東方projectのなりです。
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尤魔
「ああ、それならもう気にしていないさ。
お前にも色々あったと言うのはわかっているつもりだからな。」
以前に攻撃された事ももう気にしていないと応え、快く許して
…とりあえず、これからはイリアの事もよろしくね…?
(尤魔の顔を見つつも、これから自分達をよろしく頼むと)
尤魔
「ああ、わかった。
お前もあまり無茶はするなよ?」
そう応えて立ち上がると、まだやらないといけない事があるのか、部屋の外に出ようと出入口の扉の方に向かおうと
………!
(この場を離れようとする尤魔の手を思わず掴んでしまって)
尤魔
「うん、どうしたんだ?」
外でやらないといけない事は幾らでもある。
フランが目を覚ましてくれたのならもう意識も安定してきただろうと思い業務に戻ろうとする中、自分の手を掴むフランの方に振り返って
…もう少し居てよ、もし本当にしなきゃいけないことがあるなら…私も手伝う。
(尤魔の手を掴みつつ、見上げるように目線を上げ、もう少し心寂しいからそばに居て欲しいと。実際、狂気人格と戦う中、ワープさせた以来会ってない為、そこそこの日が経っていて)
尤魔
「クックック。
そういえばお前は甘えん坊だったな?」
そう応えると、優しく微笑んでフランの傍に再び座って、フランの頭を右手で優しく撫でて慰めようと
ふふ……日々貴女の恋人として自分をよく見せようとしてるんだから…
(にこにこしながらも、頭を撫でられては猫のように嬉しそうにしていて)
尤魔
「本当に無理だけはするんじゃないぞ?」
饕餮の赤い角に鋭い牙と言った凶悪そうな見た目とは裏腹に自分の事を愛してくれているフランが猫のように嬉しそうに撫でを受けているのを見ては、ますます愛おしさを感じていて
…うん、もう尤魔に迷惑をかけないようにする…
(自身を心配してくれる相手に対してもっと寄り添っていたいのか、腕に触れながらも抱きついていて)
イリア
「知ってはいたけど、本当にラブラブだねー?」
少し不貞腐れた様子で頬杖をつきながら、先程からずっと二人の様子を見守っていた狂気人格(イリア)が幸せそうに抱き合う饕餮とフランの二人を見て、羽根をパタパタさせて
ふふっ、イリアも尤魔に惚れるのかな…?
(力任せにしか興味がないと思っていたイリアが羨ましそうにしているのを見ては、微笑んで)
イリア
「別に私はそんな……」
尤魔
「クックック、私は別に構わないぞ?
そこのお前もフランの一部なんだからな?」
素直になれず、興味無さそうに応えるイリアと、フランを優しく抱き締めたまま嬉しそうに応える尤魔
もしかして…私を好いてくれてるとか…?
(ちょっと冗談を言いつつも、尤魔の腕に抱き着きつつも)
イリア
「そんなんじゃないもん!」
図星だったのか顔を真っ赤にして、そのまま部屋の外に出て行こうとして
ふふっ…やっぱりイリアも優しいんだ……(顔を真っ赤にしては恥ずかしさのあまりに外に出ようとしているのを眺めて)
尤魔
「あっちのフランはあまり素直じゃないんだな?」
フランを優しく抱き締めながら、顔を真っ赤にして部屋から出て行ってしまったイリアを見た後、イリアの方はフラン本体よりも素直じゃない性格なんだと呟いて
うん、でもあの反応を見る限りは…ね?
(要するにツンデレなだけではないかと思いつつも、イリアに申し訳なかったかと感じていて)
尤魔
「クックック、そうだな。
少し性格が違うみたいだが、お前であることに変わりはない。」
ちょっとツンデレ気質があるイリアの様子を見ると、以前に少し話していたフランの怒り人格の事を思い出しつつ、怒り人格もイリア(狂気人格)もフランである事に換わりはないと言って
だから私達は尤魔を愛してる…これだと尤魔は人気者だね?
(イリアが実際に尤魔をどう思っているかは分からないものの、少なくとも主人格であるフランは何度も愛を告げて)
尤魔
「クックック!
そう言われるとなんだか恥ずかしいな?」
これまで剛欲同盟の盟主として畜生界や旧地獄で活動してきて、自分を慕う動物霊も沢山出来たが、こうして何度も互いに拳を交えながらも、恋仲になれたフランに改めて愛していると言われると少し恥ずかしくも嬉しくなって
ふふっ、同盟長でも恥ずかしくなるんだね…?部下が聞いていたらどうしよっか…もしかしたら新しい一面もあるって思われちゃうかもね?
(尤魔の顔を見つつも、幾千の争いを勝ち抜いてきた逞しい顔でもあるが、今だけは自分だけに見せてくれる優しい顔を楽しんでいて)
尤魔
「おいおい、こんな姿をアイツらに見られたら流石に幻滅されてしまうからな、愛情や親愛はお前だけに見せておくつもりだ。」
フランにだけ、普段の強い姿ではなく、愛情や親愛に満ちた面を見せると伝えると、腰掛けたベッドから外の光景……畜生界の赤い空を見上げて
それならこれも私達だけの秘密…って事だね?
(空を見上げる尤魔に対して、また秘密事ができては少し嬉しそうに呟いて)
尤魔
「クックック、そうだな、私とお前だけの秘密がまた増えたな。」
二人だけの秘密、フランにしか見ない顔、その特別感がまた心地よく感じている。
最初にフランと地の底の底、血の池地獄で対峙した時のような、この世の全てを奪おうと言う強欲さが薄れているものの、それを忌む様子は微塵もなくて
……さて、そろそろ尤魔もやる事があっただろうし、そろそろ離れるよ。
(思い出すように言っては尤魔の腕に絡めていた腕を離して、そういえばやる事があったんだと)
尤魔
「ああそうだな……
お前の元気な顔を見れて私も安心したよ。」
フランが自分から離れると、最初に自分がこの部屋に入ってきた時の塞ぎ込んだ悲しそうな様子をしていたのとは違い、今では元気に笑ってくれていた事に安心していて
…それじゃあ、いってらっしゃい、尤魔。
(少しでも迷惑をかけたお詫びとして見送りをしようとしては、立ち上がって)
尤魔
「ああ、行ってくるな?
お前も吸血鬼の再生力を過信せずに安静にしていなとダメだぞ?」
フランが立ち上がって見送ってくれている事に嬉しいと感じているものの、これでまた無茶をしようとするのだけは駄目だと伝えて
…うん、分かってるよ。尤魔を心配させない為にも言いつけは守る。
(少し間が開くものの、ちゃんと尤魔の為にも言いつけは守ると伝えて)
尤魔
「本当に気を付けろよ?」
少し間が空いた事が少し気になりながらも、自分もまた同盟長としてこの畜生界でやらないといけない事が山積みになっているため、最後に念押しすると部屋から出て
分かってるって。そういう尤魔も危険な真似はしないでよ?
(念を押されては理解していると主張しては尤魔を見送って)
《ズッ…》
尤魔が立ち去り、イリアも部屋から出てから数刻が過ぎ、外の世界では丁度深夜に差し掛かった頃、部屋全体や窓の外から色彩や他の動物霊達の気配が無くなったような、言い知れない印鑑に満ちた空間になって
……また一人か…
(イリアが心の中に居たのも、尤魔が傍に居たのもついさっきだと思いたくなるも、その考えも昔から一人だった思いにかき消されては、ふと外の気配が変わったことに気付くも、特に恐ることなく居座っていて)
《ガリガリガリガリ…》
ほんの数秒前までは幾つも感じられた動物霊達の気配は一切感じられず異様な静寂が広がる中
閉まった扉の向こうからは何かが扉の向こう側から扉を引っ掻くような音が聞こえて来る……
………。
(耳を研ぎ澄ませては扉の引っ掻く音を聞きつつ、その場から動かないで扉を見つめて)
レミリア
「……フラン?」
扉をカリカリと引っ掻くような音が静まった後、扉の向こうからフランの事を呼ぶ姉の声が聞こえて来る
……お姉様…?
(扉は開けずに、まるで遠い昔の閉じ込められていた時のように扉を通じて声を聞いて)
レミリア
「迎えに来たのよ、開けて頂戴?」
扉の向こうからは優しげな姉の声が聞こえ、迎えに来たから開けて欲しいと言うものの、扉には鍵がかけられていなくて
……開いてるから、入ってきて良いよ。
(尤魔が去った後から鍵が閉まっていないことは覚えているため、その場から動かず入ってきて良いと)
レミリア
「……ごめんなさい?ちょっとお土産を持っていて両手が塞がっているから開けてくれないかしら?」
扉には鍵がかかっていないにも関わらず、自分から扉を開けて入ってくる様子はなく、その理由をお土産を持ってきたからだと応えて
……一つ聞かせてよ。お姉様。
(一つ疑問を持ちながらも扉に手をかけるも開けようとはせずに、何か疑っているのか…)
レミリア
「……なにかしら?」
扉に手をかけ、質問をするフランに対して、扉の向こうからは聞き覚えのある姉の優しい声が聞こえて来るが、その声以外の物音などは一切聞こえなくて
…本人ならそれはそれで謝るけれど…ちょっとね、ここ最近見た目も声も何もかもコピーの様な人たちを見かけるの。だからさ、姿も見えないで、声だけ聴いてもお姉様って断定出来ないんだ。
それに…何で私がここにいる事が分かったの?
(少し神経質になって学びを得ているのか、警戒していて。何せそのせいで尤魔の偽物に利用されたからである)
レミリア
「…………………。」
フランの、声だけでは判断できないと言うことと、どうしてこの場所がわかったのかと聞かれると、声も聞こえなくなって辺りには静寂が戻って
……『貴女は誰?』
(静寂に包まれた空気の中、再び名を問いて)
???
『そうか、それは残念だ。』
《メキメキメキメキメキ…》
優しい姉の声から一変し、冷たく悪意に満ちた男の声に変わり、それと同時に部屋の扉が巨大な何かに圧されているようにメキメキと音を立てて扉全体が弓なりに歪み始める…
よく見ると、扉にはパチュリークラスでなければ突破できない程のかなり高レベルの対外防御術式が施されており、外部にいる何者かからフランを守るために施されていて
……っ!やっぱり……
(警戒して正解だった。一枚の板を挟んで向こう側から聞こえる男のような声を聞いては扉から離れ、レーヴァテインを作り出しては、構える。しかし扉に相当厳重な魔法がかかっていることに気がついて)
《バキバキバキッ》
尤魔がフランを守るために施した扉の防御が尋常ではない力で強引に外側から打ち破られると、その扉の先には誰の姿も見えない……
だが、その開かれた扉の向こうは、まるで空間そのものを墨で塗り潰したかのような漆黒の空間だけが無限に広がっていて
……いつの間にこんな…
(扉隙間から見える景色に驚きつつも、近づく事なく身構え続けて)
《ガガガガガガガガガッ》
漆黒の空間から、無数の白く細い、とても生者のものではない白い腕が伸び、扉の縁を次々と掴むと、扉の先だけでなく、部屋にある窓も漆黒の闇に閉ざされて
……ゆっくりと休ませてくれないの…ね!
(少しずつ寝床を破壊していく白い腕にレーヴァテインで切り付けようとしてみて)
《バキバキ……》
レーヴァテインが振るわれると、破壊された扉の向こうに広がる無限の暗闇から扉の縁を掴んでいた無数の白い腕が次々と破壊され、闇の奥底へと再び吸い込まれて行くものの、扉の縁を掴む腕は次から次へと伸びて来て
この…!
(次々と現れる白い腕を殲滅していくもこのままではキリがなく)
《ズズズズズズ…》
腕は反撃や攻撃こそして来ないものの、不気味に縁を掴み続ける……それはまるでこの漆黒の空間から何かが這い上がって来ようとしているかのようで……
しかも、窓を覆っていた黒い闇からはおぞましい数の目玉が現れ、ギョロギョロとしたその目はフランを見つけると、悪意に満ちた笑みを浮かべるかのように目を細めて嗤い
悪魔に不気味さが効くとでも…!
(体力にはまだ限界は遠いものの、キリがない状況に打開策が思いつかず)
《ズオッ》
周囲が世にもおぞましい世界へと塗り潰されていく中
扉の奥、漆黒の世界から突如として抵抗を続けるフランの気力を体力を奪い去ろうと、底無しの悪意を含んだ凄まじい重圧が放たれて
……ッ!?
(重圧がフランを襲っては急に攻撃の手が止まってしまい)
《ズズズズズズ…》
悪意に満ちた重圧が放たれた扉の向こうに広がる漆黒の空間の中ではまるで黒い渦のような現れ、その黒い渦の中から一体の悪魔がその姿を現す……
身体中が血に染まっているような赤黒い体毛
鋭く長く赤い鉤爪 赤く巨大な翼 紫色の蛇尾
悪意に満ち醜悪な笑みを浮かべた顔
絵画に描かれる悪魔がそのまま現世に現れたような異形の存在が底無しの魔力を伴って闇の底から現れ、フランの方に歩み寄り始める
……!来ないで…
(暗闇から姿を表した見るに耐えない悪魔を目にしては思わず後退りして)
血染めの悪魔
『クカカカ……
先の闇組織の連中は失敗したようだが……ここでお前を捕まえれば「我々」にとっても有益になるものでな……その身を捧げてもらおうか?』
その声はまるで幾千もの老若男女混合の悲鳴や唸り声が合わさったかのような、奈落の底に蠢く亡者のように身震いしたくなる程の怖気を伴った声となっている…
彼から感じられる途方もない邪気と魔力は闇組織の動物霊達のものでは無く、より邪悪で悪意に満ちたものとなっている…
奴はこの世の者ではない
この世の者として考えるにはあまりにも邪悪すぎる力と心を持っている…
……誰が貴女の為に身を捧げるもんか…!
(後退りを続けた先は壁に着くも、やっと恐怖が解けたのか、立ち向かう勇気が出たのか、レーヴァテインを作り出しては足を進めようとするこの世のものではないモノに向けて)
血染めの悪魔
『ほう、この我に挑むつもりか、吸血鬼の小娘……
面白い、我が体がどこまで力の「回復」をしたのかを見極めるためにもその身を弄んでくれよう……!』
血染めの悪魔の体高は天井に頭が付くほどで、翼も広げれば壁の一面を覆う程であり、フランと対比するとその圧倒的な体格差が浮き彫りになる……
並みの人間や妖怪であれば、そこから放たれる強大な魔力と邪気、体躯を前に戦意を失うのだが、その恐怖心を振り払い、挑むことを決めたフランを見て
血染めの悪魔は悪意に満ちた双眼を歪め、獲物をいたぶる捕食者の顔になって
分かった…私に勝てると思ってるならやってみてよ!
(相手の威圧を押し返すように翼を広げては、レーヴァテインに炎を纏わせ、自身の倍以上ある悪魔に斬りかかろうと強く床を蹴って接近して)
血染めの悪魔
『クカカカ……!』
炎を纏わせたレーヴァテインを振り上げて向かって来るフランに対し、その巨体に見合わない速度でフランのレーヴァテインが振り下ろされるよりも先にフランの体をその巨大な腕で薙ぎ倒そうとして
……っ!?
(巨体のデメリットとして動きが遅く当たり判定が大きいことを利用しようとしては、まんまと罠にハマるように薙ぎ飛ばされては大きく壁に打ちつけられて)
血染めの悪魔
『一介の吸血鬼が神代より生きる我に抗えると思うな……!』
壁に叩きつけられたフランに向けて腕を突き出すことでその体を貫こうとする…
……がふッ…!!?
(回復して間もなかったからなのか、怯んでは最も簡単に身体を貫かれては大きく吐血して)
血染めの悪魔
『我は「魂を奪う力」を漏っている。
その肉体から魂を奪い取るだけでも充分に人質として使えるだろう……?』
フランの体を貫く長剣のような長さと鋭敏さを備えた爪を介し、フランの体から魂を抜き取ろうとし始める……
他者の魂を奪い、弄ぶ事を無上の喜びとしているこの悪魔に魂を奪われてしまった場合、凄惨な目に合うことになるのは免れないだろう……
…こ…の……!
(体は貫かれるも、右手を大きく広げては相手の核を探り破壊しようと試みて)
血染めの悪魔
『クカカカ……!
安心しろ……魂を抜かれてもお前の意思は残り続ける……
お前の魂は永遠に我の中で魂から直接力を吸収される苦痛と恐怖に苛まれ続けるのだ……』
魂を奪った後の事を話すことでフランの魂を絶望に染めようとする中、フランが能力で引き寄せた悪魔の目は、あの黒縄のように握りつぶせない程ではないものの、かなりの硬さを持っているのだが、その目は何処か他のモノ達の目とは違う感触がして
……うぅ…ごめん…尤魔…イリア…
(今まで感じたことの無い核の感触を受け止めては、握り潰すのを躊躇してしまい、逃れられない痛みに縛られて)
血染めの悪魔
『クカカカ……
お前の魂から、どれだけ美味な絶望と苦痛に染まった魔力を吸えるか楽しみだ……!』
破壊能力の行使を躊躇っている間にも悪魔は爪を介してフランの存在そのものを……魂そのものを奪い取ろうとしている。
周囲のおぞましい空間からして、固有結界に近い状況になっている事から助けが来る可能性も限り無く零に等しいだろう……
…何もしないで死ぬくらいなら……!
(そう決心をしては不思議な感覚の核を握りつぶそうと思いっきり手を握って)
《バンッ…》
血染めの悪魔
『…………カッ………』
フランの体から魂を抜き取ろうとしていた悪魔の無数の鋭い牙が並んだ口から小さく声が絞り出されると、魂を抜き取る能力の効果が途切れて反撃のチャンスが出来る
…っ、離して…!
(相手の能力が弱まったのを感じては、すぐさま自分の体から腕を引き抜き壁から逃げようとして)
血染めの悪魔
『……グ……この力は……まさか貴様は………』
悪魔の心臓の辺りから亀裂が走り始め、その巨体が崩壊するにつれて、周囲の灰色の空間そのものにも幾つもの亀裂が生じて行く
そんな中で目を破壊された悪魔は爪と腕を引き抜いて壁なら逃れたフランの方を見ては、痛みや苦痛ではなく、驚いた様子でいて
……っ…今更何さ…
(貫かれていた身体を再生しつつも、亀裂が入る相手を見ていて)
血染めの悪魔
『…………お前は…………!!』
巨大な手をフランの体を掴もうと伸ばすものの、亀裂が増し、灰色の空間もろとも悪魔の赤黒い巨体も砕け、そのまま周囲が漆黒の世界へと呑み込まれていく
……ッ…!!
(空間に飲み込まれるように砕けた相手を見つつも、目を逸らして)
【畜生界/剛欲同盟のアジト】
漆黒の空間に呑み込まれたフランの意識が戻るとそこは元の部屋
窓の外にあった漆黒の闇に無数の目玉も無く、破壊された筈の扉も元通りになっていて、傍ではイリアが椅子に座ってうたた寝していて
……?ゆ…め……?
(目を覚ました先には何一つ変わらない部屋に驚いて)
イリア
「………あ、起きた?」
ウトウトと眠りかけていたイリアがフランの目覚めた事に気付くと、眠たそうに目を擦りながら声をかけて
……どうして…イリア、出かけた筈じゃ…
(自身の記憶の中では恥ずかしさのあまり部屋を出て行った筈のイリアに問いてみて)
イリア
「あはは……あれから暫く外に居たんだけど、帰ってきちゃった。」
自分の右頬に右手の人差し指を当てて苦笑いしながら、結局は帰って来たと応えて
……私が居ないと寂しかった…とか?
(少しからかってみたりしつつ、照れながら答えるイリアを見ていて)
イリア
「そんな訳……ない……!」
寂しかったのかと言われると、違うと応えるものの、キッパリと断言したりは出来なくて
イリア
「そ、それよりも随分と魘されていたみたいだけど何かあったの?」
ここで慌てて話を逸らそうと、フランが悪夢に魘されていたと言うことを教えつつ、何か悪い夢でも見ていたのかと聞いてみて
ふふっ、そういう事にしといてあげる…それはそうと、なんか変な夢を見ちゃってね?
この部屋に変な悪魔みたいなのが部屋を侵食して…それで…
(魘されていたであろう原因の夢の内容を覚えている限り伝えて)
イリア
「……悪魔?
アハハッ、私達も悪魔みたいなもんじゃん?」
フランの話を聞くと、自分達吸血鬼も西洋では悪魔と同列に伝えられることもあるため、似たようなものだと応える
だが、あの血染めの悪魔は、神話や寓話で語られるような純然たる悪の権化のような存在であり、小悪魔やレミリアのような人間らしい情や感情のようなものは一切感じられなかった
確かにそうだけど…ちょっと私のでも怖くて…
(夢の中で貫かれてしまった腹部を異様に触れつつしょんぼりしており)
イリア
「そうなんだ……
でもそんな夢を見るだなんてちょっと不気味だね……?」
一度本体の中に戻らない限りは記憶の共有等は出来ないものの、両腕を組んでは主人格の見た悪夢について考えて
…でも心配いらないよ、イリアが傍にいてくれるなら…ね?
(自身の為にしっかりと夢について考察しているイリアに抱き着いて)
イリア
「……そんな事を言って……
本当は尤魔の方がいいんでしょ?」
やっぱりちょっと嫉妬していたのか、フランの方に不満そうな顔で自分のスカートの端を握りながら
…確かに尤魔も大切な恋人。でもイリアはまた別として大切なんだよ?今の私だけじゃ不完全なフランドール・スカーレット。イリアがいる事で私たちは一つになれるんだ。だからイリアを突き放したり絶対しない。
(昔は…ごめんと付け足しつつも、感じ感じられた嫉妬心をそっと解こうとして)
イリア
「本当に……?私の事、嫌ったりしていない……?」
二人で一つの存在なのだと言ってくれたフランへ、イリアは母親の愛に飢えた子供のようにすっと身を屈めてフランの顔を覗き込むように見ながらジッとフランの目を見て
勿論だよ、いくら狂気人格だからって…嫌ったりしない。
(イリアを吸血鬼ながらも優しく包み込むようにして温もりを共有させて。フラン自体はイリアが不満に耐えきれずに自身どころか里にまで手を出そうとしていた時や、自分が不利になると分かっていても何度も手を差し伸べ続けていたところから、本心なのだろう)
イリア
「……その言葉……信じてもいいの……?」
フランに抱き締められ、その温もりを感じながら、確認するように聞く。
自分は破壊衝動や孤独の果ての狂気から生まれた存在であり、冷静さや落ち着きを取り戻した今でさえ時折その狂気と破壊衝動が現れる事もある……
そんな自分を受け入れてくれるフラン(主人格)を本当に信じてもいいのか不安になっているみたいで
私を信じてよ、イリア。例え狂気に囚われて襲われても憎む事はしないし、何度でも手を差し伸べるよ。
(いまだに不安がるイリアの頭をそっと撫でつつも、心配いらないと)
イリア
「……………。」
フランの自分に何度でも手を差し伸べてくれる、自分を排斥したりしないと言ってくれたフランに言葉にはしないものの、ギュッと抱き締めて信じていることを示して
…貴女も私なんだから、それこそ死ぬ時までそばにいるよ。
(言葉に表さず行動で示したイリアの身体を優しく包み込みながらも、優しい声でありがとう、と)