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朱音
「……ったく、私も甘いね……」
姉弟と言うこともあり、何処か雰囲気や表情が似ているのを見て、優しく微笑む。
ファーストの中には八咫烏や氷華によって仲間や親友を殺害された者や、八咫烏への復讐心を持った者も少なくは無く、本来ならファーストの不殺の信条も無視して問答無用で処刑する必要のある氷華を助けてくれとまで言う。
この事が知られれば桜空だけでなく、自分も仲間や部下達から罵詈雑言を浴びせられたり、避難される事だろう……かく言う自分も少し前に桜空のそのやり方に反対していたのだが、それでも朱音は桜空の願いを聞き届ける事を決めた。
もう氷華は異能を使えるだけの余力も無いほど衰弱しているのか、直接氷華に触れても凍り付くような事は無くなっており、二人を担いで治療実の前に到着する。
そして一週間後……
紀「貴方も馬鹿ですね・・・・・桜空はともかく、敵組織の大元まで助けるだなんて・・・・・」
(未だ目覚めない桜空と氷華が入った治療マシンの前に立つ朱音の後ろから声をかける・・・・・
死んでいった仲間がこれを見たらどう思うだろうか、少なくとも冷静ではいられないだろう・・・・・
「・・・・・今なら、その腐りきった鴉も簡単に始末できますね・・・・・」)
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