異能力者の集う学園都市

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29:◆Pg:2021/01/02(土) 09:49


(言い聞かせるように、安心させるように、言ってくれる。その気遣いに感情を委ねてしまいたかった。でも実際彼女の身に浮かんだ痣が目に映れば、拭い難く重いネガティブな感情が押し寄せてくる。それでも"貴方が居たから"と言ってくれる。今の自分じゃ彼女に対し許されることはないのだろう。そんなこと気にする必要ないと言ってくれるかもしれないが、しかし自分がしてしまったことは事実としてあるのだ。それが消えることはない。…今は、でもこの先は、と思う。きっとすべきことは二度と姿を現さないようにするとかそいういうことじゃない。きっといつか自分にもできることがあると信じることなんだと思う。そのためには一緒にご飯を食べて笑って――。思いを伝えようと立ち上がる。『是非一緒に行きましょう。でも私にもなにかごちそうさせてくださいね』その言葉が途中まで出たところで、璃乃の肩に手が置かれる。それは十代後半くらいの割りと身長の高い、少し癖のある赤みがかった髪の、ブレザーを着た男だった。『さあ璃乃、もう帰る時間です』青年は短く告げて、それに従いたくないような態度を璃乃が見せると青年はやれやれといった表情になり。『まさか貴方がここまで力をコントロール出来ないとは思いませんでしたよ』とより言い聞かせる意味合いを強めるように耳元で告げた。それが今回起きた騒動の根本である。璃乃には今一番触れられたくない部分だった。力なく項垂れハイ…と無機質に返事するだけだった。繁華街の通りから繋がる道路に停めてある、黒く窓にスモークまで貼ってある車に力なくそのまま歩いていく。青年が綴の方を向き。)

この度は私達がご迷惑をお掛けしてしまい、大変申し訳なく思っております。中に三千万程入っております。貴方にお掛けしたご迷惑を考えれば少額すぎると思いますが、額に依っては受け取りづらいこともあると思いまして。足りなければお申し付けください。

(内ポケットからカードを取り出し差し出す。そして付け加えるように『貴方が移動させた方々はこちらで保護させていただきましたので、ご安心を』と言う。これは研究施設に所属する探知に長けた異能力者に依るものだったが、言い切って詳細は話さない。)

>>27 姫宮様


  姫宮 綴  ◆ac:2021/01/02(土) 10:19 [返信]


  
  
  あっ 、待って __

 (  お迎えが来たようですね。なんて和やかに終わると思っていたものの、少女の嫌がるような態度を見ては怪しく感じたらしく。車の方へと歩き出してしまった少女を呼び止めようとしたが、其れは青年により遮られてしまって。差し出されたカードを一旦は受け取れば、移動させた人達は保護したという話を半ばぼんやりと聞く。お礼を言うべきだろうけど、なんだか納得がいかない。このままでは、はいありがとうございますで終わってしまう!なんとか彼を引き留め、詳しくお話をするべきだ。気になることはハッキリさせたい性分なのか、やんわりとカードを彼に返しつつ、控えめに笑みを浮かべて。)

  えぇと …… りの 、ちゃん ?のお兄様 、でしょうか ? どうか怒らないであげてくださいね 。私もあのくらいの時 、能力の制御なんてできませんでしたし

 (  愛想良く言葉を紡いでいけば、まだ何か言いたそうにそわそわと。この青年があの少女にとって安心できる相手かどうか、先の反応を見るに良い方には考えられず。今回のことを詳しく報告する必要もあるだろうしと自らに言い聞かせては、お金の話を持ち出すことにして。お金よりも話す時間が欲しいと、体調に関する若干の嘘を交えつつ伝え。 )

  それと 、お金でなんでも解決するかと言えば …… そうではないでしょう ? 帰ろうにも 、先の戦闘で大分負担が掛かってしまって難しいのです 。少し 、お話しできませんか

>>29    青年


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