>>60 白百合のお姉さん
良かった。断られたらどうしようかと思ってたんすよ。儚げな美人さんって人が苦手って印象があるんで…、っと、おぉ、大っきい声。
(目の前の相手に警戒されぬ様、丁寧に丁寧に話し掛けたのが功を奏してか徐々に肩の力が抜けて、その顔に柔らかな笑みが浮かべばこちらも笑顔になってしまうと言うもの。相席も問題なくOKが出て、レディに椅子を引かせて仕舞うことを少々申し訳なく思いながら自分の席を立ち。サンドイッチの皿と珈琲肩手に相手の正面へ、椅子に腰を下ろして、と、…ふと、聞こえてくる演説の声が一際怒号めいた物になり、思わずへらりと口元を笑わせて。あんなの教官や祖父の訓練とは比べ物にならない声量だ、腹にも響かない。しかし怒鳴り声に慣れた自分とは違い、目の前の華奢なお姉さんを怯えさせるのは充分であったらしい。少々悲しげな表情をしてしまった相手を元気づける様に冗談めかして一昨日、午前の分は売り切れだと朝に食べる事が叶わなかったサンドイッチを示し。自分が完全に部外者の身である事も勿論だが、ああいう手合いの者の主張を聞かなければ幾らかは生きやすくなるものだと笑って見せて)
争いを好まない人にとっちゃあ生きづらいですねぇ。まぁお陰で俺は今日、美味いサンドイッチの売り切れを心配せずに済んだんすけど。
>>69 ▽ セオくん
まあ、ふふ。やっぱり一度は食べ損ねてしまうみたいね
( どうやら彼は、一度はこのサンドイッチを食べ損ねてしまったらしい。此のお店を教えてもらった時に、すぐ売り切れちゃうから早めに行った方がいいわよ、と言われたことを思い出して。私も最初食べられなかったなぁ、なんて。この時間帯、いつもの事を考えれば今食べる事が出来ているのは確かに外の演説のおかげなのだろう。こういうのを不幸中の幸いと言うのかしら?心の中で呟けば、癖なのか首をこてんと軽く傾げる。珈琲をひとくち、ゆっくりと体に流し込んでは一息吐いてまた楽しそうに笑みを零して。全く人が居ないのは少し寂しいけれど、こうしてゆっくりできるのだから偶には良いのかも。ほんの少し身を乗り出して、楽しそうに問い掛けて )
此処へはよくいらっしゃるの?街はひと通り見てまわったのかしら?