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初代巫女
「貴方は人間が……この世界の事が好き?」
《ザアァァァァァァァ……》
ふと、初代巫女は魔咲美から顔を逸らして、辺りの木々がざわめき、二人の間に風が吹き込み、その風によって初代巫女の長い黒髪が風に靡き、その表情が見えないものの、その声からは何処か寂しそうにも聞こえる。
魔咲美「・・・・・人間に限らず、生き物の感情なんてどれもバラつきのあるもんさ、自分よりも力の強い奴、未知の力を使う奴、人間ではない者・・・・・恐怖心を抱くなんてのは当たり前なんだ、実際私も例え優しいとしても鬼や妖怪はやっぱり怖いしな・・・・・さっき、差別に耐え切れなくて集落を飛び出したと言ったが、集落の奴らの言い分も気持ちも私は十分わかってるんだ、差別されるのが嫌だったが、実際はもうアイツらに迷惑かけたり怖がらせたくないってのもあって今に至るな・・・・・だから、こうなったのは当たり前のこととして受け止めている、人間にも、この世界にも、嫌悪感は抱いていないよ・・・・・」
(魔咲美は自分の感情を一言では表しづらかったのか、長々と説明する・・・・・
何に恐怖心を抱くかはそれぞれの自由だし、未知に対しての恐怖は誰にだってある、魔女という存在の自分はその未知の存在に該当した、だから恐れられた、ただそれだけのことだと・・・・・
自分だって例え優しい性格をしていたとしても、それを知らなければ鬼や妖怪は怖く感じる、それと同じく集落の人間に自分は恐れられた、もう迷惑をかけたくない、怖がらせたくない、差別されるのが嫌ではあったが、実際はその他の気持ちもあり、そしてその気持ちの方が強かったのかもしれないと、今になって思う・・・・・
だからこそ、自分が受け止めるにも突き放していただけであり、これは当たり前のことだから、人間及びこの世界に対する嫌悪感はないと答える・・・・・)
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