>>243
氷華
「ほら、今のうちに此方へ。」
氷華は夕渚に向けて振り返ると右手を伸ばして二人が倒れている内にこの場から離れようと言う。
氷華の髪と瞳はまるで月光に照らされた氷のように綺麗で青白くなっており、その姿はまるで人間ではなく、天使か何かのようにも見えるが、彼女の行った事はその見た目とは裏腹に流血を伴う凄惨なものとなっている。
え・・・・・?で、でも・・・・・
(攻撃を受けた二人が気がかりなのか、助けてくれたことは嬉しいものの、一応救急車を呼んだ方がいいのではないかという考えも巡る・・・・・
だが、もし店の中にも自分と同じように誘導されてしまった人々がいるのではないかと思い、警察に通報した方がいいだろうか、それとも救急車を呼ぶのが先か、悩み始める・・・・・
氷華のように裏社会で生きる者達を知らずに育ってきた、言うなれば、優しさと純粋さを持つが故に今回のような危険なことも正確に判断出来ず、己を知らず知らずのうちに自ら滅ぼしかねないタイプの人間とも言える・・・・・)
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