霞鴉
「(この瞬間的な発光……
閃光弾……か。なるほど、光の反射をしやすい濃霧を利用して閃光の威力を引き上げたか……)」
霞鴉もまた、一時的に身体を完全に霞に変え、そこから身体を再構築する事で視界を回復させつつ、冷静に戦況の分析を行う。
霞鴉
「(けど……それが吉に出るとは限らないよ?
なにせ……突然視界を奪われた者は見えない敵を恐れて周囲を攻撃し始めるのだからね)」
霞鴉の読み通り、樹木使いと、有翼の異能力者の二人が周囲に無数の枝槍を振り回し、または羽根弾を放ち続け、互いに自滅し合うことさえも厭わずに無差別に攻撃を撃ち出して行く……
仲間意識が低いからこそ、互いに攻撃が及ぶことさえも厭わずに視界を奪われた瞬間に周囲への攻撃を行っている。
だが、肝心の二人の位置……
特に樹木使いの位置はこの濃霧に紛れて巧妙に隠されており、周囲を攻撃する枝槍も遠隔操作可能なものとなっている。
紀「無差別攻撃、ですか・・・・・ナメないでもらいたい、私が幼少期過ごしたところなんて、こんな四方八方周囲への無差別な攻撃なんて当たり前、は日常茶飯事だった・・・・・」
(紀は幼少期、毎日が常に死と隣り合わせのスラム街、それも周りは砂埃で覆われることもあれば、銃を片手にうろつく大人がいることも珍しくない場所で孤独に育った・・・・・
霧の中でもある程度対処ができていたのは、幼少期に過ごした場所での経験が活きている証拠なのだろう・・・・・
常人ならばまず確実に避けることはありえない量の攻撃を、ひょいひょい避けてゆく・・・・・
「元戦争孤児を、ナメないでいただきたい・・・・・」)
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