>>199
氷華
「最後に来たのは二週間前?
少し間が空いてしまったけど、漸く来れた。」
夕渚の横になっているベッドの近くまで歩くと、両手を後ろに組ながら、小説が三冊積まれている事と、涙に濡れた枕を見て、敢えて核心には触れずに懐かしいと言葉を掛ける。
自分は闇に生きる存在であり、頻繁には顔を出すことが出来ず、半年も来るのに間が空いてしまう事もあったが、亡き弟と彼女の事は何時も気に掛けて来た……
自分はもう悲しくとも辛くとも涙は流れない。
自分の操る冷気のせいで体外に流れなくなっているからなのか、それとも人間として失ってはならない感情が失われてしまったからなのかは定かではない……
夕渚「確か・・・・・その通り二週間前!氷華記憶力いいね!」
(カレンダーに氷華が来てくれた日には印をつけており、氷華が確か最後に来たのは二週間ほど前だったかと呟けば、カレンダーを確認してその通りだと答え、氷華の記憶力のよさに少し興奮気味で上記を返す・・・・・
そして「バナナ、食べる?」と、学校の友達がお見舞いの品として持ってきてくれたと思われるいくつかの果物から、バナナを選んで差し出す)
>>200