そんな容姿は彼のコンプレックスとなっていた。それ故に強く、男らしくなろうと(安直だが)軍に入ることを志願したのだ。彼がこの特務小隊に配属された当初はとても不服そうだったが、今ではそれなりに満足しているようだった。
「……ぁ」
「何?」
少し機嫌を損ねていたノアが、澄んだ青の瞳を見開いて見えたものは。
ただでさえ暑い軍服に、その上真っ黒なローブを羽織った人影。─この国にいる誰もが知っている、"魔法部隊"の人間だ。そして、近付いてくる人は、二人と知り合いだった。だが形式上、立場が上の者に敬礼をしない訳にはいかないので、とりあえず、で敬礼をした。
「やぁやぁ、学生クン。先の戦ではご苦労だった。」
「ありがとうございます、パーシーさん。」
「別に無理してそーいう事言わないで良いですよ。」
「うわー、流石アザミちゃん、手厳しい。」
巫山戯た態度の青年。彼の名はパーシヴァル・クレイ。若年にして魔法部隊のエースを張っており、剣や重火器等の扱いにも長けている。おちゃらけているようでやる時はしっかりやる人間なのだ。そこが二人から好かれている点だろう。
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設定とか
本文
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