>>18
氷華
「……貴方はどうして私の前に現れたの?」
《パキパキパキパキパキ…》
一度桜空が八咫烏の拠点の一つから脱出した後……いや、こうした戦闘の中でも彼の異能を使えば簡単にこの場から逃げられたにも関わらず、劔鴉を倒し、自分の前に現れた彼の行動に対してそう呟く。
氷華は自分の周囲に再度多数の氷柱を形成しながらも、脳裏では先程からの桜空の言葉が何度も蘇っている。
桜空「くっ・・・・・ぅ・・・・・!」
(なんとか死は免れたものの、氷柱の雨によって左腕を半分ほど失った状態で、仰向けになっている・・・・・
腕から全身へと走る激痛に表情を歪める・・・・・
実の姉でありながら、弟がこんなに必死で逃げもしないで今もここにいることが本当にわからないのかという悲しみと複雑な感情までもが表情に入り交じる・・・・・)
>>19