銃と兵士の声しか聞こえない。此処は戦場、当たり前の事だ。私はそれを少し離れた基地から眺めている。
「あ、私が張った地雷踏んだ」
ぽそりと呟く。隣にいた仲間は呆れた顔をして溜め息を吐いていた。でも、良いじゃないか。この異常を受け入れるためには、私が異常に染まった方が早い。
「お前さぁ、」
仲間がやっと声を掛けてきた。さっきの溜め息より、呆れた感情を露にして。
「なんでそんな受け入れられるんだよ、こんなクソみてぇな光景をよ。」
「だって……面倒じゃん。」
「はぁ?」
心底意味がわからないとでも言うような返答だった。なんでわからないのかが私にはわからない。だから、当たり前の事すら知らない子供に勉強を教える先生のように、答えた。
「わざわざ逃げられないのに抵抗して、力の無駄遣いするのなんて、意味無いじゃん。結局受け入れるしか無いなら、楽な方を選んだ方が、絶対に良い。お前は力の無駄遣いをする人間?」
「…………」
政府は絶対に止まらない。全てを奪い尽くすまで、きっと。……いや、奪い尽くしても止まらないだろう。自分勝手に、自己満足で、戦い続ける。
私達も、命尽きるまで解放されることは無いのだ。ずっと鎖に繋げられたまま。
この特務小隊──通称"学生部隊"から。
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設定とか
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