東方projectのなりです。
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【狂気人格】
「アンタ(主人格)が望む未来を見せてもらおうかな?」
名前/イリア・スカーレット
二つ名/狂気の波動
性別/女
能力/ありとあらゆるモノを破壊する程度の能力
性格/その本質は狂気と破壊衝動、そして孤独感の三つで形成されていて、狂気の性質が薄い時はニヒルな口振りだが、感情が昂ると幼い子供のような口調になる。
容姿/基本的な部分はフラン本体と同じではあるものの、放たれる魔力や雰囲気は少し凶々しいものとなっている
https://i.imgur.com/7HtnmFm.jpg
備考/フランドールの狂気人格が莫大な魔力を得て実体化した存在。
だがフランとの戦いによって狂気が落ち着いた事でその脅威は薄れ、イリアと言う名前もフランの主人格から与えられたもの
『…貴方は楽しめる人間……?』
・プロフィール
名前:フランドール・スカーレット(破壊の波動)
姉が大好き。姉のかっこよさ、可愛さを羨ましく思っている。
そのせいか、行き過ぎた事も時にはあるが、それでも大切に思っている。
昔は狂気に囚われしたくも無いことを行っていたが、今は狂気人格が分かれてしまうほどになった為、何とか抑えている。
・狂気人格(イリア)の名付け主でもある。
【紅魔館 フランの部屋】
イリア
「……アンタも変わっているね……」
主人格の傍に浮遊しつつ、虹色の宝石翼を広げたまま、両手で頬を支えるような姿勢のまま見ていて
別にいいでしょ?貴女も私、私も貴女、受け入れるのは当たり前だよ…?
(自身を変わり者だと告げるイリアの方を見つつ、どちらも自分である事には変わりないと伝え)
>>4
イリア
「それは綺麗事だとしか思ってなかったけど……アンタは本当に私(狂気)を受け入れた……だからこそ、変わっているなぁ、って思ったの。」
自分は主人格の中にあった狂気が形を成した者……
他の者であれば、自分のような人格の分離体が現れた場合、破壊したり撃破したりと終わることの無い戦いをしていたかもしれない……
もっとも、そうして力ずくで排除しようとした場合、何度でも復活可能な自分と永遠に戦い続けていただろう
……確かに綺麗事には変わりないよ、これは貴女が優しさを持っていたから叶えられた事。ありがとうね?貴女も私を信じてくれなかったら…互いに最悪の状態に陥っていたと思う…
(あの時に手を振り払われて殺されたとしても狂気としての自分は残り続ける。それは分かっていたが、フラン本人としても狂気人格…もとい、イリアを信じていたようで)
>>7
イリア
「ぅん………」
自分の中に優しさがあったから、永遠に争い続けると言う最悪の未来にならなくて済んだ、自分を信じて良かったと言う事を聞くと少し恥ずかしそうに視線を逸らして
ふふっ、案外可愛いところもあるじゃん?
(恥ずかしそうに目を逸らしたイリアを見てはニヤニヤと口元を緩めながらも相手の肩に手を置こうとして)
>>9
イリア
「か、可愛くなんて無い……!」
主人格の手が肩に置かれると、少し顔を赤くしながらも頬を膨らませて可愛くなんてないと否定して
そう言うところだよ?とっても面白い一面が見れて嬉しいな……
(人里で争っていた時に見せていたイリアの顔とは違い、顔を赤らめる相手を見ては微笑みながらもそっと抱きしめて)
>>11
イリア
「からかうのはやめ………!」
少し怒ろうとしたものの、主人格が抱き締めようとすると、それを拒んだり逃れようとはせずにそのまま無抵抗で大人しく抱き締められて
……ねぇイリア。本当に苦しい時を過ごさせてごめんね。孤独の辛さは私だって分かっているのに…イリアを苦しめる鎖には気付けなかった。自分ばかりで…いいように力だけを使って…私って最低だね…
(遥か昔、あまりの孤独の長さに苛立ちを覚え、愛している姉にさえ能力を使い、心の奥底に蓄積された怒り悲しみ全てをぶつけていた事を思い出し、それ以上に苦しめていたのはイリアだったのだと改めて発覚しては、相手に顔が見えないことをいいことに、顔を顰めては確かに実態のあるイリアの背を撫でつつ、目に潤いを浮かべて)
>>13
イリア
「………そんな事……もう……気にしなくてもいいのに………」
抱き締めているフランから感じられた優しい温もりに包まれながら、別の存在として分離する前に主人格がやっていた事を思い出すと、先程よりも小さく呟いて
…優しいね、イリアは……
(自然と抱き締める力が強まり、潤っていた一眼からは一通の涙をこぼしては深く顔を疼くめて)
>>15
イリア
「……………。」
今度は先程とは違って否定したりはせず、静かに主人格を抱き締める。元々は一つの存在だった事もあって、主人格の顔が見えなくてもその心情がわかっていて……
…ごめん…なさい…折角泣かずに済むと…思ったのに…
(ポロポロと涙でイリアの背を濡らしては、啜り音が耳を刺激し、抱き締める手は小刻みに震え、息も上がっていて)
>>17
イリア
「あーっ、もう!
アンタはほんっとに泣き虫なんだから。」
主人格が涙を流して振るえているのがわかると、自分を抱き締めている主人格の背中を優しく叩きながら、不器用ながらも慰めようとしてみて
うぅ……
(今だけは許して欲しいと言わんばかりにイリアの慰めを受けながらフランの泣き声を部屋に響かせて)
>>19
イリア
「もう……仕方ないわね……」
泣いている主人格を引き離そうとはせずに、主人格が泣き止むまで静かに抱き締めて落ち着かせようとして
…ありがとう、もう大丈夫だから……
(あれから数分後、込み上げてきた感情を全て吐き出しては息を徐々に整え、その間ずっと慰めてくれていたイリアにもう大丈夫だと伝えて)
>>21
イリア
「いいよいいよ、同じ私なんだもん。」
狂気や孤独感によって歪んでしまってはいたものの、根からの悪でも無いみたいで、フランが泣き止むまで、感情を出し切るまで黙って受け入れると、主人格に向けて同じ自分なのだから気にしなくてもいいと応えて
さて…気を取り直して…っと、そういえば、尤魔は無事かな……
(本来ならすぐに迎えに行きたいものの、合わせる顔が見つからず、向かおうとする足が拒むようで、イリアから離れては椅子に座って困っており)
>>23
イリア
「彼女なら大丈夫なんじゃない?何回『私』の能力で破壊しても復活出来たぐらい頑丈で壊れにくかったし。」
主人格が離れると、浮遊していた足を床に付けて、軽く伸びをしながら、尤魔の頑丈さについて話す。
また、敢えて主人格を通して得た経験を自分と同一して『私』と形容することで分裂した別人ではなく、同じ自分だと言う事を強調して
そうだとしても…心配だなぁ……
(何度も能力を受けて立ち続けていた事は分かっているものの、それが長続きするとも思えず、それどころか身体の怪我よりも心の痛みが気になっているようで)
>>25
イリア
「もう、心配性だなぁ……
仕方ない、私も一緒に行ってあげるから、会いに行こ?」
尤魔を心配しながらも、合わせる顔がないと椅子に座って迷っている主人格へ向かうと、少し肩を叩いて一緒に会いに行こうと誘ってみて
…!うん、早く会って尤魔を安心させてあげなきゃ…
(イリアの提案に直ぐにのっては肩に置かれた手に触れ、イリアの手を掴んでは早く向かおうと見つめて)
>>27
イリア
「うんうん、そうと決まれば早速行こ?」
自分の手を掴んだ主人格を見ると、これまでとは一変して狂気を感じない優しい笑顔になって主人格と一緒に尤魔がいる地へ一緒に向かおうと言って
そのままイリアと手を繋ぎながらも、戦闘時に転移魔法で送らせた畜生界への道へと向かっていき、
無事であると願いながらも足を早めて向かって行って。
【紅魔館→畜生界 荒野】
《ゴオォォォォ…》
転移魔法陣を使って移動した先は、植物がまともに生えていない、何処までも広がる荒野が何処までも広がっていて、その荒野の中に、フラン達に背を向けるようにして巨大な先割れスプーンを担いだまま立っている饕餮の姿があって
……! 尤魔!
(畜生界に到着し、辺りを見渡さずとも分かる尤魔の姿に声を上げ、すぐさま向かって行って)
>>31
饕餮
「ん?おっと……遅かったじゃないかフランドール。」
フランの声に気付いたようで、スプーンを近くの地面に突き刺すと、そのまま向かってくるフランを抱き止めようとして
ごめんなさい…色々と心配かけちゃったよね…?でも大丈夫、ちゃんと狂気人格とも話し合って収まったから…
(そのまま抱き止められると、顔を深く埋めつつ、謝って)
>>33
饕餮
「そうか……まあ、お前が無事で良かったよ……」
フランの話を聞くと、をもうフランを失いたくないからなのか、フランを抱き締める力が少しずつ強くなって行って
尤魔……
(明らかに気分が下がっている尤魔に抱き締める強さが増したのを感じては深くは追求せず、そっと背を撫でて)
イリア
「…………!主人格!!」
イリアは二人を少し離れた場所から見ていた事からその違和感にいち早く気付き、フランに注意するために声をかけようとして
………?
(イリアの声を聞き入れるも、離れる事はせずに)
饕餮
「……………。」
イリアが言葉を続けようとした最中、フランの首筋に麻酔針が饕餮の腕の中から伸びてフランの動きを封じたままその意識を奪おうとして
………!!
(そのまま違和感に気づくこともなく、されるがままに首筋に麻酔針が突き刺さっては、体の痺れに衰え顔を顰めて)
饕餮?
「君にはなんの恨みもないけれど……少し身柄を預からせてもらうよ?」
いつの間にか饕餮が金色のブロンドヘアーに黒い帽子を被った少女に変わっていて、フランの意識が強力な麻痺毒によって失われるのを待ちながら、そう呟いて
…貴女……は……!!
(言葉を紡ぐことはできずにそのまま麻酔に体の自由を奪われ、次第に意識も疎かになって)
【畜生界 荒野→岩牢】
《ヒュオォォォォォ…》
饕餮に化けてフランの意識が再び鮮明になると、そこは天井や床、壁の全てが岩壁に囲まれた牢屋の中で、その岩壁にはフランの力を封じるための呪紋のようなものが刻まれている
周囲には饕餮の姿もイリアの姿も見えない
……ここは一体…
(目を覚まし辺りを見渡しても景色の変わらぬ岩壁に戸惑い、声をかけ呼び止めようとしてくれたイリアの姿がない事にも気付いてはより一層焦りが出て)
>>43
カラス霊
「……目が覚めたのか?」
黒い鉄格子の先には、見張りとして用意されたのか、青白いランプの明かりに照らされたカラスの動物霊がいて、フランが目を覚ましたのを確認しようと声をかけて
…貴方は…誰…?ここは何処なの、イリアは…尤魔は何処に行ったの…!
(声の聞こえる方を見ては質問攻めをして)
>>45
カラス霊
「おいおい、目が覚めて早々に質問責めか?
責めるのは俺の方からだと思うんだが、まあいい。
ここは我ら闇組織のアジトの一つだ。
イリアとやらは知らないが、尤魔同盟長なら直にお前の事を聞き付けて此処に来るだろうよ。それが罠だって事も知らずにな。」
カラス霊は岩壁によって力を抑えられているだろう事を知りながらも、警戒を緩めずに鉄格子から2m程の距離を保ちながら、質問に一つずつ応えていく
そのカラス霊が言う内容から、フランを利用して本物の饕餮を誘き出そうとしているようで
……!こんな事をして…一体何をするつもり…!
(まだ岩壁の効果を知らないのか、思いっきり檻を能力を駆使して破壊しようとするも、そこで初めて使えない事に気が付いて)
カラス霊
「カカカッ!人質兼囮と言う奴だ。
このアジトには闇組織の中でも武闘派の連中を集めている。
このアジトに殴り込んで来たところを呪紋で力を弱らせ、総攻撃して一気に消滅させてやるのさ!」
フランが能力を使って牢を破壊しようとするものの、それが不発に終わった様子を見ながら、この呪紋で尤魔の力を大幅に弱体化させたところを、総攻撃して仕留めるつもりなのだと言う事を話して
そんな事させない……ここから出してよ…!
(能力が使えない事を知っては檻を力強く殴り続けて破壊しようとして)
カラス霊
「カカカッ、無駄だ無駄だ、今のお前は見た目通りの人間ぐらいの力しか出せない、どれだけ足掻いても脱出する事は不可能だ!」
呪紋の効果を目の前で確認した事で少し油断したのか、カラス霊は少しフランのいる格子に近付いて
この……!
(檻に近づくカラス霊に手を伸ばしては掴もうとして)
カラス霊
「……グエッ!?」
フランが伸ばした手がカラス霊を捕まえると、潰れた蛙のような声を出して
尤魔は例え釣られたとしても絶対に負けない…お前なんか壊れちゃえ…!
(掴んだカラス霊を今ある力で握り潰そうとして)
【すみません、機種によって名前の後のパスワードが変わるみたいです汗どちらも私本人で間違いありません汗(確認次第このコメントは削除しますm(_ _)m)】
55:閉塞◆3.:2022/11/12(土) 16:27
カラス霊
「ぐ……げ……!!」
フランの腕力が人間ぐらいにまで弱体化されていても、元は吸血鬼だった事もあり、油断して近付いたカラス霊であれば握りつぶせるだけの力があって、そのまま握り潰される
カラス霊の居た場所の近くには小さな木のテーブルがあって、その上にこの牢屋の鍵と思われる鍵束が置いてある
【はい、了解です〜】
57:破壊の波動◆R.:2022/11/12(土) 16:36
…!あれは…
(カラス霊を握り潰しては目の端に映りこんだ机とその上にある鍵束を見つけては再び手を伸ばして鍵を取ろうとして)
フランが手を手を伸ばすものの、軽く2mは離れた場所にある机の上であるため、届かない…
あまり時間をかけてしまっていては、他の闇組織の構成員達がやってくるかもしれないものの、現状では『光弾を数発』撃つぐらいの力しか無くて
むぅ……人間って不便……!
(どれだけ手を伸ばしても届かない鍵に呆れては、何度も檻を殴り始め、それでも壊す事も出来ずに右手の拳は血に染まるばかりで、再生もロクにしないで)
《タッタッタッタッ…》
鍵束まで距離があり、鉄格子を何度も殴り続けて悪戦苦闘する中、闇組織の増援でも来たのか、扉の向こう、少し遠くの方から足音が聞こえて来て
この……!壊れてよ…!!
(何者かの足音に構うことなく何度も殴り続けては、右拳は血で真っ赤に染まり、1部の関節が折れ、骨が剥き出しになってしまって)
《バキッ》
イリア
「主人格!大丈夫!?」
扉が蹴破られると、その向こうから右腕を失い、代わりに左手にレーヴァテインを持ち、ボロボロになったイリアが現れて
……イリア…!
(自分を呼ぶイリアの声を聞いてはそちらを向くも、既に右手は血塗れで、悲惨な状態になりながらも力無く座り込んでいたフランが見上げて)
イリア
「無事……って訳ではなさそうね……」
黒い鉄格子の向こうでは自分と同じく右手を負傷した主人格が目に入ると、先ずは周囲を見渡しながらもフランの傍へ歩き寄って
それは貴女もだよ、待ってて、今回復魔法を……
(そう呟きながらも左手をイリアの失われた右腕に翳すも、魔法が使えるわけもなく)
イリア
「あれ?力が使えないの?」
フランが回復魔法を使えていない事から閉じ込められている牢屋の岩壁に刻まれた呪紋に気付いて
そうだった…今の私は人間同然らしくてね……再生も能力も魔法も全て使えないんだ……
(イリアの右腕に翳した手を離しては、骨が剥き出しになっている右手の回復が見込めないところから再生が止まってしまっている事の証明になり)
イリア
「しょうがないなぁ……わかった、少し離れてて?」
そう言うと左手に持ったレーヴァテインに赤黒い炎を纏わせて
…?一体何を……
(吸血鬼の特権を失った今、何かをしようとするイリアの行動に首を傾げつつ)
イリア
「……はあッ!!」
【禁忌「ケルベロスクリッパー」】
両手でレーヴァテインを持つと、巨大な炎剣に変えてフランを拘束する岩牢に向けて振るうが、岩壁に刻まれた呪紋が不気味な赤い光を放つと、魔力そのものが打ち消され、辛うじて残った炎と斬撃も、高い硬度を誇る黒い鉄格子によって防がれて
……!!無茶だよ、私はいいからイリアだけでも逃げて…ここに居たら増援が来てしまう…
(必死に己を助けようと力を使うイリアの姿を見上げ、この場は危険だと伝え、早く逃げた方がいいと提案をして)
イリア
「言ったでしょ……!
私はアンタ、アンタは私だって……!」
それから数回直接攻撃を仕掛けるものの、やはり破壊することが出来ず、この状況を打開するための方法を探すべく周囲を見渡して
……この…!!
(イリアの言葉が体を動かす燃料となり、同じように辺りを覆う呪紋が刻まれた壁を負傷している右手で再び殴り続け)
イリア
「………あった!」
必死で辺りを見渡していると、フランも見つけた、机の上に置かれた鍵束を掴むと、ガチャガチャと手当たり次第に鍵穴に鍵を刺して開けようとして
…うぅ……
(イリアが鍵を見つけ手当たり次第に試している姿を見ては、殴りを止めるも再生能力を失っている事によって負傷が治まることはなく、遂に限界がきたのか、右拳はもはや原型をとどめておらず、またいつもとは違う感覚の痛みに言葉すらも失いつつあって)
イリア
「とりあえずアンタはそこで休んでて!」
右腕が無い状態では上手く鍵を持ちかえることが出来ずに少し苦戦しながらも、岩壁に刻まれた呪紋を殴り付けていた主人格に無茶をせずに体を休めておいて欲しいと言って
…………。
(イリアの言葉に応じるべく、その場に座り込んでは出血の止まらない右手を押さえながらも、大人しくして)
イリア
「くっ……開いて……開いてよ……!!」
なんとか色々な鍵を試していくものの、イリアが蹴破った扉の向こうにある通路奥から多数の足音と怒号が聞こえて
………イリア…私の事はいいから…貴女だけでも……そうじゃなきゃ私たちはどちらも生きてはいられない…お願いだよ…貴女は私じゃなくて尤魔を…探して逃げて……
(鍵が開かない事による苛立ちを見せたイリアを見ては、そっと口を開き、この場を去ってほしいと伝えて)
イリア
「何を言ってるのよ!?
私と戦っていた時のアンタはそんなに簡単に諦めるようなやつじゃなかったでしょ!?」
イリア
「……ごめん、ちょっと私が時間を稼いでおくから、この鍵を試しておいてくれない?」
自分を見捨てて逃げて欲しいと言う主人格の言葉を聞いて、怒りを露にするものの、後ろから迫る足音と怒号から、闇組織の増援がもうじき来ると言うことを悟ると、主人格に鍵を試す事をやっておいて欲しいと言って
……嫌だ。イリアがこの場を離れないなら私はもう……
(イリアの力を信じていないわけではない。それに救いの手を下ろそうとしているわけでもない。ただ、既にいくつもの鍵を試して開かないところから、正解があるとも思えずに、痛みによるものから気力が出ないと)
イリア
「あーっ、もう!変なとこで頑固なんだから……!
それなら、私が駆け付けた意味を無くすつもりなの?アンタを助けて逃がす、そのために私は片腕を失ってでも来たの、それが出来ないのなら私が此処に来た意味が無くなっちゃう。」
取り敢えず鉄格子の間の隙間から鍵束を持った左手を突き出して渡そうとして
……自分の身を優先してよ…?貴女の求めた自由の為にも…
(左手を伸ばして鍵を受け取っては立ち上がり、内側から鍵穴に次々と差し込んでいくも、自身も同じように、既に右手は原形をとどめていない為、一つ一つの動きが鈍っており)
イリア
「……わかった、それなら私の好きなようにするよ。」
フランが鍵束を受け取ると、地面に突き刺していたレーヴァテインを再び抜き取って闇組織の増援がやって来る通路の奥に向かって行く
………イリア…
(イリアの背中を見送っては鍵を一つ一つ試し始めて)
《ドゴオォォォォォォォッ》
イリアが向かっていくと、通路の奥から凄まじい轟音が鳴り響き、その爆音と合わせるように闇組織のアジト全体が微かにだが震え、通路の先で凄まじい戦闘が繰り広げられている事がわかるようになって
……! 早く…早くイリアを…助けに行かなきゃ…
(そうは言うものの、いまだに当たりは見つからず、出血による目眩を起こし始めては何度か意識が危うくなって)
闇組織の動物霊達
「おい!そこで何をしている!!」
意識が朦朧とする中で鍵を試しているフランの元へ、別の場所から回り込んで来た闇組織に所属しているハイエナ霊やイタチ霊が現れ、フランが居る牢に向かって走って来る
不味い……早く…しないと……
(声が聞こえては焦りを覚えるも、意識が危うい中、もはや正確な動きが難しくなっていて)
《カチャッ…》
ハイエナ霊とハゲワシ霊との距離が残り数mにまで迫ったところで、朦朧とする意識の中、鍵の一つが鍵穴に刺さり、解錠が可能になって
……!やっと……
(やっと鍵穴に刺さった音が聞こえては手を捻り鍵を開け、壁を上手く使って立ち上がるも、寄りかかって上手く歩けず)
ハイエナ霊
「コイツ、鍵を持っているぞ!」
ハゲワシ霊
「奪い返せ!!」
鍵を開けて岩牢から脱出可能になったフランに対して、ハイエナ霊は、その骨をも砕く強靭な牙と顎を、ハゲワシ霊はナイフのように鋭く肉を引き裂く鉤爪をそれぞれ武器としてフランを仕留めて鍵束を奪還しようと襲い掛かって
うぅ……ここまで来て…負けるわけには…
(ぼやけた視界の中、二匹の霊による攻撃を避ける術もなく、ただ原型のない右手と鍵束を持つ左手をクロスさせ身を守ることしかできずに)
《ザシュッ》
未だに通路の奥では凄まじい戦闘音が響いており、イリアが助けに戻って来るのを期待するのは難しい中、ハイエナ霊の牙とハゲワシ霊の爪によってただでさえ出血で意識が朦朧としていたフランへ更なる追い討ちをかけて行って
うぅ……!こ……の…!
(二匹の攻撃を腕で受け止めては出血し、残っている左手でハイエナ霊を殴ろうとするも、力は弱々しく、また動きも遅く)
ハイエナ霊
「ぐェ……!」
ハイエナ霊に向けて放たれた拳が直撃したことでハイエナ霊への反撃が成功するものの、フランの腕に突き刺さった鉤爪がジワジワとその腕の骨肉を切り裂こうとして
うぁぁ……!!
(今までに感じたことの無い痛みに声を上げるも、その痛みも大きさに応じるように原型を留めていない右手でハゲワシ霊を地に叩きつけようとして)
ハイエナ霊
「この……!抵抗するな!!」
ハゲワシ霊が床に叩き付けられると、ハイエナ霊が今度はフランのまだ自由に動かせている左腕に噛みつこうと飛びかかって
……っ!!
(左腕に噛み付かれては深く肉は抉れて血液を垂れ流すも、感覚が麻痺しているのか、そのまま強く壁に自分の腕ごと叩きつけようとして)
ハイエナ霊
「ぐぐッ……!?」
そのまま壁に叩き付けられると、丁度呪紋の効力のある範囲内だったようで、先程床に叩き付けられたハゲワシ霊同様に、二匹の力が失われ始めた事で二匹とも立ち上がることも出来なくなる
フランであれば、かなり高位の吸血鬼だったため、まだ人間ぐらいの力を出すことが出来るものの、並みの動物霊達ではそれよりも遥かに弱体化して