>>29-30
氷華
「……向こうは人通りの多い商店街……あのまま暴走したままだと危ない……」
何時にも増して話題が切り替わりると言うようにマイペース過ぎるがあまり、会話の成立がしにくいものの、彼の言う視線の先では商店街に向けて突っ込もうとしている一団を見て、ビルのフェンスから身を乗り出し地上に向けて飛び降りる。
本題であるファーストの取引現場の制圧まで少し時間がある。
それなら眼前で暴走している一団を人目につく商店街に到達するまでに制圧を完了させて鎮圧すればいい。
ビルの屋上から飛び降りた際に空中に浮遊する小さな氷塊を生成してそれらを足場として跳び移りながら右手の掌の中に30cm程の大きさの氷槍を複数本生成して一団の先頭の列の両端を走る自転車の車輪を狙って投げ付ける。
これが当たれば両端にいる自転車乗り達を横転させ、そのまま中央や後方にまで転倒を広げることが出来るだろう。
>>33
「攻撃だぁ!!商店街!!突っ走れぇ!!!!あの冷凍庫『豆腐野郎』じゃないのか!!!」
「不安」はそう叫んだあと、自転車を有り得ない速度で漕ぎだし、氷を避けてそのまま走行を再開。
同時に少年少女はそれぞれまばらに移動し始める。
「商店街着けぇぇぇ!!!強盗(たた)くんじゃなかったのか!?!?」
「不安」は携帯のようなものを取り出してそう叫んだ後、さらにスピードを上げて商店街への到着を更に早める。