>>147
「すごいのね、こんなに小さな体なのに。永刧に生きていけるかのようね……!」
オリヴィエの目も、キラキラと輝いている。興味津々である様子だ。
「ここはね、あらゆる世界の変革も受け入れない、平和な世界よ。安心なさい?」
>>148
魔王は、転がる少女にかけより、落ち着くようにと背中を撫でる。
「落ち着けって、ここは城の中だぞ?もう何も問題はない……」
リヴァは、立ち上がってバルコニーから外を眺めた。赤く滲んだ奇妙な満月が怪しく輝く。
「……嫌な世界だ。俺たちがいない間に何が……?」
どこか、リヴァシュナイダーの顔は苦しさに歪んでいるように見える……
>>149
「随分と、変な世界になったね……」
崖から眺める森は、なんとも歪な空気を釀し出している。
「魔王さんが、失踪したからかね……」
「……!誰かが近付いてくる?」
魔王は、ユラとスカルフェイスの気配を悟った。
そして、リヴァに並ぶように、バルコニーから外を眺める。
「そうそう!人間って言うのはね〜、好きなこととか、楽しいこととかが有れば、幾らでも生きていけるんだよ!」
(鞄からいくつか宝を取り出していくが、その時一つの銀色のシンプルなネジ巻きが目につき、取り出して見せると)
「コレはね、私のいっちばんの宝物なんだ!昔次元空間を彷徨ってた時に偶々見付けたの!コレ、【オートマタネジマキ】って云われてるらしいんだけど、コレを使えばオートマタが作れるんだよ!私も一個作ってみて………えーっと、試しに【ルベ】って名付けたんだけどね、凄い優秀なんだ!」
(ネジ巻きをクルクルと弄ぶ様に動かし、一頻り触った後に鞄の中に仕舞うと)
ユラの言葉にうなづく
「…ルーは少なくとも…5日前までは森にいた筈だ…
…デリケートなのだね、かくも深く、広い森といえど」
先程から、城へ近付く度に空気が澄んでいくのを感じる…
森で吸った空気はこうも澄んでなどいなかった
管理を失っている森が、日々の経つ度に悪化しているのは明らかだ
小娘の目に飛び込んでくる景色がハッキリし始める…
城の中…城の中…聞き覚えのある声……
「むぁあっ!!やっと此処に来れたんですねっ!!」
(急に元気な声とともに飛び起きた)
「ぁっ!お久しぶりですっ!女王さまの殿方さん!」