>>267
氷華
「…………………。」
バサバサとカラスが青空を羽ばたく中、氷華は雑居ビルの屋上から通りにいる静かに夕渚を見守り、数分が経過すると、彼女や他の鴉達に気付かれないように踵を返し、屋上から立ち去って行く。
互いに名も知らぬ者同士、呼び方さえも知らないものの、彼女が入院する事になる際には御見舞いに訪れる等して少しずつ親睦を深めていくのだが、それはまた別の話……
夕渚「・・・・・気のせい、かな・・・・・?」
(氷華が立ち去った数秒後に、夕渚はビルを見上げる・・・・・
ついさっきまで、誰かに見られていた気がしたが、気のせいだろうか、それともあの子が見ていたのだろうか・・・・・
そんな考えを巡らせる・・・・・)
【別の日…】
夕渚「うぅ〜・・・・・今日は寒いなぁ〜・・・・・」
(下校途中、その日は特に冷え込む日で、夕渚も手袋にマフラーと、かなり防寒対策をした状態でいた・・・・・
そして、他の裏路地が視界に入る・・・・・
またも謎の勘の鋭さが、夕渚を路地裏へと誘導する・・・・・
もしいたら、挨拶ぐらいはできるかなと思いながら、路地裏へと入ってゆく・・・・・)
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