( ぶつかってしまった少女から僅かにこちらを心配する雰囲気が伝わってきた。確かにこの時間帯にこの人通りの多い居場所を一人で歩いていれば、迷子の様に見えるかもしれないと思った。
大丈夫だと伝えたかったが、口下手な自分ではそれを上手く伝えられる自信がなかったし。しどろもどろな感じで喋ればいよいよ、ああこの子は迷子で動揺してるんだな。と本格的に思われてしまうかもしれない。
そのこともあって姿が見えなくなれば家族の方に行ったのかなって感じになるかな。と思って人混みに紛れて行こうとした。)
( その時声を掛けられたのがわかった。ん、と小さな声で頷き、声の方向に振り返る。
その声が誰のものなのかわかっていた。方向的にもそうだし、その声は今聴いたばかりのものだったからだ。)
はい…なんでしょうか。
(少女は近くまで来てくれていた。本当は聞こえてないふりしてどんどん進んでいってしまおうかと思ったが、それが出来ず足を止め、振り返り返事をした)
>>13 姫宮様
…… おひとりですか ?
( 御家族は、御友人は。そう問い掛けようとしたが言葉を飲み込み。今時、一人で行動なんて普通かもしれない。まぁ私の場合はそうはいかなかったけれど。事情あっての単独行動の可能性だって無くはないのだ。それらを踏まえた上で、少女の目線に合わせるように屈むとゆるりと首を傾げ問い掛けて。然し、此処で何かに気づいたように、小さく あっ と声上げて。このままでは怪しい人に思われてしまうかもしれませんね。ふむ、少し唇に手を当て考えると、再びパッと顔上げて。にこりと、けれど少し困ったような表情を浮かべて。)
私 、見ての通りひとりなんです 。もし …… もし 、時間が許されていて貴女が嫌でなければ、少しの間一緒にいませんか 。
>>14 阿笠さん