地区と地区との間には鉄柵が敷かれていて、設けられた出入口でしか通行ができないようになっている。戒厳令でも出ない限りは兵士の見張りはいないので、気を楽にしたままギベオン地区を抜けられた。
コーラル地区に出ると雰囲気はガラッと変わる。保育園や公園の前を通ると、キャッキャと無邪気な子どもの笑い声がして、二人の気持ちを少し暖かくした。
「子どもは愛らしくて良いね」
「普通になら、俺らも子どもって言われる歳なんだけどな。……というか、それをお前が言うか。」
アザミは普段、自分から雑談の話題を出さないし、話を誰かから振られてもいまいち反応が薄い。そのため、今のアザミがノアには珍しく思えた。
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設定とか
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