妖精の尻尾〜ナツルー小説〜3

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306:ゴーシュ:2014/02/28(金) 21:38 ID:6eM

ハッピーの答えを聞いたユキノはしばらく固まっていたが、次第にその瞳が潤みはじめ、大粒の涙をこぼした。
始めこそ声もなく涙を流していたが力が抜け、膝から崩れ落ちる。
「あ、ああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
同時に響いたのは空気を震わすほどの号哭。
慌てたギルドのメンバーがどうにか宥めて説明を求めようとするも、嗚咽が激しく何も聞き取れない。
あのユキノをここまで追い詰めるとは一体何があったのか。いいしれぬ不安感がギルド全体を覆いつくした。

そんな時、ユキノが顔を覆っていた両手のうちの一つをおもむろに腰のベルトに伸ばした。
流れるような動作で引き出された星霊界の鍵は、通常よりも大きく複雑な魔方陣を展開させる。
ユキノが何をしようとしているのか全く見当がつかない外野の目は、それでもしっかりと魔方陣の中心へ向けられていた。


ゴーシュ:2014/03/13(木) 19:59 ID:6eM [返信]

長らくほったらかしにしてきた長編の続きです!
思えば>>306を最後に更新していませんでした…。
自分の遅筆度合いが恐ろしいです(*_*)
 


ユキノが何をしようとしているのか全く見当がつかない外野の目は、それでもしっかりと魔方陣の中心へ向けられていた。
やがて鐘の音が鳴り響き、一際大きな天秤を背負った女性─────と、その天秤に乗せられたロキが現れた。
彼女、もといライブラが背負っている、大魔闘演武の時に見たものより幾倍か大きい天秤は、不思議とロキを乗せても釣り合ったままであった。
彼女は自らの主の姿を見て取るや、悲しげに目を伏せた。
しかしすぐに顔をあげ、ギルドをぐるりと見回した。

「だいたいの事態は把握した。まだ事情は何も聞いて居ないのだろう?
主に代わり、このライブラが説明しよう。聞きたいことはいくらでもあるだろうが、すまない。私の話が終わってからにはしてくれないだろうか。」

茫然としつつも、必死に頷くギルドのメンバー達を視界に映すと、彼女はとつとつと語りだした。


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