題名に特に意味はないですはい(☞^o^) ☞
純粋な恋愛小説を書きたいです
レッツラゴー
三橋 陽✡*Mitsuhashi Yo*✡
目が大きい。陽キャだけど、チャラチャラした感じではない。
素直で優しいので騙されやすい。
運動神経いい。勉強はまあまあ。
可愛い系イケメンと言われている。モテる。
緩莓の事が気になっている。
小柄。
南島緩莓✲*Minashima Yurume*✲
目が大きくて綺麗。陽キャ。
すごく可愛い。
意外とドS。
運動神経いい。勉強はそこそこ。
モテる。
陽をよくいじる。
「みっつーおっはよー」
そう声をかけてきたのは、南島さん。
大きな瞳で見つめてくる。
「み、南島さん、おはよう。」
挨拶を返すと、南島さんはにっこり笑って席についた。
南島さんは俺の後ろの席。
こないだクラス替えがあったばっかりで、席は出席番号順。
『みつはし』と『みなしま』だから。
それで、大体の人には『みっつー』って呼ばれてる。
「今日って漢字テストあるっけ?」
振り向くと、南島さんが首を傾げていた。
「うん。あるよ。一時間目」
「ええっ!?嘘勉強してない!」
「南島さん頭いいじゃん」
「ま、みっつーよりかはね」
「えっ」
「ねえ、勉強教えて?」
首を傾げながら少し微笑んでそう言った。
ずっきゅうううんん!!!
「いえっさー」
「ありがと」
「お前ら仲いいな〜」
俺の隣の席の和田が言った。
っしゃあああ!!
俺ら仲いいんだ!!!←
勉強を教えていると、
「みっつー、今度の土曜日空いてる?」
と、榊原結菜に聞かれた。
「いや、ちょっと予定が…」
俺は榊原が苦手だ。
なぜか俺によく話しかけてくるし、チャラいし、うるさいし、口軽いし。
「えー?まじ?じゃあゆる(緩莓)は?」
「土曜日?空いてるよ!」
なぬ!?!?
「じゃあ優太と雛乃と龍輝とうちとゆるで温水プール行かない?」
「えっやったー行く行く!!」
「あ、俺やっぱ行くわ!」←
「オッケーじゃあみっつー追加ね!めっちゃ豪華メンバーじゃん!楽しみ」
「ねー」
南島さんが笑顔で言った。
ていうか温水プールって…
水着じゃん!!水着ぢゃん!!
て・こ・と・は・??
南島さんの水着すがt((アンパーンチ
ゲホゲホめっちゃ楽しみ!!!!←
榊原結菜✸*Sakakibara Yuna*✸
チャラい!!見た目もチャラい!!バリバリ陽キャ。
陽キャだけど誰とでも分け隔てなく話すので人気がある。
フレンドリー。いざというとき頼りになる。
緩莓を妹のように可愛がっている。
陽にやたらと話しかける。
運動神経まあまあ。勉強もまあまあ。
小森優太✯*Komori Yuta*✯
犬みたいな顔をしている。イケメン。
照れ屋で分かりやすい。陽キャ。
運動神経がいい。サッカークラブチームに入っている。
勉強はまあまあ。
雛乃と付き合っている。
若尾雛乃⚛*Wakao Hinano*⚛
おしゃれで女子力が高い。陽キャ。
黒縁のメガネをかけている。(コンタクトの時もある。)
優しい。優太と付き合っている。
そのことでイジられることが多い。(優太も)
運動神経そこそこ。勉強は出来る。
大久保龍輝✪*Okubo Ryuki*✪
日焼けした肌が特徴的。
少しハーフっぽくて、モテる。
見た目とは裏腹に、意外と人見知り。
モテる。陽キャの中で一番大人しめ。
優しい。
運動神経いい。勉強はそこそこ。
「みっつー!!漢字テスト全部欄埋められたよ!」
一時間目が終わって、南島さんが嬉しそうに報告しに来た。
「おー、すごいね」
「みっつーはどうだった?」
「んー、まあ俺も全部うめられたけど自信ないとこあるわ」
「そっかー。でも、みっつーのおかげだよありがと!!」
あーもう可愛いかよ
お弁当タイム。
「三橋〜、今日も一緒に食べようぜ〜」
林がお弁当袋を持ってやってきた。
「おう」
席を立って教室を出ようとすると、
「ちょっと待って!!」
と榊原に呼び止められた。
「なんだよ榊原」
林がそう聞くと、
「みっつーはうちと食べる約束してたから!!」
「は!?」
「えっしてたん!?」
「してないしてない」
「一緒に食べよ!!お願い!」
「じゃあ林も一緒に」
「林は菜月と付き合ってるんだから菜月と一緒に食べなよ♪」
「は!?」
榊原に背中をグイグイ押され強引に教室を出させられた。
「なんで榊原と」
榊原に背中を押され、着いたのは屋上。
「もー、何よ、そんなに私が嫌いなの?」
「うーん…苦手?」
「ひどっ!!」
軽めに殴られた。
「いった」
「ねえ、本題ね。」
「本題って」
「みっつーってさ、好きな人いるでしょ」
「は!?」
「うっわーわっかりやす!!」
「違うって!!」
「別に好きな人がいることは悪いことじゃないじゃん」
「…うんまあ…からかわれるし」
「いるんだ」
頷くと、
「南島」
「!?」
「ゆるでしょ、好きな人って」
「なんで!?!?」
「じゃあゆるのこと好き?嫌い?好きか嫌いか」
「き、嫌いではない…」
「はっきりして!!」
「す、好き…」
「ニヤニヤ」
「ニヤニヤすんなよ!!別に、友達としてだし!!」
「顔真っ赤じゃん」
「そ、そういうお前はどーなんだよ」
「んー?いるよ〜」
「龍輝」
「違う」
「小森」
「違う。ってか付き合ってるし」
「林」
「違うって」
「和田?」
「正直タイプじゃない」
「井ノ原?」
「キモい」
「島岡」
「理解不能」
──数分後。
「…同じクラス?」
「うん」
「え、男子…だよね」
「当たり前じゃん。」
男子で残っているのはあと一人。
俺、だけじゃん……
「……え?」
「俺………!?」
「……自意識過剰」
「え!?俺じゃないの」
「…ど・ん・か・ん・!!」
また殴られた。
「いてーなおい」
「いい加減気づきなよ。なんで分かんないの、察してよ」
「え何、好きなの?」
「……好きだよ!ずっと前から!」
榊原の顔は真っ赤だった。
「い、いつから…?」
「小学校の頃からずっと好き!」
「えっ!?」
まさか榊原がこんなに一途だったとは。
「小1で同じクラスになってから優しくされて好きになって中3になってもまだ好きなんだよ?逆に気づかないほうがおかしいよ」
「ごめん…」
「謝んないでよ。…でも…」
「ちょっとは私のことも見てよ」
榊原は寂しそうに笑った。
──初めて見た。こんな表情の榊原。
「…」
「鈍感なのもみっつーのいいとこだよ。…でさ、」
榊原の笑顔が消えた。
「……高校、どこ行く?」
「…碧波かな」
「それって…」
「ゆるが行きたいって言ってたとこ?」
「…」
「前私とゆるが喋ってたの聞いてたんでしょ」
「…うんごめん」
「よっぽどゆるが好きなんだね」
沈黙が訪れる。
「でもまあ、分かるよ。ゆるを好きになる理由」
「…」
「可愛いんだよ、あの子って」
「顔だけじゃなくて、性格も可愛いんだよね。やけに素直だし、優しいし、ちょっと天然だし、」
榊原と目が合う。
「みっつーと似てんだよね」
「えっ」
「ほら、今の表情とかめっちゃ似てる。」
「…」
「お似合い」
榊原はそう言い、手をぱんと合わせた。
「ごちそうさまでした!!」
ハッと我に返る。
「全然食べてねえ!!」
「いただきっ」
「あー!」
卵焼きを食べられた。
「許可もらってねーだろ」
「うんま!!だってそうしないと減らないじゃん。お弁当ボランティア♪」
「なんじゃそりゃ」
「あははっ」
キーンコーンカーンコーン。
「あっやばっチャイム鳴るよ!」
「もう鳴ったよ」
「ごちそうさまでした!!」
「まだ食べ終わってないじゃん」
「後で食べる!!」
俺たちは急いで屋上を出た。
「やっほー」
南島さんが眠そうな顔で手を振ってきた。
「やっほー。眠いの?」
そう聞きながら席につく。
「眠いと思う〜?」
「うん」
「ぴんぽーん」
南島さんはそう言って笑った。
え、なに可愛いんだけど((
「次数学だねー」
「うんだるいね」
「数学に必要なのは?」
「えっと…集中力」
「ぶっぶー。筆箱でしたー」
「えっ?」
「ねーところでみっつーさー」
「うむ」
「筆箱は?」
「え、机の上に…ねーじゃーん!!」
「やばいじゃーん」
「どこどこどこ」
「知らん知らん知らん」
「……ねえ和田、俺の筆箱知らない?」
「え、お前の?…あれ、さっき南島が」
「和田ぁ!!空気を読め空気を!」
南島さんがそう言った。
「……南島さん、俺の筆箱返して?w」
「えっ何それ知らない筆箱って何」
「筆を入れる箱。」
「ブフォッ」
隣で和田が噴き出した。
「あぁ〜そ〜なんだ、すごいね」
「…」
俺は仕返しに南島さんの筆箱を取った。
「あ〜!私の筆箱返して」
「あ、いいこと思いついた。数学の時間交換しない?」
「えっ?筆箱を?お互いの」
「うむ」
「さんせーい!!」
「あっ授業始まる」
──数十分後…
なんだこの問題…ムズ…
「ん?なんだこの筆箱。やけに可愛らしいな」
俺の筆箱(南島さんの筆箱)を見た数学の岩井先生に聞かれた。
南島さんの筆箱はあのネズミのキャラクターのデザインだった。(ヒント ハハッ!!)
「いや、これはあの…えっと」
「ごまかさなくてもいいぞ、ギャップ萌えじゃないか」
いや萌えないで…
続いて。
「ん?南島の筆箱はやけにカッコいいじゃないか」
俺の筆箱は黒色に青の文字でアデ◯ダスと書いてあるthe男子って感じ。
「いや、これは机の上に落ちてたので拾いました」
「ブフォフォフォフォwww」
笑いのツボが浅い和田が爆笑した。
クラスのみんなも南島さんの発言に笑いをこらえていた。
『机の上に落ちてた』って何!?
「ゴミ拾いの協力か?嬉しいなあ」
…
いや俺の筆箱ってゴミ!?!?
ショック!!
いつもは退屈な数学の時間が南島さんと岩井先生のおかげですごく楽しく感じた。
ちゃんちゃん!!
あ、そういえばこのシャーペン(南島さんのシャーペン)めちゃくちゃ書きやすい。
いっつも南島さんが使ってんのか……
すげえ←
「なんだ。お前ら筆箱交換してたのか」
数学の授業が終わると、和田がそう言った。
「うん。ていうか和田めっちゃ笑ってたやん」
「だってw机の上に落ちてたってwww」
和田の必殺技。
その名も!!!
『思い出し笑い』←ショボっ!!おもんなっ!!
「ねぇ、これって今日一日中やんの?」
南島さんが聞いてきた。
「じゃあ、そうしよ」
「りょ」
「ねーみっつー」
「何榊原」
「態度急変すな!!」
また殴られた。
「ころす気?」
「まあね!」
「殺人予告したー」
「いやころすとは言ってないし」
「ねえねえ、次の授業学活だってー」
南島さんがそう言った。
「え?そうなの?」
「何すんの学活って」
「しーらねっ」
みんながざわついている。
「転校生でもくんじゃない?」
南島さんがそう言った。
「はーいみんな席につけ〜」
担任の赤坂先生が教室に入ってきた。
「転校生を紹介する」
!!!!
みんなが驚いて南島さんの方を一斉に向いた。
南島さんはピースサインをした。
すると、すごく小柄なのが入ってきた。
顔が見えなかったから、男子か女子か分からなかった。
「じゃあ、自己紹介をしてもらおう」
すると、転校生は顔をあげた。
え、どっち?
女子?男子?
「ぼ…僕の名前は源しえるです……これからよろしくお願いします」
男か。
「じゃあ、源の席は出席番号順と考えて、南島の後ろにすっか」
な!!な!?
ナナナナーナナナナー((
先生が机とイスを南島さんの後ろに持ってきた。
え、なんか後ろ一人って寂しくない?
かわいそう
しえるくんが歩いてこっちにやってきた。
あ、俺よりちっちぇー。
っしゃあ!!←
「しえるくんっていうんだ!!いい名前だね!よろしくね!!」
フレンドリーな南島さんが早速しえるくんに話しかけた。
「じゃあ、先生はこのあと出張だから、自習な。あ、教室から出たら違反だぞ。トイレはしょうがないけど。あ、ちなみに帰りは岩井先生が来るから」
「はーい」
そう言い、先生は教室から出ていった。
「席は立っていいんでしょ?」
榊原が言った。
「え?だめじゃない?」
と若尾。
「えーでもさっき先生『教室から出たら』って言ってたよ」
「良くね?」
「はーいスタンドアップ」
和田が立ち上がった。
すると女子のほとんどは立ち上がってしえるくんのもとに集結した。
「ねえねえ、どこから来たの!?」
「兄弟いる?」
「君性別どっち?」
「え、えーっと…」
しえるくんが慌てていると、
「お前ら肉食動物かよ。」
と和田が言った。
「じゃあみんなでざっと自己紹介しない?名前だけでいいから覚えてもらお」
という榊原の提案にみんな賛成した。
「じゃ、まずうちから!」
でしゃばり((アンパーンチby榊原結菜 バイバイキーンby俺!!(三橋陽)
「榊原結菜!!気軽に話しかけて!よろしく♪」
「よろしくね」
しえるくんってなんか女子っぽいな〜
「若尾雛乃でーす!吹部です!これからよろしくねー」
「こちらこそ」
「若尾はこいつと付き合ってまーす」
林が小森のことを指差してはやしたてた。←だじゃれだよーん((いやさすがの俺でも笑えないぜby和田
「やめろよ」
「はいはーい!二階堂玲奈って言います!よろしく!」
──女子がどんどん言っていき、女子で残ったのは南島さんだった。
「ゆる言ってない?」
「あ、うん。」
あ、やべ。南島さんめっちゃ可愛いからしえるくんに惚れられてしまったら困る
「南島緩莓って言います!出席番号前後だから色々お世話になると思うからよろしくね!しえるくん!」
うっわあああああああおおおお可愛すぎてほとんどの男子が心の中で雄叫びしてるよ(?)
これワンチャンしえるくん惚れたんじゃね?
いやあんな可愛い笑顔見せられたら確実にキュンとはするよな。
「よ、よろしくです…」
あ、これ確実に惚れたな。
顔真っ赤だし。
「じゃー次は男子」
榊原がそう言った。
「あ、三橋陽です!みんなからはよく『みっつー』とか『三橋』とか呼ばれてるから、好きに呼んで!よろしく!」
「俺は小森優太。サッカーが好きでーすえっとよろしくおなしゃーす」
「和田悟でーす!みんなからは和田って呼ばれてまーすよろしく!」
「林雄大。趣味はゲームとゲームとゲーム。よろしくな」
「俺は井ノ原慶太だ。みんなからはイノッチと呼ばれてるんでよろちくび♡」
「誰もイノッチなんて呼んでないしキモい黙れ」
井ノ原のことが大嫌いな榊原がそうまくし立てた。
「あ、いつものことだから気にしないで」
少しびっくりしているしえるくんに南島さんが優しく声をかけた。
やっぱ南島さんって罪な女だなあ…←
和田 悟✫*Wada Satoru*✫
よく笑う。笑いのツボが浅い。
三橋の親友。陽キャと陰キャの間みたいな感じ。
野球部で坊主。
小柄。
林 雄大♤*Hayashi Yudai*♤
いじりもするしいじられもする。陽キャ。
三橋と仲がいい。
菜月と付き合っている。
野球部で、坊主。
小室菜月❇*Komuro Natsuki*❇
優しくて穏やか。陰キャではないが、話すのが苦手。
林に告られ付き合う。
緩莓にあこがれている。
井ノ原慶太⚠*Inohara Keita*⚠
変 態!!!!⚠
可愛い子が大好きらしい…(引)ಠ_ʖಠ
ちょっとナルシ入ってる?
榊原に一回告るが即フラれる。
次は緩莓に告ろうとしてるらしい((タヒね!!by榊原結菜
二階堂玲奈✳*Nikaido Reina*✳
元気すぎてちょっと嫌われている。
決して悪い子ではないが、『明るすぎてウザい』と言われている。
チリチリの天パが特徴的。
イケメン大好き。
源しえる♧*Minamoto Sieru*♧
可愛い系男子。子犬みたい。
目が大きくて髪の毛や目が茶色っぽい。
ハーフではない。
中性的な顔をしている。
小柄。
緩莓に惚れたかも?
「──よーし帰り学活始めるぞー」
6時間目の学活が終わり、岩井先生が教室に入ってきた。
「ん?もしかして転校生か?」
岩井先生がしえるくんを見て言った。
「え、あ、は、はい」
強面の岩井先生だけど、性格はありえないぐらいいいんだよね。
「源しえるって言うのか。いい名前だな」
そう言い、岩井先生は目元にしわを寄せて笑顔になった。
岩井先生は結構人気なんだよね。
榊原が『岩井先生かっこいい』と言ってたのを思い出した。
「──さようなら〜」
帰り学活が終わり、みんなが教室を出ていく。
俺はサッカー部に入っている。
南島さんは入っていないそうだ。
南島さんは運動神経抜群で歌も上手いし絵も上手いからいろんなところから声をかけられてるみたいだけど、南島さんの家庭は両親が共働きで夜遅くまで働いているため、妹や弟の面倒を見ないといけないらしい。お姉さんは海外に留学しているらしい。
「みっつー部活頑張ってね!じゃーね!」
と南島さんが言った。
「あ、ありがとう。南島さんも妹さんと弟さんのお世話頑張ってね!」
「ラジャー!!」
南島さんはそう言って敬礼をすると、走って教室を出ていった。
あんな可愛い人見たことないよ。
すると、南島さんの後ろ姿を見つめている人がもう一人いた。
しえるくんだ。
しえるくんと目があった。
会釈しようとすると、目をそらされてしまった。
あれ?
しえるくんって人見知りなのかも。
すると、
「みっつー!!」
と榊原が駆け寄ってきた。
「どしたん」
「途中まで一緒に行こ!」
「別にいいけど」
すると、視線を感じ、振り返ると、またしえるくんと目があった。
「あっ!ねえねえしえるくん!」
と、榊原が声をかけた。
しえるくんは一瞬ビクッとした。
「は、はい」
「いーよ、敬語じゃなくて。しえるくんって前の学校では何部入ってたの?」
「えっと、写真部…」
「写真部なんてあったんだ!うちの中学写真部ないんだよな〜」
「そうなんだ…」
「何部入ろうと思ってる?」
「うーん…何も入んないかな…。」
「そうなの?じゃあゆると同じじゃん!」
「ゆる…?」
「あ〜、えっと、しえるくんの前の席の南島緩莓って子だよ。あの可愛い子」
「あ…」
しえるくんはこくこくと頷いた。
「じゃーね!しえるくん!」
「うん。じゃーね」
「じゃーね」
俺もついでに手を振る。
一緒に教室を出ると、
「…みっつー、なんか悩んでるっしょ」
「え?」
「ゆるがしえるくんに取られないか心配なんでしょ?」
「えなんで!?」
「図星かい」
「だって…」
南島さんはフレンドリーだし優しいから誰にでも声かけることは分かってるけど、なんかあの二人が喋ってると…
「嫉妬だな」
「だってしえるくんって可愛い感じじゃん。このクラスの男子とはなんか違う感じだし」
「んー…でもゆるの好みとはちょっとずれてるかな〜」
「そうなの?」
「なんか前ゆるが言ってたのは『同じ背丈の人が好み』って」
「え…」
「ゆると男女別の背の順隣でしょ」
「うん」
「ビンゴじゃん」
「でも」
「大丈夫に決まってんじゃん!!だってゆるとめっちゃ仲良いしよく喋ってるでしょ?しかもみっつー顔良いし性格もいいし」
「仲良い?」
「仲良い」
「よく喋る?」
「よく喋る」
「相性いい?」
「相性抜群!!」
「っしゃあ!!」
「素直w」
そうしていると、下駄箱についた。
「……え?」
「ん?どしたの?」
俺の下駄箱の中には手紙が入っていた。
「えっ!?何これ!ラブレターじゃない!?」
「そんな典型的な…」
白い封筒に赤いハートのシール。
典型的なラブレターやないかーーーい!!!
「ねね、開けてみなよ」
「なんでここで」
「誰からなのか気になるじゃん?」
「それはそうだけど、なんで榊原も見んだよ」
「別にいいじゃーん」
「じゃあ、誰にも言うなよ」
「えっいいの?」
「…うん」
「やっさしー!!」
背中をばんと叩かれた。
「じゃあ、開けるよ」
封筒を開き、中の便箋を開ける。
「えっ?」
差出人は、なんと隣のクラスの月川心美だった。
「心美ィ!?」
心美は榊原とも比較的仲の良いモテ女だ。
サバサバ系女子。
「まじかよ」
「心美意外に乙女やんw」
「『ずっと前からみっつーの事好きだった。付き合って。あと、好きな人いる?』だって」
「正直に答えたら」
「…うん…」
「結菜ーーー!!」
という声が聞こえた。
ふりかえると、榊原と同じテニス部の照村希空が走ってきた。
「もう部活始まるよ!急がないと」
「えっまじ?じゃーねみっつー」
「じゃーなー」
俺も急がねーと。
月川かー…
厄介だな。
塾の席隣なんだよな〜…
オーマイガー!!/(^o^)\
部活帰り。
「三橋って好きな人いんの?」
同じサッカー部の海崎涼介に聞かれた。
「…え!?」
「え?」
「…」
「その反応は、お前いるんだろ」
「お前こそいんじゃん!!有名だし!中内」
「おい」
「すんませーん」
「んーお前の好きな人か…」
「…」
「…日奈?」
「違う」
「友梨奈」
「ちゃうちゃう」
「愛花?」
「違う」
「んー…あっ、緩莓?」
「…違う」
「はいーーーー!!絶対そうーーー!!確定ーー」
「ち、違うって…」
「顔赤いけど、熱?w」
「うん。熱。」
涼介が俺のおでこに手を付けて、
「はい、40度。」
「やばいやんインフルやんw」
「緩莓かぁ…まあ分かる気がする。なんかああいうの好きそう三橋って」
「あ゛あ゛い゛う゛の゛だって?」
「ごめんごめん。なんか、自分と同じくらいの背でモテる感じの」
「…海崎は?中内のどこが好きなん?」
「は!?お前ふざけんじゃねーよ」
「別にふざけてねーし。いたって正常」
「…ころす」
「あ殺害予告した!殺害予告した!」
「お前それ好きだな〜」
「で?どこが!好きなんですか!」
「……優しいとこ」
「言うんっかいっ!!」
「お前それ流行らそうとしてる?絶対流行んないよ」
「いやひどっ!w」
二人でなんだかんだ仲良く帰った。とさ!!
月川心美☪*Tsukikawa Kokomi*☪
結菜の親友。結菜と同じでバリバリ陽キャ。
サバサバしていてスポーツが得意。
髪型は肩より少し長めの外ハネ。おでこを出している。
口が悪くて腹黒さ丸出し。
だけど容姿はそこそこいいのでモテてる。←
照村希空☣*Terumura Noa*☣
普通のよくいる明るい女子。ポニーテール。
結菜と同じテニス部。
真面目。
海崎涼介☸*Umizaki Ryosuke*☸
イケメンだが、惚れっぽい。
中内の事が好きという噂は有名。
陽と同じサッカー部。
陽と同じくらいの背。
中内夏葉☘*Nakauchi Natsuha*☘
ショートカットでボーイッシュ。
ソフトボール部。
いつもコンタクトをつけている。
明るい。
「ただいまー」
しーん…
お母さんもお父さんも仕事か。
弟は習い事。多分もうすぐ帰ってくると思うけど。
手を洗い、自分の部屋に入る。
すると、スマホが震えた。
お母さんかな。
確認してみると、なんと南島さんからの電話だった。
なっ…なんで!?
震える手で緊張しながら電話に出る。
「も…もしもし」
『もしもしみっつー!?いきなり電話かけてごめんね!忙しいのに…』
「ううん。全然大丈夫」
『ちょっと大変なことがあって!!』
「うんっ」
南島さんは焦っているのか、早口だった。
『Gが出たの!!!』
「…はい?」
『あのね、なぜか私の部屋に、Gが出て!!ほんとに私虫だめだから退治できなくて!それで』
「俺に来てほしい、と」
『…なんで分かったの!?』
「いや話の流れ的に」
『そう…そーゆーことなの!!!あの、今忙しかったらほんとにいいから!ごめんね?こんなこと』
「いーよいーよ。全然大丈夫だし」
『ありがとう!ところで、私ん家分かる?』
「うん。分かる」
南島さんと俺の家は比較的近くて、昔はしょっちゅうお互いの家に遊びに行ったりしてた。俺のお母さんと南島さんのお母さんがめちゃくちゃ仲が良くて、その繋がりでほとんど幼馴染みたいなもんだし。
なのになんで『南島さん』呼びなのかというと、実は俺は昔からずっと『ゆるちゃん』と呼んでて、だけど小6の時に『お前なんで南島のことちゃんづけしてんの』って言われて、『緩莓』って呼ぼうとしたけど勇気でなくて、迷った挙げ句『南島さん』の呼び名に辿り着いたのだ。
『本当にありがとう!気をつけてきてね!』
ゆるちゃんってほんとかわい。←
ピンポーン…
南島さんの家のインターホンを押す。
来るの久しぶりだなあ…。
すると、玄関のドアが開いた。
「みっつうううう!!!ありがとおおおお!!!ごめんねえええええ」
「だいじょおおぶうううう」
「入って」
いや切り替えはや。w
南島さんに促され、南島さん家に入る。
「お邪魔しまーす」
なっつかしー!!
昔と変わらず広くて綺麗!!まるで南島さんの心のようだ。←は
「Gが私の部屋にいるのおおお」
ちょっと涙目じゃん。
ここは男を見せねーと!!!
「大丈夫。」
そう言って笑いかけると、南島さんも笑ってくれた。
いや笑顔ハンパないって!!!
南島さんの部屋に入る。
あー…Gは思ったよりちっちゃいな。
南島さんの部屋は広いけど。
ちょうどGの近くには窓があった。
Gが飛ばないようにそーっとほうきで窓の方へ促す。
そして窓を開けて素早くほうきで外に出す!!
飛んでった!!
閉める!!
完了!!
っしゃああ!!
南島さんにいいとこ見せられ…
ぎゅっ
え
南島さんが俺に抱きついていた。
えっ
えっ!?
ちょっと待って心臓爆発すんだけど
え死ぬ。
死ぬ!!!!
可愛すぎて死ぬ!!!
おれ絶対顔真っ赤じゃん…
「ありがとう…ほんとにありがとう……」
天使ぢゃん。まぢで。((
「お、おう。全然いいよ。そんな怖かったの?」
「うん……ほんと苦手……怖かった」
南島さんは顔をあげた。
「ありがとう」
そして笑った。
これが天使か。
「どういたしまして」
俺は南島さんの頭を撫でた。
てゆーか『空綺麗だなー』って思って空見上げてG飛んでたら死ぬよね。
22:タピオカパン:2019/07/17(水) 19:21
「じゃあ、俺はこれで」
「えっ?」
「えっ?」
「…もう帰るの?」
南島さんは俺の手を掴んだ。
途端に体温が上がる。
「えっだって迷惑だし…」
「久しぶりに私んちでご飯食べない?」
「え……いいの?」
「うん!あ、でも…みっつーのお母さんがいいならだけど…」
「今LINEしてみる。」
「うん」
「オッケーだって!」
「よし!あっでも明ちゃんは?」
明(あき)は俺の弟。(小4)
「んー…」
「明ちゃんもうちで一緒に食べようって誘ってみて!」
「うん。じゃあちょっと家戻るわ」
「えっ!!久しぶりにゆるちゃん家でご飯食べんじゃん!行く行く!」
明に事情を説明すると、そう答えた。
「よし、じゃあ行くか」
「やっほー!!ゆるちゃん久しぶり!!」
「わ〜明ちゃん!おっきくなったね〜!久しぶり!」
よしよしと南島さんが明の頭を撫でる。
明になりてえ……。
「「「いっただっきまーす!!」」」
3人で手を合わせ、そういった。
「ごめんね。昨日私が作ったシチューなんかで」
「ううん!めっちゃ上手い!すげーな」
「美味しい!美味しい!ゆるちゃん天才!」
「えへへありがと」
南島さんは嬉しそうに笑った。
「ごちそーさまでした!!」
明がぱんっと手を合わせた。
「えっ早!!」
「へっへー。おれいっつも一番に給食食べ終わんの」
明は誇らしげに言った。
「じゃあ俺先帰る!!」
「え、大丈夫?」
「うん!じゃーねゆるちゃん!ごちそーさまでした!美味しかったよ〜」
明は笑顔でそう言うと家を出ていった。
ってか二人きりやん。
えっちょっと待って二人きりやん!!??
二階に繪恋(えれん)ちゃんと遊雨(ゆう)くんいるけど!(緩莓の妹と弟。双子で2歳。)
「…み、南島さん」
「ん?なに?」
「……好きな人いる?」
「……いると思う?」
「え…」
南島さんは首を傾げた。
南島さんは可愛い。すごく可愛い。
そしてモテる。
いる可能性は大だ。
「……いると思う。」
「正解」
「え…いるの…!?」
「うん。いるよ」
「そう…なんだ…。」
「どうしたの?」
「いや…」
俺なはず、ない…か。
「みっつーは?好きな人、いるの?」
「…いると思う?」
「…んー…いる?」
「当たり」
「誰?」
「誰だと思う?」
少しの沈黙が訪れる。
「……結菜?いっつも仲良くしてるよね」
「それはあっちが一方的に」
「…日奈ちゃん?」
なんでみんなそんなに日奈だと言ってくるんだろう。さっき涼介にも言われたし。
「違うけど」
「えーなんか前日奈ちゃんの事好きだったんじゃないの?」
「小5のときほんのちょっとだけね。」
今は…もう他に好きな人がいる。
「ふーん…じゃあ、学年でタイプの女子はいる?」
「え…タイプの女子?」
「性格とか顔も含めて全部」
それはもちろん、
ゆるちゃんだよ。
「じゃあ言いにくかったら、イニシャルでいいから」
「…M・Y」
「え、夕梨?」
「違うよ」
「優樹菜」
「ノー」
「弥生?」
「ううん」
「依ちゃん」
「違う」
「えー??分かんない」
天然やなあ。
「同じクラスのM・Yだよ。分かんない?」
「え、三橋陽?w」
「なわけ無いじゃんww自分とかナルシやんw」
「ん〜?」
「最初の文字がみで最後の文字がめ。もうこれ分かるっしょ」
「え」
「私?」
俺はゆっくりと頷いた。
ゆるちゃんは顔を赤くしていた。
「ゆるちゃん」
「うん…」
「頑張ってね」
「───え?」
「好きな人いるんでしょ?応援するよ」
俺は笑顔でそう言い、「ごちそうさまでした」と手を合わせ、「お邪魔しました」と家を出た。
片思いだったのか。
俺の、勘違いだったんだな。
──次の日。
「えー今日は席替えをしようと思う。月も変わるのでな」
「よっしゃー!!」
「早くない!?」
喜ぶ人もいれば、嫌がる人もいた。
これで、南島さんとバイバイだな。
いつもだったら、朝すぐに話しかけてくる南島さんも、話しかけてこなくなった。
目があっても、前みたいに微笑んでくれることはなくなった。
───俺たちの関係は、崩れてしまったんだ。
「あーいじゃあくじ引け〜」
言われたとおりくじを引く。
「1」
1かあ。
黒板の先生が書いた座席表に名前を書きに行く。
「みっつー!何番だった?」
榊原だ。
「1。」
「…え、まじ!?うち2番なんだけど!!みっつーの後ろ!」
「おー!」
榊原は嬉しそうに黒板に名前を書きに行った。
「三橋〜!俺7番!!お前の左斜め後ろ!!」
「まじか!!っしゃああ」
和田とぱちんと手を叩く。
6番誰だ?
黒板に書いてあったのは…
井ノ原。
「タヒねタヒねタヒねタヒねタヒねタヒねタヒねキモいキモいキモいキモい」
井ノ原大嫌いな榊原が机に顔を突っ伏して呪文のように唱えた。
南島さんは、8番だった。
和田の後ろの席だ。
「ゆるううううう!!最強の癒やし来たあああっ!!!」
榊原がばりくそ喜んでいた。
「結菜〜!」
「おう、南島!俺の後ろか。よろしくな」
「うん!よろしくねー」
俺は南島さんと目が合う前に顔を背けた。
やっぱ、告白しなければよかったな。
「なんかあった?」
と、休み時間に榊原に話しかけられた。
「…別に」
「うっそだー。じゃあ今日ゆると喋った?」
「…喋ってない」
「ねえ、やっぱり二人なんかあったでしょ。私分かるんだからね」
「………告った」
「えなに?ごめん聞こえなかった」
「告った」
「………え?」
「けど…」
「ねえ、みっつー誤解してるんじゃない?ゆるは…」
そこまで言って榊原は口をつぐんだ。
「…なんでもない」
「…そう」
「あっ、だけどこれだけは言わせて」
「なに?」
「もっと笑ってよ」
榊原は寂しそうな顔でそう言った。
「あと、ゆるの話、ちゃんと聞けば分かるから…じゃあ」
榊原はそう言って去っていった。
ちゃんと聞けば分かる…か。
でも確かに、あのとき南島さんはまだ何か言いたそうだった。
それを俺は誤解して……
しっかり、話そう。
キーンコーンカーンコーン。
昼だ。
弁当だ。
「みっつー」
榊原に肩を叩かれた。
「ゆると一緒に食べなよ」
「なんで」
「お願い」
「なんで」
「私は二人に笑っててほしいの」
──驚いた。
榊原は、チャラくて、人のことなんて全然考えないやつだと思っていた。
「でも…」
「私がゆるを上手く誘ってあげるから。」
「うん…」
「分かった。最初はゆると私とみっつーで食べて、途中で私は上手く抜けて、二人きりにさせるから。」
「う、うん…」
「ゆる〜!」
「ん?」
「屋上でさ、私とゆるとみっつーの3人で食べない!?」
「うん。いいよ」
榊原はちらりとこっちを向いてウィンクをした。
「ごめん、私委員会の仕事思い出したから、行くね!ほんとごめん」
「そうなの?そっか。頑張ってね!いってらっしゃい!」
「うん。じゃーね!」
そう言い、榊原は屋上を出ていった。
沈黙が訪れる。
「…あのさ」
とりあえず、昨日のことを謝ろうと思った。
「昨日は、ごめん」
南島さんは首を振った。
「なんで謝るの?悪いのは私の方なのに」
南島さんは箸を置いた。
「はっきり言わなくて、ごめんね」
「え……?」
「私…っ…」
「みっつーが好き!!ずっとずっと前から!!」
南島さんは大きな瞳から綺麗な涙を流した。
え
「ま、まさか…ゆるちゃんまで…っ」
俺は高鳴る鼓動を抑えきれなかった。
「両思いだね」
ゆるちゃんは濡れた瞳で俺を見つめた。
「……俺さ、実は…その…両思いだとしても……」
「「いつも通りに過ごしたい」」
「あと、これから、緩莓って呼んでよ」
「…いいの?」
「むしろ呼んでよ!」
「じゃあ…俺のことは…」
「『みっちゃん』って呼びたいな」
「…なんか可愛いね」
「でしょー?」
「いいね、みっちゃんって」
「改めてよろしく、みっちゃん!」
「こっちこそよろしく。ゆ…緩莓」
「よくできました〜!」
もう、『南島さん』呼びとはお別れだ。
「やっほー!」
「やっほーみなしまさ…緩莓」
「まだ慣れないの〜?みっちゃん」
「そ…そりゃあ」
今日はまちに待った土曜日。
みんなでプールに行く日。
「みんなまだ来ないね〜」
「ね」
今、待ち合わせ場所の桜山公園で待っている途中。
「ねえ、写真撮らない?」
緩莓がスマホを取り出した。
「え…いいの?」
「もちろん!撮りたいから言ってるんだもん」
緩莓は慣れた手付きでカメラを横にした。
「はい、ちーず」
パシャッ
撮れたものを見せてもらう。
え…っ待って緩莓元からめっちゃ可愛いからもっと可愛くなってる。神じゃん。
それに比べて俺は…
「みっちゃんめっちゃ可愛い!!」
「かっかわいい!?」
「あっごめん嫌だった?そ、そうだよね男子なのに可愛いって、ごめんね!カッコいいよ!」
焦って謝ってくる緩莓。
めっちゃ可愛いわ〜。
「私これLINEのアイコンにしようかな」
「えっ!?」
「うそうそ。」
「ゆるーーーっ!!みっつーーーー!!」
という元気な声が聞こえてきた。
「結菜〜」
「おー榊原」
「まだ二人しかいなかったんだ」
「うん。あっそうだ結菜、写真撮る?」
「うん!撮ろ撮ろ!!」
パシャッ
女子って写真撮るの好きだなー。
「やっほ〜」
若尾と小森もやってきた。
「一緒に来たのかな〜?ニヤニヤ」
榊原が茶化した。
「あっ大久保も来たよ!」
緩莓が言った。
「ごめーん」
「よし!全員揃ったね!じゃあ行こう!」
榊原が先頭を切って歩き出した。
電車にて。
榊原と若尾はスマホばっかりいじっている。
男子3人は、話をしていた。
「おい、なんかあの男の子南島のことめっちゃ見てね?」
と小森が指差して言った。
小森が指差したのは、中1ぐらいで、メガネをかけたどこにでもいそうな男子だった。
「たしかに…」
その男子は緩莓のことをちらちら見ていた。
緩莓はその男子に気づいてないようで、俺達が話していることに「どうしたの?」と尋ねてきた。
「いや…」
可愛いからかな。
緩莓は普通の人と比べるとすごく可愛い。
電車の中でもひときわ目立っている。
すると、緩莓の向かいに座ってた男子はバックをガサゴソと探り始めた。
すると、バックの中に入っていたプリントがバサバサっと落ちた。
「大丈夫?」
緩莓の方にもプリントが落ちていて、緩莓はプリントを拾って男子に手渡した。
「あ……ありがとうございます」
俺は気づいた。
こいつ、緩莓のスカート覗いてねえか?
緩莓はチェックのスカートを履いていた。
男子は確実に緩莓のスカートを覗いている。
普通だったらそんなに拾うの遅くねーし。
「おい」
俺は男子に声をかけた。
「はっ…はい」
男子はビクッとした。
「ど、どうしたのみっちゃん……」
緩莓はびっくりしていた。
「…なんでもない」
すると、男子は空いていた緩莓の隣の席に腰をおろした。
は?
そのことに俺はイライラしていた。
またなんかするつもりかよ。
一目惚れにもほどがあるわ。
そして数分後。
緩莓が俺の手をぎゅっと握ってきた。
「みっちゃん…」
緩莓は震えた小さい声でいった。
「どうし…」
「触ってくる……」
「え?」
すると、男子は緩莓の手を握っていた。
いやきもすぎくん。
「交換するか。」
「うん…」
俺たちは席を交換した。
「ねえ君。何歳?」
俺はできるだけ優しいお兄さんを装ってそう訊いた。
「じゅ…13…です」
13。ってことは中1か中2か。
「やめようか。」
そう言うと、男子は俺のことを睨んできた。
「…あの人のなんなんですか」
「は?」
「あの…女の人と、どういう関係なんですか」
緩莓のことか。
「緩莓は俺の彼女。」
「──え?」
「だーかーら、カレカノ。」
「そ…そうですか」
そう言うと、男子は止まった駅で降りていった。
「みっちゃん…ありがとう」
カレカノって言っちゃったぢゃん。
プールに着き、俺たちは更衣室に入った。
「お前南島のこと好きだろ」
いきなり小森に指摘された。
「…なんで?」
「さっき電車で南島のこと守ってたじゃんか」
「いやそれは普通でしょ」
「嘘付け」
「は?」
「俺先行ってるね〜…」
水着に着替え終わった大久保が更衣室を出ようとした。
「おい逃げるな」
「お前榊原だろ?」
「いや大久保龍輝ですけど」
「榊原龍輝」
「人の名前で遊ぶなコウモリ。」
「は!?」
俺は無言で更衣室を出た。
すると、女子たちもちょうど更衣室から出てきた。
「やっほー」
榊原が元気よく手を振ってきた。
「おう」
「あれ?小森と龍輝は?」
「まだ着替え中」
「そ。」
すると、榊原が小声で、
「ゆるの水着姿、どお?」
と言ってきた。
「はあ!?」
「あらあら顔真っ赤にしちゃって」
〜っ!!
「んじゃ、ウチラは先ウォータースライダーやってくるから!」
そう言い、女子3人はウォータースライダーのところへと向かっていった。
「俺たちはじゃあ…」
「流れるプールでいっか。」
「…おう」
俺たちは流れるプールへと向かった。
「そんなに人は多くないみたいだね」
「まあ確かに、まだ暑くはないし」
水へと足を入れる。
「どう?」
「普通」
ドン
「あっすみません」
流れるプールでエンジョイしていると、大久保が人にぶつかった。
「ご、ごめんなさい」
「…あれ?」
大久保が思い出したように言った。
「なに?知り合い?」
小森と首を傾げていると、
「希じゃん」
「えっもしかして龍輝!?」
感動の再会的な??
「小学校のときの同級生とか」
「ああ」
「あ、えっと小学校のときの同級生。」
いやいいですー。紹介とかいいですー。
「園崎希です!」
自己紹介とかいいですー。
「どもー」
小森が軽いノリで会釈をした。
「俺の友達の小森と三橋。あ、そういえば希って誰と来てたの?」
「ん?えっとねー、あの二人!」
園崎さんが指差したのは、女子二人だった。
大久保絶対ホッとしてるやろ。男子じゃなくてよかったって思っとるんやろ。
ばーかばーか!((謎))
「えっ、龍輝じゃん!」
「え〜っ!おひさ〜!」
大久保って小学校でもモテてたんかなあ
「おー」
大久保が女子に囲まれている。
俺たちはなにを見せられているのだろう。。。
「あれっ?龍輝の友達?」
ショートカットの女子が俺らを見て言った。
「うん。そう。右が小森で左が三橋。」
「へぇ〜っ!そうなんだぁ!私は野々原愛で〜す!よろしく!」
なにこいつ…明るすぎて引くわ…しかも中学生でツインテとか。
冗談は顔だけにし と け よ って!ホンネージャーン!!((
「宇佐美香帆です。はじめまして。」
だよね。普通初対面なら敬語だよね。
ツインテ女やばいじゃん。
すると、大久保と園崎さんが歩いて行ってしまった。
はあ!?(#^ω^)
友達優先だろ。ってか俺達と遊びに来てたのに。
感動の再会だとしてもさあ…
「あ〜あ、希と龍輝いっちゃったあ…じゃ、私達で回ろっか♡」
うわ、語尾にハートつけんなし。
あのさあ…
大久保!お前なんとかしろよ!!
さっきからさ…
野々原ってやつにめっちゃくっつかれてんだけど…
井ノ原と名字にてるしめんどくさい性格も似てるし…
最悪。
「ねぇ、彼女いるの?」
実際に上目遣いで聞いてくる人っているんだ。
「いないけど」
「じゃ、好きな人は?」
「…いない」
「ほんとに?」
「逆にそれ知ってどーすんの」
「んー、とりあえず知りたい♡」
「俺のこと知ってもつまんないと思うけど」
「そうかな?私はぜーんぜんそんなこと思わなーい」
うるせえ。
一方、小森は宇佐美さんに話しかけられていた。
小森イケメンだもんなー。
まあ、彼女いるけど…
大久保は園崎さんとどっか行った。
せっかく緩莓たちと来たのに…
大久保、後で覚えとけよ。
「ヒャッホーーー!!」
一方女子3人は、ウォータースライダーを楽しんでいた。
滑り台?の幅が広いから、5人ぐらい一気に滑れる。
「ねね、じゃあ次はなんか叫ぼうよ」
結菜がそう提案した。
「いいね!どうする?」
「んー…じゃあ、好きな人の名前を叫ぶ!!」
「「ええええ!?」」←緩莓と雛乃
「じゃ、決まりね☆行くよっ!!」
「う…」
「みっちゃーん!!」
…ん?
今呼ばれたような気が…
誰だ?
でも、俺のことをああ呼ぶ人はただ一人。
緩莓?
「こもーーーーっ」
続いて、そう聞こえてきた。
小森の事そう呼ぶのって…
若尾だな。
え、なんだ?
どしたん?
「ねえ、どしたの」
「おれ、ちょっと行ってくるわ。小森。行こ」
「おー」
「えっ?ちょ…」
ウォータースライダーのところまで行くと、
「「あ…」」
緩莓と若尾が俺たちに気づいて、顔を赤くした。
「ど、どどどど」
「ねえ、さっきなんか叫んだ?」
「えっ、え!?何も!?」
わかりやすい…
「ほっ、ほんとに何も叫んでないから!!」
すると、
「あーっ♡三橋くん、こんなとこにいたー♡」
野々原と宇佐美が歩いてきた。
「え…?誰?」
若尾が首を傾げた。
「あれ?誰?あなたたち」
「クラスメートですけど…」
緩莓がそう答える。
「…ふーん…?」
謎の気まずい空気になる。
「ちょ、ちょっと愛!ごめんなさい。私たち大久保の小学校のときの同級生なの」
「そうなんだ。私は南島緩莓っていいます。」
そう言って緩莓は笑顔を見せた。
この笑顔に惹かれたんだよなあ…
「若尾雛乃でーす」
「私は宇佐美香帆です。」
謎なんだけど。((
すると、
「あれ?榊原は?」
と小森が言った。
「自販機のとこ行くって言ってた」
「ねえ、」
野々原がゆっくりと近づいてきた。
「私のこと、好き?」
「──え」
そう声を発したのは、緩莓だった。
すると、
「はいはいはい!!」
ドンっ
いきなり榊原が出てきて、野々原を滑り台へと落とした。
「!?」
「もう、うちら帰ろ!!」
「は?」
「え?」
「なんで?」
「いいから!!大久保は置いてこ!」
榊原は怒っているみたいだった。
っていうか、俺流れるプールしか入ってないんだけど…
悲っ!!
帰り。
大久保抜きのメンバーで電車に揺られている。
「…」
みんなずっと無言。
榊原…
嫉妬してんじゃね?
榊原も多分大久保が好きで、大久保が園崎さんと一緒にいるのを見てさ…
ってか榊原って、こないだおれに告ってきたよな?
冷めんの早くね?
「大久保、帰ってこれっかな…」
大久保は意外と方向音痴だから。
「知らんわ。」
榊原…
「それよりさー」
小森が口を開いた。
「あの野々原ってやつやべーよな」
「それな」
「あの子野々原さんって言うんだ…」
「結構ぶっ飛んでるよねw」
「南島さん」
ん?
「あっしえるくん!」
塾帰りなのか、しえるくんが乗車してきた。
「やっほーしえるくん」
榊原が表情をころっと変えた。
「南島さん、髪の毛濡れてるね。どうしたの?」
「プール帰りだよ」
「あ、そーなんだ」
しえるくんが俺たちを見て言った。
「おい三橋…なんで昨日置いてったんだよ」
「榊原に聞けよ」
「はぁ!?なんでわざわざ…」
「あーんたがいちゃついてるからでしょー」
榊原が大久保を小突いた。
「いた」
「結局あのあとどうなったの?」
「え?どうなったのって?」
「園崎さんだっけ?とさー」
「別に。」
「お前いい加減気づけよー」
「はぁ」
「しえるくんおはよ!!」
そう、教室に入ってきたしえるくんに向かって元気よく挨拶をするのは、二階堂だ。
めちゃめちゃしえるくんに話しかけているから、しえるくんのことを狙っているのではないかと噂されているようだ。
「おはよう」
一方、シャイなしえるくんは、小さく手を振るだけであった。
そっかー。
席替えしたのか。
「ねえ聞いて!」
二階堂が大きな声で言ったため、みんなが二階堂に注目した。
「日奈ちゃん、宮路のこと好きなんだって!」
沖田日奈(おきたひな)は、結構人気のある女子で、一年に一回は何かと話題になる人物。
その日奈が、あのめちゃくそ自由人の宮路を好きなのかー。
そりゃあ噂になるわな。
「いやそれ言っていいの?」
と榊原。
「えっでも別によくない?」
すると、丁度宮路が教室に入ってきた。
「宮路!お前…」
和田が早速そのことを伝えようとした。
「和田」
榊原が強めの口調で和田を止めた。
「お前たちなにを企んどるんだ」
宮路は独特のゆっくりとした喋り方でそう言った。
「失礼しまー…」
「あっ!!日奈!」
「おおおお!!」
「えっ!!何!?」
沖田は普通に用があってここに来ただけなのに…
なんかめんどくせえな。
榊原はため息をついて呆れていた。
──休み時間。
俺は和田と平和に話していた。
今日の休み時間も平和に終わると思った。
ところが…
「まじで玲奈KYじゃん。日奈の好きな人言いふらすとか。口ゆるすぎ」
「ほんと。日奈も宮路もかわいそう」
二階堂がいないこの教室では、さっきの二階堂の発言に不満を持ったやつらが二階堂に対しての愚痴を言っていた。
うわ…空気わる…
宮路も丁度いないため、みんな言いたい放題だ。
「まじあいつ調子乗りすぎ。ウザいわ」
の船木が吐き捨てるように言った。
「のの言い過ぎでしょ」
茜が言った。
「は?そういう茜だって玲奈のこと不満に思ってんじゃないの」
「だとしてもさあ」
「なによ。日奈よりも玲奈のほうが好きなわけ?ありえなすぎて笑う」
「そういうわけじゃないよ!」
「じゃあ何?」
「もし玲奈のこと不満に思ったとしても、それは流石に言いすぎなんじゃないかなって…」
「ないわーwなにいいこぶってんのw必死すぎてウケる」
「…っ…!」
茜は傷ついたような顔をして俯いた。
すると、茜と仲のいい清水が、茜の肩に手を置いた。
「言いすぎ」
「は…はあ?あんた茜のこと好きなの?」
「今はそういうの関係ないでしょ」
清水は表情を変えず冷静に淡々と答える。
対しての船木はかなりお怒りのようだ。
「もう、みんなバカ。ほんっとに馬鹿じゃないの」
船木はそう叫んだ。
「そうだねえ!!」
静まり返った教室に、その声が響いた。
そう言ったのは榊原だった…
「ほんとバカ。まじで」
「ほんとよね?良かったわ結菜に分かってもらえて…」
榊原は船木の言葉を遮るように言った。
「は?あんたのことに決まってんじゃん」
「……は!?」
「小さい出来事でグチグチ言ってんじゃねーよ」
榊原はそう言って机をばんと叩いた。
ビクッ
この教室にいるほとんどの生徒がびくっと肩を震わせた。
「そんなことでしかこの学校生活を充実させることができないの?ずっと人の悪口言ってるけど」
榊原は船木をキッと睨んだ。
「いい加減やめよう」
榊原は静かにそう告げた。
「なんで…」
「人間なんだから、これくらい分かるよね?」
榊原はニコッと笑った。
でも、目は笑っていなかった。
「…うん」
船木がそう言うと、榊原は無言で教室を出ていった。
こ、こえーわ…
沖田日奈✾*Okita Hina*✾
人気者。恋愛のことなどでよく話題になる人物。
三橋の以前の想い人。宮路のことが好きだという噂が流れている。
宮路広規❖*Miyaji Koki*❖
おおらかで自由人。
いつも笑っている。
船木のの✺*Funaki Nono*✺
自分勝手で、気が強い。
人の悪口をほとんど毎日言っている。
渋谷 茜✵*Shibuya Akane*✵
素直で純粋。
タレ目気味の大きな瞳が印象的。
普通に可愛い。蒼とよく一緒にいる。幼馴染み。
清水 蒼✜*Shimizu Aoi*✜
クールでポーカーフェイス。
普通にイケメン。目が綺麗。
ドジな茜をそばで支えている。
あまり表情を変えないが、茜の笑顔には弱い。←
3時間目の授業が始まった。
家庭科か…
今日は調理実習などもないので、教室での授業だった。
先生変わってめっちゃ退屈なんだよなあ…
新学期に先生が変わって、体の大きいやまんばみたいな先生になった。
言ってることがよく分かんないし授業もつまんない。
一番退屈な授業。
みんなぼーっと窓の外を見てたり、寝てたり、落書きしたり、こっそりメモでやり取りしている人もいる。
すると、肩をトントンと叩かれた。
「はい」
榊原にメモを渡された。
「書き終わったら井ノ原に渡して」
「りょ」
なんだろう、と思いメモを開く。
三橋の列と井ノ原の列のみんなで穂村先生のあだ名考えようぜ 礼央
いいね。賛成。 颯太
みんなどんどん書いてって 大翔
じゃあまず私ね。やまんば 結菜
という内容だった。
何考えてんだこいつら…w
俺はビッグヘッドと書いておいた。
先生にバレないように井ノ原にメモを渡す。
「書いたら和田に渡して」
「生類わかりみの令」
「はいはい」
井ノ原がメモを書き、和田にメモを渡した。
すると、しばらくしてから和田が静かに笑いをもらしはじめた。
やめろ和田!!
こっちもつられて笑いそうになってきた。
和田が緩莓に渡した。
すると、しばらくしてから、緩莓も笑い始めた。
「南島さん、和田さん、何笑ってるんですか」
「「えっ」」
「廊下に立たせますよ」
ドラ◯もんかよ。
「ご、ごめんなさい」
緩莓が慌てて謝った。
「すいません」
和田も謝った。
二人とも誤ってるときもちょっと笑ってたけど。
「もう、気をつけるのよ」
授業がまた再開して、メモが一周してきた。
読み返す。
じゃあ私からね。やまんば 結菜
ビックヘッド 三橋
なまごみのかたまり 井ノ原
フランシスコ・デブエル 和田
ボウリングの球とか ゆるめ
ラグビーボール 篠塚
パグ 宮路
www湯婆婆 礼央
などなど。
みんなヤバすぎだろw先生に謝れw(俺もだけど)
あれ?俺たち省かれt一生懸命書いたのn((by颯太&大翔
「お前らなんで笑ってたん?」
授業が終わってから、和田と緩莓が色んな人に話しかけられていた。
「これ」
礼央がメモを見せる。
「なんだよこれwww」
「みんな馬鹿すぎんだろw」
「あ?」
『馬鹿』と言った裕也に対して榊原が笑顔でそう言った。
「ごめんなサイヤ人」
「おもんな」
「…」
「緩莓ボウリングの球とかwww」
「だって他に思いつかなかったんだもん!!」
「地味に失礼w」
どっと笑いが起こる。
「茜。髪の毛乱れてるよ」
「えっほんと?もー、蒼は男子のくせに私より女子力高いじゃん」
茜と蒼のやり取りを見た人たちが、
「リア充爆発しろ」
「ミサイル打ちてー。」
「あの二人なんかむかつくわあ」
と次々に言った。
「名前も地味に似てるしお似合いだよね」
と超絶美人で比較的無口でクールな瑠樺が言った。
みんな口をつぐんで瑠樺を見る。
いやーほんとに顔整ってんな。
多分みんなそう思ってる。
「だよね〜。確かに名前似てるし」
彩乃もニコニコしながら言った。
彩乃は小柄で、栗色のボブヘアに大きなタレ目がちの目が特徴的な可愛い系女子。
緩莓とはまたちがう可愛さ、と言われてるっぽい。
「茜がボケで蒼がツッコミ、的な?w」
緩莓も言った。
いや2-1の三代美人が揃ってる!!
っていうかそもそもブサイクな人いねえわ。←
「蒼ってさ…なんか、男子なのに、可愛いよな」
そう大翔がつぶやいた。
「え大翔キモっ」
周りにいたほとんどの人がドン引きした。
緩莓side*❁
4時間目は、理科。
今日は実験をするらしい。
「ゆる、行こ」
「うん」
結菜と教室を出る。
すると、
「おい、緩莓!」
びくっ
大きな声で呼ばれた。
「…なに」
私が一番嫌っている男子、内田晴哉だった。
「ちょっとうっちー、私のゆるに何の用?」
結菜が言った。
「お前、俺のLINEブロックしてるだろ」
「だってうるさいんだもん」
「はあ!?」
「とにかく、私達移動教室だから。じゃーね」
不満そうな晴哉を置いて、私はスタスタと歩いた。
「ねえ、うっちーってめっちゃゆるに話しかけてくるよね〜。ゆるのこと好きなんじゃない?」
「それはないでしょ」
学年で晴哉のことを「うっちー」と呼んでいない女子は私だけらしい。
晴哉ってなんかいっつも喧嘩腰?っていうか…
怒ってるみたいなんだよねー。
「っていうか、今日実験だよね。急ごっか」
「うん」
そう言って私たちは急いで階段を降りた。
理科の班は、こないだ席替えをした。
私は、茜と蒼と小森と一緒になった。
茜とは結構仲がいいほうだから嬉しい。
それにしても茜と蒼ってすっごい縁あるなあ…
いいなあ…
!?
い、いいなあ!?な、なんで!?
もしかして私もみっちゃんと一緒の班になれたらよかったなあなんて思ったの!?
「ゆる…?」
「あっなんでもない!ほら、理科室だ〜」
「(明らかにおかしいw)」
理科室に入ると、みっちゃんと目が合った。
とたんにどきんと胸が跳ねる。
みっちゃんは照れながらも少しだけ笑ってくれた。
それがものすごく嬉しくて、思わずニヤけてしまった。
「──はい、では今日は酸素と銀の化合を行います。手順はこの間説明しましたね。じゃあ、開始」
みんな必要な器具を用意する。
ガスバーナーなどを準備する。
「えっと…あとなんか必要なのあったっけ?」
茜が言うと、
「マッチね」
と蒼が即答した。
…蒼茜のこと好きやろーーー
「じゃあ、火つけよ」
小森がそう言うと、茜が元気よく、
「私火つけたいー!」
「危ないよ。火事になる」
「なっ!?」
しょんぼりしている茜を見て蒼が少し笑った。
珍しいなー。
蒼が笑うのって茜に関してのことだけな気がする。
「じゃ、俺と一緒にやる?」
蒼は真顔で言った。
「「え」」
私と小森は思わず声を出してしまった。
「はい、マッチ持って」
マッチを持った茜の手を蒼が握って、手を誘導した。
シュッ
「おお〜!ついた!」
茜ははしゃいでいた。
すると、
ぱりんっ!!
ガラスの割れる音がして、見ると彩乃が怪我をしていた。
手からは血が。
「大丈夫!?」
みっちゃんがポケットからティッシュを出して彩乃の手を押さえていた。
ズキッ
……あれ?
なんか…
胸が痛いなあ。
「角!保健室行こうか。三橋、ありがとな」
そういう先生の声が、遠く聞こえた。
ののが落としてしまった試験管が割れて彩乃が怪我をしたらしい。
みっちゃんは優しいから、彩乃のことをすごく心配していた。
それが、私にはすごく辛くて…
授業が終わるまで、ずっと下唇を噛み締めていた。
授業が終わると同時に、彩乃が保健室から戻ってきた。
「彩乃っ!!ほんとごめん…っ」
「ううん!気にしないで」
ののは責任を感じているみたいで、少し涙目になっていた。
「彩乃、大丈夫?」
そう、みっちゃんが発した。
その一言だけなのに。
みっちゃんが彩乃を心配していることに対して私は何を考えているんだ?
みっちゃんは、私だけのものだなんて思ってるの?
私は辛くて走って理科室を出た。
「ゆる、今日は私とゆるとみっつーでおべんと…」
結菜がそう言いかけたとき、
「緩莓!!」
と、大きな声で呼ばれた。
見ると、思った通りドアのところには晴哉が立っていた。
「俺と一緒にご飯食べよーぜ!!」
…は?
なんで晴哉と??
しかも二人で?
「あ、ごめn」
「多目的な!分かったか絶対来いよ」
……いやいやいや
しかも人気の少ない多目的室で?
「ゆる…どすんの?w」
「笑わないでぇ…」
ちらりとみっちゃんを見てみる。
みっちゃんは和田と楽しそうに話をしていて、私のことなんかちっとも気にしていないようだった。
…私達って、本当に両思いなの…?
「ゆる!」
「はいぃ!!」
いきなり結菜に大声で呼ばれ、思わず背筋が伸びた。
「行ってこい!」
「ええええ!?やだよ!なんで!?」
「…実を言うと、みっつーの反応が気になる」
「…!?」
「じゃあ、行ってら!」
結菜に背中を押され、教室を出た。
ねえ、何…?
『お前は嫌いだ』とか言われそうなんだけど…
そう思いながら、多目的室のドアを開けた。
「よお」
ドアを開けると、晴哉が席に座っていた。
私はそこから少し離れた所に座る。
…やばい
二人きりとか…
好きではないけど緊張する…
「俺の向かいに座れよ」
「え…」
晴哉は自分が座っている席の前の席を指差した。
渋々その席に座る。
「なんで私と」
晴哉はそっぽを向いた。
あんたがここに座れって言ったくせに…
わざわざ2年の教室から少し離れた多目的室なんかに呼び出して。
「…好きなやつ誰?」
「…は?」
「いるんだろ。そんくらい分かんだよ」
「…いないよ」
咄嗟に嘘をついてしまった。
でもいいや。
「いるくせに。じゃあお前一番仲いい男子誰?」
そんなのみっちゃんに決まってる。
だけど、私はそれを素直に口にできなかった。
「陽だろ」
「…へ?」
…なんで分かるの?
「知ってんだよ。お前が陽と仲が良いってことぐらい」
「ま、あいついいやつだし。」
「…晴哉は、好きな人いないn」
そう言いかけたとき、晴哉が突然立ち上がり、私の手を引いて壁際に追いやった。
「晴哉っ…!?」
すぐ近くには晴哉の顔があって、背けるしかなかった。
「お前、自覚ないのかよ」
「え?」
「ほんとに気づかないか?」
「…わかんない」
「俺お前のこと好きなんだよ!!」
晴哉の声が教室に響き渡った。
私は呆気に取られるしかなかった。
>>44 学年間違えた…3−1です(。・ω・。)ノ
まあ見てくれてる人いないっぽいし言ってもいみないけど
「す…」
好きだなんて…
私に接するときはなんか不機嫌な感じだったから、てっきり私のことなんか嫌いなんだと思ってた。
その晴哉が。
私はなんて答えていいのか分からなくて。
「ごめん…」
私はまだ開けていないお弁当箱を持って教室を出た。
「おい…待てよ!」
晴哉に追いつかれないように走った。
私は誰もいない廊下でうずくまった。
私…
最低だ……
ごめんねえ♥前からこんな小説なくなればいいのにって思ってたんだあ
53:いちごみるく:2019/07/26(金) 21:28なのに私はこんなにまともな小説書いてあげたんだよお?偉くない?ʬʬ
54:いちごみるく:2019/07/26(金) 21:32あなたもうこんな小説かくのやめたら?wwwwwwww
55:いちごみるく:2019/07/26(金) 21:34まあ私もずっと読んであげてたから♪この話には詳しいお だから>>51みたいなの書けたんだよ?感謝ぷりーず?ゎら
56:威風◆Ok:2019/07/26(金) 21:36 いちごみるくさん
そういうことはやめましょう。タピオカパンさんに失礼ですよ。
こんな小説なくなってほしいってよく言えますね。
>>56 逆にこの小説好きなんですか?
58:威風◆Ok:2019/07/26(金) 21:52>>57 あまり読んだことはありませんが、タピオカパンさんに失礼なことは言うのをやめましょう。
59:いちごみるく:2019/07/26(金) 22:01>>58 ブフォʬʬ読んだことないんかよʬ ほらね、人気ないじゃんʬ
60:タピオカパン◆VU:2019/07/26(金) 22:03あ… いちごみるくさん、そうですよね。こんな小説…つまんないですよね。…ごめんなさい、こんな小説投稿して。ほんとにごめんなさい。
61:威風◆Ok:2019/07/26(金) 22:05>>>60 タピオカパンさんが謝ることありませんよ! 今読んでいる最中なんですが面白いですね。
62:ジイカ◆Es:2019/07/26(金) 22:13 差し出がましいかもしれませんが失礼します
>>54の発言がとても気になったので
巧い拙い関係なく、小説を書くことは自由です。
むしろ下手だから書いて書いて、上達させていくのではないでしょうか。
やめたら? と他人が止めるのは筋違いです。
それに大体の人が途中でやめてしまう中、タピオカパンさんはかなりの文量を書き続けています。
中々できることではないと思いますがね。
釣りだとは思いますが、念の為に書き込ませて頂きます
>>60 言い過ぎたわ…ごめんなさい。
>>62 はい…正気に戻りました。
>>61 ありがとうございます…!!もう更新やめようかと考えてました。面白いなんて言っていただけてすごく嬉しいです…!すごく励みとなりました。ありがとうございます。
>>62 これからも書き続けていきたいと思いました…!頑張りたいと思います。
>>63 分かってくれたなら良かったです。
恋愛小説に興味が無かった私が、恋愛小説に目覚めたきっかけです!ありがとうございます!
66:タピオカパン◆VU:2019/07/26(金) 23:03いちごみるくさんが書いた>>51、私が書こうと思ってたのと結構似ていたので、そのまま続きを書きたいと思います(◕દ◕)
67:タピオカパン◆VU:2019/07/26(金) 23:06 >>65 なんてこったサグメ推しさん!!
恋愛小説に目覚めたきっかけだなんて…!!
嬉しすぎて言葉がでません😭😭ありがとうございます!!あと、レスの書き込み時間一緒ですね!!運命だぁ🤗((
「…緩莓?」
ハッ
聞き慣れた声がして顔をあげると、みっちゃんが驚いた顔でこっちへやってきた。
「緩莓…なんでこんなところに」
「…み、みっちゃんこそ…」
「俺は委員会の仕事で。早めにお弁当食って行かなきゃいけなくて…緩莓、どうしたの?具合悪い?」
私は首を横に振った。
「大丈夫。…ほら、委員会の仕事遅れちゃうよ…私は大丈夫だから、行って」
私はゆっくり立ち上がった。
「ほんとに大丈夫なの?」
私はにこっと笑った。
「証拠」
すると、みっちゃんも笑顔になった。
「…よし!じゃあ委員会の仕事頑張ってくるわ!!」
「うん!頑張って。行ってらっしゃい」
私はみっちゃんに手を振った。
良かった。
みっちゃん…ちゃんと私のことも見てくれた。
陽side*★
『大丈夫。』
なんかおかしくないか…?
だって、結菜は教室でお弁当食べてたし、ほとんどの女子は確か教室にいた気がする。
じゃあ、緩莓は誰と…?
そんなことを考えていると、
「あっ陽先輩!!こんにちは!」
ん?
「あっ、新原さん。こんちゃ。」
委員会の後輩(中2)の女子。(保健委員会)
やたらと俺に話しかけてくる。
まあ、後輩に好かれるのは嬉しいし、全然いいんだけど。
「あの、委員会の仕事なくなったらしいです!」
「あ、そうなんだ。」
「…先輩、……一つ質問してもいいですか?」
「?うん。いいよ」
新原さんが立ち止まった。
その目は、緊張しているように泳いでいた。
「……先輩」
俺は黙って次の言葉を待った。
「好きな人いますか?」
「えっ」
好きな人…
新原さんは顔を赤らめていた。
どうしよう。
『いる』って答えたら質問攻めされそうだし、『いない』って答えても…
「…さあね」
「えっ?」
俺が出した答えはこれだった。
「新原さんがいないって思うならいないし、いるって思うならいるんじゃない?」
俺は何か聞かれる前にじゃあねと手を振ってその場を去った。
そして、一人残された夢葉(新原)は、こうつぶやいた。
「…絶対いるじゃん…」
教室に戻ると、緩莓の姿があった。
良かった。
……良かった?
なんで安心してんだろ、俺……
昼休みの教室はワイワイガヤガヤしていた。
すると、
「このクラスで実は付き合ってるっぽい男女探そうぜ!!」
…はい?
そう口にしたのはクラスのムードメーカーの一人、裕也だった。
「つまりどーゆーこと?」
茜がそう聞くと、
「そーゆーこと」
蒼が答えた。
「???」
茜はぽけーっとしていた。
いやあかあおコンビ(茜と蒼のこと。通称レッドブル。←あかとあおだから)怪しいだろ。
蒼絶対茜のこと好きやんけ!
「レッドブルでしょ」
結菜が笑うと、みんな口々にレッドブルレッドブル言い始めた。
レッドブルコール。←
「だよなー!!お二人さん、どうなのかしら?」
裕也が二人に聞く。
「え何が?」
茜の天然発動!!(常時発動してるけど)
「茜何考えてたの」
蒼のツッコミ発動!!(常時発動してるけど)
「(茜には話通じないし蒼にはかわされるし…なんて日だ!)」←裕也
「小森と若尾は?」
「いやもうバリバリ付き合ってんじゃんお前馬鹿かよ草」
颯太が言ったのに対しての美奈の毒舌攻撃。
「そんな言わんといて…俺死んじゃうよ?」
「じゃあタヒねw」
「!!??」
颯太と美奈もありそう…
「彩ちゃんとかっちゃんもさー…」
『彩ちゃん』とは彩乃のことで、『かっちゃん』とは勝田智和のことだ。
「あ゛あ゛っ!?」
かっちゃんがすごい形相でこっちを睨んだ。
その近くで首をかしげている彩乃。
ほのぼのとしたマイペースな彩乃と怒りっぽいかっちゃん。
そのペアはすごく珍しい。
この前、彩乃が転んだとき、かっちゃんが保健室に連れて行ったとか。
かっちゃんは彩乃に対しては優しい。
そんなことを考えていると、裕也にびしっと指を突きつけられた。
「え、何──」
「お前も怪しいぞ!」
「はあ」
「お相手は?」
すると、誰かが
「日奈じゃないの」
と言った。
それは心愛だった。
「ええええ!?そうなのか三橋!!」
「いや…ちが…」
「日奈ってモテるよね〜」
「付き合ってんの?」
否定するも、みんなの耳には届かないみたいだ。
どおしてだよおおお!!
すると、
バン!!
びくっ
大きな音がして、みんながそっちに注目する。
「──あごめん、驚かせるつもりじゃなかったんだけど」
どうやら瑠樺は黒板を叩いたらしい。
「三橋、なんか言ってるよ」
あ……
みんなの視線が今度は俺に集まる。
「えっと……俺、日奈じゃないから…ご、誤解だから」
あはは〜…
しーん…
笑みを浮かべるも、みんな笑わなかった。
…
どおしてだよおおお!!←
「そうなんだ。じゃあ他にいるん?」
陽向が小悪魔的な笑みを浮かべてこっちを見た。
「えっと……ま、㊙で!」
みんながどおしてだよおおおという顔をしていた。←いやカオスww
いつも見てます!!大好きです!!特に三橋くんが大好きすぎます😘ゆるめちゃんも可愛すぎる😍これからも頑張ってください!
74:タピオカパン◆VU:2019/07/28(日) 23:11>>73 わああああ!!嬉しい😄嬉しすぎて死ぬ…!バタッ じゃあみつゆるいっぱい登場させますね!!すごくやる気になりました(*ノェノ)ありがとうございます!
75:タピオカパン◆VU:2019/07/29(月) 09:19 「三橋」
さっきの騒動がおさまると、瑠樺が話しかけてきた。
瑠樺と話すことはそうそうないので、ドキドキする。
「な、何?」
「さっきはごめん」
「え?」
「三橋がなんか言ってんなって思って、みんなに聞いてもらえる方法、あれしか思いつかなくて。」
「いや謝らなくていいよ。助けられたし」
「そ?ならよかばい」
瑠樺がそう言ってにこっと笑った。
方言萌え…!!
瑠樺のお母さんが博多の人らしくて、瑠樺はたまに方言が出る。
クールでかっこいい瑠樺が笑顔を見せるのも方言を使うのもごく稀だ。
俺、てんっさい!!←
瑠樺が立ち去ると、緩莓と目が合った。
あ……
緩莓はジト目でこっちを見てからそっぽを向いた。
──もしかして妬いてる?
だったらめちゃクソ嬉しいんだけど!!
「ねえ、次の授業って体育だよね?」
結菜が言った。
「そうじゃん!」
「早く行かねーと」
「急げ〜」
体育は早く行ったほうが成績が上がるらしい。
だからみんな急いで行くんだ。
「三橋、行こーぜ」
「おう」
和田に声をかけられ、小走りで教室を出た。
これからおばあちゃんち行くので投稿頻度落ちるかもしれないのでよろしくです(◕ᴗ◕✿)←ほとんど独り言
77:タピオカパン◆VU:2019/07/29(月) 19:32 今日はリレーをやるらしく、まずはチーム決めから。
龍輝と一緒になりてーなー。
あいつ多分この学年の男子の中で一番足速いし。
まあ俺も速い方だけd((
「はーいじゃあチーム決めます。1チーム5人。でも一つだけ6人になる班があります」
うぇーい、とみんなが返事をする。←
そしてしばらくして、班が決まった。
俺は、颯太とかっちゃんと彩乃と美奈と同じだった。
なんかすげーな、颯太と美奈いいかんじ(?)だし、かっちゃんと彩乃もいい感じだし…
おれぼっち((たまご◯ちみたいに言うな
「…颯太足ひっぱんなよ?」
「いやいやいやいや!それはこっちのセリフだし!」
美奈がそう言うと、颯太ががんばって言い返した。()
「ごめん…私、足遅いから…」
彩乃がおどおどしながら申し訳なさそうに言ってきた。
「何心配してんだよ。俺がいるからそんなん気にすんなばーか」
かっちゃんがちょっと強めの口調で言った。
ツンデレばればれ。
…俺、やっぱぼっちやわー
「かっちゃんとみっつー速いよね。50メートル何秒?」
颯太が聞いてきた。
「俺は7秒」
「同じく」
「あんたはどーなのよ」
美奈が颯太に尋ねると、
「俺?俺は8秒台!」
「……足ひっぱんなよ?」
「なんでえええ」
すると、
「ええええ!?ゆるちゃん7秒台なの!?はやー!!」
と玲奈の声が聞こえてきた。
どうやら、緩莓は玲奈とののと蒼と祐也と一緒だったらしい。
だけど、女子で7秒台かー。
流石だな。
そんなことをぼんやり考えていると、
「はーい、じゃあ各チームで練習はじめてくださーい」
という先生の声が聞こえた。
俺たちはとりあえずトラックを走りながらバトンパスの練習をすることにした。
「じゃ、行くよ〜」
なぜか俺がこのチームのアンカーになったので、一番先頭を走る。
一番最初に走るのは颯太。その次は美奈、その次が彩乃、次がかっちゃん。
その次は、
俺だ俺だ俺だ俺だ俺だ((
走っていると、後ろからドドドドドと足音が聞こえてきた。
ん?
「うおおおおお!!」
後ろから猛スピードでやってきたのは和田たちのグループ。
和田が先頭だった。
「ちょ和田はえーよ!!」
和田はなぜかみんなをおいてこっちに向かってめちゃくちゃ走ってきていた。
「み、三橋!急いでえええええ!!」
一番後ろの颯太は和田が怖いみたいだ。w((
「いえっさー!!」
俺はスピードをあげて走った。
「うおおおおお!!」
かっちゃんたちもスピードをあげた。
っていうか和田何が目的なんだよ!!
するとやっとバトンが渡ってきた。
…
颯太、あんなに怖がってたのにちゃんと渡したんだ……w
ウケる!!
「おわっ」
俺はつまづいてしまった。
「あ」
「っぶねーな!!」
転びそうになったところをかっちゃんが掴んでくれたので助かった。
だがしかーし!!
「きゃっ!!」
彩乃がバランスを崩して転んでしまったみたいで、かっちゃんの背中にぶつかって俺たちは共倒れになってしまった。
ドサッ
「あっ…!ごめん!ごめんなさ…」
彩乃が泣きそうになりながら謝った。
「あっはは!!なんかめっちゃカオスだったねw」
俺がそう言うと、彩乃は申し訳なさそうに苦笑いした。
「か、かっちゃん…ごめんね」
「……手」
かっちゃんがそう言うと、彩乃はかっちゃんの背中に置いていた手をぱっと話した。
「…俺、水飲んでくるわ」
かっちゃんはそう言っ立ち去った。
「調子狂うな…」
智和は一人でそう呟いた。
「──じゃあ、充分練習できたと思うので対決してみたいと思いまーす」
ちょとまてちょとまておにいさーん((お兄さんじゃないけど
練習全然やってないんですけど。
和田のせいで…←
「いちについて…よーい…どん!」
一番最初に走るのは、颯太、緩莓、大翔、瑠樺、レイ、広規だ。
女子は緩莓と瑠樺か。
どっちも運動神経いいもんなー。
って、もう始まってるし!!
「頑張れー」という声があふれる。
今のところみんなすごくいい勝負だ。
そして颯太から美奈へバトンが渡った。
うわお。バトンパス完璧。
あんなに和田に邪魔されたのに。←
美奈のおかげで俺たちのチームは二位のチームと結構かけ離れている。
そして次は彩乃にバトンが渡った。
少し危うかったが、彩乃はしっかりバトンを握って走った。
『ごめん…私、足遅いから…』
そう言っていた彩乃も、一生懸命走ってくれた。
そしてかっちゃんにバトンが。
「あ…っ」
バトンが落ちてしまった。
かっちゃんはすぐにバトンを拾った。
「気にすんじゃねぇ!」
かっちゃんは走り出した。
すると、後ろから玲奈が距離を縮めてきた。
あ…やばい、追いつかれそうかも…
いや、かっちゃんなら大丈夫だ。
そしてついに俺にバトンが渡った。
俺は全速力で走って走って走った。
…やばい、祐也に追いつかれる…!!
でも、ギリセー…
ズルッ
「わう」
ズサァァァァァーーッ
そしてそのままゴール!
「っしゃあ!一位!!」
みんなに大爆笑された。
ちゃんっっっっっっっちゃん!!←
「ねえ三橋くん、今日って小テストあったっけ?」
…
「三橋くん」
「えっ」
今俺は塾にいる。
「疲れてるみたいだね。」
「え、ああ。今日転んだからかな」
「転んだ?」
「あ、いやなんでもない」
俺の前の席の植野さん。
すごく頭が良くて常に成績トップ。
綺麗な黒髪が印象的な女の子。
「みっつー」
すると、右隣の心美に話しかけれらた。
──あ。
手紙の返事してねえ。
「今日リレーで転んだんだって?結菜から聞いたよ」
あいつ榊原…!
「ところで〜、」
心美は謎の間を開けた。
「みっつーの好きな人知ってるよ」
「……ワンモア?」
「うち、みっつーの好きな人知ってる」
「それいつどこで誰から聞いた?」
「教えるわけ無いじゃん」
「言え」
「別に誰でもよくね?」
「お前うぜーなー。」
「だからなんやねん」
「はあ…もういいや」
俺は勉強に集中した。
やばみ。
こないだやった小テスト返ってきた…
65。
100点満点中で!
まじ禿げそう……
そんで今は落ち込みながら家に帰ってるってわけよ。
どないしよう…。
ヤギに食べさせよっかな…((
あーあ。家着いちゃったし。
絶対マミーにテストの結果聞かれんじゃん!!
「あ、みっちゃん」
玄関のドアを開けようとすると、聞き慣れた声が聞こえた。
振り返ると、そこには緩莓が立っていた。
「おう。緩莓。…なにしてたの?」
「買い物」
あぁ。そっか。
緩莓んちは両親が共働きで、妹たちの面倒は全部緩莓がみているんだ。
「暗いから気をつけなよ?」
「うん。ありがと」
「じゃな」
「ばいばーい」
緩莓の笑顔のおかげで、少し緊張が和らいだ。
…よし。
そう俺は決心をしてドアを開けた。
「おかえりー」
ドアを開けると、ちょうどお母さんが玄関にいた。
「た、ただいま」
「ねえ、そういえば、前引っ越して行っちゃった桐野茉莉ちゃんって、覚えてる?」
「え…」
唐突の質問に一瞬固まる。
『陽くん!』
ああ。
茉莉か。
随分と前だ。小4のときくらいに引っ越してきて、小4の終わりでまた引っ越していった。
転勤族か。
茉莉は俺に───
「帰ってくるんだって」
「…へえ」
『陽くん、あのね……』
「多分、今度は長くいると思う」
『私────』
「……そうなんだ」
『陽くんが好きなんだ。』
『転校生の子を紹介します。桐野茉莉さんです』
転校生か〜。
しかも、『まつり』っていうんだ。
変わった名前だな〜。
『転校生』という慣れない響きに、みんなはざわついていた。
そして教室に入ってきたのは、ゆるく巻いた髪をおろしている女の子。
『…かわいい』
誰かがそうぼそっと呟いた。
『…桐野茉莉です。うちは転勤族なので短い間しか一緒に過ごすことはできないと思うけど、よろしくお願いします。』
『てんきんぞく?』『てんきんぞくって何?』
という疑問が飛び交った。
そして、茉莉の席は俺の隣になった。
少し緊張している茉莉に、俺はこう言った。
『三橋陽。』
茉莉はきょとんとした顔で俺を見た。
『俺の名前。よろしく!』
茉莉は少し恥ずかしそうに笑った。
『よろしくね』
そして、茉莉が来てから約一年後──
──小4の終わり。
クラスのお別れ会をしたあと、帰り道。
俺は、蕾がなっている桜の木をぼーっと見ながら帰っていた。
すると、
『陽くん』
そこには、笑顔を浮かべた茉莉が立っていた。
だけど、その笑顔はどこか、
寂しそうだった。
『どうしたの、茉莉』
俺が名前を呼ぶと、茉莉はぎゅっとランドセルの取っ手を握りしめた。
『陽くん、あのね……』
茉莉はそう言うとうつむいた。
『私───』
茉莉は顔をあげた。
『陽くんが好きなんだ。』
茉莉の顔は赤く染まっていた。
『──え?』
人生で初めて異性に『好き』と言われた。
ゆるちゃんにも、今まで言われたことがなかった。
茉莉の顔は真っ赤で、つられて俺も赤くなった。
だけど、茉莉の顔は次は悲しい顔へと変わっていった。
『………私がいなくなったら、陽くんはどう思うかな。』
茉莉はすごく小さな声でそう言った。
『え……』
『ううん、なんでもない。』
茉莉は、少し涙目になりながら微笑んだ。
『……またね』
『…おう!』
俺がそう言うと、茉莉は小走りで走っていった。
その時の茉莉の寂しそうな背中は、今でも鮮明に覚えている。
俺はあのとき、
茉莉が目に涙をためていた理由、
『またね』と言った理由、
そんなことを知ろうともせず、ただ真っ青な青空を眺めているだけだった。
『また、会おうね───』
そう言いたかったんだな。
「…みっちゃん?」
「──え?」
「なんか考え事してた?」
「えーうん、まあ…」
授業が終わってぼーっと席に座ってたら、緩莓に話しかけられた。
「……何考えてたの?」
「うーん…進路のこととか」
──嘘。
本当は茉莉のことを考えていた。
お母さんは、『帰ってくる』って言ってたけど、いつ帰ってくるんだろうとか。
っていうか俺……
茉莉のこと考え過ぎか。
「進路かー。そうだよね。私達受験生だし」
俺の嘘を素直に受け止めてくれる緩莓。
多分、緩莓は俺のことが好きで、純粋に想ってくれている。
───だけど、俺はその緩莓をよそに、他の事を考えているなんて。
緩莓の顔を見ていると、俺の心の歪みが見えてきた。
「…ごめん…」
ぽろりと心の中で思っていた言葉がもれた。
「え?」
緩莓はきょとんとしていた。
「どうしたの?私別に謝るようなことされてないけど…なんか悩んでることあったらいつでも言ってね」
緩莓はそう言って行った。
『なんか悩んでることあったらいつでも言ってね』
言ったらきっと───
緩莓は傷つくだろう。
小5の始まり───
────茉莉はいなくなっていた。
『──え?茉莉引っ越したの?』
引っ越した……
そういえば、茉莉は“転勤族”と言っていた。
『短い間しか一緒に過ごすことはできないかもしれないけど、よろしくお願いします。』
茉莉はもう、その時から分かっていたんだ。
一年後には、ここから去ることを。
『陽くん!!』
その笑顔が。
その声が。
俺はいつの間にか、好きになっていたんだ。
おもしろいです!!!これからも頑張ってください、!!
>>87 わ、ありがとうございます!!!めちゃくちゃ嬉しいです😆😆はい!頑張りまーす!(ノ◕ヮ◕)ノ*.✧
89:タピオカパン(先輩):2019/08/01(木) 13:20 ───自分の気持ちが分からない。
自分が誰を好きなのか。
緩莓とは、自分にとってどういう存在なのか、とか……
緩莓は俺の幼馴染みで、一番長く一緒にいる異性。
素直で、心が清らかな、美しい人間。
そして俺たちは両想い。
そうだよ……
両想い……
……
『なんか悩んでることあったらいつでも言ってね』
伝えないと。
伝えたら─────
緩莓は悲しむだろう。
そんな顔見たくないけど、
隠すほうがやだ。
俺は緩莓に本当の思いを伝えることを決心した。
「みっちゃん!」
緩莓が駆け寄ってきた。
俺は、学校から帰ってから、緩莓を公園に呼び出した。
結構暗くなってきたし……
「ごめん、こんな時間に呼び出して」
と言ってもまだ5時だ。
緩莓は、いつも弟たちの世話などで忙しいが、今日は空いてるらしい。
「ううん!全然大丈夫」
緩莓はそう言って微笑んだ。
多分、俺が『その事』を伝えたら、この笑顔は消えるだろう。
違和感を抱かせないように、俺はなるべく普通に振る舞った。
「……緩莓」
「ん?」
名前を呼ぶと、緩莓は優しく聞き返してくる。
「──大事な、話があるんだけど」
そう言うと、緩莓の顔は真剣になった。
つられて俺の顔もこわばる。
「緩莓さ、『桐野茉莉』って、覚えてる?」
「…あっ、小4のとき転校してきた子だよね」
俺はうなずいた。
「…その子が、どうかしたの?」
「……好きだったんだよ」
「────え?」
「俺、茉莉の事好きだったんだよ」
「え、えっと…つまり、今は違うってことでしょ…」
俺が首を横に振ると、緩莓は手を握りしめた。
「……私は……?私のことは、嫌いになっちゃったの……?」
緩莓が涙目になりながら言った。
その顔を見て、胸がきゅっと締め付けられた。
──違う。
───そんなわけない。
────俺が言いたいのは………
「俺は緩莓が好きだよ。誰よりも好きだ。緩莓が笑ってくれると自分も笑顔になるし、緩莓が近くにいるだけですんごい幸せになるんだ。緩莓みたいな人……嫌いになれるわけ、ないじゃん………」
俺はぐっと涙をこらえた。
緩莓も、我慢してるんだから………
「茉莉ちゃんの事は………?」
「茉莉の事、たまに思い出すんだ。あいつ、何してるかなって……今は、好きとかじゃなくて……」
緩莓は俺の話を黙って聞いてくれた。
「俺、あいつに不思議な別れ方されて……それが、忘れられなくて……」
「みっちゃん」
緩莓が優しく、そう言った。
「私、全然怒ってないから。むしろ怒るわけないじゃない。私はみっちゃんが悩みを打ち明けてくれたことがすっごく嬉しい。みっちゃんは素直だから、そのことがずっと心にひっかかってたんだね…」
緩莓が俺に抱きついてきた。
「ゆるm「お…お前ら……!!」
え?
聞き覚えのある声がして、振り向くと、俺の親友、和田が立っていた。
「お…お前ら……!!」
「付き合ってたのかよおおおおおーーーーーーー!!!!」
和田は「あああああ」と叫びながら走り去っていった。
「「え゛」」
……大事な話ししてたんだけど………
和田ぶっころ☆((
『おい、お前ら付き合ってたん!?さっきハグしてたよな!?ラブラブじゃん!!!』
家に変えると、和田からそうLINEが来ていた。
和田ってさ〜…
うん。
うぜえわ☆
スタンプ連打してやろ。
怒っている顔のスタンプを連打する。
疲れたーと思ってスマホを置くと、
ピコン♪←
と着信音がなった。
『おい南島〜、明日ってさー、』
───は?
「お前親友の名字間違えるなんてサイテーなやつだな」
と送る。
『は?だってお前らもう結婚してんだろ?南島〜』
こいつ馬鹿かよ。
いやもう馬鹿だよ。
馬鹿の頂点に立ってる男だよ。
ってゆーか俺が婿入りするんかよ。
「お前はじめてのおつかい行ってこいよw」
『お巡りさんこいつでーす』
結果。
和田はうぜえ!!!!
以上、三橋と和田のLINEたいむでしたー。
NEXT!!
🍚ごはんTime🍚
「その茉莉ちゃん、来週くらいに帰ってくるらしいわよ」
「へー」
「その子って可愛かったの?」
俺は飲んでいたお茶を吹き出しそうになった。
「うわ兄ちゃん汚っ!」
「ふきだしてねーよ」
っていうか年頃の男子に普通そんなこと聞く!?
素直に答えるとでも思ってんのかな?←
「あー、その反応は陽、茉莉ちゃんの事好きなんでしょ」
お母さんやめて……←
「お母さん、兄ちゃんが困ってる」
明、ナイス!!
「…から、もっと聞いて!!」
明は満面の笑みでそう言った。
腹黒!
いや前から知ってたけど!
俺より明の方が賢いけど!
「大人しい子なんでしょ?」
「…んー…まあ」
『陽くん…私ね、どうしたらいいか分かんなくなっちゃって』
『何が?』
『私……いじめられてるみたいなんだけど』
その時の茉莉は、むりやり笑みを浮かべているようにしか見えなかった。
『気が弱いからかな…』
そんな茉莉を放っておけなくて、俺はできるだけ茉莉のそばにいてあげるようにした。
「ごちそーさまでした!!」
そんな明の声が聞こえて、ハッと我に返った。
「同じクラスになれるといいね」
お母さんはそう言って笑った。
……何勘違いしてんだろう……←
まあ、茉莉のこと好きか嫌いかって言われたら……
嫌いじゃないけど………
好き寄りの普通…かなあ…
「兄ちゃん汚っ」
「え?」
「ぶははは」
明もむかつく☆
まあ、和田よりはマシだけど…うん。
「和田!!」
教室に入ると、俺は真っ先に和田のもとへ走った。
「よお南島。」ニッコー
「お前いい加減やめい?」ニッコー
「…おはよう」
すると、緩莓が少し不機嫌な顔で現れた。←
「おはよ…ってどうしたの!?なんか目の下クマできてない!?」
俺がそう言うと、緩莓は和田をキッと睨んだ。
「和田さあ、なんで夜中の12時にLINE送ってくるの!?そのおかげで全然眠れなかったんだけど!」
和田ぁ〜??
「なんだよ三橋、新婚祝い送ったげたのに」
和田は緩莓に向かってそう言った。
え何?
緩莓のことは俺の苗字で呼んでんの?
「最初和田から『おい三橋ー』ってきたときは送り先間違えたんだな〜って思ってたけどずっと『三橋緩莓』とか言ってきたからもうボケたのかと思ってびっくりしたじゃん!」
緩莓はそう言って和田の机を叩いた。
ボケたのかと思ってびっくりしたんだww
「まあまあお二人さん、落ち着いて」
いや俺は割と落ち着いてるけど。((
「新婚旅行は学校の屋上でい((ぱちん☆
↑上の音が何の音かはご想像にお任せします☆
「ってーな!!三橋!!」
和田は真顔で言ってたからどっちの三橋か分かんないんだけど←
あ、どっちがぱちんしたのかはご想像にお任せだよ☆
「はーい今日は男女でペアを組んでリコーダーのテストの練習をしたいと思いまーす」
男女でペア…!?
一時間目の授業は音楽。
「じゃあくじ引きで決めましょう!」
先生がくじ引きを出した。
『7…』
黒板を見ると、7番は8番の人とやるようになっていた。
はっちばーんだれですかー
と思いながら俺は黒板に名前を書きに行った。
「あ」
8番のところに名前を書いていたのは、
「みっつー、よろしくね」
彩乃だった。
え、かっちゃんにころされそU((
「おー、よろしく」
彩乃って俺よりちょっと背ちっちゃいんだー。
緩莓は…と思いながら緩莓の方を見ると、
緩莓はしえるくんとハイタッチしていた。
な゛
な゛んでよりにもよってぇぇ!!
だってしえるくん絶対緩莓に脈あるよ!!
えんだーーーーいあーーーー((
「みっつーってゆるちゃんのこt「行こう!練習しよう!かんっぺきにしよう!」
「え?う、うんそうだね」
「練習はどこでもオッケーでーすあっでも外には出ないようにしてくださいね」
はーい。
「屋上はいいんですか?」
「屋上はオッケーです」
絶対屋上混むだろうなあ…←
「とりあえず俺たちはここでやるか」
「だね」
みんなが教室を出ていった。
教室に残ったのは、俺と彩乃のペアと、かっちゃんと結菜のペアだった。
「どうやったらそんな変な音出るの!?」
「うっせー!!俺は真面目にやってんだよ」
「それが真面目なの?w」
「あ゛?」
あのペアすげーな…←
どっちも気強いし…
隣の彩乃は、そんな二人の様子を見つめていた。
…だよね、そうなるよね〜…。
自分の好きな人?があんなふうに他の人と話してたら気になっちゃうよ。
わかるわかる。
「……じゃ、やるか!」
「あ、うん!」
♪♬♫
「彩乃ってリコーダー上手いね」
「そう?みっつーも上手いよ」
彩乃はそう言って笑った。
すると、
「せんせえええええーーーーーーっ!!」
バンッ!!
その大きな声と共に音楽室の扉が思い切り開いた。
「和田?どしたん」
「おお、三橋!助けてくれよおおお!」
和田は泣きそうな顔で叫んだ。
どうしたどうした?
「屋上で練習してたらさ、リコーダー落としちまってよおおお」
馬鹿じゃん。←
「で?ペアの人は?」
「瑠樺は無言で俺のこと見てくるしなんか」
瑠樺…w
「なに和田リコーダー落としたの?w」
話を聞いた結菜が笑いながら言った。
「笑うな」
「壊れてはないんだろ。早く取りに行ったほうがいいんじゃねぇの」
かっちゃんが言った。
「そ、そうだな。行ってくるわ」
和田は音楽室を出ていった。
「和田来なかった?」
和田が出ていってちょっとしてから、瑠樺が来た。
「さっき来てリコーダー取りに出ていったよ」
「入れ違いか…」
「もしかして瑠樺取りに行ったの!?」
結菜が驚きながら聞いた。
「うんまあ」
カッコよ。←
「和田…w」
「どーしよ…」
瑠樺が和田のリコーダーを見ながら言った。
「もうすぐ帰ってくるんじゃn「なかったんだけど!!」
ちょうど和田が帰ってきた。
「あ、和田これ」
瑠樺がリコーダーを渡した。
「え……?いつ取りに行ったん!?早くね!?」
「お前がギャーギャーわめいてるときな」
「だまれ?」ニッコー
「いやだ☆」ニッコー
「とりま早く練習しよ」ビュゴォォ
「は、はい」
瑠樺可哀想…和田のせいでだいぶ練習時間削られたじゃん。
まあ俺らもだけど。
「瑠樺そこらへんの男子よりカッコいい…」
彩乃が目をキラキラさせながら呟いた。
そ、そこらへんの…
彩乃ってたまにグサッとくること言うんだよね〜w
「ゆる、なんかあった?」
今日は俺と和田と結菜と緩莓の四人でお弁当を食べている。(なぜか)
「エッ」
結菜の突然の問いかけに、緩莓は箸を止めた。
「んーと…ま、まあ、気にしないで!」
「新婚旅行どこに行くk「黙りなはれや☆」
和田とギャーギャーやっていると、結菜ががたんと立ち上がった。
「「うおっ」」
「まじで!?」
結菜が緩莓に向かって目を見開きながら聞いた。
なになに
「おい、教えろよ〜」
和田がいう。
「そうだよー。せっかく四人で食べてるんだから話題は共有しよう」
「そ れ な ☆」
「和田ウザイ」
「がーん」
効果音口で言うなやw
「え、えっと和田のリコーダーの件だよ!」
緩莓が慌てたように言った。
なんか隠してんなー
「俺のリコーダーがどしたと?」
「しーらんぺっぺ」
和田と顔を見合わせる。
「…なんか隠してんの?」
「わ、和田が!ゴリラって話!!」
結菜が言った。
「それでなんで『まじで』ってなるんだよw」
「おい和田ゴリラ、動物園から脱走してきちゃだめだぞ、帰れ」
「お前まで洗脳させられやがったな」
「は?」
「は?」
「おい和田〜、冗談は顔だけにしとけよ〜w」
「ちょっと何言ってるか分かんない」
「あの二人何話してんだろーね〜…」
「ね〜…」
和田と三橋が笑い合っているのを冷めた目で見ている、緩莓と結菜であった。
✲*緩莓side*✲
──音楽の時間。
『10』
『南島さん、何番だった?』
しえるくんが訊ねてきた。
『10番だったよ』
『僕11番。…あれ?』
『私たちペアじゃん』
私たちはいえーいとハイタッチをした。
そう言って笑うと、しえるくんは小さな声で『よっしゃ』と言った。
『そんな嬉しかった?』
冗談半分で笑いながら聞いた。
すると、しえるくんは赤い顔でうなずいた。
……な、なんだろ…
何かこっちも赤くなってきちゃうんだけど……
『屋上でもオッケーです』
先生のそんな声が聞こえ、みんながドドドと教室を出ていった。
屋上人気だな〜。
『じゃあ、私たちはどこでやろっか』
『屋上…』
『にしよっか』
『うん』
私たちは屋上へ向かった。
✤
『うおああああああ!!!』
びくっ
和田の叫び声が聞こえ、びっくりして振り返る。
『リ…リコーダー落としちゃった』
落とした!?
どうやって??
『うわあああんどーしよううう』
『どんまいじゃん』
『さ、練習練習♫』
『…』
少し涙目の和田に対してのみんなの反応は塩だった。
だって和田ってめんどくさいもん。うん。
私とみっちゃんに新婚とか言ってくるし…
『南島さん…』
『あっ、練習しよっか』
そう言って私はリコーダーを握り直した。
すると、しえるくんはそれを制した。
『?どしたの』
『あの…』
しえるくんは一瞬だけ空を見上げてから紅く染まった顔を少しそらした。
『…月が、綺麗ですね』
時間が、止まったような気がした。
すみません、これから更新遅くなりますごめんなさい🙏
99:タピオカパン(先輩):2019/08/09(金) 08:32
『────さ、練習再開しよっか』
しえるくんはにこっと笑ってリコーダーを握った。
『え……と』
私は顔が赤くなるのを自覚した。
こ、こんなロマンチックな告白されたのはじめて…
すると、しえるくんに頭をぽんぽんと撫でられた。
『っ…!?』
『南島さんはかわいいね』
『え』
しえるくんってさ…
私より背小さいのに私より大人っぽいんだけど…
『付き合おう』
………!?
しえるくん!!
早まるな!!
『えっと…あのね』
私はやっぱりあの人のことが誰よりも好きだ。
『好きな人、いるの』
『……そう』
しえるくんの顔から笑顔が消えた。
『…三橋くん?もしかして』
『え…』
『ふーん…そうなんだ。』
しえるくんは少しニヤリとした。
な、なに…??
しえるくんが私の頬に右手を添えてきた。
ちょ
ちょっと待って
これって───
『南島さん、したことないでしょ』
キスのこと?
抵抗しようとする前に、顔を近づけられた。
『南島さんのハジメテ、もらっちゃおっかな』
や
やめてーーーーーーっ!!
キーンコーンカーンコーン。
力がヘナヘナと抜けた。
しえるくんって…
しえるくんって…
肉食だったんだ……。
それでその事を結菜に話した。
『まじで!?』
結菜はそう言って驚いた。
そりゃそうだよね。
告白されてキスされそうになったなんて……
さっきの出来事が脳内でリプレイされる。
『南島さんのハジメテ、もらっちゃおっかな』
…
うん…←
「緩莓顔赤くない?どしたの」
みっちゃんがキョトンとした顔で訊ねて来た。
「ほら、あれだよ、お前と結婚して嬉しさがこみ上げてk「黙れ和田ゴリラ」
「…嬉しさが「和田ゴリラ☆」
「…う「ゴリラ☆」
「うぜえ」
「え、えっと二人とも落ち着いて」
なだめると、
「なあ、あれ…」
和田が窓の外を指差した。
「えっ?」
「もーらい☆」ヒョイ
「……え?」
お弁当箱に入っていたはずのスイートポテトが入ってない…………………???
スイートポテトが…入って…な、い…
私の……大好きな………
スイートポテトちゃん……が…
「あー…えっと南島…ゆるしてちょ♡」
「……土下座しよっk「はい緩莓ちゃーんストップストップー?はい落ち着いてー」
結菜が慌てて私をとめた。
ちょっと和田うざいかも。
うんウザイ。
うざいランキング一位だよ。
ダ ン ト ツ で!!