暗殺教室〜もうひとつの物語〜Part4♪

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349:凪海:2016/04/01(金) 03:12 ID:XOs

アニメをリアタイで見て、無性に書きたくなったから書く‼

>>348

 E組に点が入ってる。
 きっとそれだけで、驚きなんだろうな。

前「はんっ、どうよ。こっちはあれ相手に練習してんだぜ」

練習中

殺「殺ピッチャーは時速300キロの球を投げ、殺内野手は鉄壁の守備を敷き、殺キャッチャーはささやき戦術で集中を削ぎます……」

 まさか、あんなめちゃくちゃな特訓がこうして実を結ぶんだから不思議だ。

菅「これなら勝てるんじゃねぇの?」

 海はバッドを地面にコツコツたたきながら、試合を見ていた。

海「どうかなぁ。あれ、見なよ」

 海の指さした方向を見ると、敵側ベンチ。

渚「あ‼」

一方、女子

片「惜しかったね、次リベンジ」
茅「ごめんね、みんな。私のせいで……、なんか女バスのぶるんぶるん揺れる胸を見ていたら怒りと殺意で目の前が真っ赤に染まって……」
岡野「茅野っちのその巨乳に対する憎悪はいったい何なの⁉」

海「あ、女子が来た」
千「どうやら終わったみたいだな」
速「そっちはどう?」
菅「順調だよ。で、今から理事長が向こうの指揮を執るところ」

 理事長の采配は半端じゃなかった。
 だいぶ常軌を逸していた。
 そもそもバントばかりのE組。なんとか進藤くんのボールに食らいつくことができたけど……。

杉「前進守備……」

 これじゃあ勝ち目がない!

E組守備

殺「カルマくん」

 外野守備をしているカルマの足元に、殺せんせー……殺監督が地面からボコッと現れた。

カ「何、殺監督。踏んでほしいの?」
殺「次の攻撃は君からです。少し君の挑発で揺さぶってみましょうか」

E組攻撃

審判「どうした、早くボックスに入りな……」
カ「ねぇ、りじちょー」

 カルマは審判を無視して大声を出す。

カ「守備がこんだけ前の位置で守っていても、審判も観客も誰も注意しないっておかしくね? あぁ、そっか。お前らバカだから、守備位置とか理解してないんだね」
皆「がたがたうるせぇぞ、E組のくせして‼」

 カルマはペロッと舌をだしながら、

カ(ダメみたいよ、監督)
殺(それでいいんです。口に出してはっきり言うことが大切なんです)

審判「次、バッター!」
竹「次は誰?」
渚「え、あ、ちょっと海」
海「うん?」
渚「次だよ、バッター」
海「え、嘘。もうそこまで来たの?」

 海は慌てて立ち上がった。

渚「海、バット。忘れてるよ」
海「え⁉ あ、本当だ」
皆「ハハッ、これだからE組は」

 海はバッターボックスに立つと構えの姿勢をとらず、守備位置をじっと見ていた。

海「ねぇ、いいの? こんなに前にいてさ」
皆「はぁ⁉」

カ「何言ってんだ、海。俺がさっき挑発したのに。渚くんわかる?」
渚「僕に聞かれても……」

 進藤から第一投が発射される!
 海はそれをじっと見つめて……、

渚「………」

 なんてへっぴり腰なんだろうかと、その場にいた全員があきれた。
 海は思い切りフルスイングをしたあと、くるりと一回転をして地面に尻餅をついた。

杉「何がしたいんだ、あいつ」
菅「さぁ?」

皆「ハハッ、あいつバカだろ!」

カ「敵側にむっちゃバカにされてんじゃん」
渚「あ、もしかして!」
カ「うん?」

 続いて、第二投。
 海はにやりと微笑んだ。
 バットをそのまま、振って……。

 キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン

 小気味よいいい音。

渚「う、打った!」
海「ほぅら、だから言ったじゃん。あ、守備の皆さん、走っても無駄だよー。だってその球、」

 ストンと、落ちた。
 場内ではなく、外側に。

海「ホームランだもん」


凪海:2016/04/01(金) 17:11 ID:XOs [返信]


 僕らが呆れて見守るなか、海は普通にホームインしてしまった。

杉「すげぇな、海!」
海「いや、全然すごくないよ。だってほら、あの……シンドウくんだっけ? 彼、全然心折れないのな。普通ホームランくらわされたら茫然自失になるだろうに」
前「ま、そりゃそうだよな。理事長の洗脳を受けちゃってんだから」
海「僕はもう仕事したよ。あとは君ら次第ってことで」
カ「はーい」

 海はきっと、自分が打てるとわかっていたんだ。
 彼女の転校初日、バットで殺せんせーを打った。あれほどの力がありながら進藤くんの球を打てないなんてありえないもの。あとは進藤君の球を目でとらえられるほどの動体視力があればの話だ。
 ともあれ、守備につこう。

E組守備

渚&杉「な⁉」

 バント!

海「杉野、ボーッとすんな! 急いでファーストに投げろ」
杉「え、あ、おう!」

 ファーストはアウト。ただ、セカンドランナーは走って3塁に行っている。

海「……どうすんだよ、カルマ。お前、どうせ何か策あんだろ」
カ「さぁね……、まだ監督から指示が……。あ、次のバッターってさ」

 でてきた、進藤くん!

進「踏みつぶしてやる、杉野!」
杉「………っ」

殺「カルマくん」

 カルマが下を向くと、殺監督がいた。

殺「先ほどの挑発が活きるときがきました」
カ「あぁ、なるほどね。おーい、磯貝。監督からしれー」
磯「?」

海「うっわぁ……、ねぇ、殺せんせー。怪我とかしないの?」
殺「大丈夫ですよ」

 カルマくんと磯貝くんは進藤くんの前に立っていた。バッターボックスにいる進藤くんの前に。

カ「さっきそっちがしたときは、審判は何も言わなかった。文句ないよね、りじちょー?」
理事長「構わず振りなさい、進藤くん」
進(まじかよ……)

 進藤くんのフルスイング!
 僕は怖くなって思わず目をつむった。
 けれど……。

渚「⁉」

 カルマくんも磯貝君も普通に避けていた。

海「へぇ」
殺「カルマくんと磯貝くんの動体視力はE組でも群を抜いています。進藤くんのスイングを避けるなど、私を捕まえるよりたやすいでしょう」
海「僕も参加したかったなぁ……」

カ「駄目だよ、そんなおっそいスイングじゃ。次はさぁ」

 カルマくんはにやりと微笑む。

カ「殺すつもりで振ってごらん?」

 進藤くんはこの時点で、理事長の戦略についていけなくなった。
 観客もみんなも、野球の形をした異様な試合にのまれていた……。

進「うっわぁぁぁぁぁ‼」

海「あーらら」

 ボールがポテンと落ちた。それをカルマくんが受け止め、僕に投げてきた。
 僕は慌てて受け取り、それを磯貝くんの指示で3塁の木村くんに投げて、ゲームは終了となった。

杉「ふぅ……」


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