>>139(桜空)
>>140
《ザシュッ》
氷華の振り下ろした氷剣が桜空の体に右肩から左腰にかけて袈裟斬りを行うものの、自分がダメージを受けることと引き換えに氷華の頭上に瓦礫が転送されると、視線を頭上の瓦礫に向けて氷剣を持っていない左手を即座に翳す。
氷華
「ええ、自分が転移出来るのなら他の物体も転送できるでしょうね?」
《ドガガガガガガガガッ》
空中である事に加えてこれまでのように氷の足場を作って回避しようにも氷の足場を形成した瞬間に瓦礫の山に押し潰されると言うことを悟った氷華は翳した掌から氷塊を撃ち出して瓦礫の山を弾き飛ばそうとする。
また、瓦礫の山に向けて氷塊を打ち出すと、迫り来る地面に対しても同じく氷塊を打ち出し、それを足場として着地する事で落下する距離を縮め、落下の衝撃を緩和させようとする。
譲れない正義がある。
譲れない信念がある。
譲れない理想がある。
不知火も感じたように氷華は自分の理想のためならどれだけの犠牲を払うことも厭わないし、自分が犠牲になる必要があるのならば何の躊躇いもなくそれを選ぶだろう。
『誰もが幸せに暮らせる世界』
そんな夢物語を本気で現実にしようとしている者は狂人にしか見えないのだろうか?正義と呼ぶにはあまりにも稚拙で純粋であるが故に氷華は狂信的とも呼べる狂気を持って戦う。
桜空「ぐっ・・・・・!?」
(氷華の情け容赦ない一撃に、桜空は一瞬でも意識が落ちそうになるも、続けざまにそのまま空間移動をする・・・・・
が、どこか近くに移動する、というわけではなく、何故か落下してゆく・・・・・
戦いの続行に諦めたか、それとも何かの策か・・・・・
いずれにしても、桜空と氷華とでは、力の差があまりにも歴然である為、じわじわと追い詰められる一方の桜空には到底勝ち目はないのは明白・・・・・)
隅影「そうか、奇遇だな、俺もだ・・・・・」
ダッ・・・・・!
(隅影は、突然猛スピードで走り始める・・・・・
備わっている能力を使わずとも、元々の身体能力の高さも、戦いの場においてはその勝敗を大きく分けることとなる・・・・・
そして、隅影自身、逃げに徹しているわけではない・・・・・)
>>142