第三話
突然、インターフォンが鳴った。
「うっ!? 」
俺はそのインターフォンの音を聞いたとたんにビクッと体が震えだしたのであった。事の発端は、俺が投稿した小説だった。
「と、とりあえず誰なのか確認してみよう」
俺は、玄関まで向かいドアスコープから外を覗くと、するとスーツ姿の男性2人が立っていたのである。
「佐藤さん、佐藤雄一さん。警察の者ですがいらっしゃいませんか? 」
手には警察手帳を持っていたので、確かに警察関係者のようだ。
「はい」
私はそう言って、玄関のドアを開けた。
「佐藤雄一さん。単刀直入に言いますが、貴方はテロリストに狙われています。警察署で保護いたしますので、至急ご同行をお願いします」
テロリスト……やはり、俺はあの変な名前の宗教団体に狙われていたようだ。で、警察も俺の投稿した小説を読むなりして、俺が狙われていると睨んだのだろう。しかし、幸い警察から保護を受けられるようで、とりあえずは安心できる。
「わかりました。す、直ぐに準備をいたしますので」
俺はそう言って、急いで家を出る支度をした。
※
「なんだよ投稿されてないのか……」
私は一昨日、昨日に続き、例の小説のスレを開いたものの、今日は小説が投稿されていなかったようで残念だった。だが、小説外のコメントは投稿されていた。
『 佐藤雄一さん。貴方が千島県警の択捉警察署に居るのは知っていますよ? 今から行きますからね』
どうやら見たくもない神聖小説守護教会の人間が書き込んだものだった。とはいえ、仮にこの書き込みが正しければ、小説の投稿者は警察署に居るようだ。保護でもされたのだろうか?
「でも奴らは、武装して警察署を襲う必要があるんだよな……」
神聖小説守護教会は本当に危険な連中であり、自衛隊の駐屯地を襲撃したこともある。つまり警察署ごときじゃ、対応できないのである。もちろん、この教団のアジトが警察や自衛隊によって制圧されることも多いが、奴らは日本各地にゴキブリのように巣食っているので次から次へと湧いて出てくるのだ。
それから少しばかり時間が経ったのである。私は別のサイトを適当に見ていたら、インターフォンの音が鳴った。
「誰なんだ? 」
私は玄関へ向かおうとした途端、突然、その玄関が開いた音が聞こえてきたのであった。
「勝手に開けたのか……? まさか! 」
私はタンスへと急いだのであった。
第三話 終わり