【リレー小説】学園女王【企画?】

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16:ビーカー◆r6:2017/02/12(日) 21:33

上限はありませんが、自分が使いこなせるくらいに留めておくのが良いかと思います。


匿名 ABN:2017/02/16(木) 07:30 [返信]

>>16 回答ありがとうございます。あと二人ほどキャラの案があるので、一応それまでに留めておきます)
(かおりさんが投稿した場面が、仮の処刑宣言の翌日だと仮定して書きました。不都合などがあればスルーお願いします)



「どうかしましたか? 神狩会計。会長の演説中に余所見とは珍しいですね」

「いえ、なんでもないわ。ちょっと心配ごとがあっただけだから」


 自分の隣に立っていた、同じく生徒会役員の安部野に声をかけられる。彼の問いに対して、美紀は本心を誤魔化す形で答えた。
 ――璃々愛は確かに得体の知れない不安分子だ。しかし他でもない百合子自身が彼女を肯定しているのなら、少なくとも璃々愛は百合子、及び自分の障害ではないのだろう。それより、問題は……。


「ところで神狩会計。今回の『昇格』に伴って一つ提案があるのですが、よろしいでしょうか?」

「提案? 何かしら」


 美紀がその話を聞き入れる姿勢を見せると、安部野はゆるりと口元を緩めながら言葉を続けた。


「今回の処刑対象は、自ら生徒会長に手を出した無謀者でした。無謀というのは時に恐ろしいもの。こちらにも読めない方法で、反逆を企ててくる可能性もあります」

「確かにね。でも、だからこそ今回の『昇格』でしょう? E組に堕ちた生徒は、この学園では無力も同じよ」

「無力だからこそ、ですよ。失うものがなくなれば、リスクを恐れる必要もない。恐れがなければ、過激な手段でも躊躇いなく実行するかもしれません。そんな危険人物を放置するわけにはいかないでしょう」

「……つまり、今回の処刑対象には監視をつけたいということ?」

「理解が早くて助かります。それに自分で言うのもなんですが、僕の観察力は人並みよりは高い。彼女たちに不穏な動きがあれば、それを理由に処刑を先導……あるいは煽動することも出来るでしょう」


 いかがでしょうか? と最後に締め括って、安部野は自分の提案を述べ終わった。
 確かに彼の意見は一理ある。それを踏まえた上で念には念を入れ、という理由での監視なのだろう。美紀はそう思案する。


「……なるほど、悪くないアイデアね。でもそれを通すには、会長の承認が必要になるから即答はできないわよ」

「勿論、承知しております。ですので生徒会長のお時間が空き次第、この案の是非を判断して頂きたい所存です」

「安部野くんの考えは分かったわ。一応今の話は、会長に伝えておくわね」

「ありがとうございます」


 保留の返事を受け取り、うやうやしく頭を下げる安部野。その顔が下がっている間、美紀は彼の仕草を訝しげな目で見ていた。

 安部野椎哉。彼は今年度の新学期から、白羽学園に転入してきた生徒だ。三年生とはいえ、新参者の彼が生徒会役員の座に就けたのは、優秀な学力と、学園への強い貢献心を認められたからという話だが。
 執事のようだと揶揄されるほど、柔らかい物腰と周囲への綿密な配慮。その一挙一動があまりにも丁寧すぎて、逆に胡散臭さを覚えるのだ。従順という分厚い皮で、それとは真逆の性質を覆い隠しているような。


「おや、そろそろ始まるようですよ。正式な処刑宣言が」


 百合子が立っているステージに安部野が目線を向ける。同時に美紀も、演説台に立つ彼女をじっと見つめた。
 ――板橋麻衣。松葉晃。結城璃々愛。安部野椎哉。誰が敵に回ろうと同じこと。親愛なる百合子に仇成す者は例外なく、全員破滅を辿らせるまでだ。
 全校生徒の前、凛とした佇まいで直立する百合子の姿に、美紀は改めて自らの決意を固め直すのであった。


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