>>301
薫
「……うーん、ちゃんとご飯を食べないと駄目だよ…?」
自分は医師であり、肉体や外傷の治療は出来るものの、カウンセラーとしての資格は持っていないため、髪の色が抜け落ちる程のストレスを僅か五歳で経験した彼の苦悩や絶望は計り知れない。家族が殺害されたと言う噂もあり、それが本当なら彼は幼い内に自分がこれまで経験したどの苦悩よりも凄惨な体験をしてしまったのだろう……
だが、ここで見捨てる訳にはいかない。折角マスクを外せるようになった事から桜空の頬を両手で包むようにして見て、彼の顔を見て、ちゃんとご飯を食べて健康に気を付けるように言う。
桜空「ひぃっ・・・・・!」
バッ・・・・・!
(桜空は突然手を包むようにされ顔を見られると、手を払い除けて目をぎゅっと閉じる・・・・・
恐らく、周りからの視線や家族を襲撃されたことによって、大人、もしくは誰かと接することに恐怖を感じるようになってしまったと思われる・・・・・
まだ幼く恐怖に敏感な年頃なのに、そこへ加えて大人でも恐怖するような体験をしたのだから無理もない、しかも桜空は目の前で両親を〇され精神的ショックと直接リンチされたことによる身体的ショックが合わさってしまっている・・・・・
この歳で人間不信になってもおかしくはない・・・・・
桜空の小さな体は、震えていた・・・・・)
>>302