…あ、崩れた
( ルサンチマンって違うんじゃないのと内心思いながらも、相手がそれをわかっているだろうということは想像に容易い。指摘するのも野暮であろうとスルーしていれば、豪勢な音を立て崩れ去った宝石の山を見てはぽつりと呟いた。まあ崩れたところで何ともないのだが、たかだか数分程度の付き合いであるこの山がなくなった程度で少々心に空白を感じるのは何故だろうか。その考えを振り払うため軽く頭を左右に降れば“タイトルは賽の瑠璃川らかな”と一瞬斜め上に視線をやり呟いて。崩壊してしまったものほど美しいとも言うし、これはこれでいいのではないだろうか。そう自分の中で納得いかせればぐ、と下に向かうように背伸びをし、思いっきり上に片腕を突き上げれば“じゃ、行こうか!”と相手を眺めれば。…本当なら死体など見たくもないが仕方の無い。噎せ返るほどの重い雰囲気に鼻を鳴らすと、寒くもないのに震えていた体が収まっていることに今更気がついた。こんな場面に自分がいるなんて恐ろしい、怖くて仕方がない。それでも、このイカれた熱量は少し、というかあまり好んだものでは無いがそれもご愛嬌、表情を頻繁に変えるこの男が気に入った、そして何よりも自分に楽しいと言った、その言葉に気分が良い。いつも通り、否いつも以上捗りそうだと歓喜のあまり自分の体を抱き締めれば )
じゃ、瑠璃川君の手腕を見せてもらっちゃうね。
( 大した期待を込めて言った言葉に自分でも愉快になり、にひ、と歯を見せ笑ってみせ )
>>607 瑠璃川君
( はてさて、先ほどまでは何食わぬ顔でペラペラと中身のない自慢話に花を咲かせていたのだが。今さら自らの頭上にへと築き上げられていた城が脆くも儚く崩れ去ってしまったのに気づきハッと驚いては虚凜に目を移す。そこに立っているまるで感情を亡くしてしまった人形のように冷淡的な彼の表情をじぃっと眺めているうちに、別に彼は悪意があって今まで俺を土台にしてジュエルタワーを作り上げていたワケではなく、好奇心と悪戯心の赴くがままに行動を起こしただけということが判って相変わらず変なニンゲンだなァ、俺と同じくらい。いやもしかしたらニンゲンじゃねェのかも…と常人離れした机上論を脳裏に浮かべながら口元に弧を描く。”本当にユニークでハイセンスなことが、素朴で何の取り立てもない物の中にひょっこり隠れてる”なんてよくある話。最初は妙な演技に勤しんで周りを惑わすことに熱心な道化者かと思ったが、彼に目を付けたのは正解だったなと内心嬉しく思いながら腕を組む。案外、人間という物は欠点ある方が愛される。彼は心に空白を持っていて、そして俺もぽっかりと空いた穴から心に隙間風が差している。足りないのなら足りないだけ、お互いの心の隙間を埋め合えばいい。それが喩え一夜しのぎのハリボテ細工だとしてもだ。交渉成立。逆に見ている方が重くなるほど明るい笑顔を見せているこいつには『瑠璃川かなめの摩訶不思議な世界』を見せてあげよう )
さァてと、鬼が出るか蛇が出るか……
>>608/虚凜クン
( 抜かったとばかりに瞳をぱっと見開き盛大なリアクションを取っている彼女を一目見、クールかと思いきや意外とパッションあるんですねと勝手に面白い方という烙印を付け、狼谷に対して自分の想うレッテルをポンポン張っ付けていく。大人しいかと思えば愛嬌があり、振る舞い方にも振り幅がある彼女に対して率直に面白いという感想を抱き、思わず腹を抱えて笑いそうになったところ本人が目の前にいることを思い出して妙にシャンとした体勢を取りつつ戻ろうという選択をしたと聞いて改めて判りましたと呟く )
>>609/狼谷さん