>>121必読、本編です
光は男の体を包み、ゆっくりと
何かを溶かす「はぁ!?」
……前に、跡形もなく消え去りました。
魔法が効かない、それは相手が自分よりも多く、魔力を持っているという事になります。
世界最強のはずの、魔王よりも。
「あーやっぱ魔王くんもダメかぁ…」
「お前何か知ってんの?」
シンデレラは、顔をしかめている魔王様に、「えーっとねー?」と、呑気に
語り始めました。
国の成り立ちと、歴史から消されたライオットの事を。
「……で、それがこの男と何の関係があるんだよ?」
長い長い、作り話かと疑うような国の真実を聞いて、皺をさらに深めた魔王
様。
「うん。これは私の予想だけどね?」
そこまで言うとシンデレラは、牢の中の奴隷を指さしました。
「この人さぁ、エンジュ・ライオットだと思うんだけど。」
「…………」
「魔王くんの魔法弾いたし、家宝のエンジュの像に瓜二つだし」
「………………」
「だからね、多分、何かの術で髪色隠してるんだろうなーと思って、解除魔法かけたけど効かなくて…」
「……………………」
「でもでもやっぱりエンジュさんにしか見えな……あれ、魔王くん?」
魔王様、フリーズ。
「ままままままま魔王くん?具合悪いの、どうしたの??」
「子煮えお不ぃ怨v祖;胃のwg時青gjp和m場卯ぇ時g日おw車」
慌てるシンデレラと、固まったまま言葉にならない言葉を発する魔王。
「っふ………!!!!」
に、堪えきれないと声を漏らしたのは
牢の中の男。
「あ、聞いてたなら教えて下さい、エンジュさんですか?」
「ffiああああlfもeudflぬめすtgkねむhjcるeにくwめmめiyl…」
「ひっははははははは…!!!!!!!」
「笑ってないで教えて下さいよー」
「agむk5jct3見tn部mkojぬ寝sdhko」
「ははははは…あー笑った笑った…
久々に面白かったし、教えてやるよ」
「やっとですかぁ…」
「ぶはっ……拘束術式、解禁…」
笑いながら男が声を発すると、
黒かった髪と瞳が、光に包まれ
鮮やかな桃色に変わっていきました。
「あーほらやっぱりー。」
「んなっ…………………………」
正気を取り戻し、驚きに目を見開く魔王様。
「あたり」と薄く微笑むシンデレラ。
「よく分かったな嬢ちゃん、正解。
俺が、国を作った魔王のエンジュ・ライオットだ」
「いやー、昔住んでた家に飾ってた
肖像画に瓜二つだったんで」
「ん?つぅ事は…」
「ええ。まぁ訳ありですけど」
「…………ほぉ」
訳のわからない会話に、置いていかれる魔王様。
「ちょっ………いやその、貴方は何なんですか?」
「魔王だけど?」
「一応、俺も魔王なんですけど…」
「冥界とか魔界の統治してるの俺だもん。君は国のシステムだろ?」
まあ、本気出したら俺より強そうだけど。と付け足して、エンジュはため息をつきました。
「しっかしエンジュさん…凄い美形ですね、魔王くんがいなかったら惚れてました。」
「おお、そうだろ?」
「シンデレラ待て、お前にも聞きたい事があるんだ」
「へ?」
「何でお前が、カレルド家のみに伝わる話を知っていた?」
「あー。気づいてないのね?」
「大体話の流れで分かるよなあ。」
「うん。まぁいいか…えいっ、禁術かいきーん」
ぐちゃっ、と何かが潰れたような音がした後、シンデレラは。
「挨拶し直しかな?
カレルド家三女のアヤノ・カレルドだよ。まぁ訳あって絶縁されてるけど…血筋は確か!」
エンジュと同じ、桃色の髪を揺らしながら笑いました。
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『ぐちゃっ』の話。
「はいはーいシンデレラだよー」
「本編に出れらません…。姫2です」
「ども、雇われ魔王です」
「俺も魔王やってる、エディだよ」
今回は、この暇人四名です。
「誰が暇人だー!!」
「シンデレラ耳元で騒ぐな。煩い」
「…で、シンデレラがいるならちょうどいいです…聞きたいことがあるんですけど。」
「ん、舞ちゃんグイグイくるね!」
「どしたのお姉様」
「>>134で…シンデレラが術を解除したときの効果音が気になって。」
「うわマジ、『ぐちゃ』って何アヤちゃん」
「シンデレラです。」
「タチ悪ィ呪術でも使ってんの?」
「や、ただ細胞潰した音」
…………絶句。
「んとね、私魔力のわりに器の体が丈夫じゃなくて、負荷に耐えられないんだよね。」
「は、はい……」
「だから普通の魔法苦手なのー。
特に、外見変えたりとかは維持できないっていうか…あは。」
へらへら笑っていますが、結構危険な事実です。
「でもお前、髪色変えたままにできてるじゃねェの」
「うん。だから禁術。」
「………え?」
「臓器とか細胞の動きを止めて、そっちのエネルギーを使って維持してんのー。寿命縮みまくり。」
「アヤ、それ怪我でもしたら…」
「死ぬねぇ。
働いてないから再生しないし。
あ、流石にずっとは無理だから、たまに解除してるよ?」
「……シンデレラ、あの『ぐちゃ』はまさか…」
「ちょっと耐えられなくなって、いくつか潰れたっぽい。」
「きゃああああああああああああああああああ!!!!」
姫2の絶叫が響きます。
「つぅか、臓器止めてて何で生きてんだよ。」
「そこはエ……げふんげふん、ネタバレはよくないね、にゃはは」
こっそり寿命を削り続けるヒロイン。
魔王様を振り向かせるまで、生きていられるかも怪しいです。