( 湿った空気に身も心も重たくなるような気がして小さく息を漏らす。分厚い軍服が肌にまとわりつくような感覚に眉をひそめつつも足を早める。向かうは直属の上司の元である。軍が勝利したという情報は届いてる、きっとその事での呼び出しだろう。自身にとってそれはさほど興味のあることではなく、しかしそれを悟られる訳にはいかない。誰よりも国に対して従順であり、忠誠を示すことが出世への近道だということを理解しているからだ。上官とは今後の軍の動向にについての話になると予想でき、何を問われても返答出来るよう頭を回しながら足を早める。考え事をしていると周りへの意識が疎かになってしまう、だから話しかけられるまで気づかなかったのだろう。不意に話しかけられ、例の男の存在を認識する。それと同時にぞわりと悪寒が走り、全身が強ばる。今話しかけられたのは俺か、何故。動揺を隠そうと短く息を吐く。心臓の鼓動は速いまま落ち着く様子を見せない。 だが此奴は自身のことなどこれっぽっちも知らない筈である。ほんとうに気まぐれに話しかけてきただけに過ぎない、そういう男なのだ。どくどくと煩い心臓と裏腹に少しの冷静さを取り戻す。_全く白々しい笑顔だ、薄気味悪い。心の中で悪態を付く余裕が生まれた頃、相手を見据え口を開き下記。)
はっ、陸軍中尉志賀清充であります。…どうかされましたか、羅刹閣下
>>5 羅刹少佐
まあまあ、そんなに緊張しないで
( ぴしりとした空気を纏う彼から、その見た目通りの堅い言葉が返ってくる。それはそうだ、階級が二個上の関わりのない人間に話しかけられて緊張するなは流石に無理があるだろう。まあ自分はそんなことは気にしない側ではあるけれど。それでも自分に悪意も敵意もないことを示すため笑顔は崩さずにやや眉を下げながら宥めるように猫撫で声で上記。そのまま少しだけ目を細め、目の前の男をゆっくりと見つめる。湿った空気の方から離れていきそうな程に厳格で生真面目そうなその姿は、小柄ではあるものの確かに誰が見ても完璧な軍人そのものだと言えるだろう。軽薄と適当さを売りにしている自分に好印象はまず抱かないだろうな、と脳裏に掠めつつもう一歩だけ近づいて下記述べ。品定めと言えば聞こえが悪い。彼の目には本気さを感じる。何故ここまで国に尽くせるのか。自分にしては珍しく、純粋に興味があるのだ。 )
俺も話は聞いてるよ、優秀な部下もいるものだね
>>7 志賀君