>>182続き
凛は、みんなの、この部活の、理解者だから。
復活派の人は皆、吹部の人が相談する。私もその一人。
「麻美。私、会長に訴えようかなー」
「え!?やだ!やめてよ!そうしたら、―――」
「そうしたら、何?」
「―――ううん、何でもない。でも、やめて。お願いだから」
ここにいるのが2人だけで良かった。
「でも、一回だけ言ったことあるよ?ここはいかれてるって」
……!嘘…!?
「じゃあ、何で吹部が潰れてないの?」
「そりゃあ、いきなり強豪が潰れたらおかしいからだよ」
それはそうですけど…ねぇ。あいつなら何かと攻撃しそうだからねぇ。頭いかれてるしー。
「今年のコンクール、終わったら何かしてきそうだねー」
「凛!嫌なこと言わないでよ。美雪だって、フルートソロ全国まで行って、大会がコンクール終わってからなんだから」
「美雪ちゃん、すごいよねぇ。今回、フルートとピッコロの持ち替えでしょ?」
「うん。とにかく、あいつに訴えるのはやめて」
「……はーい」
これなら大丈夫…かな。
―――美雪❅視点―――
部長、遅れすぎです……!
でも、あそこ完璧とか流石です!
これじゃ、褒めてんのか、けなしてるのか……。
まぁいいでしょう。
❅ ❅ ❅
部長が、一回あいつに言ったあ!?
ハァ、何してんの!?
あぁ、やばいやばいやばいーーーどうしよう!
一応、あいつの秘密、知ってんだけど本当かわからないからなぁ。どうしよう。
とりあえず、観察――情報収取――しますか。
>>184続き
「美雪ー!早く練習するよー」
「ハーイ……で、麻美先輩、ピアノ完璧にできるようになりましたか?完璧に、ですよ?」
「う………ま、まぁ…アハハハハ……」
乾いた笑いが出てくる…イヤー!!美雪!何故、完璧ではなかったとわかるんだ!?
麻美先ぱーい、県大会の決勝戦の時、若干テンポ遅かったんですよー。しかも、目立たない程度で1,2箇所間違えてましたし、フルートでカバーするの大変でしたよー。
お互いの思っていることが部長に伝わっている……と、2人以外の部員は思っているだろう。
「2人の思ってることは、わかるから早く練習しようねぇ?」
「「…ハァーイ」」
((部長、怖いです……!))
「1、2、3!」
静かに流れだすピアノの音。フルートの洗礼された音が聞こえてくる。
(ストップしまーす)