>>110武亮
晶「おいおい、急に掴んだら危ないぞ」
(掴まれると同時にナイフを離す。余裕気に言葉を吐けば、落ちるそれを空いている片手で受け止めた。近距離にいる相手の首筋目掛け、無駄なくナイフを滑らせる。彼にとって目の前にあるもの全てが敵なのだ )
>>110
希「っ、大丈夫ですよ、大丈夫だから……」
(亡骸を掻き分け息のある生徒を見つけるが、本能的に、もうダメだと思ってしまった。生徒のためか、自分の正気を保つためか、声をかけながら止血を試みる。だが、この状況では止血すべき箇所をすぐに見つけることはできなかった。せめてもと生徒の手を握ると、そっと寄り添う。嘘でもなんでもいい、この苦しみから、少しでも解放できたら )
希「安心して。もう助かりますからね、大丈夫」
っ……!危ないなんて言えた口かよ……!
ぐぐっ……!
(刺さる寸前で相手の手首をつかんで何とか食い止める……
危ないと言っている割には、こちらへの殺意がむき出しであり、いずれにしても相手は誰であろうと手にかけることに躊躇いがないことが伺える……)
お前、生徒だよな……?敵の仲間なのか……?
生徒「……いた゛ぃ……たず……げ………………」
(生徒は必死に相手に訴えかけるが、その言葉が最期の言葉となった……
焦点の合っていない目を開けたまま、血の涙を流し、真っ赤に染まった輝きを失った瞳が相手を見つめる……)
>>111