東方projectのなりです。
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……そっか、ありがとう…
(俯きながらも、少し尤魔と会う事に戸惑いを持ち始めて)
イリア
「……?
どうしたの?まだ何か悩んでるの?」
チェスのボードを横にずらし、両手をテーブルの上に置いて組み、その腕の上に自分の頭を乗せてまだ饕餮と会って話すことを戸惑っているフランへ話しかけて
……いや、この前助けに来てくれた時…話したいことや聞きたいことがあるって言ってたからさ?
…もしかして怒られるんじゃないかって思って…
(尤魔と話をしたいのは自分も同じだが、相手の内容が思い当たる節しかなく、自分に対して何か不満があるのかと思うととてもではないが会う顔が見つからなくて)
イリア
「あははは、確かに色んな事を言っていたよ……
だけど、それはどれもアンタの事を心配しての言葉だけだったけどね?」
饕餮が言っていた事は全てフランの事を気遣ったものだけで、責めたり怒っていたような様子は無かったと言うことを教えて
……でもやっぱり、面と向かって話をしなきゃダメだよね…
(イリアの言葉を聞いて心配事が多かったと聞くと、少し安心するも、自分としてはちゃんと話を聞いておきたいと)
イリア
「そうね、一回面と向かって話した方がアンタも気が楽になるだろうし。」
テーブルの上に頭を乗せたまま目線を窓の外へやっては、ちゃんとお互いに話した方が楽になるだろうと考えて
…早く帰って来ないかな……
(尤魔の帰ってくる間、不安な心を抱いたまま過ごすのが辛いのか、はたまた紅魔館で向かう途中に襲われていないか心配なのか、胸元を押さえながらも尤魔の帰りを待って)
イリア
「……ねえ、主人格……いや、私(フラン)……」
視線を窓の外からフランへ戻すと、一つ思ったことがあり、それを聞こうと声をかけて
……どうしたの?
(自身に用があるのか、声をかけられては応じて)
イリア
「……………やっぱりいい。」
イリアの心の中には饕餮とフランの互いを想う気持ちを目の当たりにしているものの、その二人に対する感情や想いを言葉に表現できず、少し複雑な表情をして視線を外して
……何もないならいいけど…
(イリアが話を断ち切っては無理に聞こうとはせずに)
饕餮
「よう、フランは起きてるか……って、お?」
扉を開けて部屋に饕餮が入って来ると、フランが目を覚ましている事に気付くと、担いだスプーンを部屋の出入り口近くの壁に立て掛けてはフランが寝ているベッドの傍に来て
……うん、おはよう尤魔…
(扉の空いた音を聞いては視線をそちらに写し、尤魔の姿が見えては微笑んで)
尤魔
「何時目が覚めたんだ?
私が地上に行く前はまだ寝ていただろ?」
尤魔はフランの心情を知らず、ベッドの縁に腰掛けながら嬉しそうに笑いながら陽気に話して
…ついさっきだよ、尤魔がいつ地上に向かったかは分からないけど……
(相手の笑顔を受け止めながらも、何処か申し訳なさそうに話に応えて)
尤魔
「そうか、まあお前が目覚めてくれて良かったよ。」
フランが何か悩んでいるようにも見えるものの、そこに触れる前にフランの目が覚めるぐらい回復した事を喜んでいて
…ねえ尤魔。イリア…狂気人格に話した事を私にも教えてくれないかな…?
(真剣な眼差しを向けようとするも、尤魔の顔は直視出来ず、俯いたまま問い)
尤魔
「ああ、いいぞ。
色々な事があったみたいだが、お前が無事で良かったよ。」
視線を何故か合わせようとはしないフランの様子をますます疑問に思いながらも、此方からは視線を合わせようとしつつ、応えて
他には…何か話してない?
(尤魔の言葉を聴きながら、自身の手を握り)
尤魔
「お前はもっと私を頼ってくれてもいいんだぞ……?
お前が私を想ってくれるように、私もお前を大切に想っているんだからな……」
フランの肩を抱いて優しく抱擁しようとして
……尤魔が私から離れる決意をしたこと…なんとなく分かったよ。
(抱擁される前に尤魔の肩に手を伸ばしては抱擁を阻止して)
尤魔
「……………。」
彼女の言葉の中からフランの悩んでいた理由を悟り、一度抱擁を断られると、大人しく止めてそれ以上は何も言及せずに
…私がここまで弱いから……尤魔にも散々迷惑をかけるから…だから私が選ぶのは美咲にしてって言ったんでしょ…?分かってるよ…あの時美咲を選ぶのはお互い様だって言った事…本当は私から離れるための口実って…
(あの出来事が起こるまでは何もかも似ていて、お互いに支えようと思っていた。それでもやっぱり自分は何度も尤魔に迷惑をかけ、何千年先の別れに恐れてはフラン自身もケジメを付けようとして。しかしそのケジメは本心ではない事が表情から分かって)
尤魔
「………そうか……いつの間にかお前に迷惑をかけていたみたいだな……」
フランが本心から言っているわけではないと言うことはわかっている……だけど、自分が此所で強引に話を続けようとしても、口が上手くない自分では逆効果だ……それなら、一旦距離を置いて、上手い言葉を思い付いてから再び会った方がお互いのためだと考え、腰かけていたベッドから立ち上がって
…またそうやって逃げようとするの…?私は向き合おうと努力してるのに……
(ベッドから立ち上がる尤魔を止めようと同じく立ち上がるも、貧血を起こして一瞬体勢を崩してしまって)
尤魔
「……なんだ?お前も私から離れようとしていたじゃないか。」
剛欲同盟のモットーは「漁夫の利」
その長たる尤魔もまた、状況や戦況を読んで自分が有利な状況になった時に横槍を入れて成果を簒奪していく……それが一番楽で、真面目に戦って成果を得るよりも遥かに被害も労力も消費しないからだ
だが、そうした事ばかりをしていた事もあり、何かと向き合い続けると言った事の経験に乏しく、自分から離れようとしていたように感じたフランが、先程とは異なる主張をしたのを聞いて、少し困惑しながら応えて
…いい加減にしてよ……尤魔の本音を聞かせて。あの時話そうとしたことも全て…教えて…
(少し眩暈に息を荒げながらも尤魔の手を捕まえ逃さないようにしては、初めて尤魔の顔を見つめるも、その表情は、目も潤い、とても泣かないとは思えない表情から、先ほどのケジメが本心ではない事が確実に分かって)
尤魔
「……私の本音ならさっきからずっと言っているだろ?
私はお前には嘘を吐いた事はない筈だぞ……?」
立ち上がった自分が引き留めようとするフランを見て、その手を振り払ったりはしないものの、フランが何を求めているのか、どんな言葉をかければ良いのかがわからず
その悩みともどかしさが自分自身への苛立ちに変わり、少し言葉も攻撃的なものになってしまって
……分かった、そこまで言うなら信じる。勘違いしてごめんなさい…
(そう呟いては引き止めていた手を一度離しては尤魔を抱き締めようとして)
尤魔
「……お前の負担になっていたのかもしれないな……
悪い……」
フランが自分を抱き締めようとすると、それを受け入れつつ、フランが体勢を崩さないように此方も優しく抱き返して
……でもやっぱり怖いんだ…あの時にあんな話をさせられて…尤魔が何処かへ行ってしまう気がして…早く傍に居るって、感じたかった…
(二択の選択から降りるといった尤魔が数千年は共にいると言ったものの、いついなくなるのか不安でしょうがなく、イリアとの戦闘後、尤魔の心配を何度もしていた理由で。尤魔が応じてくれると、これからの未来が不安でしょうがないと呟き)
尤魔
「……大丈夫だ、お前が望むのならどれだけだって居てやるさ……」
優しくフランの頭を撫でながら抱き締めると、フランが望むのならどれだけだって一緒に居ると応える
未来がどうなるのかは自分にもわからないし、思い描いた通りの未来になる事は恐らくは無いだろう……
だが、それでも自分はフランと少しでも長く一緒に居られるように、その未来を望み向かって行くと決意して
……私が尤魔に転移魔法をかけたのも…あの場に尤魔がいたら居なくなってしまうと思ったから…尤魔は例え狂気人格に殺されても恨みやしないでしょ…?だからこそいつ私のせいで体を失うのか怖くて…
(頭を撫でられては涙を零し、震えながらも以前の狂気人格との戦闘での経緯を告げては何度も失いたくない…その言葉を繰り返して。それは過去にあったトラウマから離れる為の行いが、はたまた自分に言い聞かせているだけか…)
尤魔
「……………………。」
確かに、フランの言う通り自分は狂気人格……イリアに破壊されるような事があれば、それを受け入れて破壊されていただろう……
嘘や誤魔化しをしようと思えば幾らでも出来るのだが、フランに対してそれをするのは気分的にも乗らない……故に、フランへの慰めの言葉さえ思い付かず、ただ沈黙してしまって
闇組織との戦闘だって……共闘している時、いつ尤魔が瀕死になるかなんて…考えたくもなかった。闇組織を倒す一方…尤魔が傷つかないようにしようとしたけど…私の力じゃそこまで及ばない。
(静かに、それでも寄り添って話を聞いてくれる尤魔に対して先に話せなかった事を話して)
尤魔
「……まったく……!」
フランの事を抱き締める腕に力を入れて、強くフランを抱き締めようとして
……っ!?
(抱き締める力を強めた尤魔に驚いては話が止まって)
尤魔
「私はずっとお前の傍にいる……その言葉だけじゃ不安なのか?」
強くフランを抱き締めたのは、自分はもう消えないと言うことを言葉を用いる事無く暗に示そうと。例えそれがフランの別の人格が相手だろうと……
………だって…尤魔があんな事を言うからぁ……
(感情を表に出してしまっては涙声になり、強く抱き締められたまま尤魔の言葉の想いを受け取り、もう離れない事を知るも、未だに何度も頭の中で『数千年後の別れ』が巡り続けていては、抱き締める両手が震えて)
尤魔
「クックック、ちょっと意地悪が過ぎたか?」
フランの涙声を聞いて、その顔を見ながら笑ってやろうと思い、抱き締める腕の力を少しずつ弱めて、一旦離れようとしてみる
…尤魔ぁ……
(力が弱まり体が離れるとそこには涙を何度も零し、涙を右手で拭いながらも顔を隠しているフランの姿があって。)
尤魔
「まったく、綺麗な顔が台無しだぞ?
お前は笑っているのが一番だ、こんな風にな?」
涙を溢し、それを拭いながら顔を隠しているフランに、ギザギザの歯を見せながら、優しく笑って見せて
https://i.imgur.com/jmcOBho.png
……もう、誰のせいだと思ってるのさ……!
(遠回しに尤魔のせいでと言うも、相手の微笑む顔を見ては、涙を目尻に残しつつも微笑み返して)
尤魔
「クックック!何時かはその話しも笑い話に出来るようにしような……?」
今は二度と会えないかもしれないと言う不安や心配から、悲しい話しになっているものの、これから一緒に居る事で、やがてはこの話しそのものを荒唐無稽な笑い話しに出来るぐらい長く一緒に居ようと、笑顔のまま言って
…うん!
(微笑み返しては勢いよく尤魔に飛びついて顔を擦りつけて)
尤魔
「おいおい、泣き虫の次は甘えん坊かぁ?
まったく、仕方の無いやつだな。」
満更でも無いようで、尤魔も嬉しそうに笑いながら、フランと頬を擦り合わせる
幸せな時はすぐに通り過ぎてしまう……
悲しい記憶や思い出を風化させるためには長い時間がかかるだろう……
だが、幸せな記憶が積み重なれば、何時かは悲しい思い出さえ笑って話せるようになるだろう……
あっ、そういえばもう知ってるかもしれないけど……
(一旦顔を擦り合わせるのを止めてはイリアの方を向き)
彼女が私の中にいる狂気人格なんだけど…ちゃんと名前があってね?
(そう呟いては自己紹介をお願いする様な目を向けて)
イリア
「はーい、狂気人格のイリア・スカーレットでーす…」
さっきからずっと窓の外の景色を見ていたイリアは、自分の話題になったとわかると、二人の方を見ては気怠そうに手を振って
…あんな感じだけど、イリアはとっても優しいんだよ…?
(イリアの自己紹介を聞いては尤魔に視線を戻し、本来ではとても優しく心強いと)
尤魔
「ああ、アイツもお前だからな?」
イリアは優しいと言われると、照れくさそうに窓の外へ視線を戻すものの、尤魔はイリアもまたフランなのだから優しいと言うことに納得していて
…尤魔に攻撃したりとヤンチャなところはあるけど……許してあげて?あれは私のせいだから…
(優しいと言う言葉に納得している尤魔に助言と謝罪を申して)
尤魔
「ああ、それならもう気にしていないさ。
お前にも色々あったと言うのはわかっているつもりだからな。」
以前に攻撃された事ももう気にしていないと応え、快く許して
…とりあえず、これからはイリアの事もよろしくね…?
(尤魔の顔を見つつも、これから自分達をよろしく頼むと)
尤魔
「ああ、わかった。
お前もあまり無茶はするなよ?」
そう応えて立ち上がると、まだやらないといけない事があるのか、部屋の外に出ようと出入口の扉の方に向かおうと
………!
(この場を離れようとする尤魔の手を思わず掴んでしまって)
尤魔
「うん、どうしたんだ?」
外でやらないといけない事は幾らでもある。
フランが目を覚ましてくれたのならもう意識も安定してきただろうと思い業務に戻ろうとする中、自分の手を掴むフランの方に振り返って
…もう少し居てよ、もし本当にしなきゃいけないことがあるなら…私も手伝う。
(尤魔の手を掴みつつ、見上げるように目線を上げ、もう少し心寂しいからそばに居て欲しいと。実際、狂気人格と戦う中、ワープさせた以来会ってない為、そこそこの日が経っていて)
尤魔
「クックック。
そういえばお前は甘えん坊だったな?」
そう応えると、優しく微笑んでフランの傍に再び座って、フランの頭を右手で優しく撫でて慰めようと
ふふ……日々貴女の恋人として自分をよく見せようとしてるんだから…
(にこにこしながらも、頭を撫でられては猫のように嬉しそうにしていて)
尤魔
「本当に無理だけはするんじゃないぞ?」
饕餮の赤い角に鋭い牙と言った凶悪そうな見た目とは裏腹に自分の事を愛してくれているフランが猫のように嬉しそうに撫でを受けているのを見ては、ますます愛おしさを感じていて
…うん、もう尤魔に迷惑をかけないようにする…
(自身を心配してくれる相手に対してもっと寄り添っていたいのか、腕に触れながらも抱きついていて)
イリア
「知ってはいたけど、本当にラブラブだねー?」
少し不貞腐れた様子で頬杖をつきながら、先程からずっと二人の様子を見守っていた狂気人格(イリア)が幸せそうに抱き合う饕餮とフランの二人を見て、羽根をパタパタさせて
ふふっ、イリアも尤魔に惚れるのかな…?
(力任せにしか興味がないと思っていたイリアが羨ましそうにしているのを見ては、微笑んで)
イリア
「別に私はそんな……」
尤魔
「クックック、私は別に構わないぞ?
そこのお前もフランの一部なんだからな?」
素直になれず、興味無さそうに応えるイリアと、フランを優しく抱き締めたまま嬉しそうに応える尤魔
もしかして…私を好いてくれてるとか…?
(ちょっと冗談を言いつつも、尤魔の腕に抱き着きつつも)
イリア
「そんなんじゃないもん!」
図星だったのか顔を真っ赤にして、そのまま部屋の外に出て行こうとして
ふふっ…やっぱりイリアも優しいんだ……(顔を真っ赤にしては恥ずかしさのあまりに外に出ようとしているのを眺めて)
尤魔
「あっちのフランはあまり素直じゃないんだな?」
フランを優しく抱き締めながら、顔を真っ赤にして部屋から出て行ってしまったイリアを見た後、イリアの方はフラン本体よりも素直じゃない性格なんだと呟いて
うん、でもあの反応を見る限りは…ね?
(要するにツンデレなだけではないかと思いつつも、イリアに申し訳なかったかと感じていて)
尤魔
「クックック、そうだな。
少し性格が違うみたいだが、お前であることに変わりはない。」
ちょっとツンデレ気質があるイリアの様子を見ると、以前に少し話していたフランの怒り人格の事を思い出しつつ、怒り人格もイリア(狂気人格)もフランである事に換わりはないと言って
だから私達は尤魔を愛してる…これだと尤魔は人気者だね?
(イリアが実際に尤魔をどう思っているかは分からないものの、少なくとも主人格であるフランは何度も愛を告げて)
尤魔
「クックック!
そう言われるとなんだか恥ずかしいな?」
これまで剛欲同盟の盟主として畜生界や旧地獄で活動してきて、自分を慕う動物霊も沢山出来たが、こうして何度も互いに拳を交えながらも、恋仲になれたフランに改めて愛していると言われると少し恥ずかしくも嬉しくなって
ふふっ、同盟長でも恥ずかしくなるんだね…?部下が聞いていたらどうしよっか…もしかしたら新しい一面もあるって思われちゃうかもね?
(尤魔の顔を見つつも、幾千の争いを勝ち抜いてきた逞しい顔でもあるが、今だけは自分だけに見せてくれる優しい顔を楽しんでいて)
尤魔
「おいおい、こんな姿をアイツらに見られたら流石に幻滅されてしまうからな、愛情や親愛はお前だけに見せておくつもりだ。」
フランにだけ、普段の強い姿ではなく、愛情や親愛に満ちた面を見せると伝えると、腰掛けたベッドから外の光景……畜生界の赤い空を見上げて
それならこれも私達だけの秘密…って事だね?
(空を見上げる尤魔に対して、また秘密事ができては少し嬉しそうに呟いて)
尤魔
「クックック、そうだな、私とお前だけの秘密がまた増えたな。」
二人だけの秘密、フランにしか見ない顔、その特別感がまた心地よく感じている。
最初にフランと地の底の底、血の池地獄で対峙した時のような、この世の全てを奪おうと言う強欲さが薄れているものの、それを忌む様子は微塵もなくて
……さて、そろそろ尤魔もやる事があっただろうし、そろそろ離れるよ。
(思い出すように言っては尤魔の腕に絡めていた腕を離して、そういえばやる事があったんだと)
尤魔
「ああそうだな……
お前の元気な顔を見れて私も安心したよ。」
フランが自分から離れると、最初に自分がこの部屋に入ってきた時の塞ぎ込んだ悲しそうな様子をしていたのとは違い、今では元気に笑ってくれていた事に安心していて
…それじゃあ、いってらっしゃい、尤魔。
(少しでも迷惑をかけたお詫びとして見送りをしようとしては、立ち上がって)
尤魔
「ああ、行ってくるな?
お前も吸血鬼の再生力を過信せずに安静にしていなとダメだぞ?」
フランが立ち上がって見送ってくれている事に嬉しいと感じているものの、これでまた無茶をしようとするのだけは駄目だと伝えて
…うん、分かってるよ。尤魔を心配させない為にも言いつけは守る。
(少し間が開くものの、ちゃんと尤魔の為にも言いつけは守ると伝えて)
尤魔
「本当に気を付けろよ?」
少し間が空いた事が少し気になりながらも、自分もまた同盟長としてこの畜生界でやらないといけない事が山積みになっているため、最後に念押しすると部屋から出て
分かってるって。そういう尤魔も危険な真似はしないでよ?
(念を押されては理解していると主張しては尤魔を見送って)
《ズッ…》
尤魔が立ち去り、イリアも部屋から出てから数刻が過ぎ、外の世界では丁度深夜に差し掛かった頃、部屋全体や窓の外から色彩や他の動物霊達の気配が無くなったような、言い知れない印鑑に満ちた空間になって
……また一人か…
(イリアが心の中に居たのも、尤魔が傍に居たのもついさっきだと思いたくなるも、その考えも昔から一人だった思いにかき消されては、ふと外の気配が変わったことに気付くも、特に恐ることなく居座っていて)
《ガリガリガリガリ…》
ほんの数秒前までは幾つも感じられた動物霊達の気配は一切感じられず異様な静寂が広がる中
閉まった扉の向こうからは何かが扉の向こう側から扉を引っ掻くような音が聞こえて来る……
………。
(耳を研ぎ澄ませては扉の引っ掻く音を聞きつつ、その場から動かないで扉を見つめて)
レミリア
「……フラン?」
扉をカリカリと引っ掻くような音が静まった後、扉の向こうからフランの事を呼ぶ姉の声が聞こえて来る
……お姉様…?
(扉は開けずに、まるで遠い昔の閉じ込められていた時のように扉を通じて声を聞いて)
レミリア
「迎えに来たのよ、開けて頂戴?」
扉の向こうからは優しげな姉の声が聞こえ、迎えに来たから開けて欲しいと言うものの、扉には鍵がかけられていなくて
……開いてるから、入ってきて良いよ。
(尤魔が去った後から鍵が閉まっていないことは覚えているため、その場から動かず入ってきて良いと)
レミリア
「……ごめんなさい?ちょっとお土産を持っていて両手が塞がっているから開けてくれないかしら?」
扉には鍵がかかっていないにも関わらず、自分から扉を開けて入ってくる様子はなく、その理由をお土産を持ってきたからだと応えて
……一つ聞かせてよ。お姉様。
(一つ疑問を持ちながらも扉に手をかけるも開けようとはせずに、何か疑っているのか…)
レミリア
「……なにかしら?」
扉に手をかけ、質問をするフランに対して、扉の向こうからは聞き覚えのある姉の優しい声が聞こえて来るが、その声以外の物音などは一切聞こえなくて
…本人ならそれはそれで謝るけれど…ちょっとね、ここ最近見た目も声も何もかもコピーの様な人たちを見かけるの。だからさ、姿も見えないで、声だけ聴いてもお姉様って断定出来ないんだ。
それに…何で私がここにいる事が分かったの?
(少し神経質になって学びを得ているのか、警戒していて。何せそのせいで尤魔の偽物に利用されたからである)
レミリア
「…………………。」
フランの、声だけでは判断できないと言うことと、どうしてこの場所がわかったのかと聞かれると、声も聞こえなくなって辺りには静寂が戻って
……『貴女は誰?』
(静寂に包まれた空気の中、再び名を問いて)
???
『そうか、それは残念だ。』
《メキメキメキメキメキ…》
優しい姉の声から一変し、冷たく悪意に満ちた男の声に変わり、それと同時に部屋の扉が巨大な何かに圧されているようにメキメキと音を立てて扉全体が弓なりに歪み始める…
よく見ると、扉にはパチュリークラスでなければ突破できない程のかなり高レベルの対外防御術式が施されており、外部にいる何者かからフランを守るために施されていて
……っ!やっぱり……
(警戒して正解だった。一枚の板を挟んで向こう側から聞こえる男のような声を聞いては扉から離れ、レーヴァテインを作り出しては、構える。しかし扉に相当厳重な魔法がかかっていることに気がついて)
《バキバキバキッ》
尤魔がフランを守るために施した扉の防御が尋常ではない力で強引に外側から打ち破られると、その扉の先には誰の姿も見えない……
だが、その開かれた扉の向こうは、まるで空間そのものを墨で塗り潰したかのような漆黒の空間だけが無限に広がっていて