>>257
氷華
「こんにちは……随分と大変そうだけど、私も手伝いましょうか?」
現状では自分が動かなければならない程の多きな犯罪組織や、大規模な犯罪行為も確認されていないことから、気晴らしを兼ねて拠点の中を歩いて回っていたところ、山のような書類を抱えて歩いているノエル(白鴉)の姿が目に映る。
フラフラとあちこちを歩いている事や、始めて見る顔であることから八咫烏に配属されてまだ間もない鴉であるとわかると、彼女の負担を少しでも軽減すると同時に道案内をしてあげようと思い、自分も手伝おうかと申し出てみる。
その氷華の様子や言動からは八咫烏と言う正義の執行機関、国家の暗部の長、金鵄と言うような単語から連想されるような威圧的な雰囲気やプレッシャーは一切感じられない。
__ っ、こんにちは、氷華さま!
( むゆん、と下がっていた眉が、突然目の前に現れた相手を見て驚いたようにぽんと上がって。彼女のやさしいお言葉に、ふわへな、口が泣き出しそうに歪み。ああこの方が、金鵄の氷華さま!お会いできるなんてと感動のあまり頬がやや紅潮し。すがるように目を瞑っては )
ちょっとだけ、ちょっとだけでいいので手伝って頂けたら、ノエル、幸いです …… 、
( けれど別の人物の声に今度はびくっと肩が震え。そっと瞼を開けば十二鴉のひとりである悠矢さまのお姿。ノエル、残りの人生の運を使い果たしてしまったかも。ひょこ、彼の方に足を向けて )
こんにちは、悠矢さま、
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