>>148(隅影)
毒鴉
「おいおい、人聞きの悪い事を言うんじゃねぇよ。
俺らはヒーローだぜ?悪い奴や、"悪い奴になりそうな奴ら"を始末して回っているだけだ。」
毒鴉は右手に持った毒剣に加え、左手の掌に二本目の毒剣を持ち、それを器用に振り回して準備運動をしながら、自分達は悪人だけでなく、悪人になりそうな者と言う不確かかつ、幾らでも解釈が出来る者を始末して回っているだけだと応える。
その自分達の快楽だけを求め、歪んだ正義によって失われた数はそれこそ本当の悪人よりも多いのだろう。
蟲鴉
「強がるな……お前の動きは潜鴉との戦いで見せてもらった……
炎や雷と言った元素を扱うことはせず、身体硬化と筋力増大しか出来ていない……」
廃工場の屋根の上にて、自身の回りに2mもある巨大なコオロギを七匹率いて見下ろしているのは、焦点の合わない目をして、顔に大きな蜻蛉の刺青を入れた大柄でスキンヘッドと言う、見るからに異様な風貌をした男が、その容姿からは想像出来ない程冷静に隅影の異能を分析している。
水鴉
「つまり、物理攻撃しか攻撃手段の無いお前に勝ち目は無いって事だ…!!」
相性的に最悪の敵と言える水鴉が再び自身の不定形な体を活かして隅影に向かって飛び掛かり、巨虫もろともその動きを拘束しようとする……例え何度避けたところで執拗に水鴉は追い回すだろう……それこそ、隅影の体力が尽き、異能か使えなくなるまで……
女子生徒「・・・・・何を揉めているのかは知らないけど、人助けをする人に悪人はいません・・・・・!」
(女子生徒は怯むことなく、氷華に訴え続ける・・・・・
氷華とこの女子生徒とでは、悪というものの認識が違うのだろう・・・・・
いや、ただ単に氷華の悪に対する認識が、理解したい気持ちもある一方で、何が何でも粛清するという矛盾しているともとれる感情な辺り、何もかもが違うと言っても過言ではない・・・・・)
隅影「・・・・・あー、くそっ、厄介だなお前ら・・・・・」
ダッ・・・・・!
(隅影は猛スピードで疾走し始める・・・・・
年齢的にも段々と体力が落ち始める時期、あまり過激な運動は避けるつもりだったのだが、どうやらそうもいかないらしい・・・・・
「あぁ、俺だ、わりぃが、迎えに来てくれ、緊急事態だ、おじさん困っちまうよ」
どこかに電話をかけ始める・・・・・)
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