悠矢「・・・・・仕方が無い、これはまた、別の機会にとっておくか・・・・・」
タンッ・・・・・!
(氷華に対して、これ以上何を言ったところで自分の身が危うくなるだけで何も得しないと察した悠矢は、小瓶をスーツの内ポケットにしまうと、地面をタンッと強く蹴って氷華の乗っている氷塊へと飛び移る・・・・・
悠矢からすれば、送迎用の乗り物的な感じなのだろう・・・・・)
>>161
【本部にて】
桜空「げほっ・・・・・お、おーい・・・・・誰かいるかー・・・・・」
(片腕を押さえながら、吐血混じりの咳をしながら、ファーストのボスである桜空が本拠地へと戻ってくる・・・・・
ただでさえ片目は視力を失っているのに、戦いのダメージで視界がぼんやりとする今の桜空は、暗闇を歩く雛鳥も同然、かなり弱っているのが声の張り方だけでもわかるほどだ・・・・・)
>>162
狼谷
「おー、やっと帰ってきたかボス。
明らかにヤバかったみたいだが、三羽鴉でも来ていたのか?」
書類を読んで内容を確認していた中、部屋の隅に桜空が現れたのをその声や、空間移動する際の異音から察知すると、そちらへ視線を移し、立ち上がる。
八咫烏はそのメンバーの一人一人に独断で悪人を裁く権利が与えられており、組織的に行動する事も珍しいため、その全体の行動や人員配置は十二鴉の一人である狼谷でさえも把握することが出来ない程複雑な構造となっている。
それなりに腕の立つ取引相手が居て、その気になれば何時でも逃走できる空間移動能力を持った桜空が明らかにダメージを受けているのを見て、三羽鴉が現れたのかと問いかける。