センスのないアヤノがリアル人狼ゲームをやる小説を書きます!
今人狼学び中なので…………変ですがよろしくお願いしますW
荒らしこないでください! 暴言も傷付きます……ので宜しくです!
>>88まぁノヴァだったら普通やなwwww
全部繋げて出します。
多すぎて出せないwwww
フッ。
94:あちゃピン:2017/10/01(日) 20:47人狼で部屋作れる?
95:ヘイト◆NI:2017/10/01(日) 20:47
ん?ww
私の呟きw
http://ha10.net/talk/1505708031.html これかなw
見たよ
100:あちゃピン:2017/10/01(日) 20:50書き込んだ
101:ヘイト◆NI:2017/10/01(日) 20:50
えっw
面白すぎる
103:ヘイト◆NI:2017/10/01(日) 20:51
あざぁっす!
ねぇ!!どうするんですが?
105:ヘイト◆NI:2017/10/02(月) 07:17
>>104何がッ⁉
今気づいたけど、主人公の名前が変わってる……。
重音真冬→結城真冬
……(*´ω`:*)
どこ?
108:ヘイト◆NI:2017/10/03(火) 07:36
最初の方はさぁ、重音真冬だったのよ。
でもその次にフルネームのってるとこ見ってご覧?
最初から、結城だった
110:ヘイト◆NI 花札面白い!:2017/10/09(月) 14:39 1
「……っと。今日はここまでかな……」
一人しか居ない僕の部屋で、独り言というヤツを呟く。皆にそれを伝えるべく、僕はキーボードに手を置いた。
まふ:今日はここまでにします〜。
ペイン:乙―。オレも落ち
つばさ:ペインさんまふさんお疲れ!
しお:乙。私はあと一回やって落ちるわ。
上野東京ライン:も一回やる奴、点呼―
キャベツ:ノ お疲れ!
つばさ:ノ(*^▽^*)
まふ:じゃあ……落ちますねww
「ふう……疲れた」
溜息をつき、ノートパソコンを閉じる。
僕は結城 真冬。やや不登校気味の、小学五年生だ。
そんな僕がハマっている事。それは……「人狼ゲーム」だ。
人狼ゲームは人狼陣営、村人陣営、妖狐陣営に分かれて、人狼と妖狐を探し、追放するゲームだ。人狼陣営は自分が人狼だとばれない様に、村人陣営と妖狐陣営を噛む……。妖狐はばれない様にしながら生き残れば勝ち。
最初の方は難しくて……ルールすら覚えられなくて、苦戦したけど、今はもう大丈夫。
上級者は無理かもしれないけど、中上級くらいなら来たし。
「明日も……人狼……やろっかな……」
そう言って僕は、ベッドに潜り込んだ。
*
「ふぁぁ………」
「……おはよ、兄ちゃん。大丈夫?」
優しく声をかけてきたのは、弟のフユト。何故か兄弟揃って冬が付く。
「フユト……大丈夫。心配いらないよ」
「ホント? 兄ちゃん最近やけに疲れてない?」
「だっ……大丈夫だから、うん。心配ありがとうね」
「大丈夫なら良いんだけど……何かあったら言ってね?」
僕の弟は僕と違ってこういう優しさがある。
「うん、ありがとう……じゃあ、フユト学校でしょ? 行ってきて良いよ。僕もそんな病気なんじゃないし……」
「あっ、ホントだ、時間! じゃあね、兄ちゃん!」
無邪気に笑い、手を振って家を出ていく。僕はしばらく経ってからドアの方へ行き、鍵を閉めた。
今日は両親が朝から居ない。いつもは母が居るのだが、今日は朝から仕事が入ったそうだ。
僕は一階のカギが全部閉まっているのを確認して、二階の自分の部屋に行った。
扉を開けた瞬間、一日中付けているからか、冷房が寒いくらい効いていたので、冷たい風がフアっと出てきた。そして、僕のやや長い髪の毛を揺らした。
「今日も人狼……やろっかな……」
本当は勉強しなきゃいけないんだけどね……。
そう思いながらも、僕の手は勝手に、人狼サイトへアクセスしていた。
「っと。初中級者専用村……此処にするかっ」
GM:まふさんが入室しました。
まふ:おはようございます、宜しくです。
キャベツ:おっ、まふさん!一日ぶりw
野乃花:よろしくお願いします!
あっきぃ:宜しく、まふさん!
かよ:よろです。
パラド:人数揃うまで雑談しますー!
上野東京ライン:俺中学生なんだけど、のうすぐテストでー……。でも部活があるーw
発芽米:あ、私も中学生! 同じだー!
こふふ:そっか。私は高校生…頑張ってw
現在の人数は八人。このゲーム開始人数は十三人……。
GM:みどりさんが入室しました。
GM:しづえさんが入室しました。
GM:ミョさんが入室しました。
まふ:宜しくお願いしますっっ。
みどり:宜しくね〜
パラド:宜しく! 揃ったので点呼。
全員が「ノ」と言い終わると、僕は目付きを本気モードに変えた。そして、ゲームが開始される……と思った瞬間――。
GM:これより、この「初中級者専用村」のメンバーで、{リアル人狼}を行います。
「えっ……何かのバグかなっ……?」
ミョ:え、ナニコレ?誰が言ってんの?
しづえ:えっと、シスコピ止めてください。
その瞬間――――。
「わっ……‼」
PCがとても明るく光り、僕の身体を包んだ。
――僕は気を失った……。
2
「ここはっ……?」
「あっ起きた! まふさんですか?」
目が覚めると、僕は知らない所に居た。そして慌てて駆けつけて来てくれた人に、僕は聞く。
「此処……何処ですかっ……?」
「さっき人狼してましたよね? その人狼の『初中級者専用村』に居た人たちが、何故か集まっているんです。まふさんですよね?」
「そうなんだ……あっ、僕はまふで合ってます」
改めて周りを見渡すと、此処はどうやら何か会議をする場所らしい。でも生活感はあって、キッチンや棚、トイレなどもあった。
「とりあえずまふさん、適当に席に付いて下さい」
「は、はい……」
机の方に向かい、僕と同年代位の男子が座っている所の隣に座る。すると、何処からか機械的な声がした。
『どうも、ゲームマスターです。先ほどチャットでもお伝えしましたが、今から{リアル人狼ゲーム}をしてもらいます。ルールは普通の人狼ゲームと同じですが、一つ違います。それは、人狼に噛み殺される、または話し合いで追放されると本当に死にます。生き残るためには自分の陣営が勝利しなければいけない。それだけです。
ゲームが終わるまで、皆さんにはここで生活してもらいます。朝追放の会議をして、その後は自由。夜、能力のある人は実行してください。人狼は自力で殺しに行ってください。朝食・昼食・夕食も自分たちで作って下さい。また、他人の部屋には入っても大丈夫ですが、役職カードは他人に見せない様にして下さい。見せた場合、見た人、見せた人が死にます。説明は以上です。では』
GMが説明し終わると、皆黙ってしまった。当然だ。いきなり「死ぬ」とか言われたら黙ってしまうだろう。
「やだ。アタシ、こんなのやんない」
「え……?」
突然、僕の真ん前に座っていた高校生くらいの女子が、フラフラと立ち上がって呟いた。
「な…何言って……!」
「やりたくないんだもん! 何? 何なのこのゲーム。リアル人狼? 追放されたり噛まれたりしたくないし!」
「――やらないならどうするんだ?」
僕の左隣に座っている人が聞くと、窓の方を差した。
「あそこに窓がある。あそこから飛び降りて、このゲームから抜ける」
「おい! 何やってんだよお前‼」
「止めなよ……無理だよっ……!」
「何が無理なの⁉ あんたたち真面目にこんなクソゲーやろうと思ってんの⁉ バッカじゃないのッ⁉」
そう言いながら少女は……窓から飛び降りた。
――すると……――。
ピピッという効果音と共に、先ほどの機械の声がした。
『窓から飛び降りるなど、ゲームを放棄してはいけません』
そんな声が何処からかして、下の方からは「嫌あああああああッ‼」という声がした。
「これは……やるしかねぇなっ……」
「だねー。とりあえず最初は自己紹介……の前に自分の部屋確認しておこうか」
明るい声の少年が、その場をまとめた。どうやら部屋は男子と女子に分かれているらしく、僕ら男子は一回、女子は二階だった。トイレは各階にあり、風呂は地下にあった。
……地下にあるとか寒そうなんだけど……。
「ねぇねぇ、君何歳? 見た所かなり小さいよね?」
僕に話しかけてきたのは、さっきあの場をまとめた……中三くらいの少年だった。
「えっ、小さいのは身体だけです! 小五……十一歳ですよ」
「十一歳か! 小さいねー。多分このメンバーの中で最年少だよ」
「そうなんですか……」
「まぁまぁ落ち込むことはないよ! 大丈夫! 君ちゃんと出来てたから!」
「はぁ……ありがとうございます」
僕の部屋は一階の4番目……つまり一〇四だった。『一〇四 まふ』と書いてあったのでここで間違いない。
部屋の中は――超と言っていい程奇麗だった。僕の部屋はいつも何かしらものが散らかっていて……汚いのに……こんな部屋に僕が入って良いのだろうか、と思う程奇麗だった。八畳くらいの畳にふかふかベッド。テレビがベッドの横にあり、いつでもベッドでゴロゴロしながら見れる状態になっていた。
『自分の部屋を確認し終わったら、さっきの部屋に来てくださいね〜!』
部屋の天井から明るい声が聞こえた。どうやら何か呼び出しがある時はあそこから聴こえるらしい。
素直に最初に集まった部屋に行くと、もう全員集まっていた。……皆どんだけ早いんだよ……。
「よし、自己紹介ね。ニックネームじゃなくて本名でいこう。私は飯田香澄。カスミって呼んでね!」
「オレは久保田和希。宜しく」
「ボクは宇ノ宮楽美ですー……あ、名前がヘンなのでラクと呼んでください、宜しくお願いします。あぁ、ゲーム実況者です」
「瀬戸ユウキです。宜しく」
この自己紹介は長ったるいので飛ばすことにする……。
まぁメンバーは一三人。名前は、
【飯田香澄 一五歳
久保田和希 一五歳
宇ノ宮楽美 一四歳
瀬戸ユウキ 一七歳
杉沢ともか 一三歳
上辻 海斗 一五歳
岸辺かえで 一二歳
田中 要 一四歳
報田 栞 一五歳
結城 真冬 一一歳
桐ケ谷和也 一三歳
上野ゆかり 一六歳
秋山明日奈 一三歳】
だった。僕がまさかの一番下という……。
「さぁ、本番は明日からだよ。部屋にある役職カードを確認して、明日から話し合いだ」
緊張して、ボクはその日眠れなかった……。
*
部屋に戻り、僕は役職を確認した。村人にはなりたくないな……でも人狼も嫌だ……。
テレビの横に置いてある、役職カードに手を伸ばした。手が若干震える。人狼だったらどうしようかな……。
そう思いながらも、僕はカードに手を伸ばした。
「霊媒師……」
何故僕が霊媒師……こんな役を貰っていいのだろうか……?
霊媒師は確か、その日に追放された人の役職が分かる奴だ。実はやったことが無い。
「これは……ヤバいなぁ……」
2 〜一日目〜
朝、七時から追放会議があるので、僕は六時半に起きた。そしてトイレに行こうとすると、偶然ユウキさんに会った。ユウキさんは確か、この人狼ゲーム内で一番年上の一七歳の方だった気がする。
「あっ……ユウキさん……お、おはようございます!」
「……? あ、真冬くんか! おはよ〜! ……頑張ろうね!」
「そうですね……頑張りましょう…!」
簡単なあいさつをして、別れた。僕はトイレに行って、ダボダボの私服に着替え、髪の毛をとかした。
それでもまだ五十分だったが、僕はもう話し合い室に行った。
「っ! は、早いですね皆さん……おはようございますっ」
僕が行ったころには、もう殆ど揃っていた。
「よしっと。あとは楽美一人だな…」
「あ、アイツすっごい寝起き悪いので……」
「ん? 要、だっけ。お前アイツの知り合いか?」
「知り合いというか、友達……というか、付き合ってるんですけどね」
「そ、そうなんだッ……」
意外と皆ヨウさんに引いてる。僕も若干引いてしまった。
……十三分後……。
「よっ、お待たせ! ってあれ? 皆揃ってる……?」
「遅い」
ユウキさんにバッサリ切られて、落ち込んだ表情をするラクさん。
「だーっ、もう良いでしょ、ユウキくんも。ラクちゃんはもっと早く来るようにしてね? じゃあ始めよう。カミングアウトある人、早めにお願い」
香澄さんの言葉で、皆がシンとなった。そして、僕が手を挙げた。
「僕、霊能者です。宜しくお願いします」
「アタシが真の霊能者。真冬君吊りで」
あっさりゆかりさんに「吊り」と言われ、かなりドキッとする。
「ちょっと待った! 俺は占い師だった。真冬は霊能者だったって!」
「ごめん、そういうの信じられない」
ゆかりはバッサリと和也と言う奴のカミングアウトを無視した。
「ボクは市民……村人で……」
「ちょっと待って、ラク、市民カミングアウトは要らない」
今度は和希にバッサリ切られ、落ち込むラクさん。
「……仕方ないじゃん……ボクまだ人狼初心者なんだから……」
「でも、村名初中級者専用村≠セから、まぁ中級者が殆どっすよ多分」
「えぇ……中級者手挙げて……」
ラクさんが言うと、ラクさんとヨウさん以外の皆が手を挙げた。
「俺思ったんだが、何かラク、話を逸らそうとしてて怪しい。吊りたい」
「あ、僕も和也さん……で合ってましたよね。和也さんと同感です」
「えっ……そ、そんなぁ……」
今にも泣きそうな顔で必死に「ボクは違うよ!」と言ってるが、うん、怪しい。
「話し合い時間は五分。追放したい人に指さそう。せーの!」
ラクさん以外は全員ラクさんに、ラクさんはゆかりさんを指さした。ゆかりさんを指しているという事は、僕を信用してくれているという事だ。若干嬉しい。
「えっ……な……何、で……」
首についている輪のようなものが首をしめて、ラクさんはもがき始めた。その様子を皆は悲しそうな顔で見つめた――――。
やがてラクさんは、身動きしなくなった。唇は色気が無くなり、何とも可哀そうな姿になっていた。
「要君……ラクちゃんのリア友だったよね。ごめんね、悲しいよねっ……」
「いや、良いんです。これがリアル人狼ですから。実は俺とラク、前にも巻き込まれたんです。その時ラクは最後まで生き残れて。メンバーは全員初心者だったので良かったんですが……。今回こんなに難しいとは思わなかったんですよ……」
香澄さんが優しくヨウさんに声をかけ、ヨウさんは悲しそうな笑みを浮かべて答える。しかし目尻には若干涙が浮かんでいた。
「っ! 解散しよっか……」
「そうですね……」
*
「んー……」
部屋に戻って、グググッと伸びをする。目の前で死ぬところを見てしまったショックで、とりあえず寝っ転がりたい気分になった。
リアル人狼ゲームはこういう所をよく見なければいけないのだ。
何とグロいゲームなのだ‼
「……はぁ。家族に心配かけちゃうかなぁ……」
フユトやお母さんに心配かけたくない。僕のことなんて、忘れているかもしれないが。
「ラクさん……役職何だったのかな……」
役職……?
「あっ! 役職! 何が何個あるか分からない‼」
思わず大声を出してしまった。隣の方、五月蝿くてごめんなさい……。
とにかく……ユウキさんに確認しようと、ユウキさんの部屋に急ぐ。
確か……102だった気がする。
【一〇二 キャベツ】 ……そう書いてある札を見つけ、ここだ! とノックをする。キャベツさんとユウキさんの口調が似ていたから同一人物で間違いないだろう! 何でキャベツって名前なのか、疑問だが!
「ユウキさーん、まふゆでーす。ちょっと聞きたいことがあるんですけど……」
「真冬くん? あ、ほい」
やけにすんなり開けてくれた。ユウキさんやっぱ優しい。
「あの……役職のことについて尋ねたいんですけど……役職、何が何個とか分かりますか?」
「嗚呼、何かテレビの下の所に置いてあったよ。ちょっと待って、持ってくるから……」
ユウキさんの部屋は、僕の部屋と反対の作りになっていた。ベッドやテレビがおいている場所が何故か違う。
「あ、あぁ! 場所だけ教えてもらえれば大丈夫です、ありがとうございます!」
「あ、うん、把握……いや、了解!」
思わず人狼用語……というか、人狼でよく使う用語を言ってしまった! という顔で、慌てて言い直している。ユウキさん、人狼かなり上手っぽい……。
急いで部屋に戻り、役職一覧のありかをさがす。
「―――……あった」
ユウキさんの言った通り、テレビの横に何か封筒のようなものが置いてあった。
【役職 人狼×3 占い師×1 霊媒師×1 狩人×1 村人×3 妖狐×1 狂人×1 共有×2】
「――なるほど……ね……」
妖狐が居るのか……これは占いさんに頼む
しか無いなぁ……。
3 〜二日目〜
「おはようございます! 昨日も言いましたが霊能です! 昨日吊られたラクさんは、村人陣営!」
「おはよ、占いで真冬、霊能。ゆかりさん偽かな。真冬が真目」
和也さんはサラッと占い結果を言う。
「ごめん、言い遅れちゃったけど、俺共有。相方生存中、ヨウです」
「うん、俺海斗と共有っす」
何故ここでカミングアウト……もっと早くやればいいのに……。
「はぁ……私はラクさん人狼だったよ……? 真冬君いつまで嘘つい続けるの⁉」
また……。ゆかりさん……。人狼は嘘をつくゲームだから。
「う〜ん……私目線、真冬くん真なんだよなぁ。毎日起きた瞬間カミングアウトしてて、何か本物っぽい。超真剣にやってるし!」
信じてくれた、香澄さん……。
「今日は真冬くん吊る。そしたら残り一狼になるから〜……」
「そういう発言が怪しいっすよ、ゆかりさん。真冬さんはただ霊能結果を言って、無駄に喋らないので、何か本物っぽいなぁって思います」
「ハァ……人狼は喋らなきゃ怪しまれるだけ……」
「はい、追放時間になりました。人狼だと思う人を指さそう。せーの!」
ゆかりさん以外は全員ゆかりさんに、ゆかりさんは僕に差した。
「だっ……なっ……私、が……真なの…に……」
ゆかりさんの瞳は、僕を睨んでいた。僕も思わず睨み返してしまう。
「ほいっ……終了、今日は。では、解散……」
4 〜三日目〜
結果から言おう。僕は寝坊してしまい、疑われた。
「えっ、ただ寝坊しちゃっただけです! 寝坊する事なんて、誰にでもありますよね⁉ なのに疑うなんて! おかしくないですか……⁉」
「まぁ、そうだけどな。今日は誰噛もうかなーってボーっとしてて、寝坊したんじゃなくて遅れた、何て事はねぇよなっ⁉」
「はっ、はぁぁ⁉ 何でそうなるんですか! ただの寝坊なんですけどッ!」
……正直言って、キレそうだった。
「ま、まぁまぁ! かえでくんも真冬くんも落ち着いて! 寝坊も誰にだってあるよ。かえでくんもそんなに疑わないの。真冬くんは、今度から気を付ければ、それでいいよ。じゃ、始めよっか!」
良い感じにその場を香澄さんがまとめてく
れた。うん、やっぱ香澄さん凄い。
「ごめん、その前に。昨日の死者は、上田海斗くん。そして、占い師! ナイス、お前が占った栞は妖狐だった!」
「おお〜、占いGJ!」
パチパチパチ、とその場に拍手が起こる。
「じゃあ、オレから言わせてもらおうかな。……占い結果、栞妖狐。最初の方に妖狐に死んでもらうとありがたいよな。発言が無かったから占った」
「霊能結果、言わせてもらいます。ゆかりさんはやはり、人狼でした。最初の方に人狼&妖狐やりはありがたい……ってか、村人陣営有利ですね。占い一人しか居ないし、その人が僕霊能って言ってるので信じてもらっても良いですかね」
「占い一人なんだよな〜、欠けも居ないだろうし、真冬くん真霊能者かな」
「あ……有難う御座います!」
信じてもらえた……嬉しい。
「今日は、グレランかな、特に手掛かりも無いし」
「グレランね、把握!」
……グレランは確か、カミングアウト無しのグレーをランダムで吊る事だった気がする。
「把握です。もう五分経ったんじゃないっすか?」
「そっ……そうだね……。グレランね。じゃあ、せーのっ!」
香澄さん二票、かえでさん二票、明日奈さん三票。
「⁉ ワタシっ……⁉」
予想外、という顔をして、明日奈さんは青ざめていった。因みに僕も明日奈さんに入れた。あまりにも発言が少なかったから……。
5 〜四日目〜
「あああ! 今日は寝坊してませんよね⁉」
「いや、真冬くん三分遅れてるし、髪の毛寝癖だらけだよ⁉ ちゃんと待ってあげるから、直して来たら?」
「すみません、いつも…迷惑かけてっ……」
急いでトイレの鏡の方へ行く。顔を洗って、寝癖を整えた。ついでにトイレも済ませておく。
「お待たせしましたぁっ!」
「お……おう……?」
「真冬―、最近大丈夫かッ⁉ 寝坊ばっかりだが……」
「しっ、心配してくれるのは嬉しいです! でも何か言い方が傷付きます、地味に!」
僕が真顔で言うと、何故か笑いが起こった。……真面目なのに……。
「とりあえず、霊能結果をお願いしようかな……。あと、狩人くーん! GJ! 人狼が霊能を噛もうとしたのかな、それを守ってくれた! 真冬くん、霊能結果、お願い」
「はい、霊能結果、明日奈さん白でした。グレランで黒吊りは難しいですよねー……」
「うん、確かにねー。じゃあ占い結果言うわ。占い結果、……ごめん、ユウキさん狩人。人狼に噛まれちゃうかもしれないけど、……ホントごめん。一応狩人日記、言って?」
「……把握。僕はずっと占い師……和也くんを守ってたよ。んで、何か上手く守れてないのかな? って思って真冬を守ったら、ぴったり……っていう感じ」
まさかのユウキさん狩人。占いってこの結果言うべきなのかな……。でも……
「和也さんの結果……言わない方が良かったかもしれないです……うん。占ったら狩人見つけた、っていえばよかったんじゃないですかね……?」
「そう……かもな。ごめん、ユウキさん」
「や、良いよ。村人陣営、頑張れ!」
やや引き攣った笑顔で、言うユウキさん。
「今日は……今日もグレランかなっ」
「占い情報で黒が無い限りグレランしかないですよね……うん。ってか占いカミングアウトが一人ってことも珍しいですよねっ」
「真冬くんそれな! 珍しい‼」
香澄さんがすぐさま同感してくれる。香澄さんって絶対学校でモテてるよね、うん。引き籠りの僕と違って……。
「おし、じゃあ追放ね……せーのっ!」
香澄さん一票、その他全員和希さんに指さした。だって和希さん全然発言しないし!
「ッ! …えっ……なっ……」
明日奈さんと、死に方は似ていた。
5 〜五日目〜
結果から言う! 僕はその日寝坊しなかった! ヤッター!
……こんなのでヤッターって言うの、馬鹿かもしれない……。
「嗚呼……ユウキさん……大丈夫かな……」
昨日、占い結果、ユウキさん狩人、と言ってしまったため……昨日、人狼に噛み殺されてしまったかもしれない。人狼にとって、狩人とは一番か二番に邪魔な存在なのだ。
「おはようございます。あの、昨日の死者は……?」
「真冬くんおはよう! 今日は寝坊してないじゃん! ―――昨日の死者は、やっぱりユウキさん。そうだよねー……普通に考えたら……」
「はぁ……狩人居なかったら……僕や占い師さんも、すぐ死にますよねー……うん。占い師がここまで生きているのは珍しくないですか?」
「そう? 私のやってる村ではぜんっぜん、村人死ななかったけど……」
……占い師、死なないんだ。珍しいな香澄さんの村。
「始めますかっ……霊能結果! 和希さん黒! やりましたね、黒吊り!」
「おおぉッ⁉ 和希さんやっぱ黒か。発言少なかったもんなー……占い結果、香澄さん白。狂人で見ても良いんじゃないか?」
「狂人ねぇ……うーん……僕は市民目線ですけど……」
香澄さん狂人はあんまりないんじゃないかなぁ……勘だけど。市民だと思う。
「今日、人狼を追放出来たら、終わりだね。でも間違えたら、明日の会議で終わる。」
「怪しい人を一人ずつ言って行こう。まず、オレから。オレは香澄さん。狂人っぽいかな」
「僕は、かえでさん。全然喋らないから、何かちょっと……」
「私はねー、ヨウ君かな。共有って言っても嘘っぽい。相方死んじゃったのが、すっごい疑問」
「俺は、香澄さんかな。和也と同じで、何か狂人っぽい…………ごめん、香澄さん」
「僕はヨウさん。香澄さんと同じ理由で」
香澄さんとヨウさんで票が分かれた。残念なことに、僕が人狼だと思うかえでさんは、僕以外居なかった。いや、香澄さんは狂人かもしれないけど、ヨウさんはないだろ! 共有だし、もし偽の共有ならもう一組の共有が出てたし‼ かえでさん多分一回も発言してない……あ、でも今自分の考え言ったか。
「票が分かれたらどうするのかな……」
「今んとこ、俺と香澄さんで別れそうですね。真冬、悪いけど、香澄さんか俺のどっちかに入れてくれない?」
「………でもッ…」
「真冬くんが一人でかえでくんを差したって、一人だからどうせ追放されないよ、もしどうしてもかえでさんに入れたいならいいけど……」
「……っ、……解りました。自分的に怪しいと思う人に入れますね」
香澄さんはニコっと笑って、「ありがとう」と言った。ヨウさんも少し表情を緩めた。
「じゃっ、追放時間! せーのっ!」
香澄さんが三票、ヨウさんが二票だった。
「香澄さんは市民で、ヨウさんは共有だよきっと……」
香澄さんは、暴れたりせず、静かに死んで行った。その姿を見ると、なんだか悲しくなる。
「明日で、このゲームも終わる。オレは多分、今夜死ぬと思う。だから……市民側、頑張って」
6 〜最終日〜
「……ふぅ」
――――生きてる。
霊能者と言う役職を貰い、沢山ではないけど意見を言い、最終日まで生き残る……。
このゲーム内で一番幸せな立場だと思う。……市民側が勝ったら、だけど。
「最初に死んじゃったラクさんの為にも、狩人で犠牲になったユウキさんの為にも、占い師の和也さんの為にもっ……頑張らなきゃ」
そう独り言を言って、僕は話し合い室に行った。
「おはようございます! えっと、昨日の死者は……和也さんで良いんですか?」
「おはよう、真冬さん。そうです、和也さんが昨日の死者です……。あっ、ヨウさんかもしれないですけど、ヨウさんの部屋から朝物音がしたので……和也さんだと」
「……有難う御座います」
僕は改めて、今此処にいるかえでさんが人狼だと思った。
毎日見ていたけど、かえでさんはゲームが始まってから、目の下に隈が出来ている。あれはきっと、噛むので徹夜したからだ。始まる前は無かった。
あと、今。和也さんが死んだか聞いたら、最初は断言した。しかし、ヤベっと言うように急いで言い訳? みたいなのをしていた。
……絶対かえでさんが人狼でしょ……みんなホントに初中級者なのかなぁ……?
「ご免、遅れたか⁉」
「いや、まだ五十五分ですよ! でも始めますか……」
「そうですね。始めますか。恐らく今日で決着が着くでしょう。……笑っても泣いても最後ですね。では……宜しくお願いします。霊能結果、香澄さんは白。狂人の可能性もあるけど、やっぱ市民だと思います」
「占い師は……居ないんだっけ。んー……やっぱ真冬は霊能確定だし、俺は市民……じゃねっ、共有だから、やっぱかえでかなぁ……?」
……何で今、言い間違えたんだろ、ヨウさん。ちょっと怪しく……思えちゃう。
「なっ……⁉ 今カミングアウトしますけど、僕は市民なんです! 信じてください、お願いします……!」
「………」
演技っぽい感じはしなかったけど、今かえでさんが流している涙は嘘だ。
「やっぱ僕にはかえでさん吊り推します。発言少ないし……。恐らくかえでさんはヨウさんを指しますけど、……この勝負、ヨウさんがどっちにするかによって勝敗が決まります……」
「え、マジかよ⁉」
それ責任重大じゃん、という顔をして僕を見る。そんな見られても困るんだけど……。
「うーん……俺はやっぱ、かえでかなぁ……でもかえでが人狼じゃなかったら真冬が人狼なんだよな。真冬は霊能真目だから……。かえでかなぁ……」
「――――ヨウさん……」
涙目で訴える、かえでさん。この演技はやたらと上手い……演劇部でも入ってるのかなぁ……?
「そろそろ追放時間ですかね……」
「そうだな。よし、うん、おっけ」
「――分かりました」
かえでさんは、覚悟をしきったような顔で、コクンとうなずいた。
「……せーのっ!」
ヨウさん一票、僕○票、かえでさんが二票……。
「‼」
かえでさんが追放だ。
そうだ、そうだよ……かえでさんが狼だったんでしょ?
『人狼を全員追放しました。村人陣営の勝利です』
GMの声がした。改めて生き残った、生き返れると実感する。
「ヨウさん……信じてくれて、有難うございます……」
「はは……終わったな……。真冬を信じて良かったよ……」
『村人陣営は、追放された人も、噛まれた人も、生き返って、現実世界に帰れます』
「や……やったぁ……」
堅い笑顔を浮かべて、床に崩れ落ちる。緊張したなぁ……。
「じゃあね、ヨウさん。また会えたら、声かけてください」
「ありがとな、真冬……」
そういって、僕等は別れた。
〜終結〜
「終わったー………」
目を開くと、そこは自分の部屋のベッド。誰かが寝かせておいてくれたのだろうか……?
「……兄ちゃん⁉ 大丈夫⁉」
「――………フユト…。心配しててくれたの?」
「そりゃ勿論! ねぇ、全然揺さぶっても起きないし、何か㍶に「人狼GAME」って書いてあったけど……何があったの⁉」
どうしよう、フユトに言うべきなのかなぁ……勉強サボってたのバレちゃうしなぁ……?
でも、弟に隠し事は良くないか……。
「実はね……あんまり皆に言わないで欲しいんだけど……」
僕は、全てをフユトに話した。
リアル人狼ゲームをやった事、霊能者と言う役職を貰った事、会議で頑張って沢山発言した事、一番年齢が下だったという事、それから、最後まで生き残って、市民側が勝利したという事……。
沢山、話したいことがあった。
「兄ちゃん……そのサイト、怖いよ……もう今後、やらない様にしてね!」
「うん、もうあんな怖い思いするの、散々だからあ……」
「ならよかった! 約束だよ?」
「うん、約束ね……」
子供の頃みたいに、笑い合う。こんな弟が近くにいると感じたのは、いつぶりだろうか。
次の日。
やはり僕は、学校に行かなかった。不登校は続き、また今日も㍶で勉強するのだろう。
いつもの癖で、人狼サイトを開いてしまう。フユトにやるなって言われたけど……どうしても、やりたくなってしまった。
「バレなければ、良いんだよね……」
そんな考えから、僕はいつもの人狼サイトを開いてしまった。
「初心者村にするか、今日は……」
名前を「まふ。」に設定し、入室する。
GM:まふさんが入室しました。
まふ:おはようございます〜
キャベツ:まふゆ! ありがとう!
キャベツさん……つまり、あのユウキさんだ。
まふ:ユウキさん! 狩人乙でした〜w
雑草w:え、何、二人知り合い?
キャベツ:まぁ、一応wwww
発芽米:ヤッホー! あと一人だね☆
まふ:発芽米さん! 誰でしたっけww
発芽米:香澄です! ありがとね、まふくん!
GM:ミョさんが入室しました。
GM:これより、この「初心者専用村☆」のメンバーで、{リアル人狼}を行います。
「えっ?」
また……リアル人狼? 嘘だよね⁉
「もう……嫌だよ……」
このサイト、呪われてるのかな……もう、フユトに注意されたのに、続けている自分が馬鹿だ。
「だから、兄ちゃん。するなって言ったのに……」
後ろから、学校に行ったはずの……、微笑んでいる、フユトの声がした。
――――――――僕は、気を失った……。