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氷華
「ありがとう……そう言ってくれると……私はまだ私なんだって安心できる……」
氷華は微笑んだまま、夕渚の自分は自分だと言ってくれる言葉を聞くと、彼女に感謝の言葉を口にする。彼女はあまり賢い方ではなく、あまり深い部分まで推測しての言葉では無いと思われるものの、それでも氷華は彼女の言葉を聞いて安心する……
氷華
「あはは、私は大丈夫。少し夜風に当たりすぎただけ。
それじゃあ……私は帰るけど……ちゃんと勉強もしないと駄目よ?知識は力になる。今は役に立たなくとも、何時かは役に立つから……」
数多の戦闘の中で鍛え上げられた聴力が見回りの看護師の後音が廊下から聞こえて来るのを捉えると、これ以上長居していると看護師に見付かってしまうと思い、病室の窓を開け、外に出ようとする。
此処は地上5階の場所であるため、普通に考えるととても出入り出来るような場所でもないのだが、氷華は氷の足場を作ることで高度を無視して移動することが出来る。
夕渚「わかってるってぇ〜!こう見えても勉強はしてるんだよ?・・・・・一応・・・・・」
(一応の部分だけ、若干苦笑いしながら言うと、窓から帰ろうとする氷華に「またね、気を付けて帰ってね・・・・・」と、笑顔だがどこか別れを惜しむような感情も感じられる表情で、氷華に言う・・・・・
夜風が、氷華を再び八咫烏の長へと引き戻すかのように吹き付ける・・・・・)
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