性癖短編

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4:cmねる。:2021/05/15(土) 08:12

『アーノルドとオリビア』

『お母さん、できました!』
『あら、満点! すごいわねえ』

満面の笑み、赤い丸だけの答案。
もう慣れた作り物の表情。それに気づきもしない母親の後ろに、姉≠ェいる。

ここからだとよく見えるんだよ。

『……』

ああ、『俺に嫉妬してるんだな』って。

なんであの子ばかり褒められるの、わたしだって頑張ってるのに、でもそんなこと言えない、だってわたしは姉さんなんだから。

……っていうさ、そういう声がいやってくらい聞こえてくる。

そうだよね、オリビア。
本当の子じゃない♂エばかり可愛がられてちゃしかたないよね。

「オリビア」

「……なによ」

「嫉妬してる?」

そう悪戯に聞いてみれば、オリビアのつり目がちな瞳が動揺で見開かれた。

「……ばっかじゃないの」

見開いたあと、すぐに細めた双眸には淡い涙が浮かんでいる。

──ああ、ほんとうに。

俺に嫉妬してしまうくらい、泣いてしまうくらい、自分を責めてしまうくらい、オリビアって馬鹿だな。

「大丈夫だよ」

泣いている彼女≠フ手をするりと取った。

「可哀想にね、無能だと誰にも見向きされなくて」

でもさ、

「俺だけがオリビアを見てやるから安心しなよ」

そういうところが、心の底から好きだって。
……気づいてる?

>>2->>3の兄弟。こういうのが性癖すぎる)


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