あくる日私は桜の木の下に
“宙ぶらりん”になっている男を見つけた
私は溜め息をひとつ吐き
穴堀金具で桜の木の下に埋める
昨日は女が
其の又昨日は互いの恋叶わぬ男女が
この桜に曰く無く
日増しに桜の下には人が増えて行く
だが其れも今日で終り
私が行くのだから
桜の木は花弁を風に吹かせ喜び舞い踊る
第捌部
『幽追歌』
>>2
『喰魚』
>>3
『黄泉歩』
>>4
『曰招』
>>5
『恋病女』
>>6
『二添』
>>7
『誰か』
>>8
『魔カ宴』
>>9
『螺折』
>>11
『悪戯角灯』