物語の進み具合からいって、次はイトナが出る話だけど、短くいきます!!
イトナファンの方々すみませんm(*_ _)m
>>339
渚side
新たに転校生が来るという話になったのは、昨日のことだった。
烏間先生いわく、「本命」らしい。
殺「律さんのときは驚かされましたからね、今度は驚きませんよぉ」
律「ふふっ」
殺「とはいえ、また仲間が増えるというのは、嬉しいもんです」
自分を殺してくる暗殺者が転校生だっていうのに、殺せんせーは嬉しそうだ。
それにしても、梅雨の時期ってなんだか嫌だなあ。
じめじめしてるし…。
原「ねぇ、律。転校生について何か聞いてないの?」
律「はい、少しだけ。本来私と彼は同時投入の予定でした。ですが、2つの理由でそれはキャンセルされたのです」
原「へぇ、理由って?」
律「1つは彼のメンテナンスに予定より時間がかかったこと、もう1つは私のサポートの力不足。私が彼より、圧倒的に劣っていたから」
殺せんせーの指を破壊した律がその扱い…。
いったい、どんな人が。
ガラッ
⁉
僕らは驚いてそちらを見た。
そこにいたのは、白装束の…。
転校、生?
ポンッ
⁉
鳩が出てきた。
?「ははっ、驚かせて悪かったね。私は転校生ではなく、保護者さ。まぁ、白いし。シロとでも呼んでくれ」
茅「いきなり白装束でやってきて、手品やったらビビるよね」
渚「うん。殺せんせーでなけりゃ、誰だって…」
って、殺せんせー…。
前「何びびってんだよ、殺せんせー」
岡「奥の手の液状化まで使ってよぉ」
殺「あぁ、いや…。律さんがおっかない話するもので」
殺せんせーは急いで自分の服に戻った…。
シロという名の謎の人物は、なんか掴みどころのなさそうな人だった。
あれ、こっち見てる。
シ「……」
殺「? 何か」
シ「いや、みんないい子そうですな。これならあの子も馴染みやすそうだ。おーい、イトナ。入っておいで」
僕らはドアの方を見たけど…。
ガシャァァァァ
⁉
後ろで、ものすごい音がした。
?「俺は勝った。この教室の壁より強いことが証明された」
皆「いや、ドアから入れよ‼」
この子が、イトナくん…。
前「なんか、またメンドくさいのが来やがった!」
カ「ねぇ、イトナくん。今外から入ってきたよね。外、ずぶ濡れの雨なのにどうしてイトナくん。一滴たりとも濡れてないの?」
茅「あ…」
イトナくんは教室中をキョロキョロ見回し、それからカルマくんに向き直って言った。
イ「お前は、このクラスで1番強い。けど、安心しろ。俺より弱いから、俺はお前を殺さない」
そう言って、イトナくんはカルマくんの頭をなでた。
カ「いやいや、俺より強い人なんていくらでもいるっしょ。例えば、海とかさ」
たしかに、彼女は殺し屋だ。
まだ殺し屋として日の浅い僕らとは、勝負にならないほど強いはず。
そう思い、彼女を見ると。
カ「海?」
海「……」
カ「おーい」
カルマくんは海の肩をトントンとたたいた。
海「ふぇ⁉」
カ「どうかした?」
海「え、何が?」
カ「いや、ボーッとしてたから」
?
なんか、上の空だ。
そんな僕らを無視して、イトナくんはしゃべり続ける。
イ「俺が殺したいと思うのは、俺より強いと思うやつだけ、この教室では殺せんせー。あんただけだ」
殺「強い弱いとはケンカのことですか、イトナくん。ただの力比べではせんせーには勝てませんよ」
イ「勝てるさ。だって俺たち、血を分けた兄弟なんだから」
⁉
皆「兄弟ーーーーーーーーー!?」
イ「兄弟同士、小細工はいらない。放課後、この教室で勝負だ」
そう言って、イトナくんは教室からシロと共に立ち去った。
僕らはそれを呆然と見つめ、それから。
片「ちょっとせんせー、兄弟ってどういうこと⁉」
菅「そもそも人とタコだぜ⁉」
ドサッ
海は床に倒れていた。となりにいる律を支えにしながら、なんとか立ち上がっていた。
僕は慌てて海に駆け寄った。
渚「海、大丈夫?」
海「あ、うん。平気…」
殺「海さん、本当に大丈夫なんですね」
海「うん…。ごめん、心配かけて」
彼女はよろよろと立ち上がりながら、思いついたように言った。
海「あのさ、せんせー。今日は早退してもいいかな」
殺「!? やはりどこか具合が…」
たしかに、顔は青白かった。
海「平気だよ。ただ、ちょっと今日は…あ、でもどうしよう。今日は数学あるんだっけ。だったら…」
渚「休むべきだよ」
海「…そんなにヤバそうに見える?」
僕はうなずいた。
他のみんなもうなずいている。
殺「数学はあとでどうとでもなりますよ。問題は今日の授業が受けられるほどの体調ではないことです。大事をとって、今日は帰りなさい」
海「う…、はい」
海はゆっくりと立ち上がった。
茅野が海のカバンに教材などを入れて、彼女に手渡した。
海「ありがと、カエデ」
茅「ううん」
海はふらついた足取りで帰っていった。
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思ったより、長くなってしまった。