>>337
渚side
渚「で、こういう結果になったんだ…」
海「そゆこと」
今、ビッチ先生は烏間先生を殺そうと躍起になっている。
なんでも、殺せんせーの提案で、烏間先生を殺せたらビッチ先生は残留。殺せなかったらロヴロさんと帰ってしまうらしい。
僕らとしてもビッチ先生には勝ってほしいんだけど…。
カ「で、どうして海まで参加してんの?」
海「あはは…」
昨日のことだった。
殺せんせーが烏間先生暗殺ゲームを提案したら、海は「だったら自分も参加する」と言ってきたらしい。
ロ「⁉ 海、お前は参加しなくてもいいだろう。何せお前は」
海「私は直接参加はしないよ。ただ、もし先輩が烏間先生を殺せなかったら私もこの教室から去ると言ってるんだ」
前「で、ビッチ先生には勝算があんのかよ?」
前原くんの問いかけに海はきょとんとした。それから大きな声で笑い出した。
海「あるわけないじゃん」
前「ないのかよ!」
海「だって相手は烏間先生だよ? 勝てるわけないじゃん。彼が手加減しない限りさ」
たしかに…。
海「でも、きっと先輩は勝ちにいける。私はそう信じてる、だから彼女に全てを任せたんだ。それに、どうやらさっきロヴロ先生が怪我をしたみたいだし」
茅「怪我⁉」
プロの殺し屋が怪我をするなんて、いや。プロも怪我をするなんて当たり前だけど、いったいなにが…。
海「どうやら烏間先生がやっちゃったみたい。さすが防衛省の人間だよね!」
カ「あぁ、なるほどね。ようするにロヴロさんが烏間先生を暗殺しようとして、反撃にあっちゃった的な」
海「そうそう」
昼休み(三人称でいきます)
ビ「カラスマ、私はどうしてもここに残りたいの。だから、ね」
海はその様子をE組のみんなと一緒に見ていた。
いったい彼女の暗殺が成功するのかどうなのか。それは海にもわからなかった。ただ、信じるより他ない。
烏(この調子だと、ナイフを奪って終わりだな)
少し離れたところで殺せんせーとロヴロは烏間とイリーナを見ていた。
殺「彼女の授業は挑戦と克服の繰り返し。そんな彼女がこの教室に来てから何もしていないとお思いですか」
そう言い、大きめのカバンをロヴロに渡す。
ロ「これは!?」
ビ「じゃ、そっち行くわね」
瞬間、ワイヤートラップが発動した。
烏「!?」
イリーナは烏間の上をとった!
殺「彼女は私の殺し方を自分なりに考え、挑戦と克服をしているのです。あなたならこのバッグを見るだけで彼女の見えない努力が見えるでしょう」
カバンの中身はワイヤーや殺せんせーの人形など、暗殺の練習に必要な道具がそろっていた。
ビ「もらった!」
ナイフが振りかざされる、が。
烏「くっ、危なかった」
烏間は振りかざされたナイフをがっちりつかみ、なんとか回避した。
ビ(!? まずい、力勝負になったら打つ手が… )
「烏間、殺りたいの。ダメ?」
烏「殺らせろとすがりつく暗殺者がいるか!! …あー、もういい。諦めの悪い奴に、今日一日付き合えるか!」
ナイフが烏間の上にポトリと落ちる。
杉「すげぇ」
前「ビッチ先生、残留決定じゃん」
海「フゥ…」
海は心の底からホッとした。
茅「海ちゃん、ホッとしてるの?」
海「あはは、まぁね」
海は窓からそのまま外へ出ていく。
今、ロヴロとイリーナの会話が終わったところだ。きっと、励ましの言葉でもかけてもらったのだろう。イリーナは嬉しそうな顔をしていた。
海「先生」
ロ「…海か」
海「お疲れ様です」
ロ「お前はわかっていたのか? イリーナが勝てると」
海「さぁ、どうでしょうね」
ロ「……海、どうしてお前がまたこの世界に戻ってきたのかはわからない。ただ…」
海「ロヴロ先生」
海はロヴロの言葉をさえぎった。
海「そのことはいづれ、私の口からみんなに伝えます。ただ、今はその時じゃない。それに、私はどうしてもやらなきゃいけないことがある。だから、あそこにいるんだ」
海は校舎の方を見た。
彼女の目の中にはみんなが映っていた。
海「じゃあね、先生。私は私で頑張るから、そっちも達者で」
ロ「フッ、体には気をつけるんだぞ。イリーナにもそう伝えておけ」
海「はーい」
海は微笑むと、教室へと戻っていった。
物語の進み具合からいって、次はイトナが出る話だけど、短くいきます!!
イトナファンの方々すみませんm(*_ _)m
渚side
新たに転校生が来るという話になったのは、昨日のことだった。
烏間先生いわく、「本命」らしい。
殺「律さんのときは驚かされましたからね、今度は驚きませんよぉ」
律「ふふっ」
殺「とはいえ、また仲間が増えるというのは、嬉しいもんです」
自分を殺してくる暗殺者が転校生だっていうのに、殺せんせーは嬉しそうだ。
それにしても、梅雨の時期ってなんだか嫌だなあ。
じめじめしてるし…。
原「ねぇ、律。転校生について何か聞いてないの?」
律「はい、少しだけ。本来私と彼は同時投入の予定でした。ですが、2つの理由でそれはキャンセルされたのです」
原「へぇ、理由って?」
律「1つは彼のメンテナンスに予定より時間がかかったこと、もう1つは私のサポートの力不足。私が彼より、圧倒的に劣っていたから」
殺せんせーの指を破壊した律がその扱い…。
いったい、どんな人が。
ガラッ
⁉
僕らは驚いてそちらを見た。
そこにいたのは、白装束の…。
転校、生?
ポンッ
⁉
鳩が出てきた。
?「ははっ、驚かせて悪かったね。私は転校生ではなく、保護者さ。まぁ、白いし。シロとでも呼んでくれ」
茅「いきなり白装束でやってきて、手品やったらビビるよね」
渚「うん。殺せんせーでなけりゃ、誰だって…」
って、殺せんせー…。
前「何びびってんだよ、殺せんせー」
岡「奥の手の液状化まで使ってよぉ」
殺「あぁ、いや…。律さんがおっかない話するもので」
殺せんせーは急いで自分の服に戻った…。
シロという名の謎の人物は、なんか掴みどころのなさそうな人だった。
あれ、こっち見てる。
シ「……」
殺「? 何か」
シ「いや、みんないい子そうですな。これならあの子も馴染みやすそうだ。おーい、イトナ。入っておいで」
僕らはドアの方を見たけど…。
ガシャァァァァ
⁉
後ろで、ものすごい音がした。
?「俺は勝った。この教室の壁より強いことが証明された」
皆「いや、ドアから入れよ‼」
この子が、イトナくん…。