繋げてってなんかお話作って!
683:匿名:2018/09/25(火) 23:03 「こいつは…良治は、俺の弟に似てるんや。昔死んだ、な。」
大輔と目を合わせたらきっと泣いてしまう。絶対に合わせないためそっぽを向く。
「あいつ、ユウジっていうねん。優しいに二つで優二。」
「優二…か。名前も似てるんだな」
「弟ができるって両親に聞いたとき、めっちゃ嬉しかってん。生まれてからはとにかく俺になついてなぁ。いつも兄ちゃん兄ちゃんってくっついてきて、いつも一緒やった。」
「…それで?」
「おう。…あれは俺が中学ん時やった。優二と二人で山に遊びに行ったんや。あいつ、まだちっちゃくてなぁ。可愛かったわ。」
大輔がこまめに相槌を打っているのが伝わってくるほど、回りは静かだ。
「そんで、俺、優二喜ばせよう思てカブトムシ取り行ったんや。そん時優二を一人で川の側に置いたのが、俺が今まで生きてきた中で犯した一番でかい間違いやった。」
「…んで、どうしたんだよ」
「暗くなった頃、カブトムシ取れへんかったーって優二に謝ろ思って川に帰ったんや。そしたら…優二はもうおらへんかった。履いてたサンダルの片方だけが転がっててなぁ。」
あの時のことを思い出すと、悔しさと申し訳なさで涙が出てきた。
「結局優二は…見つからへんくて…俺が17の時、捜査が打ち切られたんや。」
「そうか…。優二くん、見つからなかったんだな」
「おう。…でも良治は、今こうして生きてる。だからせめて、優二への罪償いも兼ねて良治だけは助けたいんや。」
改めて決意を口にし、涙を拭く。
こんなことをしている場合ではない。苦しんでいる良治の頭を優しく撫でて、俺は大輔と共に情報収集を再開した。
その頃。とある路地裏で猫が鳴いた。
686:匿名:2018/09/26(水) 12:13ブヒブヒ
687:匿名:2018/09/26(水) 16:33 「変な猫…」
女…否、美菜子はそう呟くと、口から何やら黒い煙のようなものを吐き出した。
それは猫を包み込み、やがて煙が消える頃には猫の息の根を止めてしまった。
もと猫がいた場所に、柔らかそうな白い玉が落ちている。
美菜子はそれを拾い上げ、自らの口に放り込んだ。
「ごちそうさま。これでまた生命エネルギーを吸い取れたわね…ふふっ。」
見た目は同じものの、不気味な笑みを浮かべる彼女に、かつて兄と二人で暮らしていた健気な「石橋美菜子」の姿は重ならない。
「全く酷い目にあったわ。いきなりこの国に連れてこられて生け贄にされかけるなんてね…。まあ、そのお陰で生き霊になることも生命エネルギーを吸い取ることもできるようになったからいいんだけどね。」
美菜子の身を包む黒いマントと長い髪が、風に吹かれて揺れる。
「さあ…早く探しだしてあげましょう…私だけの兄様…」
美菜子はふふっと笑い、路地裏を後にした。
不気味なモノがたくさん置かれた館の中央の机に、美菜子は腕を組み座っていた。
深紅のドレスを見にまとっており、先程のマントは椅子にかけられている。
ふと目の前の扉が音を立てながらゆっくりと開き、男が入ってきた。
美菜子は立ち上がり笑顔で男に近付いて行く。
「ジョー、待ってたわ。遅かったじゃない。」
甘い声でジョーと呼ばれた男からは、背こそ高くないものの貫禄を感じられた。
彫りが深いその顔からは、「感情」が読み取れない。
その後ろには目をギラつかせた化け猫がいた
化け猫はジョーの頭を食いちぎった。
美菜子は突然すぎて立ち尽くすことしかできなかった
しかし化け猫は言った
「お嬢さん、ウチと組んでみない?」
「・・面白そうね。いいわよ・・」
二人は握手した
・・・その化け猫の名は「雅」といった
それから、しばらくたった後の街のこと
美菜子のとなりにはぱっちりした目のくせ毛のロング美少女がいた
雅は人に化けることもできるのだ
「ねぇ美菜子ぉ、アタシ、退屈だわぁ。何か面白いことしなぁい?」
雅が、私にまとわりつくように喋りかける。さすがは化け猫、甘えるのが上手だ。
「そうねぇ…じゃあ、私の目的を果たすのを手伝ってくれない?」
「目的ぃ?面倒なことは嫌よぉ。」
「大丈夫…ちょっと人探しするだけだから…ね?」
そう言って私は雅に微笑んでみせた。
兄様…私の、私だけの兄様…。
時を同じくして、大輔は目覚めてきた良治に事の顛末を解説していた。
美菜子の良治への想いが肥大し、生き霊となってしまったこと。それらが取り付いているせいで、良治は苦しんでいること。また、それらを取り除かなければ良治は死を免れないこと。
急に重い話をさせているにも関わらず、良治は冷静そのものだった。
しかし、あそこまで妹を大切に思っている良治のことだ。今は落ち着いていてもいつ気が動転しても不思議ではない。俺はヒヤヒヤしながら横から眺めていた。
やがて大輔が30分ほどかけて話を終えると、良治はすべてを理解したかのように一度深くうなずき、口を開いた。
「美菜子が側にいるのは、何となく分かってました。この前から見てる悪夢は、全部美菜子に関係することですから。」
ひとことひとこと、自分で確認しながら発音をしているかのような話し方だ。
ひとこと口にしては息を吸う。自分の口にすることを確かめるように。現実を受け入れようとするように。それが、良治のやり方だった。小さい頃に大切な人を失ったことは決して無駄ではなかったのだ。
694:匿名:2018/09/26(水) 23:17 「でも…俺はまだ希望を捨てきれなかった。美菜子は実はこの辺りで普通に生きてて、ふとしたタイミングで『兄様、ここです』って飛び出してきそうな気がしてたんです。でも…悪い霊になってたんですね。…美菜子、ひとつのことが気になると回りが見えなくなるタイプだからなぁ…」
ここまで話してうつむいてしまった良治の顔を覗き込むと、瞳に涙をためているのが見えた。
その姿が幼かった弟と重なり、思わず良治を抱き締める。大輔はパソコンの前の椅子に座り、何も言わず胸の前で腕を組み優しい目でこちらを見ている。
「良治、もう強がらなくてもええねんで。お前の過去なんて全然知らんけど、それでも一人でいろんなこと耐えてきたんは分かる。このままじゃ死ぬって時まで、人のこと考えなくてええ。折角一緒におるんやから、もっと俺らのこと頼ってくれ。絶対裏切ったりせえへんから。」
そう言っているうちに、最初は驚いて背筋を伸ばし固まっていた良治はゆっくりと俺の背中に腕を回し、涙を流し始めた。
「彬さん…俺、死にたくない。相手が美菜子だとしても、死ぬのは絶対嫌だ。怖いんだ。今まで俺の回りでたくさんの人が死んでいったけど、俺は死にたくない。彬さん、お願いします。俺を助けてください…。」
良治は俺の腕の中で、嗚咽しながら言葉を吐き出した。大きいと思っていた身体も、俺より一回りか二回り小さかったんだと今知った。この身体ひとつに全て背負い込んでいたと思うと胸が苦しくなる。
「良治…よう言うたな。偉いで。そこまで言われたからには、絶対俺たちが助けたるから。大丈夫や。」
良治の頭を乱暴に撫で、また強く抱き締める。後ろでは大輔も微量の涙を流しているようだ。
今俺の胸で泣いているのは、「妹想いのよくできたお兄ちゃん」なんかじゃない。「なかなか本音が言えない、いたいけな少年」だ。
急に妙な感情が沸いた
「このままキスしたい」
俺は行動に移す前にそっと良治を離した
fin
697:匿名:2018/09/27(木) 17:38 優しく体を離すと、泣き止んだ良治はどこか空ろな目をしていた。
「良治どうした、ボーッとして。変な妄想でもしてるんか?」
「あっ、いや…はい。ちょっとしてました。すみません。」
申し訳なさそうにペコペコと頭を下げる良治を見て、しばらく黙っていた大輔が口を開いた。
「お前やっぱ疲れてんだな、もうちょっと寝てろよ」
そして物語は>>1に繰り返される...
699:匿名:2018/09/27(木) 17:48 「…ありがとうございます。じゃあ、少しだけ。」
また頭を下げると、良治はソファに体を横たえてまたかすかに寝息を立て始めた。
「彬…気付いてるか」
先程良治に語りかけた時とは全く違う神妙な表情の大輔に少し驚く。
「気付くって…何が?」
「ついに良治の思考も美菜子の支配下になろうとし始めているらしい。美菜子は幻想を見せて、俺たちから良治を離そうとしている。」
「幻想って、どないやねん」
「…知らない方が幸せだ。兎に角、良治の命が本格的に危うくなっている。あまり時間が無い。早く徐霊をしなければ…」
時間の流れは残酷で、俺たちが頭を悩ませる間にも刻一刻と過ぎていってしまう。
気持ち良さそうに眠っている良治を見ると、とめどない悔しさが湧いてきた。
そのころ美菜子は…
(ちょっとこの後長文書きたいんだけど、1時間程度待っていただけるだろうか)
701:匿名 hoge:2018/09/27(木) 18:08 >>700
(よっしゃいくらでも待ったるわ
終わらせないでくれると嬉しい)
その様子を雅と見ていた
「ふうん。なんかBLを感じるわぁ」
雅が言った
「BL?」と美菜子
「ボーイズラブ。男と男があんなことやこんなことをするの」
雅は顔をしかめた
「あらやだ」
美菜子はそう言って地面に唾を吐いた
(>>700だけど気負い過ぎず書くつもりがこだわってたらめっちゃ時間かかりそうだ。やっぱり9時まで待ってくれ)
704:匿名:2018/09/27(木) 21:04 自分の家の前に立っていた。
いや、ソレはもう家という形を成していない。ただの瓦礫の山だ。ここだけではない。美菜子が住んでいた町には、そんな『家だったもの』がいくつもいくつも散らばっている。けれど残骸が残っているだけまだこの町はマシである。
隕石のせいだ。あの隕石のせいで日本全国、どこもかしこも滅茶苦茶になってしまった。
辺りを見回しても原型を留めている建造物などない。人影など以ての外だ。以前までアスファルトが敷かれていた地面には、家一軒がまるまる収まりそうなほど大きなクレーターができている。では人間は?
皆んなどこかへ避難したのか、或いは――
「死んでしまったのよ」
美菜子はその一言を噛みしめるように言った。
耳を澄ましても物音も聞こえない。ただ、時とおり強風がびゅうっと通り過ぎてゆくだけである。隕石が落ちたあの日から、なぜか強風が吹くようになった。
「兄様、美菜子がただ今戻りましたよ」
美菜子はゆっくり目を閉じた。
「兄様は今具合が悪くなっていませんか?美味しくごはんが食べられていますか?わたし、とっても心配だったんですよ」
語りかけるようにそう言う。もうここにはいない兄に向かって。
「あの人が死んでしまってから、兄様はなんだが様子がおかしかったから」
駄目だ。『あの人』のことを思い出しただけでも憎悪がこみ上げてくる。それはどす黒い、というよりも氷のように冷たい憎悪だった。
美菜子は目を開いた。今度は兄にではなく自分自身に言い聞かせるように呟く。
「兄様は知らない。知らなくていいの。わたしが、あの人を」
彼女はそこで自分の口角が上がっていることに気が付いた。
(一旦切る)
いつ頃からだっただろう。
自分の中に何かがいることに気が付いたのは。
頭の中に声が響く、というと少し大げさかもしれない。だが美菜子にはまるで自分ではない何かがいるように思える時があるのだ。
恐らくそれは母が死に、父が酒浸って暴力的になってしまった8年前からだ。美菜子は当時3歳。その時の頃の記憶はぼんやりとしかない。
ただ1つ、この先決して忘れられないような恐ろしい思いをしていたことだけは覚えている。兄が自分を庇って父に殴られていたことだ。その光景は鮮明に脳裏に焼き付いている。拳で思い切り頭部を打つ鈍い音。兄の呻き声。
けれど兄は決して膝を折らなかった。どんなにぶたれても、歯を食いしばって立っていたのだ。今振り返ってみれば、それは妹に植え付けられるであろう恐怖を少しでも減らすための兄の我慢だったのかもしれない。
酒の入った父は気がすむまで息子を殴り続けた。そして毎回、殴り終わるとふらふらした足取りで家の外に出て行ってしまう。それで帰ってくるのは夜中だった。
いつも、そこで糸が切れたように兄は倒れるのだ。髪の毛が酷く乱れていて、顔にはあちこち殴られた後があった。口内を切って口から血が出ていることもあった。
美菜子はそんな兄を前に、ただ泣くことしかできなかった。
「兄様、ごめんなさい、ごめんなさい...」
兄が自分のせいで傷付けられている。
それだけはその頃の美菜子にも痛いほど理解できていた。
なぜ父は殴るのだろう。どうして自分達がこんな目に合わなくてはならないのだろう。
美菜子には分からないことが多過ぎて、ただ父が恐ろしくて、泣いて、泣いて、泣いて...
「美菜子、泣かないで」
兄の声。ゆっくりこちらに伸ばされた手が頭を優しく撫でた。
「俺は平気だよ。こんなことじゃあ負けない」
美菜子は謝るのを止め、しゃくりあげながら相手の顔を見つめる。兄は笑顔だった。
「美菜子が泣いている方が、よっぽど苦しいんだよ」
父が去り、美菜子がそうして泣いていると兄はいつもこのようなことを言うのだった。
ホモを敬え、と
707:匿名:2018/09/27(木) 22:18 「あ、兄様…どういうこと?」
「分かりやすく言うと、誰もを分け隔てなく愛せ、ということかな。」
兄様、言いつけを守れなくてごめんなさい。私は今…兄様しか愛せないの。
「…ふふっ」
良治の色素の薄い髪が揺れた。
「お、良治が笑ったなぁ」
ディスプレイに向かっていた大輔が横のソファで寝ていた良治を見た。眉を上げ、少し驚いたような表情を作る。
つられて俺も良治を見て、少し笑う。
「良治が笑ってんの、こないちゃんと見たんは始めてや」
「そうだなぁ…あいつ、何かいい夢でも見てんのかな」
「そやなあ…そやったらええなぁ…」
俺が説得した後の良治に、強がりや謙遜といったものは見られない。等身大の、一人の少年がここにはいる。先程まで悪夢に苦しまされていたのが嘘のように幸せそうな寝顔だ。
「実はさっきお前が良治を抱き締めてる間に、強めの徐霊術をしてたんだ。思いの外効果があったようで、よかったよ。」
思い出したように大輔が言う。俺は返事はせず、大輔を見て微笑んだ。
「せやけど、安心はでけへんな。」
「そうだな、美菜子も居場所が分からなくなった良治を必死になって探してるだろうからな。」
殺風景な部屋には似合わない、可愛らしいプリキュアの時計が夜の3時を指そうとしている。
「大輔…もうちょっと、頑張ってくれへん?」
「おう。お前に言われりゃ、断れねぇな。」
いたずらっぽく笑う大輔。俺たちは拳を付き合わせ、再び作業を再開した。
『あの人』を死に追いやったことは確かだが、勿論美菜子自身が直接手を下した訳ではない。
『お願いした』のだ。
去年の冬に遡る。
その年の秋頃から毎日、登下校時に感じていた気配。自分の後ろから聞こえる足音。
着けられていることには気付いていた。
鬱陶しいという思いはあっても、ストーカーに対して恐怖は抱かなかった。
足音は家に入る直前まで聞こえる。そのストーカは自宅まで着けてくるようだった。
そんなある日の学校からの帰り道。美菜子は『あの人』と並んで大通りを歩いていた。好きで一緒に帰ったのではない。その日たまたま道中で出会い、向こうの方から誘ってきたのだ。
美菜子はなんとか彼女の前で笑顔を保っていたが、考えていたことはただ1つであった。
お前なんか消えてしまえばいいのに。
『あの人』と別れた後も、彼女に兄の心を奪われてしまったという事実への憎悪は消えなかった。心の奥で冷たい岩のように残ったままである。
そしてその日もずっと着けてくる足跡は聞こえていた。
ああ、鬱陶しい。
どうしてコソコソと追いかけることしか出来ないのだろう。
冷え冷えとした気持ちが重なってゆく。
美菜子は不意に大通りから逸れて裏路地に入った。後ろから足音もついてくる。
どんどん奥まで歩き、そして最後の曲がり角を曲がる。道はここで行き止まりだ。着けている側からすれば、美菜子の姿が突然角に消えたように見えただろう。
足音が少し焦ったように角を曲がってくる。
美菜子はランドセルにつけた防犯ブザーに手をかけた。
角からストーカーが姿を現すと同時に、彼の前に飛び出す。ブザーのレバーを摘んでいることを顎でしゃくって相手に示し、「叫ぶわよ」と言った。左右や背後の塀は人家のものである。
もう君のことを見られなくなるから、やめてほしい。
ストーカーはただそう言った。そこで初めて彼の顔を見上げる。
大学生くらいの青年であった。黒髪に白い肌、そして虚ろな目をしていた。
更に彼は「やめてくれたら、何でもするよ」と言う。
その時だった。
『憎いのなら』
頭の中で美菜子は声を聞いた気がした。
『殺してしまえ』
自分がどんな表情をしていたのか美菜子は覚えていない。
口を開いたところ、自然に言葉が出てきたのだ。
「やめてほしいの?」
相手が頷く。それなら、と美菜子は淡々と続けた。
「あの子を殺してちょうだい」
『あの子』が消えさえすればいい。『あの子』さえいなければ、兄様は私のものになる。兄様は私のことだけを観てくれる。そのためなら、誰が消えようと関係無い。
想いを寄せていた少女からいきなり物騒なお願いをされたのがよっぽど衝撃的だったのか、目の前の少年は驚ききっていた。
「なんでも、してくれるのよね?」
微笑む。自分でも自分の愛の形が歪んでいることは分かっていた。
「あの子を殺してくれると今この場所で誓って。そうすれば離してあげるわ。」
少し黙った後、青年は答えた。
「…わかった。まずは『あの子』のことについて教えてくれないかな?」
目を合わせて、微笑まれる。この人、あんまり顔が整ってないなぁ。
頭の中の何者かに、「私」は完全に壊されてしまった。
・・・・・そして、あの子は殺した
ついでに近くにいたホモガキも壊した
ホモガキは脱皮してMURに変化した
MUR「さっき俺らが脱皮してるときチラチラ見てただろ」
「…あの人も殺してちょうだい」
その言葉を発することにも抵抗が無くなっていることから、どこか自分がおかしくなっているのだと分かった。分かってはいても、やめられはしない。
青年は私の言葉を聞くと静かに頷き、持っていたカッターナイフをホモガキと呼ばれた少年の喉に突き立てる。そこから私が目をそらしている間に片付いたようだ。
「…これで、いい?」
静かに微笑む青年。私も微笑み返す。
「ええ、十分よ。ありがとう。」
そして一瞬のうちに険しい表情に切り替える。
「これからは私に近付いてもいいけど、絶対兄様に危害を与えないこと。いい?」
青年は怯えるように頷いた。
それから数ヵ月後、新聞の片隅にこんな記事が載った。
「大学生、川で転落死」それも、あの時邪魔者を片付けた彼の顔写真付きで。
…それでもいい。また、私だけの味方をしてくれる人を利用すればいい。
そう、これが私の兄様への愛の形なのだから…
拝啓
美菜子は、腐女子となりました。
敬具
そう書類の片隅に書きなぐってみても、事態は変わらなかった。
先程から良治の容態が少しずつ悪くなっている。
大輔による必死の処置も効かず、ただ苦しそうに荒い息をしているだけだ。
「…こりゃ、連れていくしかねぇな」
大輔は呟いた。相変わらず手は高速で動かし何かの模様を描いているようだ。
「連れていくって…どこに?」
「俺の実家だ。」
「お前の実家…って確か、熊本やんけ!ここ東京やで、無理があるやろ⁉」
口ではそう言いながらも、俺もあの大輔がこんな時にふざけたことを言うような奴だとは思っていない。何か考えがあるのだろうか。そう一人で考えていると、大輔から何かが投げ渡された。鍵とテレビゲームのコントローラーのようなものだ。しかしゲームのコントローラーなんかとは比べ物にならないほどの重厚感のあるデザインだ。
「倉庫の鍵だ。最初にお前と良治が入ってきた扉の横、シャッターになってるだろ。その下の方の鍵穴探して開けてみろ。」
大輔に言われた通り鍵穴に鍵を差し込みシャッターを開ける。その奥から出てきたものに、俺は衝撃を隠すことができなかった。
(一度切る)
「なんや…これ。」
飛行機、と呼ぶには小型すぎるが十分に人が乗れそうなサイズの、ヘリコプターのようなものがそこにはあった。
「これ、まさかお前が作ったんか」
「おう。暇な日にコツコツ作って、半年ぐらい前に完成したんだ。飛行機と同じぐらいのスピードは出るはずだ」
同じ大学にいた頃から頭のいい奴だとは思っていたが、まさかヘリコプターまで作れてしまうほどの知識と技能があったとは。しかし、そんなことに驚いている暇もなく良治をおぶった大輔がこちらに向かってくる。そしてドアを開け運転席に乗り込んだ。
「操縦は俺がする。彬、お前は後ろの席で良治の隣にいてやってくれ。」
俺は黙って頷き、良治と共に後部座席に乗り込む。
次の瞬間天井が開き、ヘリコプターは空に向かい舞い上がっていった。
全く、とんでもねぇ奴の友達になっちまったもんだ。大輔のTシャツのプリキュアさえも格好良く見える。
俺は先程より少し落ち着いて眠っていた良治の背中を静かにさすりながら、驚きと心強さなどの混ざりあった笑みを浮かべた。
そのころ美菜子は…
やはり腐女子になりました
(押しは大輔×良治)
最近の趣味は雅といかにBLが尊いかを語ることです
720:匿名:2018/09/28(金) 19:35ホモが沸きました
721:匿名:2018/09/28(金) 19:36 …変なナレーション。私はイヤホンをつけようとした。
「ねぇ美菜子ぉ、見て見てぇ。」
猫の姿の雅に呼ばれた方を見ると、雅の持った鏡に日本列島の地図が写っていた。
「なんかぁ、良治さん、く、ま、も、と?ってとこに向かってるみたいよぉ。」
熊本…何故だろう。ルーツなど全くないはずなのに。
「…雅」
「なぁにぃ?」
「向かいましょうか、日本へ」
(^q^)
723:匿名:2018/09/28(金) 19:38日本。そこは戦国時代
724:匿名:2018/09/28(金) 19:38今、雅と美菜子の大冒険が始まる・・
725:匿名:2018/09/28(金) 19:39※始まりません
726:匿名:2018/09/28(金) 19:48 そのころ
良治は自覚した「大輔さんが好き」と・・
でも思いを伝えようにも大輔さんはノンケだ・・
728:匿名:2018/09/28(金) 19:49苦しい・・・
729:匿名:2018/09/28(金) 19:49 こんな自分とはお別れ。
今日告白してみよう
断ったら拉致するし
731:匿名:2018/09/28(金) 19:54断らなくても拉致するし
732:匿名:2018/09/28(金) 19:55 「好き」
「嫌い」
ソッコー拉致したなう
「良治…またうわごと言うてる…」
「クソッ、美菜子め…また変なもん良治に見せてやがるな…」
ぐへへへへ
大輔さんを手に入れた・・
まずは大輔さんの額に「肉」の文字を書く
736:匿名:2018/09/28(金) 19:58いいとめ・はねだ!
737:匿名:2018/09/28(金) 20:01その文字はは有名書道家が唸るほどの出来栄えだった
738:匿名:2018/09/28(金) 20:03野●先輩も褒めちぎる!
739:匿名:2018/09/28(金) 20:03ウマスギィ!
740:匿名:2018/09/28(金) 20:05次に彼は
741:匿名:2018/09/28(金) 20:20べろべろと
742:匿名:2018/09/28(金) 20:21自分の腕を舐めた
743:匿名:2018/09/28(金) 20:21大輔は
744:匿名:2018/09/28(金) 20:21失禁した
745:匿名:2018/09/28(金) 20:30 「この映画カオスすぎ草」
男の娘は微笑んだ
「美菜子の野郎…どうしても良治から俺たちを引き離したいんだな…」
無事着いた大輔の実家の庭で、大輔はかつて見たことがないほど憤っていた。
「それならこちらにも考えがある…ハァッ!」
大輔がお札を取り出し良治に貼り付けた。同時にお札が透明になる。
「これでしばらく良治の思考は良治のものになる。気持ちの悪い妄想もされなくなるはずだ。」
「気持ち悪い妄想?」
「…お前は知らない方がいい。」
そう言うと、大輔と良治を抱えた俺は古民家に入っていった。
周りの建物は総じて潰れているのに、この家だけは何も被害がないのは何故だろう。
そう思っていると、俺の心を見透かしたかのように大輔が解説を始めた。
「この家は初代の霊媒師の霊によって守られてるらしくてなぁ、何が来ても絶対に崩れないんだとよ」
「へえ…そりゃすごいなぁ」
「だからこの家には悪しき霊や人間は近付けない。ま、ここに入れた俺とお前と良治は良き人間、ってことだな」
「ちなみにイナバ製だから100人乗っても大丈夫だぜ!」
「ほう…では試してみよう、マブダチ100人にTELしてっと…」
「せやな!ワイは100人分のオニギリを用意して…ってコラ!!アカーン!!」
地球に氷河期が訪れるのであった
751:匿名:2018/09/28(金) 22:14 「……っ」
汗が良治の額を流れた。悪夢だ。気持ちが悪い…良治はふらつきながらベッドから立ち上がり、洗面台の前に立った。鏡を見る。
いつものことなのに、慣れたことなのに…良治はどんどん弱っていくのだ。
完。
753:匿名:2018/09/28(金) 22:23(終わらすなwwwwww)
754:匿名:2018/09/28(金) 22:29自分を改めて見る。綺麗な髪は乱れ、薄い瞳は曇りきっていた。
755:匿名:2018/09/28(金) 22:30 とさっきまでは思っていた。すべてが終わったような気がしていたのだ。
良治が眠って、すっかり辺りも暗くなった。しかし俺は大輔に呼び出され庭にいた。
「大輔…?何するん?」
「一種の降霊術みたいなものかな。とりあえずここに立ってくれ。」
大輔が指し示した先は、白くて平らな石が置いてあった。周りの地面より少し高い。
指示通りに立つと、大輔が何やら念仏のようなものを唱え始めた。
念仏が終わると、大輔は大きな音を立てて倒れてしまった。あわてて駆け寄り起こしてやる。
「大輔‼」
だいぶぐったりとしている。目を開けるのも辛そうだ。
「やっぱり…か」
「大輔…今何したん?」
俺が問いかけると、大輔はふらふらと立ち上がり話を始めた。
「今のは探霊の術…近くにいる霊の強さが分かるんだ。」
ホラここに
757:匿名:2018/09/28(金) 22:37美菜子が
758:匿名:2018/09/28(金) 22:37いる
759:匿名:2018/09/28(金) 22:37遅れて、聞こえて、くるよ
760:匿名:2018/09/28(金) 22:37 「…で、何でその儀式に俺が必要やったん?」
「万が一霊が強すぎた場合、そこに一人立って見ていてもらわないと霊媒師は重圧で死んじまうんだ。もちろんそこはセーフティゾーンだから、お前に害は無い。」
「…つまり?」
「この術でここまで苦しくなったのは初めてだ…美菜子が、近くに来ている。」
「…何?美菜子が…?」
「ああ…思った通りすごく協力だ…この屋敷から出したら良治は確実に死ぬな…」
「そんな…」
「とりあえず母屋に帰ろう。水が欲しい。」
「…なあ大輔…俺たちで良治、助けられるかなぁ」
「…『助けられる』じゃない。『助けてやる』んだろ」
俺たちは母屋に戻った。こんな時にも、良治の寝顔は安らかだった。
「あーあ。バレちゃった。兄様を驚かせてあげようと思ったのに。」
美菜子は唇を尖らせ、残念そうに言った。
「まだ良治さんにはバレてないみたいだけどねぇ。」
「でも、あの二人なら言いかねないじゃない。」
「それもそうねぇ。」
「まあ、どちらにせよもうすぐ会いに行くけどね…私だけの兄様…愛してるわ…」
そう呟くと、美菜子は手にしていた良治の写真にキスをした。
良治の写真がキラッと光った。
764:匿名:2018/09/28(金) 22:54レアカード
765:匿名:2018/09/28(金) 22:55まじか
766:匿名:2018/09/28(金) 22:57 「ああ…兄様…美菜子をいつだって側に置いてくださいませ…」
そう言うと美菜子は目を閉じ、静かに眠った。
熱がありそうだ。良治はおもい身体をむりやり起こして暗闇に目を慣れさせる。
「…大輔さん」
大輔はまだ起きていたようだ。パソコンの画面を眺めていた。
「お?おお良治。どした?」
「…ここは?」
「ああ、勝手に連れてきてごめんな。俺の実家。熊本。」
「熊本⁉どうやって移動してきたんですか⁉」
「…まあ、いろいろあってな。で、どうしたんだよ」
「…美菜子の…夢を見たんです。」
770:匿名:2018/09/28(金) 23:58 「…そうか。どんなだった?」
「確か、俺と美菜子がまだ普通の兄妹だったときの…夢です。幸せな。」
それから22000年後
772:匿名:2018/09/29(土) 12:14砂漠に一人の地下アイドルがっ!
773:匿名:2018/09/29(土) 12:14美人
774:匿名:2018/09/29(土) 12:15かわいい
775:匿名:2018/09/29(土) 12:15最高
776:匿名:2018/09/29(土) 12:15ナルシストだった
777:匿名:2018/09/29(土) 12:16彼女の背中から羽が生えた
778:匿名:2018/09/29(土) 12:16今とびました
779:匿名:2018/09/29(土) 12:17その美少女が飛んだ方には町があった
780:匿名:2018/09/29(土) 12:17その町の高校には200人ものの生徒がいた
781:匿名:2018/09/29(土) 12:19 「鈴ー!」
「どうしたの、雪」
これはとある青春の思い出