私が愛してやまないトビオをにょたさせて、みんなに愛してもらいます!!誤字脱字、さーせん!でも、一生懸命やるって自分決めたっス!うっす!!
影山飛緒
烏野高校男子バレー部のマネージャー
黒髪サラサラストレートショート
身長は172センチあたりで、バストはAよりのB
女バレでがんばってたけど、あの事件がね
中身はほぼ原作トビオ
国見と金田一とは仲がいいが、及川さんにはバレー以外でマジで興味ない
「コート上の女王様」
みたいな感じです!追加設定とかあったら、いろいろ書き足します!!“亀!更!新!”です!!ちなみに、名前が似ているにょた司さんもやってます。よろしく、ツッキー!(ツッキーごめんよ。ついノリで)
レシーブもトスもスパイクも、ぜんぶ俺一人がやればいい。
俺なら拾える
俺なら上げられる
俺なら打てる
もっと速く動け!もっと高く飛べ!!
もっと、もっと!!
そして
トスを上げた先
そこに誰も
いなかった
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「国見!!勉強教えてくれっ!」
「…なんで?勉強する必要なくない?推薦じゃないの?」
「…ごめん、それに関してはまだ言えねぇ」
申し訳なさそうに俯く影山に、国見は何も言えなくなった。
頭の悪さが口では言い表せないほどの彼女が、いきなり勉強を教えて欲しいと頼んできたのだ。きっと何かあるに違いない。
(それを言ってもらうのを待つのが、“友達”なんだろ…)
しばらく待っておこうと考えて、あまり考えないようにしていた。
のに、彼女はいつも斜め上のことをする。
「俺さ、推薦受けねぇんだ。烏野っつー高校に行く」
「…なるほどね。だから最近真剣に勉強してたんだ。」
「ああ。…言うの遅くなって悪かった。」
勉強を見てあげて2週間ほど経っただろうか。帰り道、影山が国見と金田一に打ち明けた。
「別に謝ることじゃないだろ。それに烏野行ってもバレー続けるんだろ?」
「…それなんだけどさ。俺、もうプレーしないって決めたんだ。」
「……は?」
「何だよそれ。なんで…」
そして彼女の打ち明けた内容もまた、斜め上を行く。
「…悪い。けど、もう決めたんだ。」
「もう、その意見曲げるつもりないの?」
「ああ」
「…そう。なら今更なに言っても無駄だな。」
「おい国見、なんでそんなアッサリして…!」
「影山が自分で決めたことだし、俺たちが口出しできることじゃない。…それに女子と男子じゃ立つコートが違う訳だし。」
「っ…。そりゃ、そうだけど…!」
「バレーで手助けはできなかったけど、他の部分でカバーすりゃ良いじゃん。」
「手助け…?」
「ちょ、おい国見!?」
「最近勉強頑張ってるけど、それでも一人じゃ限界あるじゃん。俺と金田一で良かったら勉強教えるよ。」
ニコリと小さく微笑みかけると、彼女は嬉しそうに、彼は呆れたように笑った。
その日から国見と金田一で、空いた時間に影山に勉強を教える日が増えた。
そして、努力の甲斐あって見事に影山は烏野高校に合格した。
俺は国見と金田一の協力のおかげで、無事に烏野高校へ入学できた。
でも烏野に入学してから、どこの部にも所属しないと決めていたため、HRが終了するといつも速攻で帰宅。
友達は欲しいがどう接したら良いのか分からず、学校ではつねに一人。それに、自分にも非があるとはいえ、あの試合が原因で女子と接するのが少し怖い。
そんなある日、校内探検と名付けて歩き回っていたら、第二体育館からボールの音が聞こえてきた。
興味をそそられ中を覗けば、一人で練習をしているやつがいた。
(あいつ…俺より背が低いくせに…すげぇ飛ぶじゃねぇか…!!)
ジャンプ力には感動したが、プレー自体は荒削りで、下手くそなことが見ていて丸分かりだった。
(バネも体力もやる気もあるのに何て宝の持ち腐れだ!俺の感動返せ!!)
いやでも、腹立つけどそれは勝手に腹を立てているだけであってたぶんアイツは悪くな…いや、やっぱアイツが悪ぃな。
そんな感じで腹を立てていた自分のところに、ボールが転がってきた。
それを追いかけてきたさっきの飛ぶやつと、拾い上げた俺の目が合った。
これが、日向翔陽との初めての出会いだった。
「あぁぁ!!ごめん!!」
キレイなオレンジ色の髪の毛が、眩しかった。でも、それ以上に
アイツの汗が眩しかった。
(でも、高い運動能力、反射、自分の身体を操るセンス…きっと他にも持ってんだろ…それらを持っていながら)
「お前は中学の3年間、何やってたんだ!?」
そう言うと、アイツはものすごくショックを受けたような顔をした。
いや、ショックを受けたのだろう。
渡したボールが、アイツの手から落ちた。
俺はそのまま体育館を後にした。
体育館を出た直後、第二体育館へ他の男子バレー部員が現れた。どうやら俺を知ってるようだ
『なんで影山がここに!?』
「女子バレーはこの体育館じゃないんだ」
俺は否定しようと口を開く。だがそれよりも早く口を挟んだのが、メガネ男だった
男子だけでなく、女子の大会決勝戦も見ていたそいつに、過去の俺のプレーを暴露される
何か言われても、何も反論できなかった
「俺は…俺は二度とプレーはしねぇ…!」
必死に声を出しても、それしか言えなかった
沈黙が訪れ、その場にいることが辛くなりそこを逃げ出した。
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次の日学校へ行けば、昇降口に昨日の下手なやつがいた。素通りしようとすると、そいつに腕を掴まれた
「俺、日向翔陽!俺にバレーの技術教えてくれ!」
(まさかのお願いされるとは…!…つーか普通、昨日ショックを与えられた相手に頼むか?)
突然の出来事に固まっていれば続けざまに
「お前、バレー上手いんだろ!だから頼む!」
と再度懇願される
ひとまず昼休みに話を聞くからと一度解散し、それぞれの教室へ
昼休みになると約束通り日向がクラスまで訪れ、一緒に体育館へ向かい話を聞く
「なんで俺にバレー指導しろって言うんだ」
「え、だってお前バレーしてたんだろ?」
「お前じゃなくて、影山飛緒だ
…確かにしてたけど、別に俺じゃなくても問題ないだろ。男バレの先輩とかに聞けよ」
「いや、先輩達にもお願いしたいんだけどさ、その…」
「……」
「今度1年vs先輩でミニゲームすることになってさ。俺、中学時代まともに練習できてなかったから下手くそで…」
「確かに下手くそだったな」
「うっ…それで、一緒にチーム組むのが昨日いた月島と山口で…あ、月島ってのはメガネで、山口はその隣にいた奴な」
(あのメガネ、月島ってのか…)
「で、あいつらに比べて俺って明らかに下手だし、練習してても足引っ張っちまってさ…その度に月島に溜息吐かれながら嫌味言われるの悔しくて…
それで話聞いたら影山、バレースッゲー上手いんだろ!?俺、もっとちゃんと練習して上手くなりたいんだ!だから頼む!」
「…俺は二度とプレーしないって決めた。バレーに関わるのはもう嫌なんだ。」
すると、俯いて顔を隠した俺の肩を掴み、正面からその顔を見据える日向。
その真剣な表情に息を呑む。
「嫌だって言うなら、ちゃんとコッチ見て言えよ!バレーが嫌いだって、したくないって、はっきり言えよ!!」
「はっ…!?お前なに言って…!!」
「言えるのか、言えないのか、どっちだよ影山!!」
「お、俺は…バレーは、き、きら…ッ嫌いになんか、なれる訳ないだろ!?
できる事ならまたプレーしたい、コートに立ちたい…!っけど、同時にコートに戻るのが怖いんだよ…」
「影山…」
「…トスを上げた先に誰もいないのは怖い。俺はいらないんだって、あの試合ではっきりと言われた。そんな経験をもう、したくないんだよっ…!」
心情を吐き出したことで塞き止めていたものが溢れ出し、ボロボロと涙が流れる。
俺の思いをしっかり聞いていた日向は、肩を掴む手に力を込める
「…なあ影山。やっぱり俺にバレー教えてよ」
「っはあ!?おま、今の俺の話聞いて…!」
「だって影山は今でもバレーが好きなんだろ!?好きなのになんで我慢してんだよ!」
「だからっ、」
「誰かがお前にプレーするなって言ったのか!?コートに立つなって言ったのか!?言われてないじゃん!全部、お前が勝手に線引きして目ぇ逸らしてきただけじゃんか!!」
「ッッ!!」
「好きなら諦めるなよ!手放すなよ!!もう一度頑張ってみろよ!!!」
「……っ、」
「それでもコートに立つのが怖いなら、俺が代わりに影山を高い所に連れて行ってやる!レギュラーになってコートに入って、いっぱい試合に勝って!そんで!」
「…ひな…っ、」
「一緒に頂(てっぺん)に立つんだ!」
力強く、俺の目を見つめて宣言する日向。もう言葉も出てこず、涙を流す俺に慌ててティッシュが差し出される
「だからバレー、教えてくれ…」
…先ほどまでの勢いはなんだったのか。という程、再度弱々しく教えを請うてくる日向
その態度の変わりように涙は引っ込み、思わず吹き出した。
「手加減は一切しないから、覚悟しろよ」
一連の出来事からミニゲーム当日まで、宣言通り手加減なしで日向に練習を付け始めることになった。
バレーの説明に擬音ばかり付くため日向の頭の上に?が付くのは常で、加えて口が悪い俺にボロクソに言われるのですぐ口喧嘩に発展する。
「もっと速く動けよ!当たってねぇぞ!!」
「かすったね!今のは絶対かすった!!」
「当たったとかすったは違ぇんだよボゲェ!」
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そしてミニゲーム当日。どうしてもと言う日向の誘いを断れず、自分も結果が気になった為、体育館に足を運んだ。こっそりと盗み見る予定が日向にすぐ見付かってしまい、結局体育館内で試合を観戦。
最初の頃に比べて上達はしていたものの、やはり先輩の力には及ばず1年チームが敗北。
「まぁ勝敗はいいとして…日向、この数日の間で上達したな」
「たしかに。どうやって練習したんだよ」
これで俺に用はねぇだろ、と思い体育館を出ようとすると
「かっ、影山に特訓してもらいました!!」
という大声が聞こえた。どうやら問い詰められま日向が、特訓のことを暴露したようだ。
「おい日向ボゲェ!何暴露してんだぁ!!」
「ぎゃーー!!!影山っ!!」
慌てて中へ戻り、日向を追いかけまわす。先輩たちは、深刻そうな顔をしていた
(日向のせいでバレーやめるとか言ってたやつが何してんだよって思われたに違いない!)
「くっそ、待てや日向ボゲェェ!!!」
「ぎゃーー!!!」
すると、主将だと思われる人に肩を掴まれた。
「影山。男バレのマネージャーになってくれないか。」
「え、」
突然のことに驚いていると、次はセッターをしていた人に声をかけられる。
「俺たちの力になって欲しい」
今度は先輩たちに頭を下げられた。先輩の言うことは断れない。
「わ、分かりました…」
そして、正式に男バレマネージャーとして入部が決定した。
「影山!お前ホントにマネージャーやるのか!?」
「先輩にまで頭下げられたら断れねーよ。」
「そっか!」
「…まあ、それに…」
「へ?」
「…日向の傍にいねーと、一緒に頂(てっぺん)に立てないだろ?」
「っ!!おうっ!!!!」
「あ、の…1年3組の影山です!よろしくお願いします!!」
バレー部にマネージャーとして入部することになった。元からいる、3年生のマネージャーさんに挨拶をする。
「うん。3年の清水潔子です。よろしくね?」
(な、なんだこの人スゲー美人…!!)
「はっ、はい!!」
先輩はそれはもう、隣にいたら自分なんか見えないんじゃないかというぐらい美人だった。
「……影山」
「え、はい?」
「名前は?」
「え、」
「下の名前は?」
「えと…飛緒、ッス…」
「飛緒?」
「ッス。…男みたいな名前でしょう?」
潔子、なんて女の人らしい名前に比べて俺は飛緒。男みたいな名前に苦笑してしまう
「ううん、そんな事ない。可愛い。」
「へっ、」
「可愛い、飛緒ちゃん。」
「かっ、かわ…っ!?」
潔子さんに微笑まれて、俺の顔は真っ赤になっえいるだろう。
「き、潔子さんは俺が守ります!!」
「え、守る?」
「ッス!!」
(きっとこの人を狙う変なやつらは多いからな!そんなやつらからこの人を守らねぇと!)
静かに燃える俺だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「なんか、さぁ…」
「あぁ…」
「ウチのマネージャーは可愛いなぁ…」
「…影山は髪短いよな。伸ばさねぇの?」
「ちょっと日向、女王様のことだよ。邪魔だから伸ばさないとか分かりやすいこと言うって」
プスプスと笑う月島を睨む。…たしかにそうだけども、なんか悔しい
「別に伸ばしても似合わねぇし…」
「に、」
「それに、こいつの言った通り邪魔だ」
「……」
すると普段は腹立つほどうるさい日向が黙り込んだ。不気味に思った俺と伊月は、日向に声をかける。
「どうしたんだ日向?」
「日向?」
「………に、」
「「に?」」
「似合うよ!!絶対長いのも似合う!!だから伸ばせよ!」
やっと声を出した日向の言葉に、俺と伊月は呆れた。
「はあ?話聞けよお前。似合わねぇって自分で知ってんだよ。あと髪が邪魔なのは腹が立って仕方ない」
「だっ、でも!自分で似合わないとか思ってるだけじゃん!それと邪魔なら結べば良いよ!」
「…まあ、そうかもしれないけど…。つーか、なんでお前がそんな必死になってんだよ。」
こいつ、髪が長い女が好みなのか?
いや、こいつは女よりバレーの方が好きだからな。んなもんねぇか
「せっかくキレイな髪してるから長いのも見てみたいんだよ!!…あ、いや、だからって今のも似合わないって言う訳じゃないけど!でも長いのも見てみたい!だから俺としては伸ばして欲しいというか、なんていうか…。」
だんだん声が小さくなっていく日向に、伊月が吹き出す。
「……」
「そうだ!影山マネージャーになったんだから、俺たちが勝てるように願掛けで伸ばしたら良いじゃん!!」
「「はあ?」」
こいつは突拍子も無いことを言いやがるな…でも、邪魔なもんは邪魔なんだよなぁ
「…気が向いたらな」
「ッホントか!?」
「気が向いたらだからな!絶対じゃないぞ!」
≫7
月島が伊月になってました!!さーせん!
みんなの練習を見て思う。
やっぱりもう一度、コートに立ちたい。
「飛緒ちゃん、どうかした?」
「あっ、いや、なんでもないです!」
プレーすることから一度逃げたくせに、俺は何を言ってんだ。俺はコートからじゃなく、コートの外からみんなを支えるって決めただろ!
「日向ァ!」
菅原さんのトスをもらって、日向があのバネを使ってスパイクする。
スカッ
「あ」
だけど、空振りが多かった。
(俺のトスじゃ、どうなるんだろう…)
その好奇心がわかくのに、そう時間はかからなかった。
手が暴れそうになる。
あいつにトスを上げたい。
なんて考えていると、顧問の武田先生が体育館に汗だくで走り込んできた。
「組めたよっ!練習試合!!相手は県のベスト4!“青葉城西高校”!!」
青葉城西って確か、国見と金田一のところだよな?
あと
あの人がいるところだ
「ただ…条件があってね…」
先生が少し申し訳なさそうに頭をかく。条件ってなんだ?
「“影山くんを、セッターとしてフルで出すこと”」
「な!」
俺をセッターとして…?
「なんスかそれ、烏野自体に興味はないけど影山だけはとりあえず、警戒しときたいってことですか。なんスか、ナメてんスか。ペロペロっスか」
「い…いや、そういう嫌な感じじゃなくてね、えーと」
怖い顔をした田中さんが、武田先生に詰め寄る。確か、烏野(ウチ)の正セッターは…
「い…いいじゃないか。こんなチャンス、そうないだろ」
「いいんスかスガさん!烏野の正セッター、スガさんじゃないスか!」
副主将の、菅原さんだ。
「…俺は…」
マネージャーがでしゃばってセッターなんかしてみろ。菅原さんにはもちろん、他のみんなが築き上げた信頼が崩れるだろう。
俺のトスでは。(女王様のトスでは)
「俺は、影山のトスが4強相手にどのくらい通用するのか、見てみたい。」
「……先生、詳細お願いします」
先生から詳細を聞いてから、俺たちは解散になった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
体育館を出て菅原さんを追いかける。
「菅原さん!」
「!」
「今回は俺、マネージャーなのにスタメンだけど次はちゃんと、みんなを影から支えます!」
「えっ!?」
「えっ??」
菅原さんに驚かれて、むしろ逆に驚いてしまう
「あ、いや、影山は俺なんか眼中にないと思ってたから意外で…
女子なのに男子の練習に付いて来れるし、日向との連携も俺よりバッチリだし…」
「“経験”の差はそう簡単に埋まるもんじゃないです…」
確かに俺は、菅原さんよりも良いトスを上げられるかもしれない。でも、そのトスを上げるための“経験”が俺と菅原さんでは、比べものにはならないだろう。
「それと…」
「スガさーん!」
「スガ〜〜!!」
「菅原さーん!」
「ほ…他のメンバーからの…し…し…信頼、とか……」
俺にはないものを、菅原さんは持っているから。
だから俺は、あなたとちゃんとレギュラー争いをしたかった。
「俺、負けません!」
「…うん。俺も負けない。」
強く笑う菅原さんは、すごくカッコ良くて見惚れてしまった。
「でもさ影山。青葉城西って、北川第一の選手の大部分が進む高校だよな」
(影山の…友達が居る高校…!)
菅原さんと影山が何か話していたので、走って二人の元へ行く。
「ああ、まあそうっスね」
「いや、その〜かなりやり辛くないかなと思ってさ…友達もいると思うし…」
しかも今回、特別条件として女子でマネージャーである影山がフルで試合に出る。だけど影山は、けろっとしながら答えた。
「…同じチームだったら、考えるかもしれないけど…」
「……」
「戦うなら、ただ全力でやるだけです。」
「…そうか。そうだな。」
「オス。それに、友達だからって手ぇ抜いたらあいつらにシバかれるんで」
かっ、影山を…シバく…?そんなことができるやつがこの世に存在するのか…!?
「でも、良いんすかスガさん!俺は…俺は納得いかないっつうか!」
「…そりゃあ悔しいけど…でも…」
すると菅原さんは、影山の肩に手をバシッとおいた。
「影山が中学ん時と同じだと思ったら大間違いだって、見してやりたいじゃん!」
影山は人と関わることが苦手だ。俺との特訓も、最初はほんっとに大変だった。
「……そうだな」
なんて思い返していると、後ろから声がした。大地さんだった。お腹が限界だった俺は、大地さんが持っている肉まんに飛び付いた。
「怖いのは影山“単品”だけじゃないってとこ、見してやろう。なあ、日向!」
大地さんに声をかけられた時には、もう俺は肉まんを口の中に迎え入れていた。
「あっ、オふっ!」
「お前、何先に食ってんだよ!」
「フザけんな!!」
急いで返事をすると、田中さんと影山に胸ぐらを掴まれて、責められる。
「おいお前らバレー部だな!?店の前で騒ぐな!!」
「「……サーセェ〜ン」」
店の人に叱られて、二人の手がパッと離れた。でも、そんなことより俺はさっきの店の人の言葉が頭をリピートする。
…そうかバレー部か…
ここに居るみんな…
バレー部なんだ
同じ
同じ チームなんだ
(今俺がここにいられるのは、“小さな巨人”と…)
俺の目に、菅原さんから肉まんを受け取っている影山が映った。
(影山のおかげなんだな…)
影山がいなかったら、俺はこんなに笑顔でみんなといられなかった。
影山のトスがなかったら、気持ちいいスパイクは打てない。
「……?」
影山のことを考えたら、なんだか胸がポカポカして来た。
影山の手が、他の誰かと触れ合うだけで胸がギュッとなる。
(なんだろ…これ…)
とにかく今は、笑っていたいと思った。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「明日は4時からだ!」
「いや、3時だ」
「じゃあ学校に泊まろう!!」
「そうするか。田中さんもどうですか?」
「何言ってんの!?」
あの、入ってもいいですか?
ハイキュー大好きです!!
特に、セッターズと無気力組が大好きです!!
全然おっけーです!!!
むしろ嬉しいです!感激です!!
私はかきくトリオとセッターズと変人コンビが好きです!あと、影山推しです!!
青葉城西…
(あの人たちも元気だろうか。いや、元気に決まってる。
じゃあ、あの人は?)
「影山ー?」
「…っ、」
キュッと自分の胸の下あたりを握る。
ここには、消したくても消せない傷痕があった。決して消せない、醜い痕
「影山、どうした?怖い顔だぞ!」
「っ、!ひ、日向ボゲェ!!」
「ああああああ!!!」
心配して自分の顔を覗き込む日向を投げ飛ばした。その様子はいつものことだったので、特に誰も気にしなかった。
(…影山?)
菅原以外。
「影山、それ食ったらちょっといい?」
「?オス」
しかし影山は澤村に呼ばれたため、何も聞くことができなかった。
(明らかに何かに怯えてる顔だった…影山が緊張か…?)
結局、友達との再会でしかも試合だから緊張している、という考えに落ち着いた。しかし、菅原はなぜかスッキリしていない。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翌日、試合のポジションが澤村から伝えられた
WS 田中龍之介 MB 日向翔陽 WS 澤村大地
S 影山飛緒 MB 月島蛍 WS 縁下力
「潔子さん、すんません…俺、最近全然マネ業できてなくて…」
「大丈夫。飛緒ちゃん、練習がんばってるから。私も応援してる」
「っ、潔子さん…!」
というマネージャー二人のやり取りをそばに、澤村は説明をし始めた。
「影山と日向はセットで使いたい…月島は烏野(うち)では数少ない長身選手だ。青城相手にどのくらい戦えるか見たい」
すると、みんなが疑問に思っていたであろうことを代表して田中が澤村に問いかけた。
「ていうか、デカさが重要なポジションに日向スか!?」
「MBって…ノッポヤロー月島と同じポジション!?」
後に続いて、日向も自分のポジションに驚きの声を上げる。
「良いか、日向」
影山が日向に近づき、ビシーッと効果音が聞こえてきそうな勢いで日向を指差した。
「お前は、最強の“囮”だ!!!」
「おおお!?」
日向はその言葉に、少し興奮状態となる。しかし、すぐにその興奮はおさまった。
「なんかパッとしねぇ…」
「速攻でガンガン点を稼いで、敵ブロックの注意をお前に向けさせる!そうすれば他のスパイカーが活きてくる!」
「!」
「月島みたいなデカイ奴が、何人もお前の動きにアホみたいに引っかかったら、気持ちイイだろ!」
普段あまり笑わない影山が、不敵に笑った。
「うおおおっ!!ソレいい!」
「オイ!アホってツッキーのことじゃないだろうな!」
「黙れよ山口…」
「ゴメンツッキー!」
「…逆に…お前が機能しなきゃ、他の攻撃も総崩れになると思え」
その影山の言葉に日向は、感じたことのないようなプレッシャーを感じ、SO KUZUREとブツブツ呟いている。
「でも肝心のブロックはどうすんだよ!
いくら高く跳べても、元々デカイ奴と比べたら、ジャンプのMAXに到達するまでの時間がかかるだろ。その分、ブロックの完成が遅くなる」
「…ハイ。だから日向がブロックで重点を置くのは」
田中の質問に、影山が答える。
「相手の攻撃(スパイク)をたたき落とすよりも、“触る”こと」
しかし、様々な問題がまだ烏野にはある。
(お、おおお、俺がしっかりしないと…!)
そんな状況で、当日を迎えてしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「おえーーーーっぷ!!!」
「うわああああ!!止めて!!バス止めてえええ!!」
日向が緊張のあまり、バスの中で田中のジャージに吐いてしまった。
(あれ)
(なんか)
(予想以上に)
(((ヤバイ…!?)))
澤村と菅原と影山の気持ちが、一緒になった瞬間だった。
「女王様、なんで包帯してるの?…うわっ、巻くの下手すぎ。つーか巻けてないし」
「ケガか?影山〜」
「うるせぇよ月島!澤村さんも、大したことじゃないんで大丈夫です!」
影山は胸の下に包帯を巻いていた。巻くといっても、適当にぐるぐるとしておいただけなので、服から少し出ていた。
「私が巻き直そうか?」
「あ、いや、その、大丈夫です!本当に、気にしないでください!」
潔子の気遣いも断ってしまった。影山は仕方なく包帯を取る。
「なんでそんな簡単に包帯が取れるの?やっぱ巻けてないじゃん」
「ボケ月島ボゲェ!」
取っ組み合いの喧嘩を始めた二人を、それはそれは恐ろしい笑顔で澤村がとめたのは、言うまでもない。