってきて良いと)
レミリア
「……ごめんなさい?ちょっとお土産を持っていて両手が塞がっているから開けてくれないかしら?」
扉には鍵がかかっていないにも関わらず、自分から扉を開けて入ってくる様子はなく、その理由をお土産を持ってきたからだと応えて
……一つ聞かせてよ。お姉様。
(一つ疑問を持ちながらも扉に手をかけるも開けようとはせずに、何か疑っているのか…)
レミリア
「……なにかしら?」
扉に手をかけ、質問をするフランに対して、扉の向こうからは聞き覚えのある姉の優しい声が聞こえて来るが、その声以外の物音などは一切聞こえなくて
…本人ならそれはそれで謝るけれど…ちょっとね、ここ最近見た目も声も何もかもコピーの様な人たちを見かけるの。だからさ、姿も見えないで、声だけ聴いてもお姉様って断定出来ないんだ。
それに…何で私がここにいる事が分かったの?
(少し神経質になって学びを得ているのか、警戒していて。何せそのせいで尤魔の偽物に利用されたからである)
レミリア
「…………………。」
フランの、声だけでは判断できないと言うことと、どうしてこの場所がわかったのかと聞かれると、声も聞こえなくなって辺りには静寂が戻って
……『貴女は誰?』
(静寂に包まれた空気の中、再び名を問いて)
???
『そうか、それは残念だ。』
《メキメキメキメキメキ…》
優しい姉の声から一変し、冷たく悪意に満ちた男の声に変わり、それと同時に部屋の扉が巨大な何かに圧されているようにメキメキと音を立てて扉全体が弓なりに歪み始める…
よく見ると、扉にはパチュリークラスでなければ突破できない程のかなり高レベルの対外防御術式が施されており、外部にいる何者かからフランを守るために施されていて
……っ!やっぱり……
(警戒して正解だった。一枚の板を挟んで向こう側から聞こえる男のような声を聞いては扉から離れ、レーヴァテインを作り出しては、構える。しかし扉に相当厳重な魔法がかかっていることに気がついて)
《バキバキバキッ》
尤魔がフランを守るために施した扉の防御が尋常ではない力で強引に外側から打ち破られると、その扉の先には誰の姿も見えない……
だが、その開かれた扉の向こうは、まるで空間そのものを墨で塗り潰したかのような漆黒の空間だけが無限に広がっていて
……いつの間にこんな…
(扉隙間から見える景色に驚きつつも、近づく事なく身構え続けて)
《ガガガガガガガガガッ》
漆黒の空間から、無数の白く細い、とても生者のものではない白い腕が伸び、扉の縁を次々と掴むと、扉の先だけでなく、部屋にある窓も漆黒の闇に閉ざされて
……ゆっくりと休ませてくれないの…ね!
(少しずつ寝床を破壊していく白い腕にレーヴァテインで切り付けようとしてみて)
《バキバキ……》
レーヴァテインが振るわれると、破壊された扉の向こうに広がる無限の暗闇から扉の縁を掴んでいた無数の白い腕が次々と破壊され、闇の奥底へと再び吸い込まれて行くものの、扉の縁を掴む腕は次から次へと伸びて来て
この…!
(次々と現れる白い腕を殲滅していくもこのままではキリがなく)
《ズズズズズズ…》
腕は反撃や攻撃こそして来ないものの、不気味に縁を掴み続ける……それはまるでこの漆黒の空間から何かが這い上がって来ようとしているかのようで……
しかも、窓を覆っていた黒い闇からはおぞましい数の目玉が現れ、ギョロギョロとしたその目はフランを見つけると、悪意に満ちた笑みを浮かべるかのように目を細めて嗤い
悪魔に不気味さが効くとでも…!
(体力にはまだ限界は遠いものの、キリがない状況に打開策が思いつかず)
《ズオッ》
周囲が世にもおぞましい世界へと塗り潰されていく中
扉の奥、漆黒の世界から突如として抵抗を続けるフランの気力を体力を奪い去ろうと、底無しの悪意を含んだ凄まじい重圧が放たれて
……ッ!?
(重圧がフランを襲っては急に攻撃の手が止まってしまい)
《ズズズズズズ…》
悪意に満ちた重圧が放たれた扉の向こうに広がる漆黒の空間の中ではまるで黒い渦のような現れ、その黒い渦の中から一体の悪魔がその姿を現す……
身体中が血に染まっているような赤黒い体毛
鋭く長く赤い鉤爪 赤く巨大な翼 紫色の蛇尾
悪意に満ち醜悪な笑みを浮かべた顔
絵画に描かれる悪魔がそのまま現世に現れたような異形の存在が底無しの魔力を伴って闇の底から現れ、フランの方に歩み寄り始める
……!来ないで…
(暗闇から姿を表した見るに耐えない悪魔を目にしては思わず後退りして)
血染めの悪魔
『クカカカ……
先の闇組織の連中は失敗したようだが……ここでお前を捕まえれば「我々」にとっても有益になるものでな……その身を捧げてもらおうか?』
その声はまるで幾千もの老若男女混合の悲鳴や唸り声が合わさったかのような、奈落の底に蠢く亡者のように身震いしたくなる程の怖気を伴った声となっている…
彼から感じられる途方もない邪気と魔力は闇組織の動物霊達のものでは無く、より邪悪で悪意に満ちたものとなっている…
奴はこの世の者ではない
この世の者として考えるにはあまりにも邪悪すぎる力と心を持っている…
……誰が貴女の為に身を捧げるもんか…!
(後退りを続けた先は壁に着くも、やっと恐怖が解けたのか、立ち向かう勇気が出たのか、レーヴァテインを作り出しては足を進めようとするこの世のものではないモノに向けて)
血染めの悪魔
『ほう、この我に挑むつもりか、吸血鬼の小娘……
面白い、我が体がどこまで力の「回復」をしたのかを見極めるためにもその身を弄んでくれよう……!』
血染めの悪魔の体高は天井に頭が付くほどで、翼も広げれば壁の一面を覆う程であり、フランと対比するとその圧倒的な体格差が浮き彫りになる……
並みの人間や妖怪であれば、そこから放たれる強大な魔力と邪気、体躯を前に戦意を失うのだが、その恐怖心を振り払い、挑むことを決めたフランを見て
血染めの悪魔は悪意に満ちた双眼を歪め、獲物をいたぶる捕食者の顔になって
分かった…私に勝てると思ってるならやってみてよ!
(相手の威圧を押し返すように翼を広げては、レーヴァテインに炎を纏わせ、自身の倍以上ある悪魔に斬りかかろうと強く床を蹴って接近して)
血染めの悪魔
『クカカカ……!』
炎を纏わせたレーヴァテインを振り上げて向かって来るフランに対し、その巨体に見合わない速度でフランのレーヴァテインが振り下ろされるよりも先にフランの体をその巨大な腕で薙ぎ倒そうとして
……っ!?
(巨体のデメリットとして動きが遅く当たり判定が大きいことを利用しようとしては、まんまと罠にハマるように薙ぎ飛ばされては大きく壁に打ちつけられて)
血染めの悪魔
『一介の吸血鬼が神代より生きる我に抗えると思うな……!』
壁に叩きつけられたフランに向けて腕を突き出すことでその体を貫こうとする…
……がふッ…!!?
(回復して間もなかったからなのか、怯んでは最も簡単に身体を貫かれては大きく吐血して)
血染めの悪魔
『我は「魂を奪う力」を漏っている。
その肉体から魂を奪い取るだけでも充分に人質として使えるだろう……?』
フランの体を貫く長剣のような長さと鋭敏さを備えた爪を介し、フランの体から魂を抜き取ろうとし始める……
他者の魂を奪い、弄ぶ事を無上の喜びとしているこの悪魔に魂を奪われてしまった場合、凄惨な目に合うことになるのは免れないだろう……
…こ…の……!
(体は貫かれるも、右手を大きく広げては相手の核を探り破壊しようと試みて)
血染めの悪魔
『クカカカ……!
安心しろ……魂を抜かれてもお前の意思は残り続ける……
お前の魂は永遠に我の中で魂から直接力を吸収される苦痛と恐怖に苛まれ続けるのだ……』
魂を奪った後の事を話すことでフランの魂を絶望に染めようとする中、フランが能力で引き寄せた悪魔の目は、あの黒縄のように握りつぶせない程ではないものの、かなりの硬さを持っているのだが、その目は何処か他のモノ達の目とは違う感触がして
……うぅ…ごめん…尤魔…イリア…
(今まで感じたことの無い核の感触を受け止めては、握り潰すのを躊躇してしまい、逃れられない痛みに縛られて)
血染めの悪魔
『クカカカ……
お前の魂から、どれだけ美味な絶望と苦痛に染まった魔力を吸えるか楽しみだ……!』
破壊能力の行使を躊躇っている間にも悪魔は爪を介してフランの存在そのものを……魂そのものを奪い取ろうとしている。
周囲のおぞましい空間からして、固有結界に近い状況になっている事から助けが来る可能性も限り無く零に等しいだろう……
…何もしないで死ぬくらいなら……!
(そう決心をしては不思議な感覚の核を握りつぶそうと思いっきり手を握って)
《バンッ…》
血染めの悪魔
『…………カッ………』
フランの体から魂を抜き取ろうとしていた悪魔の無数の鋭い牙が並んだ口から小さく声が絞り出されると、魂を抜き取る能力の効果が途切れて反撃のチャンスが出来る
…っ、離して…!
(相手の能力が弱まったのを感じては、すぐさま自分の体から腕を引き抜き壁から逃げようとして)
血染めの悪魔
『……グ……この力は……まさか貴様は………』
悪魔の心臓の辺りから亀裂が走り始め、その巨体が崩壊するにつれて、周囲の灰色の空間そのものにも幾つもの亀裂が生じて行く
そんな中で目を破壊された悪魔は爪と腕を引き抜いて壁なら逃れたフランの方を見ては、痛みや苦痛ではなく、驚いた様子でいて
……っ…今更何さ…
(貫かれていた身体を再生しつつも、亀裂が入る相手を見ていて)
血染めの悪魔
『…………お前は…………!!』
巨大な手をフランの体を掴もうと伸ばすものの、亀裂が増し、灰色の空間もろとも悪魔の赤黒い巨体も砕け、そのまま周囲が漆黒の世界へと呑み込まれていく
……ッ…!!
(空間に飲み込まれるように砕けた相手を見つつも、目を逸らして)
【畜生界/剛欲同盟のアジト】
漆黒の空間に呑み込まれたフランの意識が戻るとそこは元の部屋
窓の外にあった漆黒の闇に無数の目玉も無く、破壊された筈の扉も元通りになっていて、傍ではイリアが椅子に座ってうたた寝していて
……?ゆ…め……?
(目を覚ました先には何一つ変わらない部屋に驚いて)
イリア
「………あ、起きた?」
ウトウトと眠りかけていたイリアがフランの目覚めた事に気付くと、眠たそうに目を擦りながら声をかけて
……どうして…イリア、出かけた筈じゃ…
(自身の記憶の中では恥ずかしさのあまり部屋を出て行った筈のイリアに問いてみて)
イリア
「あはは……あれから暫く外に居たんだけど、帰ってきちゃった。」
自分の右頬に右手の人差し指を当てて苦笑いしながら、結局は帰って来たと応えて
……私が居ないと寂しかった…とか?
(少しからかってみたりしつつ、照れながら答えるイリアを見ていて)
イリア
「そんな訳……ない……!」
寂しかったのかと言われると、違うと応えるものの、キッパリと断言したりは出来なくて
イリア
「そ、それよりも随分と魘されていたみたいだけど何かあったの?」
ここで慌てて話を逸らそうと、フランが悪夢に魘されていたと言うことを教えつつ、何か悪い夢でも見ていたのかと聞いてみて
ふふっ、そういう事にしといてあげる…それはそうと、なんか変な夢を見ちゃってね?
この部屋に変な悪魔みたいなのが部屋を侵食して…それで…
(魘されていたであろう原因の夢の内容を覚えている限り伝えて)
イリア
「……悪魔?
アハハッ、私達も悪魔みたいなもんじゃん?」
フランの話を聞くと、自分達吸血鬼も西洋では悪魔と同列に伝えられることもあるため、似たようなものだと応える
だが、あの血染めの悪魔は、神話や寓話で語られるような純然たる悪の権化のような存在であり、小悪魔やレミリアのような人間らしい情や感情のようなものは一切感じられなかった
確かにそうだけど…ちょっと私のでも怖くて…
(夢の中で貫かれてしまった腹部を異様に触れつつしょんぼりしており)
イリア
「そうなんだ……
でもそんな夢を見るだなんてちょっと不気味だね……?」
一度本体の中に戻らない限りは記憶の共有等は出来ないものの、両腕を組んでは主人格の見た悪夢について考えて
…でも心配いらないよ、イリアが傍にいてくれるなら…ね?
(自身の為にしっかりと夢について考察しているイリアに抱き着いて)
イリア
「……そんな事を言って……
本当は尤魔の方がいいんでしょ?」
やっぱりちょっと嫉妬していたのか、フランの方に不満そうな顔で自分のスカートの端を握りながら
…確かに尤魔も大切な恋人。でもイリアはまた別として大切なんだよ?今の私だけじゃ不完全なフランドール・スカーレット。イリアがいる事で私たちは一つになれるんだ。だからイリアを突き放したり絶対しない。
(昔は…ごめんと付け足しつつも、感じ感じられた嫉妬心をそっと解こうとして)
イリア
「本当に……?私の事、嫌ったりしていない……?」
二人で一つの存在なのだと言ってくれたフランへ、イリアは母親の愛に飢えた子供のようにすっと身を屈めてフランの顔を覗き込むように見ながらジッとフランの目を見て
勿論だよ、いくら狂気人格だからって…嫌ったりしない。
(イリアを吸血鬼ながらも優しく包み込むようにして温もりを共有させて。フラン自体はイリアが不満に耐えきれずに自身どころか里にまで手を出そうとしていた時や、自分が不利になると分かっていても何度も手を差し伸べ続けていたところから、本心なのだろう)
イリア
「……その言葉……信じてもいいの……?」
フランに抱き締められ、その温もりを感じながら、確認するように聞く。
自分は破壊衝動や孤独の果ての狂気から生まれた存在であり、冷静さや落ち着きを取り戻した今でさえ時折その狂気と破壊衝動が現れる事もある……
そんな自分を受け入れてくれるフラン(主人格)を本当に信じてもいいのか不安になっているみたいで
私を信じてよ、イリア。例え狂気に囚われて襲われても憎む事はしないし、何度でも手を差し伸べるよ。
(いまだに不安がるイリアの頭をそっと撫でつつも、心配いらないと)
イリア
「……………。」
フランの自分に何度でも手を差し伸べてくれる、自分を排斥したりしないと言ってくれたフランに言葉にはしないものの、ギュッと抱き締めて信じていることを示して
…貴女も私なんだから、それこそ死ぬ時までそばにいるよ。
(言葉に表さず行動で示したイリアの身体を優しく包み込みながらも、優しい声でありがとう、と)
イリア
「……ありがと………」
抱き締めているフランにしか聞こえないぐらいの小さな声で、その耳元で恥ずかしそうにしながらも感謝の言葉を呟くと、フランから一旦離れて椅子から立ち上がろうとして
……私こそ信じてくれてありがとう。
(椅子から立ち上がろうとするイリアの意志を受け止め一旦離れて)
イリア
「それじゃ……貴方が起きたことを尤魔にも教えてくるね……?」
椅子から立ち上がると、先程までの寂しそうな、羨ましいような目ではなく、少し嬉しそうに微笑むと、フランが目を覚ましたことを尤魔にも教えてくると言って
…ううん、私も行くよ。
(夢の結果と同じように一人になりたくないのか、自分もついていくと)
イリア
「大丈夫なの?まだ療養中だった筈でしょ……?」
フランが自分と一緒に来ると言うと、体の傷は持ち前の再生力で完治しているとはいえど、まだフランは闇組織との戦いによる消耗や疲労が残っているだろうと思い声をかけて
……離れたくないんだ。その…変な夢を見ちゃったから…
(自身を心配してくれるのはありがたいものの、誰かそばにいて欲しいのは自分も例外じゃないようで)
イリア
「アハッ、そんなに怖い夢だったんだ。
わかった、怖がりな主人格の願いを聞くよ。」
体の傷が治っていれば後は無茶な運動をさせなければ回復の妨げにはならないんじゃないかとも考え、フランへ右手を差し出すと一緒に尤魔がいる場所に行こうと
うん、我儘聞いてもらってありがとう…
(そう呟いてはイリアの差し出された手を掴み共に尤魔の場所へと向かおうとして)
【紅魔館】
美鈴
「………zzz」
フラン達が畜生界に行っている頃、紅魔館の門前では美鈴が暖かい日差しを受けながら、両腕を組んで眠っていて
無事に身体も回復したし、またこうして尤魔やイリアと一緒に歩けてるのが嬉しいなぁ…
(畜生界にて尤魔と合流し、また紅魔館に行く事になっては三人で歩けている喜びを呟きつつ紅魔館の門前に着いて)
>>410
尤魔
「クックック、そうだな。私もお前と一緒に居れて嬉しいよ。」
イリア
「私は別に……」
フランのすぐ隣で楽しそうに笑って応える尤魔と、尤魔の反対方向、二人から少し離れた場所で両手を後ろで組んで歩くイリアの三人。畜生界で一つの戦いが終わって帰路に着く三人の前に紅魔館の門が見えてくると
尤魔
「………ん?アイツは………」
ふと、館の門の方へ視線をやると、そこにら両腕を組んで安らかに眠っている美鈴の姿が目に入って
……ふふっ、きっと疲れているだけだよ。でも…咲夜にチクっちゃおうかな…?
(視線に入った美鈴の姿を見てはクスッと笑いつつ)
美鈴
「………んあっ!?寝てない、寝てないですよ!?」
三人が近付いて来ると、その気と、嫌な予感を感じた美鈴が寝ぼけ眼で、口端から一筋の涎を垂らしながらも顔を上げて、フランの言葉に応えるように言って
どうだろうなぁ〜?、このまま咲夜に告げ口してもいいんだけど…
(慌てて目を覚まし、寝ていないことを主張する美鈴を見つつも咲夜に役目を果たしていない事を言ってもいいと)
美鈴
「って、えぇぇぇ!?
妹様!?じょ、冗談……ですよね……!?」
冷や汗をかきながら、感じた気配を感じつつ、必死にフランに冗談かなと聞いてみて
そうだなぁ…ねぇイリア、尤魔。二人は美鈴のサボりを咲夜に伝えたほうがいいと思う?
(自分では決めかねたのか、そばにいた二人の意見を聞こうとして)
イリア
「クスクス、そうね仕事をサボっちゃったのなら伝えなきゃね?」
尤魔
「クックック、ああ、私も面白い考えだと思うぞ?」
美鈴
「そんなぁ………!?」
イリアと尤魔も悪戯好きそうに笑って応えると、美鈴も涙目になってきて
ふふっ、それなら…決まりだね?
(涙目になる美鈴を見つめては、最後に何か弁解する事はあるかと見つめ)
美鈴
「終わった………」
悪魔のような笑顔を浮かべる三人(三人とも悪魔みたいな存在)を見て、もう言い逃れも出来ないことを悟ると肩を落として
…冗談だよ、冗談。咲夜には秘密にしてあげるから、今からちゃんと役目を果たしてね?
(微笑みながらも、今回は許すから役目を果たして欲しいと)
美鈴
「もぉ〜……冗談にしてはたちが悪すぎますよ………」
まだ楽しそうに笑っているイリアと尤魔の前で冗談だと応えてくれたフランに安堵するものの、目には涙が浮かんでいて
まぁ次見かけたら……ね?
(門に手をかけ開けつつ、美鈴の方に訳ありな笑みをこぼしては自身の部屋、基、地下室へと向かおうと足を進めて)
美鈴
「はい!次からは気を付けます………」
紅魔館の地下にある自室に帰って行くフランと、スプーンを肩に担いでギザギザの歯を見せて笑っている尤魔と、姉の真似なのか口許に手を当てて笑っているフラン達も見送りながら
【紅魔館ーー地下室〜フランドールの部屋〜】
さてさて…尤魔をここに呼んだのは久し振りかな…?そしてイリアもここの景色は見飽きたかな…
(二人の椅子を用意しながらも、それぞれの景色の出会いを呟きつつ、歓迎して)
尤魔
「そうだな、私が此処に来るのは久し振りだな。
たしか……そこのフラン……イリアが現れた時以来か?」
イリア
「むぅ……私は図書館に行ってていい?
ここは何でもあるけど退屈だし。」
フランと一緒に居るときは何時も笑っているのか、楽しそうに笑う尤魔とは対照的にイリアはもう散々見慣れた部屋に飽きてしまっているみたいで、図書館に行ってきてもいいかと聞いて
別に構わないけれど…やっぱりイリアにとってはこの部屋は飽きたかな…?
(自室である為見飽きたであろうイリアの要望に承諾しては、尤魔の椅子を準備して)
イリア
「そりゃそうよ、だって400年以上居たのよ?
何でも届けてくれて外に出る必要がなかったと言え、あんまりにも退屈なんだもん。」
ちょっと不満そうに宝石翼をパタパタさせながら、ずっと退屈だったと本心を吐露して
そうだね、その長い年月をここで過ごしたなら暇かも…
(不満げに答えるイリアの言葉に納得して)
イリア
「でしょ?まあ、退屈だったから全てを破壊してやろうとしていた訳なんだけどね?」
昔にフラン本体の体を介して無差別に全てを破壊しようとしていたのも、退屈さを紛らわすためだったのだとも応えて
あはは…それでも無闇にお姉様達を傷付けるのは申し訳なかったな…
(イリアの本心を聞いては昔の暴走の意味が分かって)
イリア
「まあ、お姉様達にも貴方にも……みんなにも悪いことしちゃったのは事実だね……」
振り返って思い出してみると、あの暴走のせいでフランに自責の念を抱かせることになってしまったかもしれないと思い、反省していて
…ううん、イリアだけが悪いんじゃないよ。それを実行した私も私。言ったでしょ?私とイリアは互いに必要不可欠だって。もう気にしてないよ。
(昔の過ちを反省しているなら別に構わないと言いつつ、図書館に向かうイリアの肩に手を置いて)
イリア
「……ありがと………」
自分の肩に手を置いて、過去の暴走についても赦してくれるフランにへ、肩に置いた手に自分の手を重ねつつ、感謝の言葉をポツリと呟いて
……(やっぱりあれはイリアだけが原因ってわけじゃない…私の意志もあってだから…本当にイリアは狂気人格なのかな…)
(イリアが自身の手の上に重ね、その温もりを感じていると、何故か本来の狂気人格はイリアではなく自身ではないかと感じる程にイリアのては心なしか暖かくて)
尤魔
「こうして見るとお前らは似ているようで違うような……いや、やっぱり同じか?」
両手でスプーンを首の後ろにかけて二人を見比べていた尤魔が二人を似ているようで違うような、そうでもないような感じで見て
私達は二人で一人だよ、どちらが欠けてしまったら完全体じゃないって言った方が分かりやすいかな…?
(要はどちらか居なくなってしまったらフランドールスカーレットは消えてしまうと)
尤魔
「どちらかが欠けても……か、それなら私達も同じだろ?」
担いでいたスプーンを傍に置くと、フランとイリアの二人の二人の肩を抱こうとしてみて
…ふふっ、そうだね。尤魔?
(尤魔に肩を抱かれると驚きつつも近くなった尤魔の顔に微笑んで)
尤魔
「クックック……!」
尤魔の方を見て微笑むイリアと、どちらも大切にしてくれる尤魔の言動に満更でもない顔をしながらも、恥ずかしそうに視線を外すイリアの三人がいて
尤魔は心強いから安心してよ、イリア。もしかしたら私よりも強いかも…ね?
(これまでに何度も負かせて来た尤魔の方を横目で見つつも、頼りになる事は間違いないと)
イリア
「……うん………。」
確かに尤魔の強さについてはフラン本体を通じて自分も知っていたため、嬉しそうに微笑みながら、少し恥ずかしそうに尤魔とフランを見て頷いて
ささ、そう思うなら一度尤魔に抱きついてみて?心を許した相手は多い方がいいだろうからさ。
(絆をさらに深める為と言うも、本心はまた別の意味があるかもしれない)
イリア
「うぅぅ……で、でも……」
尤魔
「じれったいな、ほら……!」
フランの言葉を聞いてもまだ恥ずかしそうに顔を赤くしながら下を向くイリアへ、尤魔からイリアを優しく抱き締める。
すると、抱き締められた瞬間は吃驚したようでピンと翼が伸びるものの、すぐに伸ばした翼から力が抜けていって
ふふっ、尤魔って安心するでしょ…?どこか暖かくて…でもしっかりと組長の役目を果たしてるんだ。
(尤魔に抱き締められたイリアの様子を見つつも、尤魔の事を評価して)
イリア
「うん……なんだかふかふかしてる……」
尤魔に抱き返すイリアは、不思議と尤魔に抱き締められていると、ふかふかしていると応えて
ふかふか…確かに分かるかも…?
(イリアの言葉に共感しようと、イリアとは真反対から尤魔を抱き締めようとして)
尤魔
「クックック、これが両手に花ってやつか?」
自分に抱き付くフランとイリアの二人を見て、二人の温もりを感じながら、背中から生えた赤い宝石翼をパタパタと機嫌良さそうに動かしてみて