>>153
氷華
「ふふっ、見えもしないものを信じているだなんて……貴方らしいわね。」
車椅子に揺られ、目を瞑りながら、目に見えない、そして彼自身も未だに答えの見つかっていない、曖昧にして明白としないものを信じて動いている、善にも悪にも成りきれない宙ぶらりんな考えが昔と変わっていないと呟いて。
《ウーッ ウーッ ウーッ》
突如、けたたましいサイレンがアジト全体に鳴り響き、敵の襲来を知らせる……八咫烏の残党が意識を取り戻した氷華の奪還のために来たのか、それとも別の第三勢力が二人を始末するために攻めてきたのか………現時点ではそのどちらなのかはわからない。
桜空「見えもしないなら、どう考えようが勝手だからな・・・・・」
(見えもしないものを信じているのが桜空らしいと言われれば、見えもしないものをどう考えようが、それは個人の自由だと答える・・・・・
桜空は、寧ろ見えないものは信じない主義の氷華は、自分の信念に縛られすぎた不自由な存在だとも思う・・・・・)
桜空「何か来やがったようだな・・・・・お前はこの小部屋に隠れてろ・・・・・」
(いきなり鳴り響いたサイレンは、間違いがないように常日頃点検を欠かさずに行っていることから、誤作動とは考えづらく桜空は氷華に隠れているように言う)
>>154