>>9
( その日璃乃は研究所からの指令もなくフリーな時間となっていた。
研究所で過ごしていても良かったのだがどことなく息苦しさを感じて外へと出てきていた。
前はそんなこと感じなかったのに…と思う。どうしてだろうと考えてみても答えは出ない。)
( 夕日色に染まる賑やかな繁華街を考え事しながら歩いていく。そんな風に周囲への注意が疎かになって歩いていたせいだろうか、前を横切った人間に依って前方の視界が遮られたことも重なって、)
――わっ
( 誰かとぶつかってしまった。顔を上げてその誰かを見ると、両手に食べ物を持ったまるでこの繁華街の風景が縁日に見えてきそうな少女だった。)
あ、ごめんなさい
( と言って少女が持っていた食べ物を見る。どうやらこちらの服に付いていたりはしないようだ。それは自分の服が汚れてしまったのではないかというものではなく、相手の食べ物が台無しになってしまったのではないかという思いから来たものだった。)
(少女が持っていたフランクフルトをほんの僅かな間だけ見る。おいしそう。朝から何も食べていなかったことを思い出した。では。と軽く頷くように頭を下げると、フランクフルトはどこで買えるのだろうと思いながら歩き出そうとした。)
>>姫宮 綴様、周囲ALL
ッ 、… あぁ 、こちらこそすみません
( 小さな衝撃。僅かに視界が揺れ、驚いて目線を少し下げれば、人形のように可愛らしい少女の姿が映り。あらあら、可愛らしい子。お怪我はないかしら。パッと見たところ、取り敢えずお互いに怪我はないようで。相手に続いて謝ったそのタイミングで、漸くその視線に気が付き。此方を気遣ってのものということまでは分からないまま 食べたいのかしら と呑気に首を傾げて。…そういえば、この少女は一人でここに来ているのだろうか。この時間帯に、この場所にひとり。なんだか心配になってきたらしい。私の不注意も原因ですし、このまま一人も危ない気がしますね。そう判断しては、歩き出した少女に咄嗟に声を掛け。聞こえてるといいけど、この人混みで声は届いただろうか。少し駆け寄ってみたりして。)
少し 、待ってくださいませんか 。
>>10 阿笠さん